【アイシールド21】神龍寺ナーガは最強の絶対王者！ヒル魔と金剛阿含の関係とは？

神龍寺ナーガについて紹介する前に神龍寺ナーガが登場するアイシールド21について簡単に紹介していきます。

アイシールド21は気弱な高校生小早川瀬那がその走りをヒル魔に見込まれ強制的に「アイシールド21」としてアメフト部の選手にされてしまう所から始まります。助っ人まみれで挑んだ春大会にて最強のラインバッカー進と戦い初めて心底勝ちたいと思いアメフトにのめり込んだ小早川瀬那はその後も新しく加わる個性豊かなメンバーと共にヒル魔に振り回されながらも試合に挑んでいきます。

アメリカでの強化プログラム「死の行軍（デスマーチ）」を成し遂げた泥門デビルバッツのメンバーは秋大会に出場、数々の高校と戦いながら順調にトーナメントを勝ち進んでいきます。東京都大会をギリギリ関東大会出場権を獲得出来る3位で通過すると関東大会の初戦で当たったのは今回紹介する神龍寺ナーガでした。

アイシールド21はその人気の高さから2005年から2008年にかけてアニメ化されています。原作全37巻の内、今回紹介する神龍寺ナーガ戦の次戦である王城ホワイトナイツ戦まで、原作でいう27巻の途中までがアニメ化されています。

神龍寺ナーガは神奈川にある作中では珍しい男子校で学校としても神奈川屈指の進学校として知られている高校です。初出場から9年間神奈川県大会、関東大会では無敗の9連覇を達成していますがアイシールド21における高校アメフトは関西に絶対王者である帝黒アレキサンダーズがいる為、全国では2位のチームになっています。

アイシールド21の中で神龍寺ナーガの戦歴が分かるの試合は泥門戦を含めて6戦あります。春大会では関東大会の準決勝で王城ホワイトナイツ相手に41-3で完勝したのを筆頭に、秋大会でも決勝の太陽スフィンクス戦までは126点、87点、93点と獲得し守備は完封、太陽スフィンクス戦で6点を失うものの試合自体は61vs6で勝利を収めています。

アイシールド21と言えば選手はもちろんその高校の色を体現したような監督の登場も面白さの1つになっていますが神龍寺ナーガの監督は仙洞田寿人が務めています。仙人のような風貌と振る舞いをする老人で異常と言っていい程の徹底した才能・実力主義者でもあります。それ故に才能の塊である阿含や一休のような選手の暴走を止める事が出来ず結果それが神龍寺ナーガの敗北に繋がる事になります。

泥門デビルバッツvs神龍寺ナーガには数々の因縁がありますがその中でも一番強い因縁と言えるのが阿含とヒル魔です。全くと言っていい程練習をしなくてもその強さを発揮するまさに天才である阿含に対し、ヒル魔は奇策や知謀こそ高いものの個人の能力としては凡人です。この2人の因縁が泥門デビルバッツvs神龍寺ナーガの大きな要素となります。

2人は実は中学時代からの知り合いです。と言っても親友でもなければ友達というわけでもありません。お互いがお互いの性質を理解して利用し合う関係だったのです。ヒル魔から見れば阿含が暴れてくれれば脅迫手帳のネタが仕入れやすくなり、阿含から見れば好きに暴れてもヒル魔の脅迫手帳によって後始末を任せられる存在でした。そこに友情は一切なくまさしく利害の一致だけの関係を築いていたのです。

神龍寺ナーガのエースと言っていい存在が金剛阿含です。セナから第一印象で「純粋な悪」と評される程作中でも徹底した悪役で同時に元祖泥門の宿敵とも言える相手です。ドレッドヘアとサングラスという出で立ちをしており、普段から喧嘩なども圧倒的に強く、粗暴で非常に素行が悪いです。基本的には他者を見下していますが一休だけは認めており試合中でもマメにコミュニケーションを取るなどしています。

凶暴な性格に加えて恐ろしいのがその身体能力です。アイシールド21の名物実況者マシンガン真田に「神速のインパルス」と命名される驚異的な反応速度を持っており、同時に神龍寺特有の武術にも秀でています。40ヤード走4秒4に加えベンチプレス130kgと数値で見ても高い万能性を持っており、普段はワイドレシーバーとして出場していますがクォーターバックやディフェンスなどもこなす事が出来ます。

阿含はその性格の悪さを試合中でも遺憾なく発揮してきます。神龍寺ナーガの選手は総じて武術を学んでおり、阿含はその武術も得意としていますが他の選手は必要に応じて使うのに対し、不必要な場面でも何の躊躇いもなく使います。

圧倒的な才能を誇る阿含に対し凡才扱いを受ける代表的なメンバーが阿含の双子の兄である金剛雲水です。視野の広さとその視野を活かした正確なパスが武器で同時に崩れそうになるチームに活を入れるなど高い統率力を持ち合わせています。一方で化物と言える阿含と比較される為にメンバーの中でも凡才代表的な扱いを受ける事が多いです。実際原作においても今回のメンバー一覧の中で唯一ワールドカップメンバーに選ばれませんでした。

そんな雲水と阿含が組んで行う神龍寺ナーガの必殺技が双子ならではの連携を見せるクォーターバック2人体制となる「ドラゴン・フライ」です。これはかつて日体大が得意とした戦法と言われ泥門戦では阿含の提案で最初からこのドラゴン・フライが使われる事になりました。神龍寺ナーガでは更に一休も加えたクォーターバック3人体制「ゴールデンドラゴン・フライ」も使う事があります。

どう見ても目に余る阿含の所業が許容されているのは監督の実力主義ももちろんですが雲水の覚悟にもあります。阿含が生み出す不利益は自らがかぶると決意しそれを監督にも伝えているのです。自身に阿含のような才能は一切ないと認めながらも「最強の凡人」を目指して努力しているのが金剛雲水です。

神龍寺ナーガの主要なメンバー一覧の中でもあまり活躍が目立たなかったのが山伏権太夫です。主要メンバー唯一の3年生で主将も務めています。

今回の主要メンバー一覧の中でも目立った活躍の無い山伏権太夫ですが元々神龍寺ナーガにスポーツ推薦で入学出来る高い実力を持った選手です。その証拠に泥門戦や王城戦で栗田や大田原などを相手に負けないパワーと機動力、テクニックを持ち合わせています。

3年生の中では飛び抜けた選手である事には間違いありませんが、その性格はかなり優しい性格で常々阿含と比較される雲水を気遣ったり、モン太に競り負けた一休にフォローを入れるなど気配り上手です。しかし反面気の強い阿含や一休に気後れする場面も多く、また追い込まれると弱気になりやすい性格でもあります。

神龍寺ナーガのコーナバックとして登場する主要メンバーの1人が細川一休です。阿含が興味のない試合には平気で遅刻する為、スプリットエンドとして攻撃にも参加する事が多く、実質的に神龍寺ナーガのエースでもあります。

一休の特徴と言えるのがその奇抜な髪型です。おでこの大きなほくろと逆立った髪型は作中でもかなり特徴的な髪型をしている選手です。

一休の最大の長所がバック走です。一休は40ヤード走4秒7というスピードに合わせ背中側に走るバック走でも4秒89とほとんど変わらない速度で走る事が出来ます。その為相手選手の動きに合わせて動く必要があるコーナバックとして高い才能を発揮し、試合中でも非常にインターセプトが多い選手です。その才能から阿含に唯一認められている存在でもあります。

原作において泥門デビルバッツと神龍寺ナーガの試合が開始されたのが20巻です。泥門の攻撃で始まったこの戦い、ファーストプレイは石丸がボールを拾って始まりますが迫り来る神龍寺ナーガのプレッシャーにボールをファンブル、モン太がこのボールを抑える事で泥門は攻撃権を死守しますがその事が一休に火を付けます。

一休とモン太の一騎打ちは一休の圧倒的な実力を示される事になります。1度目の攻撃では一休を振り切れず他にもパス相手がおらずに攻撃失敗、2度目の攻撃では確実性の高いモン太への超ショートパスを選択しますがそれも一休にインターセプトされてしまいます。

阿含側も泥門を意識している為か阿含は普段出ない守備にも参加して徹底的に泥門を圧倒します。セナのブリッツも手刀で撃沈させ、立ちふさがったヒル魔もなぎ倒して悠々のタッチダウン。守備でも攻撃の全てを阿含に止められていしまい、さらに神龍寺ナーガは早々にドラゴン・フライを使い泥門デビルバッツを圧倒する事になります。阿含はセナを簡単に止めてしまい、泥門デビルバッツに攻撃らしい攻撃を全くさせませんでした。

泥門デビルバッツの攻撃が全く進まない間も神龍寺ナーガの猛攻は続きます。ムサシが特大キックオフで距離を稼ぐも神龍寺ナーガは当然のようにビッグリターンを決め、ドラゴン・フライでどんどん距離を稼いでいきます。泥門デビルバッツの自殺点も合わさりボーナスも確実に決めていく神龍寺ナーガは前半で32vs0と圧倒的な差をつけるのです。

雪光の投入とヒル魔とモン太のヘイルデビルパスによって点差を詰め始める泥門デビルバッツ。しかしやはり阿含を倒さない事には活路を見出す事は出来ません。セナはこれまで守備で再三に渡って阿含にブリッツをしかけては破られていましたがここでヒル魔の戦術により「敢えて阿含を無視する」という作戦で雲水にブリッツ。この奇策があたり泥門デビルバッツはボールを奪取する事に成功します。

ボールを奪取したセナはゴールに向かいますが当然阿含が黙っているはずがありません。神速のインパルスで反応した阿含がセナに迫り2人の一騎打ちとなります。阿含の繰り出した手刀を捨て身でブロック、さらに自分からも腕を伸ばす事で意識を腕に集中させます。デビルバッドゴーストも絡め最後には阿含が反応出来ない死角かたヘルメットを押さえつけて倒しタッチダウンを決める事に成功します。これで点差は7点差になりました。

神龍寺ナーガは一休も加わったゴールデンドラゴンフライで時間を潰す策に出ます。時間をかけながら少しずつ進んでいく戦略に泥門デビルバッツはなかなかボールを奪う事が出来ません。泥門デビルバッツがなんとか攻撃権を得た時には試合時間は残り1分に迫っていました。フィールド内で倒されると時計は進んだままである為、時計を止めながら進む事になります。

ここでヒル魔は攻撃権を捨てる代わりに時間を止める「スパイク」を使って時間を止めるのでした。攻撃が終わったらすぐに再開してスパイクをして時間を止める、この戦術で泥門デビルバッツは少しずつその距離を進めていきます。

当然それだけでは間に合うはずもなく試合時間残り20秒でゴールまで59ヤードという所で泥門デビルバッツお得意の奇襲に出ます。これまで雪光が多用していたボールをスナップする時1人だけ動いていいというモーションをモン太が使い助走を付けて一休を振り切りロングパスを敢行するのです。このパスは一休が軌道を逸らしながらもモン太はキャッチし、ゴールに走ります。

この時も立ちはだかったのは阿含です。神龍寺ナーガの中で唯一阿含だけはこの作戦を見破っていたのでした。さらに阿含はスパイクさせない為にわざとスタート地点から距離を取った所でモン太を倒す作戦に出るのです。結果モン太は倒されてしまいますがモン太は倒される直前にフィールドの外の芝生を掴み取りフィールドの外に出ていました。当初はこのまま試合終了かと思われましたが残り時間4秒まで巻き戻される事になります。

モン太が掴んだ奇跡的な空気を利用するというヒル魔。観客に声援がいると煽りまくります。しかしこの煽りこそヒル魔の狙いでした。

ヒル魔は自分自身を無視させ直接セナにボールをスナップさせます。神龍寺ナーガの虚をついた中セナが走りますがそこからセナが完全にフリーになったヒル魔に再度ボールをトス、ヒル魔はゴールに向かってかけます。ここでも立ちはだかろうとする阿含でしたが、阿含の知る過去よりも足が速くなっていたヒル魔はこれを振り切り起死回生のタッチダウンを決め残り1点まで点差を詰めるのです。

満身創痍の泥門デビルバッツはボーナスゲームで1点を獲得しても延長戦を戦う力が残っていない為逆転を狙いに行きます。対する神龍寺ナーガもボーナスゲームでタッチダウンを許した事がないです。ラインにムサシとヒル魔も加わったパワー勝負を仕掛けますがそれでも開かない神龍寺ナーガの壁にヒル魔は空中にボールをトス。空中キャッチをしながらのデビルバットダイブ、スカイデビルバットダイブを試みてます。

阿含が叩き落とそうとしますがそれを防いだのが栗田でした。セナも空中で一度ファンブルしかけながらも最後にはしっかりキャッチを成功させ奇跡の大逆転タッチダウンを決めるのでした。

ここからは既にアイシールド21を視聴した人の感想を神龍寺ナーガに関連するものを抜粋して紹介していきます。

アイシールド21の神龍寺ナーガ戦はスポーツ漫画の中でも屈指の名試合という声が多いです。阿含とヒル魔の関係性を筆頭に雪光の活躍やモン太vs一休、セナvs阿含などそれぞれの選手のぶつかり合いが面白かったという声が非常に多くなっています。

神龍寺ナーガの選手の中ではやはり阿含の人気が圧倒的に高いですが、引けを取らないくらいに人気なのが上記メンバー一覧では凡人とした雲水です。その境遇はもちろん、敵校の選手ながらその心情なども深く描かれています。中でも上記ツイートの画像にあるようにワールドカップ編での雲水の後悔は涙なしには見れないという声が多いです。

泥門デビルバッツvs神龍寺ナーガには名シーンが多いですが中でも良かったと言われるのが最後の決着の付け方です。スカイデビルバットダイブによって上に立つセナとその下の泥門デビルバッツのライン陣に押しつぶされる形になった阿含という構図が明確に乗り越えたような形になっているのが良かったという声が多くなっています。

神龍寺ナーガは泥門デビルバッツに負けず劣らず強烈な個性を放つアイシールド21屈指の試合が描かれた作品です。今回メンバー一覧で紹介した主要メンバー以外にも試合での活躍とは別に個性的なサブキャラも多く見た目や主要メンバーとの絡みで作品を盛り上げてくれます。関東の絶対王者としてその強さを遺憾なく発揮したと言えるチームです。

今回メンバー一覧で紹介した主要メンバーのうち雲水以外はワールドカップのメンバー一覧にも名を連ね、雲水はその物語の性質上外されましたがワールドカップのメンバー一覧に名を連ねていても不思議ではない実力を持っています。神龍寺ナーガ戦はアイシールド21でも屈指の盛り上がりを見せる試合なのでぜひ1度視聴してみてはいかがでしょうか？