【魔女の宅急便】ニシンのパイは嫌がらせだった?孫娘のセリフ・シーンの意味を考察

ニシンのパイのシーンが嫌がらせなのかを考察しています。こちらの記事では、魔女の宅急便に登場した「あたしこのパイ嫌いなのよね」のセリフ・シーンから、おばあちゃんが孫娘に嫌がらせでニシンのパイを贈ったのかを考察しました。なぜ、おばあちゃんは孫娘の嫌いなニシンのパイを贈ったのか、その意味や理由が気になっている人は、こちらの記事に目を通してみてください。また、ニシンのパイのシーンに関する、制作裏話も紹介しています。

【魔女の宅急便】ニシンのパイは嫌がらせだった?孫娘のセリフ・シーンの意味を考察のイメージ

目次

  1. ニシンのパイのシーンとは?
  2. ニシンのパイは嫌がらせだった?意味を考察
  3. ニシンのパイの孫娘は宮崎駿監督のお気に入り?裏話を考察
  4. ニシンのパイの味はまずい?作り方は?
  5. ニシンのパイに関する感想や評価
  6. ニシンのパイは嫌がらせだったのかまとめ

ニシンのパイのシーンとは?

こちらの記事では、『魔女の宅急便』でおばあちゃんが孫娘にニシンのパイを渡した意味を考察しています。魔女の宅急便の名シーンの1つとして知られている「あたしこのパイ嫌いなのよね」のシーンに、どのような意味があるのか気になった人は、こちらの考察記事を参考にしてみてください。また「あたしこのパイ嫌いなのよね」のセリフを言った、おばあちゃんの孫娘についての制作裏話も紹介しています。

「あたしこのパイ嫌いなのよね」の孫娘が、魔女の宅急便の映画監督・宮崎駿監督にどのように思われていたのか知りたい人は、『ニシンのパイの孫娘は宮崎駿監督のお気に入り?裏話を考察』の項目にも目を通してみてください。ほかにも、おばあちゃんが作ったニシンのパイの実物の作り方などを紹介しています。

まずは、下記の項目で「あたしこのパイ嫌いなのよね」の名シーンが登場した魔女の宅急便の原作小説と、そちらの作品を元に制作された映画版・魔女の宅急便の作品概要と物語のあらすじを紹介します。魔女の宅急便がどのよな作品なのかおさらいしたい人は、そちらの項目から目を通してみてください。

魔女の宅急便の作品情報

魔女の宅急便の概要

「あたしこのパイ嫌いなのよね」の孫娘のセリフが印象的な魔女の宅急便は、作家・角野栄子先生が手掛けた児童文学小説および、それを原作としたアニメ映画です。魔女の宅急便の原作である小説は、1982年から1983年にかけて月刊育児雑誌・母の友に掲載された作品です。魔女の宅急便の原作小説は第6巻まで制作され、その後も特別編が3作制作されています。

多くの人々が知るアニメ映画・魔女の宅急便は、それを原作として、スタジオジブリがアニメ化した作品です。映画版魔女の宅急便を手掛けたのは、スタジオジブリの巨匠・宮崎駿監督です。映画版魔女の宅急便は1989年に公開され、観客動員数264万人を超える大人気作品となりました。

ジブリが手掛けた映画版魔女の宅急便は、原作の内容から変更された点がいくつかあり、原作者の角野栄子先生との間で問題となったという裏話があります。その後、アニメ版の監督を務めた宮崎駿監督と角野栄子先生の間で話し合いを設け、公開に至りました。魔女の宅急便は、アニメ以外にも、ミュージカルや実写映画としても制作されています。

魔女の宅急便のあらすじ

魔女のキキは「13歳になったら他の街で1人で暮らす」という魔女のしきたりに従い、箒と黒猫のジジと共に故郷を後にしました。とあるパン屋で住み込みで働くことになったキキは、ある日1人暮らしのおばあちゃんに「孫娘にニシンのパイを届けてほしい」と頼まれます。しかし、ニシンのパイを受け取った孫娘は「あたしこのパイ嫌いなのよね」と複雑そうな顔をするのでした。

ニシンのパイ(あたしこのパイ嫌いなのよね)のシーン

ニシンのパイのシーンとは、主人公のキキが、あるおばあちゃんに頼まれて、おばあちゃんの孫娘にニシンのパイを届けたシーンのことです。13歳になったキキは、魔女のしきたりとして、1人で他の街に住むことになります。そして、パン屋のおかみさん・おソノの好意で、パン屋に居候させてもらうことになります。しかし、どの世界でも「働かざる者食うべからず」は同じです。

そこで、キキはホウキに乗って飛べる魔女の利点を活かし、配達の仕事をすることにしました。その配達の依頼人の1人が、ニシンのパイのおばあちゃんでした。おばあちゃんはニシンのパイを焼こうとするも、オーブンが壊れていて、キキが集荷に訪れる時間に間に合いませんでした。おばあちゃんは「せっかく来てもらったのだから」と、謝礼だけをキキに渡そうとします。

しかし、キキはそのようなおばあちゃんの姿を見て「どうにか届け物を配達してあげたい」と思います。キキとおばあちゃんは、即興で薪のオーブンを作り、なんとかニシンのパイを焼き上げました。そして、キキは焼きたてのニシンのパイを持って、おばあちゃんの孫娘の元へ向かいます。目的の家に到着すると、綺麗なドレスを身に纏ったおばあちゃんの孫娘が、玄関のドアを開けました。

キキは、おばあちゃんが作ったニシンのパイが入ったバスケットを孫娘に渡しますが、孫娘はその中身を見て、複雑そうな顔をして「あたしこのパイ嫌いなのよね」と、ため息をつくように言うのでした。おばあちゃんが頑張って作り、キキが雨風に吹かれながら届けたニシンのパイを「あたしこのパイ嫌いなのよね」というセリフで一蹴したこのシーンは「かわいそう」「モヤッとした」という感想が多い名シーンとして注目されています。

魔女の宅急便 - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

ニシンのパイは嫌がらせだった?意味を考察

考察①おばあちゃんは孫娘に喜んでもらいたい一心だった

「あたしこのパイ嫌いなのよね」のセリフによって「おばあちゃんがかわいそう」「孫娘は嫌な子」という見方をされがちですが、なかには「おばあちゃんが嫌がらせの意味で渡したのでは?」という意味でこのシーンを解釈する人も少なくないようです。では、おばあちゃんは本当に嫌がらせの意味でニシンのパイを孫娘に贈ったのでしょうか?可能性の1つに、おばあちゃんと孫娘の間で意思の疎通ができていなかったことがあげられます。

ニシンのパイを焼いているときのおばあちゃんは、真心を込めて作っているように見えます。嫌がらせの意味でニシンのパイを渡すのであれば、オーブンが壊れた時点で他の方法を考えるのではないでしょうか?そのような困難を乗り越えてまで、ニシンのパイを孫娘に渡したいと行動したのは「孫娘を喜ばせたい」という本心があったからでしょう。

では、なぜおばあちゃんは孫娘の嫌いなニシンのパイを贈ってしまったのでしょうか?その理由として考えられるのは、孫娘が幼い頃に「おばあちゃんのニシンのパイが美味しい」と喜んだことがあるからではないでしょうか?人は成長するにしたがって、味覚も変化していきます。孫娘は、幼い頃は好きだったニシンのパイが、大きくなるにつれて苦手になったのかもしれません。

しかし、おばあちゃんは孫娘が喜んだときの顔を忘れられず、今でもニシンのパイが好きなのだと思い込んでいるのかもしれません。また、おばあちゃんは「私の自慢の料理、ニシンとかぼちゃの包み焼き」と言っています。このセリフから、おばあちゃんはニシンのパイが好きで、よく作っていることがうかがえます。そのため「自分が美味しいと思うものは、孫娘も気に入ってくれるだろう」と、ニシンのパイを作ったのかもしれません。

考察②孫娘は事前に「いらない」と言っていた

おばあちゃんが、ニシンのパイを孫娘に贈ったことに対して「嫌がらせの意味なのでは?」とされている大きな理由は、孫娘が「いらないって言ったのに」というセリフを口にしていたことです。孫娘は、キキにニシンのパイを渡されたときに、複雑そうな顔をした後「いらないって言ったのに」と呟いたあと、家の中にいる誰かに向かって「おばあちゃんから、またニシンのパイが届いたの」と話しています。

このシーンから、孫娘は以前からおばあちゃんに「ニシンのパイはいらない」と伝えていたことが分かります。しかし、おばあちゃんはなぜか、わざわざ「いらない」と言われたニシンのパイを焼いて贈りました。おばあちゃんと孫娘のそのようなやり取りを見て「実は、おばあちゃんは嫌がらせでニシンのパイを贈ったのでは?」と考える視聴者もいるようです。

考察③孫娘の性格が悪いわけではない

魔女の宅急便を初めて見た人の多くは、おばあちゃんが1度は諦めたパイを完成させた姿や、雨風に吹かれながらそれを配達するキキの姿を見ているため「あたしこのパイ嫌いなのよね」と言い放った孫娘に不快感を覚えたことでしょう。しかし「あたしこのパイ嫌いなのよね」のセリフの前のシーンをよく見てみると、孫娘が普段から悪態をつくような悪い人物では無い可能性がうかがえます。

パイを受け取る前、孫娘はずぶ濡れになったキキの姿を見て「まあ、ずぶ濡れじゃない」と心配しています。言い方がそっけないこともあり、嫌がらせで言っているようにも聞こえますが、孫娘はそのあと「だからいらないって言ったのに」と眉をひそめました。

このとき口にした「だから」には、家まで配達する人物への配慮を感じさせます。配達するのがキキではなくても、誰かが大変な思いをするのが分かっていたという意味なのではないでしょうか?そのような孫娘のセリフからは、彼女が意地悪な性格の人物ではないことがうかがえます。

考察④仕事は必ず感謝されるものではない

「おばあちゃんの孫娘に対する嫌がらせだったのではないか?」という感想がでているニシンのパイにシーンですが、このシーンには裏話があります。その裏話とは、魔女の宅急便の監督を務めた宮崎駿監督が、なぜこのシーンを複雑にしたのかというものです。このシーンは、孫娘に喜んでもらいたいおばあちゃんと、嫌いなニシンのパイを贈られて困っている孫娘の気持ちが描かれています。

おばあちゃんの苦労を目の当たりにしたキキの立場からすれば、嫌いなものであっても、真心を込めて作ってもらったものなのだから快く受け取ってほしいところでしょう。しかし、実際に同じことが自分に降りかかったらどうでしょうか?相手の気持ちに感謝はするものの、何度も嫌いなものを贈られれば辟易してしまうのではないでしょうか?

宮崎駿監督は、そのような両者の気持ちのすれ違いを描くことで「『お金をもらったから、運ばなきゃけないだけ』ということを伝えたかった」と、制作の裏話で語っています。仕事としてお金をもらっている以上、感謝を要求するのは行きすぎた行為となります。このニシンのパイのシーンでは、そのような世間の厳しさが描かれています。

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ニシンのパイの孫娘は宮崎駿監督のお気に入り?裏話を考察

考察①宮崎駿監督の孫娘に関する発言

魔女の宅急便の裏話では「宮崎駿監督が、ニシンのパイをもらった孫娘のキャラクターを気に入っている」という話が出ています。孫娘は、嫌いなニシンのパイを受け取った際に、複雑そうな態度を見せてしまいます。宮崎駿監督の裏話では「おばあちゃんのニシンのパイが本当に嫌なんです。そういう行き違いが世の中にはいっぱいある」と、孫娘の気持ちを肯定しています。

また、ニシンのパイを受け取ったシーンでは不躾な態度をとってしまった孫娘ですが、その後の登場シーンでは、キキに意地悪な態度をとっている様子はありません。最後のシーンでは、キキと楽しそうに話している様子も描かれています。制作裏話では明言されていませんが、そのような描写から、宮崎駿監督は孫娘に自身が日頃感じている不満や思いを代弁させたのではないかと考えられます。

考察②孫娘のセリフはキキが成長するために必要な言葉だった?

もう1つの制作裏話では、孫娘のセリフの必要性について語られています。「あたしこのパイ嫌いなのよね」のセリフは、孫娘を思ってパイを焼いたおばあちゃんの気持ちや、雨風に吹かれながらずぶ濡れになって配達したキキの苦労を無下に扱う言葉です。しかし、実際の仕事でも、そのような場面はあります。努力したことや、相手を思ってしたことが、必ずしも報われるわけではありません。

宮崎駿監督は、制作裏話で「お金をもらったから、運ばなきゃけないだけ」と仕事観を語っています。頑張ったのに酷い言葉をかけられたことで、キキはショックをうけますが、そのような社会の厳しさを覚え、キキは少女から大人への第一歩を踏み出しました。ニシンのパイのシーンには、そのような厳しさが含まれた教訓・意味が込められているのでしょう。

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ニシンのパイの味はまずい?作り方は?

ニシンのパイの味はまずい?

孫娘は「あたしこのパイ嫌いなのよね」とニシンのパイを嫌っていましたが、ニシンのパイの味はまずいのでしょうか?SNSでは「魔女の宅急便に登場したニシンのパイを作ってみた」という投稿がいくつもあります。そのなかには「ニシンの苦みはあまり感じない」「思っていたよりも美味しい」というコメントがあります。甘い味のパイが好きな人には嫌厭されることが多いものの、主食系のパイが好きな人には好評なようです。

ニシンのパイの作り方

魔女の宅急便の作中では、ニシンのほかにかぼちゃとホワイトソースが入っていると解説されています。それに加え、ローリエなどのハーブも使用されているようで、まろやかでほんのりとした甘みを感じるようです。魔女の宅急便に登場したニシンのパイの、正式な作り方は公表されていません。しかし、料理アプリなどでは、ファンによって再現されたレシピが公開されています。

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ニシンのパイに関する感想や評価

魔女の宅急便の孫娘には「あたしこのパイ嫌いなのよね」と言われてしまったニシンのパイですが、実際に作った人からは「おいしい」と好評の声があがっています。こちらの方も「本格的なニシンのパイは見た目が微妙だけど、魔女の宅急便のレシピはおいしい」と絶賛しています。

こちらのツイートでは「ジブリの料理ではニシンのパイが気になる」とコメントされています。かわいらしい魚の模様や、かぼちゃ、ホワイトソースが材料となっていることで「美味しそう」と気になっている人も多いようです。

「思ったよりもおいしい」という評価がみられているニシンのパイですが、なかには魔女の宅急便に登場した孫娘のように「苦手」だと感じる人もいるようです。こちらの方は「ニシンのパイの孫娘に文句を言う人は、1度実物を食べてみてほしい」とコメントされています。

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ニシンのパイは嫌がらせだったのかまとめ

以上、魔女の宅急便に登場するおばあちゃんが、孫娘にニシンのパイを贈った意味・理由について考察を交えて紹介してきました。キキがニシンのパイを孫娘に届けたシーンで、孫娘が「あたしこのパイ嫌いなのよね」「いらないって言ったのに」と呟いたことから「おばあちゃんは孫娘に嫌がらせで贈ったのでは?」という意見があがっています。

しかし、おばあちゃんはオーブンが壊れたのに、わざわざオーブンの代用品を作ってまでパイを焼いています。そのような行動から、おばあちゃんがニシンのパイを贈ったのは、嫌がらせの意味はなく、孫娘に対しての真心からの行為だと予想されます。しかし、孫娘が「いらない」と言っているにもかかわらず、ニシンのパイを贈っていることから「認知症を患っているのでは?」という意見もみられています。

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