君の名は。の劇中曲・主題歌まとめ！RADWIMPSの魅力や流れたシーンは？

2016年8月26日に公開された映画『君の名は。』。社会現象になるほどの人気となった本作は、13週目に渡って週末動員数1位を獲得を記録し、さらに日本国内の興行収入250億円となったことが発表されるほどの大ヒットとなりました。高校生男女2人の心が距離を超越して入れ替わるアニメ映画です。

『君の名は。』の監督、原作、脚本、絵コンテを務めたのは『秒速5センチメートル』や『言の葉の庭』でも知られる新海誠さんです。新海誠さんは『君の名は。』の作品に対して、「さまざまなギミックを取り払えば典型的なボーイミーツガール」と語っていました。 また『君の名は。』が古今和歌集に掲載されている小野小町の和歌、古典『とりかへばや物語』、そして3.11の要素を物語に取り入れていることを明かしました。

『君の名は。』の人気は日本国内だけに留まらず、世界初の上映国となった台湾でも爆発的大ヒットを記録！その後もタイ、香港などアジア圏で続々と公開され、さらにはアメリカ、イタリアなどでも高い評価を得る事になりました。スペインの映画祭アニメ部門では「最優秀長編作品賞」を受賞、さらに韓国プチョン国際アニメーション映画祭においても優秀賞と観客賞をW受賞しました。

映画最高峰の賞とも言えるアカデミー賞では、長編アニメ映画部門の審査対象作品になったが無念にもノミネートに選ばれず、残念ながらアカデミー賞の舞台は逃すこととなりました。しかし、第40回日本アカデミー賞では優秀アニメーション賞、優秀監督賞、優秀音楽賞、優秀脚本賞の計4部門を受賞、さらに第29回東京国際映画祭でARIGATOU賞受賞など、国内外において輝かしい成績を収めました。

1200年ぶりの彗星が、一ヵ月後に接近する日本が舞台となっている『君の名は。』。東京の都会四ツ谷に暮らす男子高校生・立花瀧と、岐阜県飛騨地方の山奥にある糸守町に住む女子高生・宮水三葉は「奇妙な夢」を見ていると思いながら互いに入れ変わり、知らない誰かとして一日を過ごすことに。翌日、身体が元に戻っていたため、再び互いの日常へ戻って行った。

しかしその後も瀧と三葉は、2度3度と入れ替わりをすることに！この不思議な現象に戸惑いつつ、三葉は東京での暮らしを満喫し、滝は女性としての生活に楽しみを覚えることに。夢を通じて互いの身体と心が入れ替わる度に、2人は時に喧嘩をしたり互いの存在を気にしたりする中、相手の人生を楽しむ二重生活を送ることになりました。

互いの気持ちが打ち解けてきたと思ってきた頃、突如入れ替わりがなくなってしまったのです。音沙汰のなくなってしまった三葉を心配した瀧は、三葉として過ごした時の記憶をもとにスケッチを書き、その風景だけを頼りに飛騨へ向いました。しかしスケッチに描かれた場所を懸命に目指す瀧の元に、予想だにしない衝撃的な事実が飛び込んでくるのでした。

『君の名は。』の世界観を盛り上げた、RADWINPSの主題歌「前前前世」も同じく大ヒットとなりました。RADWINPSが『君の名は。』のオファーを受ける事になった経緯にも驚きの物語が隠されていました。以前から新海監督はRADWINPSのファンだったようで、『君の名は。』の映画が公開された2016年秋の丁度2年前にあたる、2014年の秋には既にRADWINPSに主題歌のオファーをしていたそうです。

なぜ2年前という早い段階でオファーしたのかというと、新海監督の中に「RADWINPSの歌詞を映画に取り入れて行こう」という意図があったからだといいます。新海監督自身もまさか実現するとは思っていなかった、というRADWINPSとの奇跡のコラボレーション。『君の名は。』の世界観は新海監督だけではなく、歌詞を書いたRADWINPSの野田洋次郎さんと一緒に作り上げた世界観だったのです。

サビの「君の前前前世から僕は君を探し始めたよ」という、力強くキャッチーな歌詞が印象的な『君の名は。』の主題歌「前前前世」。歌詞の中には「光年」「銀河」「宇宙」など映画に登場した彗星を連想させる内容や、時空を超えてすれ違う2人が互いを探し求めるようすが書かれています。特に「君は僕から諦め方を奪い取ったの」という歌詞は、三葉のことを無我夢中で救出する瀧の姿そのものだと言えるでしょう。

これも新海監督が、RADWINPS野田洋次郎さんが描く歌詞の世界観を直接映画に落とし込んだからこそ、世界観が完全に一致している内容になっています。『君の名は。』の主軸と『前前前世』の曲の世界観は、「リンクしている」というよりも「イコール」だといっても過言ではないのかもしれません。

映画の中で使われていた主題歌『前前前世』の歌詞と、映画のサントラに入っている歌詞が微妙に異なっていることを御存じでしょうか。映画内の歌詞は「original ver.」となっていて下記の歌詞が一部追加されていて、映画サントラを購入した人の間で「歌詞が違う！」と話題になったそうです。

元々この歌詞は、映画に入る予定ではなかったといいます。RADWINPSの野田洋次郎さんが、「自分たちのアルバム用に」と歌詞を追加したところを新海監督が発見し、「映画の中で使用したい」ということで『君の名は。』の主題歌として使用されたといいます。

こちらの『前前前世original ver.』は、2016年11月に発売されたRADWINPSのアルバム『人間開花』にも収録されているので、視聴して違いを楽しんでみてはいかがでしょうか？

オープニング主題歌として使われている、『君の名は。』挿入歌の「夢灯篭」。一番のみに歌詞が存在しており、2:12と非常に短い曲です。

またこの楽曲の歌詞は、映画『君の名は。』の物語の始まりを予感させる内容となっています。「君の名を今追いかけるよ」「時間にキスを」「消えることない約束」「5次元にからかわれて」など、これから始まる2人の物語を感じさせる歌詞に注目しながら楽曲に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

切なくなるような繊細なピアノの旋律が感動を呼ぶ、『君の名は。』の挿入歌「スパークル」。主題歌「前前前世」はポップな楽曲なのに対し、「スパークル」はバラードの曲調です。映画の最も感動するシーンで用いられ、この楽曲が流れる場面では泣いてしまうという人もいたようです。新海監督も「スパークル」を非常に気に入っているようで、映画内ではなんと9分間も流れ続けるという冒険心溢れた一曲になっています。

「いつか消えてなくなる君の全てを この目に焼き付けておくことは もう権利なんかじゃない 義務だと思うんだ」「運命だとか未来とかって　言葉がどれだけ手を伸ばそうと届かない場所で　僕ら恋をする」など、挿入歌「スパークル」の歌詞は主人公の瀧の心境を表しているようなものになっています。こちらの挿入歌もムービーヴァージョンとオリジナルヴァージョンがありますので、是非聞き比べてみてはいかがでしょうか。

彗星落下から村の人々が救われ、三葉や瀧はその後の人生を過ごしているという場面で流れる、『君の名は。』の挿入歌「なんでもないや」。こちらの楽曲は、三葉の声優を務めた上白石萌音さんがカヴァーしたことでも知られています。「もう少しだけでいい　あと少しだけでいい　もう少しだけくっついていようか」というストレートな歌詞が、瀧と三葉の感情を表している一曲となっています。

RADWINPSの野田洋次郎さんが書いた「なんでもないや」の歌詞は、新海監督が『君の名は。』のエンディングを決めるにあたり大きな影響を与えたといいます。当初から新海監督は自分の中で物語のエンディングの行方を決めていたものの、野田洋次郎さんから「なんでもないや」の歌詞をもらったことによって、その気持ちが確信に変わったといいます。

1.  夢灯籠
2. 三葉の通学
3. 糸守高校
4. はじめての、東京
5. 憧れカフェ
6. 奥寺先輩のテーマ
7. ふたりの異変
8. 前前前世 (movie ver.)
9. 御神体
10. デート
11. 秋祭り
12. 記憶を呼び起こす瀧
13.  飛騨探訪
14. 消えた町
15. 図書館
16. 旅館の夜
17. 御神体へ再び
18. 口噛み酒トリップ
19. 作戦会議
20. 町長説得
21. 三葉のテーマ
22. 見えないふたり
23. かたわれ時
24. スパークル (movie ver.)
25. デート２
26. なんでもないや (movie edit.)
27. なんでもないや (movie ver.)

RADWINPS(ラッドウィンプス)は、EMI Recordsに所属する日本の4人組ロックバンドです。2001年、野田洋次郎が友人・桑原彰からボーカルに誘われたのをきっかけにRADWINPSが結成。

バンド名のRADWINPSとは、アメリカ英語の俗語で「すごい」「いかした」などの意味を持つ「rad」と、「意気地なし」「弱虫」などの意味を持つ「winp」を組み合わせた俗語で、「かっこいい弱虫」「すげーびびり」といった意味だといいます。

• 野田 洋次郎 （のだ ようじろう）：ボーカル、ギター、ピアノ、RADWIMPSのほぼすべての楽曲の作詞・作曲を担当
• 桑原 彰（くわはら あきら）：ギター、コーラスを担当
• 武田 祐介（たけだ ゆうすけ）：ベース、コーラスを担当
• 山口 智史（やまぐち さとし）：ドラムス、コーラスを担当

映画『君の名は。』の音楽を担当することになったRADWINPS。そのきっかけは、新海誠監督が元々RADWINPSのファンだったということもあるようです。RADWINPSの独特の世界観に惹かれていた新海監督は、ボーカルの野田洋次郎さんに第1稿の脚本を渡し、それから3~4ヶ月後にその脚本をイメージしたという楽曲「前前前世」「スパークル」の元となる楽曲が新海監督の元に届いたそうです。

その届いた楽曲を初めてきいた新海監督は「すごい楽曲をもらってしまった」と感じたそうです。RADWINPSに強い可能性を感じた新海監督は、「音楽が主導権を握る場面を作ろう」と考え、互いに映画の演出や曲の試行錯誤を繰り返し、現在の形に完成したそうです。『君の名は。』ではそのような新海監督の楽曲に対する想いが込められており、主題歌はのみならず挿入歌も全て映画を観た人の印象に残る作品となっています。

新海誠監督作品『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』、そして『君の名は。』。美しい色彩で緻密な風景描写、すれ違う男女の切なく胸が打たれるような繊細な心理描写が描かれている作品として、国内外を問わず大きな刺激と影響を及ぼしました。

その美しくも儚い新海誠監督作品にRADWINPSの多種多様な音楽性と、野田洋次郎が描く独特で印象的な詞が化学反応を引き起こし、かつてない音楽と映像が融合した世界観が生まれました。

「内側からは君にだけしか見えないのに 外からは僕にしか見えないものはなーんだ」という、なぞなぞから始まるフレーズが印象的な楽曲「謎謎」。「僕は声に出してしか伝えられないのに 君は口にせずとも話せる人はだーれだ」という心に響く歌詞がファンの心を掴み、RADWIMPSの人気曲ランキング見事10位にランクインです！

RADWINPS5枚目のアルバム「×と○と罪と」に収録された一曲「会心の一撃」。疾走感のあるハイテンポなリズムの中、RADWINPS独特の世界観で描かれた歌詞が早口で並べられています。

自分の存在価値を問う言葉から始まる「会心の一撃」は、歌詞の中の主人公の将来を「心のままに進んだ世界」と「しょうがない選択の先の世界」に対比して描かれています。未来に悩みを抱える時など、自分の進むべき道について考えさせられる一曲。

RADWIMPSの人気曲ランキング8位に輝いたのは、ロマンティックな歌詞が特徴的な「最大公約数」。「僕の二歩は君の三歩 僕の四歩は君の六歩 そんな風に これからも 歩いていければいいと思うんだ」という歌詞で始まり、“互いに歩幅は違うけどいつか一緒になる”という意味が込められています。

今は分かり合えない二人でも、「いつか互いに受け入れられればいいね」という余裕さえ感じられる恋人を描いた、独特な歌詞が人気を博しています。

「トレモロ」とは音楽用語で、「震える音」という意味を持ちます。不安な気持ち、緊迫感が高まっていくようす、心の微妙な揺れなどを表現するために使われる技法です。星空の夜と不安な感情が描かれた歌詞と、タイトルがマッチして切なくもどかしい世界観を作り上げています。「好きな人に、好きな気持ちがうまく伝わらない」…そのような事を考えてしまう夜に聞きたい一曲だといいます。

RADWINPSの旧メンバーで制作された、一万枚限定で発売されたシングル「もしも」。RADWINPSのファーストシングルは、今はプレミアがつくほど入手困難となっています。英語で綴られた歌詞から始まる「もしも」は、初恋のもどかしさが描かれた一曲。「最初に誰かを好きになって、告白をしようかどうか」「気持ちを知ってほしいだけ」という葛藤などが描かれています。

RADWIMPSの前向きになれる応援曲、『君と羊と青』が人気曲ランキング5位にランクイン！タイトルの「君」「羊」「青」を繋げると『群青』という熟語になり、その鮮やかな青に染まって行くような爽やかさが詰まった一曲です。2011年NHKサッカー放送のテーマ曲になった『君と羊と青』は、サムライブルーをかけて『群青』を表現したと言われています。

“RADWINPS最強の失恋ソング”と言われている『me me she』が堂々4位にランクイン！「めめしい＝女々しい」と読み、彼女と別れても引きずってしまう女々しい男性が描かれています。また「me me she」というタイトルに「me(男性)」が二回含まれているのに対し、「she(女性)」は一回。これは「僕の1/2しか彼女のことを考えていなかった」という後悔の意味も含まれているといいます。

カラオケJOYSOUNDの『難しくて歌えない曲ランキング』2位にランクインした、終始早口なのが特徴的な「おしゃかしゃま」。当時は5倍以上の歌詞だったそうです。「人とは、社会とは、向かうべきところは」を考えさせられる一曲で、哲学的なメッセージが多く含まれています。MVも仏像や国旗などが登場し、社会風刺の色が強い楽曲となっています。

「ひとりごと」という言葉をもじった、「ふたりごと」という印象的なタイトルの一曲。ラブレターのような甘く柔らかく、彼女に対するまっすぐな愛を表現した歌詞が人気を博し、人気曲ランキング2位にランクイン！“君と僕とが出会えた　奇跡を信じてみたいんだ”など二人の未来が描かれていることで、結婚式にも多く使われている楽曲のようです。

RADWINPS人気曲ランキング、堂々1位に輝いたのは「有心論」です！歌詞を書いた野田洋次郎さんの「神は信じられないけど、自分の心なら信じられる」という想いにより、「心」が「有る」と書いて「有心論」というタイトルにしたようです。彼女が『神』として歌われている一曲で、彼女に対する強い想いが表現されています。

今回は『君の名は。』の楽曲を担当したRADWINPSの挿入歌や主題歌、そしてRADWINPSの人気楽曲を一覧でまとめてご紹介いたしました！新海監督とRADWINPSのコラボレーションにより新たな世界観が作られた『君の名は。』は、世界的にも評価されRADWINPSの人気も爆発的な広がりを見せました。

独特な世界観でメッセージ性の強い歌詞、そして他には類を見ないRADWINPSサウンドを是非一度視聴してみてはいかがでしょうか？