2019年02月14日公開
2019年02月14日更新
約束のネバーランドの感想・評価ネタバレ!緻密な設定で面白い【漫画】
2019年1月からノイタミナでアニメが始まった『約束のネバーランド』という漫画は現在週刊少年ジャンプで連載中と面白いと噂の漫画です。今回はこの『約束のネバーランド』という漫画についてネタバレを含めてみなさんの感想や評価をご紹介していきます。また『約束のネバーランド』に隠された緻密な設定、伏線などもネタバレでどんどんご紹介します。いろんな人の感想や評価をご覧になってぜひご自分のものと照らし合わせてください。ネタバレを含みますのでこれから読みになる方はご注意ください。
目次
約束のネバーランドとは?
それではまず『約束のネバーランド』とはどういう漫画なのか、作品情報や原作の白井カイウ先生、作画の出水ぽすか先生などについて簡単にご紹介していきます。
約束のネバーランドの作品情報
『約束のネバーランド』は現在週刊少年ジャンプで連載中の少年漫画です。ダーク・ファンタジー、サスペンス、ホラーに分類されています。2016年35号から連載をスタートさせてから2年弱が経ち、今もなお人気漫画として週刊少年ジャンプで連載中です。今後が期待される週刊少年ジャンプ一押しの面白い漫画です。
連載当初から『従来の『週刊少年ジャンプ』作品とは一線を画している』と評価されていたこの『約束のネバーランド』は良い意味でジャンプらしくないとまたたく間に話題になり、マンガ新聞にも取り上げられました。連載当初から既に話題になっていたことからここまで面白いと評価されて人気が出ることは運命で始めから決まっていたのではないかとも錯覚を覚えます。
約束のネバーランドの作者
『約束のネバーランド』は原作と作画の2人の先生で連載をしています。まずは原作の白井カイウ先生についてご紹介します。白井カイウ先生は一般企業に勤める会社員だったそうです。しかしプロの漫画家を志しその会社を退職されました。その後ネット漫画サイト『少年ジャンププラス』で読切作品『アシュリー=ゲートの行方』で漫画原作のデビューを果たします。このデビュー作品の時は作画はRickey先生が担当されていました。
作画の出水ぽすか先生は漫画家であると同時にイラストレーターとしても活躍されています。『少年ジャンププラス』で白井カイウ先生とタッグを組む前は、主に児童漫画を手がけてきました。原作、あきやまただしさんの『はなさけ!はなかっぱ』は子供に大人気の漫画ですが、そちらの作品にも携わっていたようです。月刊コロコロコミックなどで連載をしており、その後『少年ジャンププラス』で白井カイウ先生に出会います。
実は白井カイウ先生と出水ぽすか先生は『約束のネバーランド』の前にも読切漫画作品でもタッグを組んでいました。『少年ジャンププラス』で掲載された読切漫画『ポピィの願い』です。こちらの漫画が2016年の2月18日に配信されています。そして同年週刊少年ジャンプ本誌でこの『約束のネバーランド』の連載をスタートさせることになるのです。
ノイタミナ枠でアニメ化
前述しましたが、この『約束のネバーランド』という漫画は面白いという評価が高まり、2019年1月からノイタミナ枠でアニメがスタートしました。ノイタミナと言えば今まで数多くの名作のアニメ放送してきたことで有名です、代表的な漫画だと、『ハチミツとクローバー』、『のだめカンタービレ』、『図書館戦争』、最近では『恋は雨上がりのように』、『ヲタクに恋は難しい』などなど挙げだしたらきりがありません。
そんなノイタミナ枠でアニメが放映されると発表さが『約束のネバーランド』にさらなる話題を呼び、今では週刊少年ジャンプを代表する面白い漫画に成長しています。アニメOP主題歌をUVERworldが手がけるなど力の入れ具合もハンパなものではありません。AmazonPrimeVideoが独占配信を大第的に宣伝するなど、立派なビッグタイトル扱いです。
コミックスは
『約束のネバーランド』は現在コミックスは既刊12巻です。最新刊の12巻が発売されたのが今年の1月4日なので13巻もそろそろ出る頃だと思われます。2018年11月の時点ではシリーズ累計発行部数は全世界870万部以上にものぼり、今もなお記録を更新中です。
コミックスが発売される度にネットには感想や評価を書き込む人で溢れており、いろんな人の感想や評価を見るには困らない状況です。また人によっては深く考察している方もおり、伏線などをネタバレを含めて紹介されている方はたくさんいらっしゃいます。自分でいろいろと考察するのももちろん楽しいですが、読者数が多いこの『約束のネバーランド』は他の方の考察、感想、評価を見るのも1つの楽しみだと言えます。
約束のネバーランドのあらすじネタバレ
それではここで『約束のネバーランド』という漫画のあらすじを簡単にではありますがご紹介いたします。ネタバレを含みますのでこれから読みになる方はご注意ください。
あらすじネタバレ:孤児院
物語の主人公エマ、ノーマン、レイはたくさんの子供達と一緒に孤児院で暮らしていました。エマ達のいる孤児院はグレイス=フィールド(GF)ハウスと呼ばれ、そこには本物の母親以上に優しくしてくれるママ(マム・イザベラ)がいて、血の繋がりはないたくさんの兄弟、姉妹がおり、おいしい食事に暖かな寝床と十分な教育、何不自由ない生活ができていました。
特に教育に関しては特殊なテストなどが実施され、エマ、ノーマン、レイはいつも満点で飛び抜けた頭脳を持っていました。しかも頭脳だけでなく、身体能力まで高いというおまけ付きです。
この孤児院の子供達は6歳から12歳の間に里親に引き取られるという制度がありました。里親が見つかり、孤児院の外へ行くということはエマ達からすればそれは寂しいものでしたが、それと同時に彼らに本当の家族ができるのだと心から祝福できるのものでした。
あらすじネタバレ:コニーの死体
ある日、コニーという女の子が里親が見つかり孤児院を出ることになりました。エマ達も当然祝福をしてコニーを送り出したのです。しかしコニーが出ていった後でエマはテーブルの上にあるうさぎのぬいぐるみに気が付きます。それはコニーがいつも大切に持ち歩いていた”リトルバニー”と呼ばれるうさぎのぬいぐるみだったのです。
コニーが出ていってまだそんなに時間も経っていないと、優しいエマは”リトルバニー”をコニーに届けようとノーマンと共に孤児院を抜け出し、近づいていはいけないと教えられている『門』まで行くのでした。しかしエマとノーマンがそこで見たものは信じられない光景だったのです。
そこには先程幸せな笑顔で出ていったコニーの姿はなく、心臓をバラのような植物で射抜かれて息絶えているコニーの姿でした。エマとノーマンは当然ですが状況を理解することができません。しかしそこでさらに信じられないことが起こります。
何者かが近づいてくる気配を感じて、エマとノーマンは車の下に隠れます。そして部屋の中に入ってきたものを目の当たりにしました。尖った爪、ひしゃげた身体、ギョロリとした目玉、それらは孤児院にある絵本で見た”食人鬼(おに)”そのものでした。その”食人鬼(おに)”はコニーの死体を瓶詰めにするとおいしそうだなあ、食べたいなあと呟きます。
この孤児院は”食人鬼(おに)”に出荷する”食用児(にく)”を育てるための農園だったのだとエマとノーマンは理解しました。そして信じていたママは自分達を”食人鬼(おに)”に差し出す農園の管理人だったのです。
あらすじネタバレ:脱走劇
いろいろなことが頭を巡って混乱に陥る中、エマとノーマンは孤児院の建物まで逃げます。泣き崩れるエマにノーマンは逃げようと言います。エマとノーマンとレイ、この3人であればここを逃げ出し、そして外の世界で生きていけるはずだと、ノーマンはそう言いました。しかしエマにはそれができません。ここにいる大切な兄弟達は残していけば”出荷”されて”食用児(にく)”にされてしまうのです。
それをわかっていながら自分だけ逃げるなんてことは心の優しいエマには到底できなかったのです。そのエマの気持ちを慮ってノーマンはならば全員で逃げよう、逃げる方法を考えようと笑いかけます。そしてエマとノーマンはレイに、自分達の次に年長のドンとギルタに事情を説明し、全員でこの孤児院、いいえ、農園を逃げ出すことを心に決めたのでした。
約束のネバーランドのネタバレ感想や評価は?
それではここで『約束のネバーランド』単行本1巻から最新の12巻までに関するネタバレ感想や評価をご紹介しようと思います。ネタバレを含みますのでこれから読みになる方はご注意ください。
『約束のネバーランド』単行本1巻のネタバレ感想
『約束のネバーランド』単行本1巻には第1話から第7話まで収録されています。まず読者が思ったことがこの『約束のネバーランド』という漫画がものすごく”無理ゲー”ではないかということです。この漫画は脱獄ファンタジーと言われることがありますが、しかしこの『約束のネバーランド』では脱獄することが最終目標ではないのです。エマ達は家族全員で生きて脱獄して、この世界で家族全員で安全に安心して暮らすことが目標なのです。
そう考えるとハウスにいる子供達はまだまだ幼い子供達もいるし、脱獄するためにはものすごく頭のキレるマム・イザベラに頭脳戦で勝たなければいけません。また外へ出られたとして、エマ達が無事に生きていけるかという保証もありません。しかも安全な場所にたどり着いたとしてもそこで安心して暮らしていけるのか、などなど考えれば考えるほど絶望しかないという感想しかありません。
しかしそこはエマ達主人公に頑張ってもらうしかありません。絶対に不可能と思われるような状況でも諦めずに立ち向かってほしいという感想や今後の展開に期待する感想が多々見受けられる、それが『約束のネバーランド』単行本1巻になります。
それではここで『約束のネバーランド』単行本1巻が発売された当時の感想をTwitterでみてみます。
あと現在(私の中で)激推し中の
— もちこ♂垢変え (@monpii5656) December 18, 2016
約束のネバーランド。
単行本1巻でてるので読んでみて面白いよ。私の大好きな緊張感ある世界観…… pic.twitter.com/cw0754uUM4
『約束のネバーランド』の緊張感のある世界観にハマってしまっている方も多いようです。まだ読んだことがない方はこの機会にまずは単行本1巻を購入して読んでみてほしいです。
『約束のネバーランド』単行本2巻のネタバレ感想
『約束のネバーランド』単行本2巻には第8話から第16話まで収録されています。その大半はエマ達とマム・イザベラの心理戦&頭脳戦がメインになっています。この心理戦&頭脳戦については上手くいけば『デスノート』並の漫画になるのではないかと感想に書いている読者も多く、評価が高くなっています。
『約束のネバーランド』単行本3巻のネタバレ感想
『約束のネバーランド』単行本3巻には第17話から第25話まで収録されています。この単行本3巻はマム・イザベラともう1人本部からやってきたシスタークローネという人物の駆け引きが大半になっています。2人のやりとりに引き込まれている間にいつの間にか農園の核心にも迫っている重要な巻になります。ここでまた読者の間で様々な感想や考察が生まれることになります。
『約束のネバーランド』単行本4巻のネタバレ感想
『約束のネバーランド』単行本4巻には第26話から第34話まで収録されています。ここでは物語が急展開します。マム・イザベラの口からノーマンが出荷されることを告げられるのです。
これには読者も驚いたようで、ノーマンに関する考察や感想が溢れました。ノーマンが本当に出荷されるのか、実は出荷を回避できるのか、ノーマンだけが先に脱獄するのではないかなどなどともかくノーマンに生き残ってほしいという感想がたくさんです。
『約束のネバーランド』単行本5巻のネタバレ感想
『約束のネバーランド』単行本5巻には第35話から第43話まで収録されています。ついに農園をエマ達は農園を脱出することに成功します。そして外の世界でのサバイバル生活を余儀なくされます。この単行本5巻は頭脳戦は一旦お休みで、”食人鬼(おに)”から逃げ切ることに重点を置いたサバイバル要素が強い巻になっています。
初めての外の世界でエマ達が”食人鬼(おに)”から逃げ切れるのか、また皆を逃がすために囮になったレイは無事に皆に合流できるのか、ドキドキさせられっぱなしという感想が多かったです。また脱出の際に4歳以下の子供達を置いていくとう選択しを取ったエマに関しては成長したなと、まるで子供の成長を喜ぶかのような感想も見受けられました。
『約束のネバーランド』単行本6巻のネタバレ感想
『約束のネバーランド』単行本6巻には第44話から第52話まで収録されています。6巻では外の世界が今どういう状況なのかという『約束のネバーランド』の根底に関わる内容が明かされる重大なお話がてんこ盛りです。まさかそんな状況になっていたとは、してやられたというような感想が多かったです。”食人鬼(おに)”の中でもいろんな考えを持つものがいるというのも今後の展開を面白いものにしてくれそうです。
『約束のネバーランド』単行本7巻のネタバレ感想
『約束のネバーランド』単行本7巻には第53話から第61話まで収録されています。ここでは初めてマム・イザベラやシスタークローネのような”食人鬼(おに)”側の大人以外の大人が登場します。しかし展開としては大きな動きがなく、次の物語へ繋ぐための布石のような巻だったので少し物足りなかったように感じている感想もありました。
『約束のネバーランド』単行本8巻のネタバレ感想
『約束のネバーランド』単行本8巻には第62話から第70話まで収録されています。エマ達はシェルターで出会ったオジサンと共に次の目的地に向かうことになります。しかしそこは想像を絶する苦難が待ち受けていました。野生の”食人鬼(おに)”との戦い、さらわれたエマ、サバイバルアクション要素強めの1冊になっています。
『約束のネバーランド』単行本9巻のネタバレ感想
『約束のネバーランド』単行本9巻には第71話から第79話まで収録されています。この巻ではエマが出会ったルーカスとともにミネルヴァの真意にたどり着く内容になっており、いろいろな真実が明らかにされます。新たに示される内容に心躍るといった感想が多く見受けられました。今後エマ達はどのような動きを見せるのか、今後の展開が楽しみな1冊になっています。
『約束のネバーランド』単行本10巻のネタバレ感想
『約束のネバーランド』単行本10巻には第80話から第88話まで収録されています。いよいよ狩り庭での戦いは始まります。エマ達以外の農園の子供達、生き残って大人になったルーカスなど心強い仲間とともにエマはこの狩り庭を終わらせようと戦いに出ます。エマ達の作戦は成功するのか、物語がクライマックスへと向けて徐々に動き出すゆっくりめの展開に少し物足りなかった読者もいたようです。
『約束のネバーランド』単行本11巻のネタバレ感想
『約束のネバーランド』単行本10巻には第89話から第97話まで収録されています。レウウィスとの戦いもいよいよ佳境に入り、クライマックスへとアクションの迫力が増していきます。絶体絶命の状況からレウウィスがどのような行動になるのか、また合流したレイとオジサンと共にエマは勝てるのか、手に汗握る展開、行き着く間もないスピード感に満足の行く内容だっという感想も多いです。
『約束のネバーランド』単行本12巻のネタバレ感想
『約束のネバーランド』単行本12巻には第98話から第106話まで収録されています。ついに連載100話を突破した記念すべき巻でもあります。新しい家族も増えてシェルターは賑やかになる一方で、確実に追手の手が迫ります。今後エマ達がどう切り抜けていくのか、家族が誰も死なずに生きられるのかという展開に、ドキドキワクワクが止まらないという感想を持つ方も多いようです。
約束のネバーランドの登場人物
それはここで『約束のネバーランド』に登場する魅力的な登場人物についてご紹介していこうと思います。ネタバレを含みますのでこれから読みになる方はご注意ください。
登場人物①エマ
漫画『約束のネバーランド』の主人公の1人です。11歳の元気いっぱい、心の優しい女の子です。農園のテストではいつも300点フルスコアをマークしていました。フルスコアですが、それでも頭脳はノーマンとレイには敵いません。しかしエマにはずば抜けた身体能力がありました。孤児院年長者の中で唯一の女の子で、皆から愛されるお姉さん、もしかしたらママ的な存在です。
ただ感情を優先してしまうことが多々あり、若干合理性に欠けることもあります。そういった面ではノーマンやレイとしばしば対立する場面も見られます。結局エマの強い意志に2人が押し負けることが多く、エマは結果的に一度決めたことをやり通すという強靭な精神力を持っているとも言えます。
登場人物②ノーマン
農園始まって以来の天才と言われるのがノーマンです。頭脳ではレイと互角です。しかし鬼ごっこでエマと渡り合えるほどの身体能力も持っており、総合的にみてスペックが高いと言えます。戦術、分析に長けており、このノーマンという存在自体が『約束のネバーランド』をより面白いものへと仕上げていると言っても過言ではありません。ちなみにエマが好きなようで、自分のことよりもエマの願いを優先させようとする傾向があります。
登場人物③レイ
エマとノーマンと同様、テストで毎回300点フルスコアを叩き出すバケモノ的な頭脳の持ち主がレイです。皆と鬼ごっこをするよりは木陰で読書をするという物静かな少年です。見た目も口調もクールなので誤解されがちですが、家族のことはきちんと愛しており、また年下からは頼られる存在でもあります。
それでもエマと正反対で合理性を優先するため、人情味に欠けることもしばしばありよく対立することもあります。家族の中でエマとノーマンのことは本当に大切に思っており、この2人だけでもと奔走する場面もあります。赤ん坊の頃からの記憶があるという特異な体質のためにこの孤児院が農園であることを始めから知っていたという設定も読者を驚かせました。物語の中で重要な役割を担っているのがこのレイなのです。
登場人物④イザベラ
エマ達のいる孤児院・グレイス=フィールド(GF)ハウスのママをしているのがこのイザベラです。優しく暖かく、エマ達にとっては最高の母親でした。しかしイザベラは自分達を”食人鬼(おに)”に出荷するために農園を管理する敵だったのです。イザベラは恐ろしく頭がよくエマやノーマンと息を飲む頭脳戦を繰り広げてくれます。このイザベラという存在も『約束のネバーランド』が面白いと言われるのに一役買っているのです。
約束のネバーランドの面白い魅力
それでは皆が面白い、面白いという評価をする『約束のネバーランド』の魅力とは何なのでしょうか?ここでは『約束のネバーランド』が面白いと評価される魅力についてご紹介します。ネタバレを含みますのでこれから読みになる方はご注意ください。
面白い魅力①緻密な設定
『約束のネバーランド』の面白い魅力はなんと言っても練り上げられたその緻密な設定にあります。『約束のネバーランド』に登場するキャラクターは主人公のエマ達を含めそのほとんどが子供です。しかし敵は大人のイザベラや農園を支配する未知の生物”食人鬼(おに)”達です。子供VS大人・”食人鬼(おに)”という図式になった場合、普通に考えれば子供であるエマ達に勝ち目はありません。
ここで重要になってくるのが敵と渡り合うために子供をどういう設定にするべきかということになります。この『約束のネバーランド』ではその設定を矛盾なく成立させているのです。それがこの『約束のネバーランド』が面白いと評価される緻密で鮮やかな構成、設定になります。
子供に特殊能力などを持たせると漫画が変わってしまいますし、かと言って子供VS大人の構成を大人VS大人にしてしまうとありきたりになります。そこでこの『約束のネバーランド』ではある設定が設けられています。それはエマを始めとする農園の子供達は英才教育を受けておりめちゃくちゃ優秀であるという設定です。エマ、ノーマン、レイの3人がすごすぎて他の子が霞んでしまいますが、他の子供達もそれなり優秀なのです。
”食人鬼(おに)”にとって食材である子供達が高い知能を得ることはただのリスクでしかありません。しかしそこは”食人鬼(おに)”にとっての高級な”食用児(にく)”というのが、子供、とりあけ6歳~12歳までの能力(知力・体力)が高い子供の脳という設定を作ることで矛盾をなくしています。これによって子供(小さい勢力)が大人や”食人鬼(おに)”(巨大な敵)と戦うための前提がスムーズにできあがるのです。
面白い魅力②考察のしがいがあるストーリー
『約束のネバーランド』の面白い魅力2点目はストーリーに考察しがいがあるというところです。原作者の白井カイウ先生自身もこれには自信があるのか、考察のしがいがあると明言しているようです。これは考察が大好きな、思考系の漫画が大好きな人からすれば格好の獲物なのです。たくさんの人によってネタバレ考察、感想の言い合い、評価のつけあい、これが『約束のネバーランド』の魅力なのです。
面白い魅力③ホラーサスペンスとファンタジーを融合させる絵柄
『約束のネバーランド』の作画を担当する出水ぽすか先生の絵柄は少しメルヘンチックで可愛らしい印象を受けます。背景は微細まで書き込まれており美しいの一言です。この絵柄の可愛らしさがうまくホラー・サスペンスとファンタジーを融合させていると読者からの評価は高いです。一見少女漫画の絵柄にも感じるこの出水ぽすか先生の絵柄こそがホラーの要素を緩和したり、増幅させたりしているのです。
背景は先程言ったとおり細かなところまで書き込まれているので嫌いという評価の方は少なそうですが、キャラクターの絵については賛否があります。あまり好きではないという評価をする方は、出水ぽすか先生のこのキャラクターの絵柄を西洋の人形のような雰囲気がして違和感があると表現しています。
面白い魅力④感情がダイレクトに伝わる表情描写
しかし先程言っていたこのキャラクターの絵柄によってホラーシーンがうまく描かれていると評価をする方はたくさんいらっしゃるようです。なんと言っても不安や恐怖を煽る描写は秀逸で、思わずゾワリとしてしまうようなそんな描写がされています。可愛い絵柄、だからこそこの恐怖感なのでしょう。シスター・クローネとエマのやり取りなどはビクッとなった方も多かったのではないでしょうか?
これが『約束のネバーランド』の魅力の1つでもあります。特別にグロい描写などを使わなくても、物語の中でエマ達が感じているスリルや気持ち悪さがうまく表現されています。それもまたこの『約束のネバーランド』という漫画の魅力なのです。
約束のネバーランドの伏線や謎を考察
それではここで『約束のネバーランド』に隠された伏線や謎を考察したいと思います。ネタバレを含みますのでこれから読みになる方はご注意ください。
伏線や謎①タイトル『約束のネバーランド』の意味
この漫画のタイトル『約束のネバーランド』についての考察です。『約束のネバーランド』を単語ごとに分けると”約束”と”ネバーランド”の2語です。まず先に後ろの”ネバーランド”についてみてみます。”ネバーランド”と言えば皆さんまずはじめに思いつくのは何ですか?おそらくですが大体の方は『ピーターパン』の物語に出てくるあの”ネバーランド”だと思います。
この”ネバーランド”という国は、子供の内にしか行けない国、そこに住むと年を取らなくなり永遠に子供でいられるという国です。そういった意味で考えるとまるでこの『約束のネバーランド』とは無関係のように感じます。
しかし『ピーターパン』に登場する”ネバーランド”という存在は言い換えれば”どこにもない国”と言い換えることができます。そこへ行けば年を取らずに子供のままでいられる、そんな夢のような国が存在するはずがないのです。
そういった意味で解釈するのであれば、この漫画のタイトル『約束のネバーランド』という物語の中で”ネバーランド”とは今の時点で存在していない”どこにもない国”、つまり””食人鬼(おに)”がいない、人間が安全に暮らせる国”という意味合いになりそうです。そんな”ネバーランド”をこれからエマ達が作っていく、そんな内容なのではないでしょうか?
次にタイトルの”約束”についてです。この”約束”という言葉が登場するのは単行本3巻になります。単行本3巻ではエマ達は何か少しでも情報になるものはないかと孤児院の中の図書館で書物を読み漁っていました。するとそこでついにミネルヴァという人物が残した暗号を見つけ出したのです。その中の暗号の1つ、それが”約束”という言葉だったのです。
暗号は”約束”以外にも”農園”、”収穫”など意味深なものがたくさんありました。しかもその”約束”という暗号が書かれていた本には人間とドラゴンのような生き物が退治している挿絵もありました。この挿絵について人によってはまさに”約束”をしている情景でないかと考察しているのです。
この”約束”という暗号が隠されていた本の内容自体は冒険小説、神話のような内容だとレイは言っていましたが、この内容はもしかしてエマ達の世界で実際にあったことを物語というフィクションの形で誰かが残したものなのではないでしょうか?そう考えるとこの”約束”というものはこの世界で何かしら取り決められた、所謂協定のような何かではないかと、そういった考察ができます。
伏線や謎②子供たちの数字の意味
次の謎考察はエマ達、子供達の首筋にされた数字の意味についてです。この番号は子供達の認識番号として首に印字されているようなのですが、何か共通点などはあるのでしょうか?並べてみると下3桁が同じグループが何個かありました。エマは63194、ノーマンは22194、レイは81194、主要人物3人は下3桁が同じ”194”になっています。またエマ達の1個年下のドンは16194、ギルタは65194と彼らも下3桁の数字が同じです。
彼らよりも年下のグループになると、下3桁が”294”のグループと”394”のグループがいるようです。これがどういう意味を持っているかは現時点でも謎のままなのですが、この農園に来た時期によって分けられている、や、この農園にやってくる前、つまり外の世界で生まれた時の施設などの区分ではないかと考察されています。
伏線や謎③クローネ
次の考察は途中でマム・イザベラの応援として孤児院にやってきたシスタークローネについてです。彼女はあくまでシスターでありママではありません。ですが彼女の言動からママという存在はなかなかなれるものでなく、そしてかなり重要なポジションにいることがわかります。
シスタークローネは生き残るためにママになりたく、そしてそのためにはマム・イザベラの失脚が必要でした。マム・イザベラの応援に来たが、マム・イザベラの味方ではない、そこが面白いところです。”食人鬼(おに)”側につく人間の間にもそういった駆け引きがあるのは面白いところです。
そしてシスタークローネは結局夢半ばに散ることになるのですが、その死に際がカッコいいという感想は多いです。シスタークローネはエマ達に謎のペンを残し未来を指し示します。
シスタークローネは実はミネルヴァの仲間だったのか、生き残るためにママになりたかったが本当はこんな世界は嫌で、子供達に自由になってほしかったのか、など死んでしまってこれ以上の考察はできないシスタークローネでしたが、死に際にしっかり読者の心を掴んで物語から退場しました。
約束のネバーランドの感想・評価まとめ
いかがでしたか?今回はアニメ化もされて人気急上昇中の『約束のネバーランド』についてご紹介しました。考察しがいのあるストーリーが魅力的なこの漫画は多くの人々の間で感想や評価がインターネットに書き込まれています。この機会に興味を持たれた方は『約束のネバーランド』を読破後、自分なりの考察、感想、評価を立ててみてください。いろんな人の考察などと自分のものを比べるのもこの『約束のネバーランド』の魅力です。