2018年09月26日公開
2018年09月26日更新
魔女の宅急便のその後はどうなる?キキとトンボの結婚・子供など原作本を紹介
宮崎駿監督の大人気ジブリ映画「魔女の宅急便」のその後は原作小説に描かれています。今回はキキとトンボの関係や登場人物のその後を原作の魔女の宅急便から抜粋して紹介します。二人の子供やジジの話せなくなった理由など映画だけでは知れなかった情報も。このまとめを読めば魔女の宅急便が大好きという人も、あまり知らない人もより一層「魔女の宅急便」の世界観を理解し楽しめるでしょう。
目次
魔女の宅急便のその後は?原作の小説からキキの生活を紹介!
子供から大人まで、幅広く愛されているジブリ作品。その中でも特に人気作品として有名なのが「魔女の宅急便」です。13歳の魔女の血を引く少女が、一人前の魔女になるための修行の中でたくさんの人々と出会って大人になっていくという心温まるお話です。この「魔女の宅急便」には実は原作となる小説があり、その中では映画のその後と35歳になったキキのようすが描かれています。
魔女の宅急便とは?
「魔女の宅急便」の原作は児童小説家である角野栄子さんの児童書です。1982年からの27年間連載され、シリーズ化された今、「魔女の宅急便」全6巻が刊行されています。このシリーズは累計150万部を超える大ベストセラーとなり時を超えてたくさんの人々に愛され続けています。そんな人気児童小説を映画化したのがジブリ作品の「魔女の宅急便」です。
宮崎駿監督により1989年に公開された「魔女の宅急便」は地上波でも何度も放送され、その度に話題になる人気作。そんな「魔女の宅急便」のあらすじは、田舎町で暮らす13歳の少女キキは、魔女の住んでいない町で一人前の魔女になる、というしきたりのため満月の夜に修行に出ます。勢いよく飛び出したキキですが新しい町コリコでは様々な壁にぶつかり、時に挫折し、そして成長していきます。
そんな中、序盤から登場する「魔女の宅急便」でも有名なキャラクターといえばトンボです。トンボはコリコの町に住む14歳の少年で、キキがコリコの町をほうきで飛んでいるのを見た時からキキに人一倍興味を持っていました。それはトンボが飛行クラブに所属するほど飛ぶことに憧れを抱いていたためなのですが、キキはなにかと絡んでくるトンボと上手く打ち解けられません。
しかし、「魔女の宅急便」の終盤でトンボの乗っている飛行船が事故にあい、それを助けようとしたトンボが宙吊りになってしまいます。仕事で遠くにいたキキは中継でそのようすを見てあわてて現場に駆けつけます。しかしキキはスランプ状態なうえ、母親の作ってくれたほうきは飛行練習の時に折れてしまっています。そのためいつものほうきもありません。
覚悟を決めたキキは、近くに立っていた清掃員のおじいさんのデッキブラシを借ります。なかなか言うことを聞かないデッキブラシを操って空へ飛び立ち、なんとか飛行船へ近付こうとします。しかし力尽きて落下していくトンボ。あわや大惨事、というところでキキはトンボを空中で受け止めて救出しました。
そうして「魔女の宅急便」本編は終了しますが、エンディングではキキとトンボが仲良く飛行をしているため関係は良好なようです。最初打ち解けられなかったトンボの仲間たちとも楽しそうにしているのが分かります。しかし映画版でのお互いの関係性ははっきりとしません。まだ良いお友達止まりです。しかし原作「魔女の宅急便」ではその後のキキとトンボの姿が描かれているのです。
魔女の宅急便のキキはトンボと結婚!その後を紹介
映画「魔女の宅急便」は原作の1~2巻をメインに描かれているのですが、その後の話は原作の「魔女の宅急便」3巻に続いています。
トンボと結婚
原作「魔女の宅急便」の3巻では3年の月日が経っており、キキは16歳になっています。ずっと飛ぶことに夢中になっていたトンボですが、ハンググライダーの飛行実験をしたその後、生物学に興味を持ち転向します。トンボは昆虫に魅入られついに学校へ進学するようになるのですが、その学校はコリコの町の西にありキキとは遠距離になってしまうのです。それでもトンボは旅立ち、キキはコリコの町でトンボが帰ってくるのを待ちます。
「魔女の宅急便」4巻ではキキは17歳になりました。未だ遠距離中の二人ですが、トンボはときたまキキ宛に手紙を出していました。しかしその内容は昆虫のことばかり。楽しそうなトンボのようすにキキは不安などを覚えます。そんな中、トンボがやっと遠くの町から帰ってくると思っていたキキのところへ「この夏は山にこもる」と嬉しそうな手紙が届きます。キキの寂しさはより一層ふくれあがってしまうのでした。
ある日キキはドレスのデザイナーをしているサヤオという青年に出会います。最初なかなか打ち解けませんでしたが、彼の作るドレスに魅入られて次第に仲良くなっていきます。ファッションショーで彼の作った星空のような美しいドレスをまとって楽しんだキキはサヤオに、自分の結婚式にはドレスを作ってほしい、と頼みます。その相手はトンボ。キキは愛する人が近くに居ない日々の中で、彼の存在を更に大きくしていったのでしょう。
「魔女の宅急便」5巻ではキキは20歳になりました。キキを不安にさせるトンボでしたが、ついに学校を卒業しキキのもとへと帰ってきました。やっと再会した二人ですが、トンボはまたも昆虫の話ばかり。キキはそんなトンボに怒り帰ってしまうのです。しかし翌日、トンボはキキのもとへ謝りにいき無事仲直りします。そしてその二年後、キキが22歳になったとき二人は結婚したのです。長くて淡い恋が実った瞬間でした。
双子の子供が誕生!その後を紹介
キキとトンボが結婚したその二年後、キキは双子の姉弟を生みます。名前はニニとトト。
元気で明るく活発な姉のニニと、物静かで落ち着いている弟のトト。二人の性格は双子なのにまったくの正反対でした。
そんな二人が主人公の「魔女の宅急便」第6巻では、更に10年以上の月日が流れ、双子の姉弟は11歳になっています。ニニは半分魔女の女の子ですが魔女には全く興味を示しません。飛ぶ練習をしても嫌になれば途中でやめてもいい、という考えでした。そんな中ニニは友達にある言葉をかけられ魔女に向き合い始めます。
キキのあの真っ黒な服を着たニニは、母のキキにそっくりでした。その姿をみたその姿を見たおソノさんは涙を流してしまいます。その服を自分なりにアレンジしたり、生意気な考え方は健在なものの、結局13歳になったとき修行に出ます。
その一方で弟のトトのほうは自分から魔女業務を手伝ったりと魔女にとても興味を持っています。けれど男の子は魔女に成れるはずもなく…。それでも諦めきれないトトは飛ぶ練習を試みますが、結局叶いませんでした。悲しみに包まれるトトですが、ほうきを楽器のように改造し、森でひとり音楽を奏で続けます。
トトもまた、方法は変わっても魔女のような生活を求めて13歳のとき旅立ちます。「魔女の宅急便」最終巻では二人の子供たちが大人へ向かって進んでいく、成長のストーリーになっているのです。
その頃のキキはというと、立派なお母さんになっていました。しかし魔女の服装である黒ずくめな恰好はそのまま。真っ直ぐで優しい性格だったキキですが二人の子供の母親になりより一層強く優しくなりました。子供時代の融通の利かない事に一喜一憂していたキキも可愛らしくて魅力的でしたが、母となったキキもまたより一層魅力的だと評判です。
原作「魔女の宅急便」はニニとトトが修行に出ていくシーンで終わりを迎えます。キキは二人を送り出し、二人の成長を祈ります。かつてキキの母がそうだったように子供達からの手紙を心待ちにして日々を過ごしていくのでしょう。13歳で勢いのままに家を飛び出したキキが、今度は我が子を修行に出すのです。1巻から追いかけ続けた読者にとってはこの終わり方はとても心温まる者だったでしょう。
親から子へ、子が親になり、そしてまた親から子へ。受け継がれていく命と伝統のバトンがぎゅっと詰まった最終巻でした。
魔女の宅急便のジジは言葉を失わない!その後を紹介
映画「魔女の宅急便」といえば、魔女のキキと黒猫のジジ。魔女は黒猫とセットで修行を受けるわけですが、このジジが劇中では大きな役割を得ていますよね。可愛らしい見た目と憎めないキャラクター性にジジのファンだという人も多いのではないでしょうか。
ジジはいつもキキの配達業務に着いていき助言をしてくれていましたが、ある日を境に話さなくなってしまいます。いつもは雄弁なジジが普通の猫のように「にゃー」と鳴くのです。
そんなジジの姿に苛立つような場面もあり、かねてよりジジの存在がキキの力になっているのが分かります。それもそのはず、ジジはキキが生まれた頃から一緒に成長してきた相棒なのです。新しいことの連続で気持ちの整理がつかないキキにとって、相棒のその姿はショックだったでしょう。
これには様々な憶測が飛び交いましたが、のちに映画の監督である宮崎駿さんが「ジジの声はもともとキキ自身の声で、キキが成長したためジジの声が必要なくなった。変わったのはジジではなくキキ。」との言及をしています。さまざまな体験を通すなかで一歩一歩大人になっていくキキに、修行の補助をする存在が必要なくなったということなのでしょう。
原作には話せなくなるシーンはない
そんなジジですが、実は人の言葉を喋らなくなってしまうのは映画のなかだけだということ、皆さんご存じでしょうか?原作の「魔女の宅急便」ではジジが人の言葉を話せなくなるシーンはありません。ジジはキキの魔法で話せるようになっていて、魔力が弱まると話せなくなってしまいます。またキキ以外の人とは話すことができません。話せなくなるというストーリーは宮崎駿監督のオリジナルだったわけです。
結婚して大家族を持つ
映画と違うのはそれだけではありません。映画「魔女の宅急便」ではジジはグーチョキパン店の小麦倉庫の向かいに住む白猫のリリーと恋に落ち結婚します。最初はリリーがいけすかない、といった様子で顔をしかめていたジジでしたが、映画の中盤、屋根の上でリリーと楽しく会話するようすが描かれています。また、エンディングではリリーとの間に4匹の子猫がおり、二人の仲は順調であることが分かります。
しかし原作の「魔女の宅急便」ではリリーではなくヌヌという猫と結婚します。ヌヌはキキがトンボと遠距離恋愛中に出会ったサヤオという男の子のお屋敷にいる白猫でした。原作より短毛でスリムです。
ヌヌと結婚したジジはその後合計で18匹の子供を授かりました。ジジの子供たちはさまざまな人に貰われていきました。また、魔女の相棒である黒猫は魔女が結婚すると別れなければならない、というきまりがあったのですが、どうしてもキキと離れたくないジジはそのきまりに背きキキとずっと一緒に暮らしました。
魔女の宅急便のトンボのその後は?他のキャラも紹介
「魔女の宅急便」にはキキやジジ以外にも魅力的なキャラクターがたくさんいますよね。今度はその他のキャラクターのその後について紹介します。
トンボは教師に!
紆余曲折あったキキとトンボ。トンボが学校を卒業してキキのもとに帰って来た二年後に二人が結婚するというのはご紹介しましたね。その後、トンボは中学校で生物学の教師となりました。マイペースな性格は相変わらずですが、キキとはよい夫婦になり、ニニとトトのよい父となりました。心優しく勉強熱心なので、教師をしているトンボの姿はとても想像できますね。
おソノさんは娘が成長
キキが居候しているグーチョクパン店のおソノさん。映画のエンディングでは夫のフクオさんが赤ちゃんを抱っこしている姿が描かれていますが、原作の「魔女の宅急便」ではおソノさんの娘は20代ほどまで成長しています。
名前はノノ。原作の「魔女の宅急便」ではキキと、子供たちの落ち葉広いに一緒に行くなど仲の良いようすが描かれています。キキの事を「キキさん」と呼び、まるで年の離れた姉妹のように共に成長していきました。また、ノノの3つ年下の弟も生まれており、おソノさんは2人の子供に恵まれたのです。
原作の「魔女の宅急便」ではノノの結婚式の帰り道のようすが描かれています。おソノさんやキキ一家が楽しそうにしているのが分かりますね。キキが修行に出て出会った人々にも同じだけの時間が流れ、その生活のようすは原作を読むことで知ることが出来るのです。
魔女の宅急便のキャラのその後についてまとめ
今回は映画「魔女の宅急便」のその後について、原作を中心に紹介しましたが、いかがだったでしょうか?映画の中だけでは知りえなかったキキの半生。トンボとの恋愛が上手くいかなかったり、仕事や魔女としての生き方に悩んだりと、少女の成長を感じるお話でした。そんなキキもたくさんの読者に見守られながら一人前の大人へと変わっていったのです。
私達の生活の中にも、魔法はなくとも、生き方に悩んだり自分のあり方に悩んだりすることがあるでしょう。そんな時は少し肩の力を抜いて、ゆっくり考えてみるのも良いかもしれません。キキは壁にぶつかる度、少しずつ成長していったのです。
「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです」という言葉のように、自分を見つめ直して気持ち新たに進んでみるのはどうでしょうか?そんな時は原作や映画の「魔女の宅急便」を見て初心を思い出すのも良いかもしれません。