2019年01月03日公開
2019年01月03日更新
君の名は。を徹底解説!謎・疑問点や瀧と三葉の年齢の秘密までネタバレ考察
この伏線・あらすじの解説まとめでは、新海誠監督の大ヒット映画「君の名は。」の謎、ネタバレあらすじなどを解説していきます。新海誠監督といえば、うつくしい映像とクセの強いシナリオが話題となり、以前にも多くのファンの心を掴んできたアニメーション映画監督です。「君の名は。」では、どんな伏線・あらすじ・考察が人気となり、200億円を超える興行収入の大ヒットとなったのでしょうか。その謎に迫ります。
目次
君の名は。のあらすじネタバレ
この伏線・あらすじの解説まとめでは、新海誠監督の大ヒット映画「君の名は。」の謎、ネタバレあらすじなどを解説していきます。新海誠監督といえば、うつくしい映像とクセの強いシナリオが話題となり、以前にも多くのファンの心を掴んできたアニメーション映画監督です。
しかし「君の名は。」以前の新海誠監督作品は伏線・あらすじの解説が必要な難解さで、どちらかといえば一部のファンからの指示を受ける伏線・あらすじにとどまっていました。それが、東宝のスタッフや数多くのアニメーターなどとチームを組んで伏線・あらすじを制作された映画「君の名は。」では、100億円を超える大ヒット作品となりました。
一方で、数多くの謎が秘められているために、伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説が数多く投稿され、そうした伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説を読まなければほんとうに内容が理解できないといったレビューもある映画「君の名は。」。
果たして、その伏線や謎に関するどんなネタバレ考察が投稿されているのでしょうか。あらすじの伏線や謎に関するネタバレ考察を絡めながら、ひとつひとつわかりやすく丁寧に解説してきます。
瀧と三葉の入れ替わり生活
「君の名は。」は、主人公である瀧とみつはがどうしてか魂だけ入れ替わってしまうところからスタートします。
糸守町の人々と歴史
糸守では、ミツハと瀧のようにあ魂だけ入れ替わってしまう現象が度々起こっていました。特にみつはの母親である双葉とその宮水の一族は、そうした現象を引き起こす源でした。
糸守町の真相
ストーリーの後半で明らかになる通り、実は糸守は三年前の隕石で消滅してしまった震災の待ちでした。
カタワレドキ
かわたれ時は逢魔時とも呼ばれ、あの世とこの世が一瞬だけ繋がる時間。その時間に、瀧とみつはは一瞬だけ時空を超えて会うことができました。
君の名は?
たがいに顔も名前もわからなくなってしまったみつはと瀧ですが、その後、東京の電車に乗っている互いを運命のように見つけあい、再会します。
君の名は。の伏線をネタバレ解説
伏線解説1:時間のズレと年齢の秘密
ふたりの間には現在と過去という時間の壁もはだかっていたことに気づかされます。瀧にとって同じ時間を生きていたと思えた三葉は、実は三年前に生き、そして隕石が落ちた糸守という被災地で命を落とした少女だったのです。こうした映像トリックが魅力となり、伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説を呼び、「君の名は。」の魅力は増していくのです。
伏線解説2:組紐の意味と行方
ファンの間では三葉という名前の謎についてさまざまなネタバレや考察が飛び交っていて、中には新海監督に直接訪ねているファンもいました。その中には、ニコニコ動画出身の歌い手やなぎなぎさんの『三つ葉の結びめ』という曲がありますが、これもまた新海監督のお気に入りの曲で、一時期タイトル候補の「三葉の結び目」として上がっていたと言います。
伏線解説3:口噛み酒とカクリヨの意味
「君の名は。」は、東宝アニメーションの制作スタッフが徹底的に企画打ち合わせ・シナリオ打ち合わせに関わり、新海監督作品のとっつきにくいところにダメ出しをしていった成果だというのは、よく言われていることです。それでも新海監督のこだわりで女子高校生の唾液から作った「口噛み酒」という設定が残ってしまったというのは、一部の感想では「気持ち悪い」と言われる要因になってしまっています。
伏線解説4:宮水家と彗星
三葉の母は病にかかり、やがて死に至りますが、死に至るまでの過程はふつうとはすこし違っていました。三葉の母である二葉は西洋医学を頼ることもせず、自分の命については諦めたように死を受け入れるような態度だったのです。実は、三葉や瀧と同じように宮水の巫女の力によって、男女の入れ替わりを経験していた三葉の父もまた、宮水の秘密を知る一員でした。
伏線解説5:彗星と壁画
三葉の母である二葉は、自分の死は自分1人のものではなく、実は宮水の一族や、糸守全体の運命と一体になっているものだと理解していました。そのため、自分の命がたとえ終わろうとも、三葉にその運命を託し、再び時間を超えてであることができると三葉の父に語っていたのです。
伏線解説6:お互いの名前を忘れた理由
三葉と瀧は作品のなかでなんども入れ替わりを経験しながら、時間と運命の狭間で時に違いの名前すらわからなくなりながらも、最後には運命の出会いを果たします。ふたりの間にあるのは距離だけかのように思えますが、瀧にとって同じ時間を生きていたと思えた三葉は、実は三年前に生き、そして隕石が落ちた糸守という被災地で命を落とした少女だったのです。
伏線解説7:カタワレ時と黄昏時
かわたれ時は逢魔時とも呼ばれ、あの世とこの世が一瞬だけ繋がる時間。その時間に、瀧とみつはは一瞬だけ時空を超えて会うことができました。
伏線解説8:三葉と瀧の山頂の会話
映画「君の名は。」の魅力は、何と言っても運命の出会いというテーマの魅力にあります。三葉と瀧は作品のなかでなんども入れ替わりを経験しながら、時間と運命の狭間で時に違いの名前すらわからなくなりながらも、最後には運命の出会いを果たします。三葉と瀧の山頂の会話はふたりが現実の時間でことばを交わすことのできる最後の時間でした。
伏線解説9:先輩と司
出典: https://ciatr.jp
奥寺先輩は瀧の憧れの人で、瀧もまたイケメンで成績優秀、決してのぞみの薄い恋路ではありません。男子校高らしからぬ気遣いを見せる瀧に、徐々に関心を見せ始める奥寺先輩。しかし同時に、当初奥寺先輩に惹かれていた瀧は、三葉への恋心を自覚していくようになります。互い自身への恋心を徐々に自覚するようになっていくのは、瀧だけではなく、三葉もまた同じでした。
君の名は。の設定の謎をネタバレ考察
設定の謎1:君の名は。の原点はCM?
「君の名は。」の企画が立ち上がった原点の伏線・あらすじ・謎とは、一体どんなものだったのでしょうか。まずはそのはじまりから伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説をしていきます。「君の名は。」の企画が立ち上がった当初は、ひとつのCMが出来上がったことに由来します。そのCMとは、Z会のCMを新海誠監督が制作を任され、作り上げたことに端を発しています。
CMのキャッチコピーは、「まだ会ったことのない君を、探している」というもの。キャラクターデザインは『君の名は。』でキャラデザを務めたのと同じ、田中将賀が担当してます。また、「君の名は。」との共通点として、東京に住む少年離れ小島に住む少女が「受験」という同じ目標に向かって奮闘するうち、通じるものが芽生えるという内容にんなっています。
遠く離れた場所で暮らす少年少女が、一度も会ったことがないにも関わらず惹かれあい、やがて運命の出会いを果たすという伏線・あらすじは、「君の名は。」にも通じるテーマであり、ストーリーです。新海監督はこのZ会のCMを作り終えた後、作品としての出来栄えに手応えを感じ、ここから着想を得て、もっとストーリーや解説を膨らませていこうと考えついたと言います。
設定の謎2:君の名は。のタイトルと和歌の関連
「君の名は。」というタイトルを聞いて映画のことを思い浮かべない人は、今や日本にはあまりいないでしょうが、この謎めいたタイトルに秘められた意図とはどんなものなのでしょうか。伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説をしていきましょう実はこの謎めいたタイトル「君の名は。」には、古典からインスピレーションを受けた新海監督のアイディアが詰まっています。
新海監督にインスピレーションを与えた古典作品とは、和歌と物語の作品です。ひとつは小野小町の和歌「思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ 夢と知りせば 覚めざらましを」(古今和歌集)という和歌で、解説すれば「夢で想い人に会った。夢と分かっていれば目を覚まさなかったのに」という歌。平安時代には、相手の夢を見るのは、自分ではなくその相手が自分のことを想っているからだ、という考え方がされていました。
またもうひとつの和歌は「誰そ彼(たそかれ)と われをな問ひそ 九月(ながつき)の 露に濡れつつ君待つ我そ」という和歌。解説すれば「あなたは誰、とわたしの名前を問わないでください。あれは9月の梅雨に濡れながらあなたを待つわたしなのです」と、密会のようすが歌われた歌です。昔の習わしで、相手の名を問うことは、すなわち互いが男女関係になることを意味していました。
また、「たそ彼時」や「かわたれ時」とは、解説すれば相手の顔が見えず「あなたは誰」と相手に問いかける時間帯のことを意味しています。そのほかにも、「とりかえばや物語」という、解説すれば少年と少女が互いに入れ替わってしまい、少女が少年として、少年が少女として育てられる物語にも着想を得ていると新海監督は話しています。
こうした和歌ネタは新海監督の過去作でも取り入れられていて、たとえば入野自由さんなどが声優を務めた「言の葉の庭」では、主人公の男女のうち女性の国語教師が古典を教えていて、主人公たちの愛のゆくえに大きな鍵となって和歌が登場します。なお、「言の葉の庭」で登場した国語教師のユキノは、今回の映画「君の名は。」にも登場しているのが、新海監督作品ファンにはにやりとさせられるポイントです。
設定の謎3:糸守町の場所が設定された理由
「君の名は。」の舞台はふたつあり、ひとつは主人公のひとりである瀧が暮らす場所・東京。もうひとつは、もうひとりの主人公・宮水三葉が暮らす「糸守」は、作中では飛騨地方にあると言われていて、実際にJR飛騨古川駅や宮川町落合のバス停、飛騨市図書館などが映画の中で登場しています。「君の名は。」では、この架空の場所「糸守」を舞台にして、三葉と瀧の入れ替わり物語が繰り広げられます。
巫女の一族として糸守に暮らす三葉には不思議な力があり、その力は謎めいた場所糸守という場所に由来しています。基本的には架空の場所とされている糸守ですが(飛騨市のホームページには、「糸守」は完全に架空の町」という解説書きがされています)、糸守の街並みや、映画終盤で爆破される発電所などには、実際の風景が使われていて、聖地巡礼することも可能であるようす。
ただし、なかには完全にフィクションとして設定されている風景も存在していて、例えば隕石の衝突で出来上がる湖の風景は、完全なる架空なものだと解説されます。ただし、湖のモデルとなる風景は実在していて、諏訪湖がモデルの最有力候補ではないか、とする解説・考察も。諏訪湖の東側にある「立石公園」から見た眺めは、映画に実際に出てきた光景に酷似していると解説されています。
ただし、似たようなカルデラの湖は日本各地に存在しているため、他の場所である可能性もあります。一説には、海外の湖がモデルになっているという説もあります。糸守という舞台を設定する際にあたって、2011年に被災地の閖上・名取に訪れたという新海監督。監督はその情景を見ながら、「もし自分がこの町に生まれ育っていたら」という想像を膨らませていったと言います。
新海監督は都内ではなく長野の出身のため、同じ地方出身という点から共通点を見出したのだとか。「君の名は。」は2016年公開の映画ですが、「シン・ゴジラ」などと同様、「震災後映画」というくくりの中にも数えられる映画なのです。
設定の謎4:三葉の名前の由来
様々な謎や伏線が張り巡らされた映画「君の名は。」ですが、主人公の三葉の名前にはどんな謎が秘められているのでしょうか。伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説をしていきましょう。新海監督自身がツイッターで明かしている通り、三葉の名前の由来は「ミヅハメ」、水の女神の名前から取られています、ミズハメとは『古事記』では弥都波能売神(みづはのめのかみ)といいます。
あうりは『日本書紀』では罔象女神(みつはのめのかみ)と表記する女神の名前です。淤加美神とともに、日本における代表的な水の神(水神)とされています。『古事記』では、カグツチという神を生んだ際、イザナミガ陰部を火傷し苦しんでいた時、イザナミが出した尿から生まれたとされています。この時同時に生まれたのが和久産巣日神(ワクムスビ)という別の神だと言います。
同様に、ネット上で交わされている考察の中には、「君の名は。」に出てくる湖のモデルではないかと目されている諏訪湖、その近くにある高校である「長野県諏訪二葉高等学校」から、「二葉」とともに「三葉」「四葉」と一族の名前が決められたのではないか、といった、伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説もあります。しかし、新海監督本人が言っている通り、水の女神の名前に由来しているというのが真相でした。
君の名は。のお父さんの謎をネタバレ考察
三葉のお父さん(町長)を説得できた理由
では続いて、「君の名は。」に出てくるお父さんの謎について伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説をしていきましょう。「君の名は。」に出てくるお父さんは、三葉のことばに説得される形で町民を避難させることを決めて、最終的に町民は助かります。
しかし、当初は三葉のことばになど見向きもしなかった父がなぜ三葉に説得され、町民の避難という決断を下したのかについては、映画だけを見ている観客には多くの謎を残す展開となりました。実は、三葉の父に関しては小説の「アナザーストーリー」に追加で描写があり、それを読むと伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説がわかるようになっています。
三葉のお父さんが町長になった理由
三葉のお父さんは、以前は異なった性格の人物でしたが、三葉の母である二葉の死をきっかけに、考えを変えるようになります。実は、二葉の氏に関してトラウマのようなものを抱えていた三葉の父。彼は妻である二葉の死をきっかけに、スピリチュアルめいた宮水の風習を忌み嫌うようになります。
しかし三葉が決死の思いで説得をしかけた姿を見て、生前の二葉の行動にやっと納得することができるようになります。二葉は生前、「この世のすべてはあるべきところに収まるんやよ。」「これがお別れではないから」と語っていました。そのことから、三葉の父は娘のことばを信じ、町民を避難させることを決意するのです。
三葉の母が自ら死を選んだ理由
二葉の死をきっかけに、宮水の風習を毛嫌いするようになる父。その嫌悪は糸守全体のあり様への違和感へとつながっていき、三葉の父はやがて自分が町長になり、超自然的な糸守の習わしを変えるべく、改革を進めようと画策します。彼が町長になろうと決意したのも、実は妻の死がきっかけであったのです。
三葉の母は病にかかり、やがて死に至りますが、死に至るまでの過程はふつうとはすこし違っていました。三葉の母である二葉は西洋医学を頼ることもせず、自分の命については諦めたように死を受け入れるような態度だったのです。実は、三葉や瀧と同じように宮水の巫女の力によって、男女の入れ替わりを経験していた三葉の父。
実は二葉の死についても予見していたのではないかという考察が、レビューサイトなどでは見受けられます。そうした経験が、映画での「救えなかった」という嘆きとなり、その後町長への道を歩み始めるきっかけになったという考察です。
三葉のお父さんの記憶がつながる
失意のうちに宮水や糸守の体質に嫌気がさし、それを変えようと奮闘してきた三葉の父。彼の苦しみは、三葉が瀧の力を借りて糸守を守ろうと奮闘することで、ようやく解消されていきます。三葉の行動により、二葉の「あるべきところに収まる」ということばが、現在の隕石衝突を防ぐための布石であったと三葉の父は理解するのです。
二葉は、自分の死は自分1人のものではなく、実は宮水の一族や、糸守全体の運命と一体になっているものだと理解していました。そのため、自分の命がたとえ終わろうとも、三葉にその運命を託し、再び時間を超えてであることができると三葉の父に語っていたのです。
三葉のお父さんの発言の謎
三葉の父が映画の中でつぶやく「お前は誰だ」というセリフは、あたかも三葉の中で入れ替わっている瀧の存在に気づいているようでもありました。それまで、どんなに怪しくても誰にも入れ替わりのことは気づかれなかったにも関わらず、なぜ父だけが三葉の入れ替わりに気づいたのか。実は、三葉の父に関しては小説の「アナザーストーリー」に追加で描写があります。
それを読むとこの三葉の父の謎がわかるようになっています。小説版では三葉の父と母二葉についての物語が明かされていて、そこでは三葉の父が三葉と瀧と同じように入れ替わりを経験していたということがわかります。自分もまた入れ替わりを経験しながら、二葉を救えなかったという辛い過去を経験した父だからこそ、最終的に三葉の説得を受け入れることに決めたのです。
君の名は。の魅力
君の名は。の魅力①二人が出会えた奇跡
映画「君の名は。」の魅力は、何と言っても運命の出会いというテーマの魅力にあります。三葉と瀧は作品のなかでなんども入れ替わりを経験しながら、時間と運命の狭間で時に違いの名前すらわからなくなりながらも、最後には運命の出会いを果たします。序盤で、三葉と瀧は同じ時間軸のなかで入れ替わりを経験したかのように見せられて、観客はふたりの間にあるのは距離だけかのように思えます。
やがてふたりの間には現在と過去という時間の壁もはだかっていたことに気づかされます。瀧にとって同じ時間を生きていたと思えた三葉は、実は三年前に生き、そして隕石が落ちた糸守という被災地で命を落とした少女だったのです。こうした映像トリックが魅力となり、伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説を呼び、「君の名は。」の魅力は増していくのです。
君の名は。の魅力②序盤の三葉の切なさ
「君の名は。」の魅力は、だんだんと瀧に惹かれていく三葉の心情描写の切なさにもあります。「君の名は。」の主人公のひとりである三葉は、糸守という都会化は遠く離れた田舎にすむ女子高校生。巫女の家に生まれたために古くからの風習に縛られて生きています。女子高校生で田舎住まいという不自由に囲まれる三葉は、生まれ変わったら都会に住むイケメン男子高校生として生きたいとという願望を抱いて日々を過ごしています。
そんな三葉はなぜか或る日突然、都会に住むイケメン男子高校生である瀧と魂だけが入れ替わってしまいます。何が何だかわからないまま瀧として暮らす三葉は当初、お金にも交友関係にも困らない男子高校生として、都会での暮らしを謳歌します。そして、そんな恵まれた暮らしをしている瀧自身には関心を抱かず、ただ彼の恋路を応援するかのようなスタンスをとりますが、だんだんと瀧自身に対する恋心を募らせていきます。
君の名は。の魅力③奥寺先輩
「君の名は。」に登場する脇役キャラには魅力的な人物が多くいますが、そのなかでも奥寺先輩はもっとも魅力的な人物のひとりです。奥寺先輩は瀧のバイト先の先輩の女性で、大人っぽく、瀧の憧れの人です。瀧と入れ替わって瀧として生活をする三葉もまた、当初同性として奥寺先輩に憧れ、瀧の恋路を応援するようなそぶりを見せます。
奥寺先輩は瀧の憧れの人で、瀧もまたイケメンで成績優秀、決してのぞみの薄い恋路ではありません。しかしながら、三葉の魂が宿ってからの瀧のほうが、奥寺先輩との距離感は縮まっていきます。男子校高らしからぬ気遣いを見せる瀧に、徐々に関心を見せ始める奥寺先輩。しかし同時に、当初奥寺先輩に惹かれていた瀧は、三葉への恋心を自覚していくようになります。
互い自身への恋心を徐々に自覚するようになっていくのは、瀧だけではなく、三葉もまた同じでした。そして奥寺先輩とのデート当日、三葉は瀧が奥寺先輩とデートをすることが悲しくて仕方がない自分の心にはじめて気づくのです。
君の名は。の魅力④空と緻密な風景描写
「君の名は。」には、ジブリに参加してきた名だたるアニメーターなど多くの著名なアニメスタッフが関わっています。新海監督作品は「君の名は。」以前にもうつくしい映像表現で知られていましたが、「君の名は。」がより売れた要因のひとつには、今までよりも一層ごうかになったアニメスタッフ陣の存在があったことは言うまでもありません。
著名なスタッフのひとりとして、たとえば空や風景の緻密な描写があります。空から隕石が降ってきた情景の作画に関わったのは、「エフェクトアニメーション」の名手として知られている橋本さん。橋本さんは、アニメーターのなかでも特にエフェクトアニメーションの達人として知られていて、時に左手でエフェクト作画をして見せるなど、独創的な表現で知られています。
君の名は。の魅力⑤繊細な心情描写
また、「君の名は。」の面白さの一つに、緻密な心理描写が挙げられます。序盤、三葉と瀧が入れ替わるまではコミカルに進む作品「君の名は。」ですが、徐々にふたりの恋模様が濃密に、丹念に描かれるようになります。特に物語後半、自らの恋心を自覚した三葉が瀧に対してとるある行動は必見です。
隕石が落下してくる祭りの夜、クラスメイトたちの前に、髪をばっさりと切ったショートカットで登場した三葉は、当初映像では描かれない秘密を抱えています。そして、三葉自身も自覚していない、瀧が他人の恋人になってしまうという事実を目の当たりにした時、自然と流れてくる涙の理由も、やがてストーリーの謎とともに丁寧に解き明かされるようになるのです。
映像トリックが、三葉をはじめとした登場人物の心情とと主に解き明かされていくため、見ている方としては感情移入が容易で、しかも引き込まれるようにストーリーを追っていくことができる仕掛けになっているのです。
君の名は。の魅力⑥ストーリーとしての面白さ
「君の名は。」の面白さには、もちろんストーリーの面白さも挙げられます。「君の名は。」の序盤では、観客は三葉と瀧というふたりの人物が、実は現在と過去とで入れ替わりを起こしているという事実を知りません。瀧がずっと今現在も生きていると信じてい少女・三葉は、実は三年前の災害で命を落とした少女だったのです。
三年前に命を落とした少女と、ずっと瀧は入れ替わりを起こしていました。瀧がそのことを突き止める場面はショッキングでもあり、そしてぐっと引き込まれる場面でもあります。
君の名は。の魅力⑦過去作品のオマージュ
「君の名は。」は新海監督作品の過去作から追っていたファンにも、ファンサービス的にニヤリとさせる場面が散りばめられています。その一つは、「言の葉の庭」で登場した国語教師のユキノが、再登場する場面。古典や和歌からのアイディアの引用は、「言の葉の庭」から通じる新海監督作品の醍醐味のひとつ。そうした共通点も彷彿とさせる、心憎い演出となっています。
君の名は。の魅力⑧電車のシーン
「君の名は。」は、それまでの新海監督作品と同じく、電車のシーンが印象的な作品でもあります。特に、三年前の隕石事故を最後に、生き別れになった三葉と瀧が、都心の電車の車窓越しに再会を果たす場面には、思わず涙してしまったファンも多かったのではないでしょうか。こうした電車のシーンは、新海監督作品にはおなじみのシーン。
新海監督は、都心の電車のシーンを描くのが好きだと過去に語ってもいます。糸守から都会にやってきた三葉が、都心の俗っぽい風景のなかで再会を果たす印象的な場面には、思い入れのある電車というモチーフを使いたかったのではないかといった考察もあります。
君の名は。の魅力⑨イメージぴったりな曲
「君の名は。」の魅力の一つとして欠かせないのは、RADWIMPSの「前前前世」という主題歌でしょう。RADWIMPSは主題歌の他にも「スパークル」などの数多くの曲を書き下ろしていて、「君の名は。」の世界観に欠かせない彩りを与えています。
「前前前世」の歌詞を見ると、「前前前世から僕は君を探し始めたよ」と、三葉と瀧の時空を超えた運命の出会いを予感させるような、内容にぴったりな歌詞となっています。また覚えやすいフレーズも功を奏して、「前前前世」は売り上げチャートでも上位を記録するなど、映画共々大ヒットを記録する人気のナンバーとなりました。
君の名は。の魅力⑩被災地にも勇気を与える
「君の名は。」は震災後映画としても評価できるというレビューも見られます。というのも、「君の名は。」には新海監督の震災地に込めた願いが秘められているからです。糸守という舞台を設定する際にあたって、2011年に被災地の閖上・名取に訪れたという新海監督。監督はその情景を見ながら、「もし自分がこの町に生まれ育っていたら」という想像を膨らませていったと言います。
そこから三葉(震災地の少女)と瀧(都会の若者)が入れ替わり、恋におちながらも災害に阻まれるというストーリーをふくまらせていき、震災後映画としても、ラブストーリーとしても楽しめる超大作品へと作り上げていったのです。
君の名は。を観た感想や評価は?
映画君の名は。かなりの名作で僕も映画館で見て感動したし、泣けた。主人公に感情移入した。
— アニメ都市伝説好きポコりん (@pokopokorinrin1) January 2, 2019
その上で、君の名はの考察、都市伝説動画を作ったので、すごく思い入れがあります。https://t.co/Rcu35aal5J
「君の名は。」の感想として、こちらは「君の名は。」の登場人物に感情移入しやすいところを指摘して、名作だと評価しています。
美麗な背景美術、うつくしいアニメーション、そして丁寧な心情描写から、「君の名は。」は物語にのめりこんで楽しむことのできる一作となっています。
君の名は。の注目情報
君の名は。の映画基本情報
「君の名は。」は、新海監督作品としては前作『言の葉の庭』から3年ぶりとなる、6作目の劇場用アニメーション映画作品です。「君の名は。」が新海監督作品として特徴的なのは、新海作品としては初めて製作委員会方式を取っているという点です。「言の葉の庭」までの新海監督作品は、よくもわるくも癖が強いことで有名でした。
君の名は。の興行収入
大ヒット作品「君の名は。」の日本国内興行収入は、2017年7月時点で250.3億円を記録しています。日本における歴代興行収入ランキングを見てみると、1位が『千と千尋の神隠し』で2位が『タイタニック』、3位が『アナと雪の女王』ですので、それに次ぐ歴代4位の興行収入を記録しています。
また世界における方がの興行収入を見てみると、世界での興行収入は3.55億ドルで、歴代でみると「千と千尋の神隠し」の2.75億ドルを超え、日本映画では歴代1位を記録する、世界的にも評価を受ける大ヒット作となりました。
君の名は。のAmazon限定スペシャル・エディション
「君の名は。」には、【Amazon.co.jp限定】バージョンのパッケージが存在します。こちらは、「君の名は。」Blu-rayコレクターズ・エディション 4K Ultra HD Blu-ray同梱5枚組となっていて、初回生産限定生産です。早期購入特典として特製フィルムしおり付きのほか、オリジナル特典として描き下ろしA4特製フレームと特殊加工ポストカード2枚組が付属しています。
こちらはUltra HD Blu-ray同梱5枚組となっていますので、ブルーレイディスク以上の高品質で作品を楽しむことができますので、より高い品質で「君の名は。」を楽しみたい人は購入を検討してみてはいかがでしょうか。
君の名は。には小説版や外伝小説もある
「君の名は。」には、公開に先駆けて刊行された『小説 君の名は。』が存在します。こちらは新海監督自らが執筆を手がけたもので、新海監督自身が「小説版」とも「映画のノベライズ」とも表現し、「どちらが原作なのかと問われると微妙なところ」と表現している通り、映画と小説版とどちらが先にあったとも言えないもののようです。
こちらの小説版は、内容としては映画版と大きくかけ離れたところはないものの、わずかながら映画にはない描写がみられることもあり、映画のことをもっとよく知りたいという人にはうってつけの小説版となっています。
君の名は。の漫画もおすすめ
「君の名は。」には漫画版も存在します。2019年1月時点では3巻まで刊行済みで、1巻の内容は三葉と瀧の入れ替わりが起こらなくなった所まで。映画版よりもやや簡略化された内容のため、映画版よりも漫画版の方がすぐ手に入る、という方のためには、映画版の予習のためにうってつけの内容よなっています。また注意点として、映画版と漫画版とでは絵が異なっていますので、その点に注意が必要です。
君の名は。の各種設定資料も要チェック
「君の名は。」には、その他にも解説などの関連書籍が多く刊行されています。例えば2017年に刊行されている「新海誠監督作品 君の名は。美術画集」は、美麗で人気を集めた「君の名は。」の背景美術をたっぷりと楽しむことができる一冊となっています。
君の名は。の内容や伏線解説まとめ
このまとめでは、新海誠監督の大ヒット映画「君の名は。」の伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説などを解説しきました。うつくしい映像とクセの強いシナリオが話題となり、以前にも多くのファンの心を掴んできた新海誠監督作品。「君の名は。」までの新海誠監督作品は、どちらかといえば一部のファンからの伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説を集めるカルト的な人気にとどまっていましら。
「君の名は。」では万人受けのするストーリーで、大ヒット作品の監督となりました。その秘訣は、ストーリーに秘められた数々の伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説が、多くの観客の心を掴んだから。また、そうした完成度の高さの影には、東宝のスタッフや数多くのアニメーターなどとのみごとなチームプレーがありました。
また要所要所に秘められた数多くの謎が、伏線や謎に関するあらすじのネタバレ考察や解説を呼び、ファンの間でさらなる楽しみや関連書籍の購買へとつながっていきました。このまとめを参考にして、ぜひ大ヒット作品「君の名は。」をさらにお楽しみください。