【チ。-地球の運動について-】オクジーはバデーニの助手！死亡シーンや本のその後は？

地動説への感動から生きる希望を見いだした矢先、壮絶な最後を迎えたオクジー。漫画「チ。」の主要人物の1人であり、バデーニの助手です。以下では、「チ。-地球の運動について-」のオクジーのプロフィールや経歴、性格などを紹介します。その他、「チ。」のオクジーの最後と死亡シーン、彼が書き残した本のその後などもまとめました。

奇抜なタイトルが目を引く「チ。-地球の運動について-」は、魚豊先生による地動説の証明を題材にした作品です。2020年～2022年にかけて「ビックコミックス」にて連載され、単行本は全8巻で構成されています。

15世紀の架空のヨーロッパを舞台に、宗教上禁じられている地動説の証明に挑む人々の信念や生き様を描いた「チ。-地球の運動について-」。少年ラファウと地動説の出会いから本が出版されるまでの流れを壮大なスケールで描いています。

15世紀のヨーロッパ・P王国ではC教が絶大な権力を持ち、その教義に反する思想は異端とみなされていました。地動説も例外ではなく、研究を行った者は壮絶な拷問の末、火刑が待っていました。しかし、人々は知的好奇心を抑えきれず、ひっそりと地動説の研究を続けます。12歳の少年ラファウも地動説の美しさに魅了され、危険な学問に打ち込みます。そして、彼の研究は後の世代へと引き継がれ、地動説が完成しました。

漫画「チ。」の第2章の主人公で、人生を悲観的に捉える代闘士です。異端者の男の輸送中に地動説を知り、成り行きで地動説の研究に携わるようになりました。視力が非常に良く、バデーニに代わって天体観測を担っています。

「チ。」の第2章の主人公の1人で、バデーニの助手として活躍したオクジー。ひょんなことから地動説を知り、危険と知りながらもそれらの研究に打ち込んでいきます。そして、2人の努力が実って地動説が完成するも、それは2人の死亡を予感する伏線となりました。以下では、「チ。」のオクジーから、バデーニの助手としての活躍や、オクジーの最後と死亡シーンを紹介します。

ひょんなことから地動説の研究に関わることになったオクジーは、バデーニの助手として天体観測に取り組みます。一方のバデーニはラファウが残した資料をもとに地動説の証明に挑み、数ヵ月後に完成させました。この背景には、女性研究者・ヨレンタの存在も大きく、２人はヨレンタと共に地動説の完成をささやかに祝いました。しかし、喜びも束の間、ある人物の登場によりオクジーとバデーニの運命は一変します。

3人の前に現れたのは異端尋問官・ノヴァクであり、ヨレンタの父親でもあります。かつて自分の命を狙ってきた男の登場に、オクジーは動揺を隠せません。一方、ノヴァクは特に問い詰めることはせず、自然な形で3人に近づきます。ノヴァクの目的はバデーニであり、彼が地動説の研究資料を持っていることを突き止めていました。そして、ヨレンタが酒場から出たタイミングで、バデーニに話しかけます。

自分が異端尋問官であることを明かし、研究資料を見せてほしいと打ち明けるノヴァク。要請を受け、バデーニは自分の研究室に案内して調べさせます。重要な資料は別の場所に隠していたものの、オクジーの首飾りが机の上においたままでした。それは、オクジーが輸送した異端者の男から譲り受けた者で、ノヴァクもその正体を知っているはずでした。しかし、特に問題視せず、そのまま去っていきます。

ノヴァクが去った後、オクジーは首飾りの持ち主やその正体、ノヴァクとの関係をバデーニに打ち明けます。危機感を募らせた2人はすぐさま逃亡の準備を図るも、すでにノヴァクの一行が待ち構えていました。オクジーは自ら囮となり、バデーニを逃がそうと試みます。しかし、異端尋問官の放った矢に倒れ、気が付くと診療施設に横たわっていました。

オクジーが生かされた理由は、バデーニが隠し持つ研究資料の在り処を白状させることでした。また、異端尋問官所にはバデーニも拘束され、壮絶な拷問が行われます。最初こそ拷問に耐えていたバデーニ。しかし、オクジーの拷問には耐え切れず、資料の在り処を白状します。これで拷問は終わったものの、2人には絞首刑が下されました。

絞首刑台に立たされ、首に縄をかけられたオクジーとバデーニ。死が目前に迫った2人は、命乞いをすることもなく、自分の運命を受け入れます。そして、夜空の美しさに魅了されながら、絞首台の床が外されました。

地動説の証明だけでなく、本も書き残したオクジーでしたが、彼の人生は決して順風満帆とは言い難いものでした。地動説と出会う以前はネガティブで、人生を悲観に捉えていたオクジー。彼がそのような性格になったのは、少年時代の神父の教えが原因でした。以下では、「チ。」のオクジーの経歴や性格、オクジーのモデルなどを考察しました。

地動説と出会う前のオクジーは、民間警備組合に所属する代闘士として働いていました。代闘士とは、貴族などの決闘の代理を請け負う職業です。代闘士は仮面で素性を被り依頼者に代わって決闘を行うも、それは常に死と隣り合わせでした。また、命がけの仕事でありながら代闘士の報酬は少ないく、人の命が軽んじられた職業と言えるでしょう。

登場初期のオクジーは、消極的かつネガティブな性格であり、自分で何かを決断することが苦手な受け身な一面が目立ちました。そのため、人生を左右しかねない重要な選択すら自分で判断を下せず、同僚の意見に従っています。また、生まれながらの身分の低さや代闘士という職業から、人生を悲観的に捉える場面も見られます。早く天国に行きたいと願うオクジー、彼がネガティブな性格になった理由は少年時代にありました。

ヨーロッパでは天動説が主流であり、地球の一番外側には天国があると考えられていました。ある神父は、穢れた大地から見上げるから夜空がきれいに見えると考えます。そして、穢れた大地、地球に暮らす人間は無力で罪深い存在だとオクジーに教えました。神父の話は少年オクジーのトラウマとなり、現在のオクジーにも大きな影響を与えました。同時に、早く天国に行けることを願う動機にもなっています。

神父の教えを信じて疑わないオクジーは、天国に行けることがだけを願い、人生を送ってきました。しかし、地動説との出会いが彼自身を大きく変えていきます。ある日、オクジーと同僚のグラスは、異端者とみなされた男の輸送を依頼されます。同じ馬車に乗り込み、男を監視する2人。一方、男はオクジー達に警戒心を示すどころか、自身の考えを披露し始めます。

P王国でのC教の在り方から始まり、ついにはこの世界は天国より美しいと持論を掲げます。同時に、ある場所にいけばその理論を証明できると言い放ちました。男の考えは、天動説を信じて疑わないオクジーにとって、突拍子のない内容でした。一方、グラスだけは違った反応をみせ、男の考えに賛同します。オクジーと同様、この世界に希望はないと思うグラスでしたが、この世界に期待したいという心もありました。

その後、グラスに巻き込まれる形で異端者の男の逃亡を図ったオクジー。しかし、別の馬車で移動していたオクジーに感づかれ、3人は危機的状況に陥ります。自分は巻き込まれただけと命乞いするオクジーでしたが、ノヴァクは聞く耳を持ちません。剣が目の前に迫ったその時、異端者の男が身代わりとなって刺されました。追っ手を振り払ったオクジーとグラスは、その後、男が言っていたある場所へ向かいます。

そこには、天文学に関する資料が保管されていたものの、2人は文字が読めないため内容が分かりません。そこで、天文学に詳しいと言われるバデーニを訪ねることにし、オクジーも一緒についていくことにします。村に向かうには途中、石橋を渡る必要があり、グラスが先に渡った瞬間、足元が崩れました。グラスを助けるべく、橋に駆け寄ったオクジー。しかし、グラスは道連れにしまいと自ら手を離しました。

グラスが死んだことで村を目指すのも、ここから引き返すのもオクジーの自由です。しかし、オクジーは村を目指すことを選択し、バデーニと面会しました。教会の禁書を読み、目を焼かれた挙句、村の教会に追いやられたバデーニ。自分の代わりに天体観測をすることを条件に、オクジーの資料を見ることに決めます。そして、その資料から「地球は動いている」という事実を突き止めます。

史実を思わせる作風が目を引く漫画「チ。」ですが、物語は完全なフィクションであり、登場人物にモデルはいないと明言されています。そのため、オクジーについても、モデルとなった天文学者はいないとされています。

「チ。」のオクジーの功績といえば、後の時代に出版された「地球の運動について」の執筆があげられるでしょう。ノヴァクに逮捕され、絞首刑を受けて死亡したオクジーでしたが、彼の意思はその後も生き続けました。そして、長い年月を経て、最後には一冊の本として世間に広まっていきました。以下では、「チ。」のオクジーの本のその後や本のタイトル、内容などを紹介します。

地動説の完成にあたり、バデーニは万が一自分が死亡した場合でも、これらを本として復元するためにある保険をかけていました。生前、貧民街に暮らす人々にパンを与えていたバデーニ。その目的は、パンを与える見返りに彼らの頭に何かを施していました。そして、自分たち来なくなって1ヵ月が経ったら、ある場所へ向かうように指示します。その場所は、かつてバデーニが働いていた教会でした。

また、同じ教会で働いていたクラボフスキにも手紙を送り、彼が読みたがっていた本を口実に、貧民街の人々を託しました。そして、村にやってきた彼らはクラボフスキと対面し、薄暗い地下堂へ入ります。貧民街の人々が髪をそり落とすと、文字を掘った刺青が見えました。これがバデーニがかけた保険であり、地動説に関する内容が彫られていました。

1人1項目を目安に彫られ、計60人＝60項の文章となります。そして、クラボフスキに託された役目とは、彼らの刺青を紙の上に復元することでした。

クラボフスキの手で復元された文章は「地球の運動について」として本になります。しかし、著者はバデーニではなく、オクジーでした。身分が低いために文字の読み書きも出来なかったオクジー。地動説の研究をきっかけに文字の勉強し、文章を書けるまでに成長します。そして、地動説の感動を後世に伝えるべく、それらを本にまとめました。

一方、バデーニは、「知」は優秀な人間が扱うべきという考えから、オクジーが文字を覚えることに否定的な態度を見せていました。しかし、彼の本を読んだことで考えをあらため、オクジーの感動を本に残すことを選びます。そこで、異端尋問官に見つからないように保管する方法として、貧民街の人々に目を付けました。

オクジーの地動説の感動を記した「地球の運動について」の本は、クラボフスキに託されてから25年後には、とある教会で保管されていました。しかし、その本は異端解放戦線を名乗る一味によって奪われてしまいます。異端解放戦線とは地動説支持者によるC教に対するレジスタンスで、そのボスはヨレンタが務めています。実は、オクジーとバデーニの死亡後、アントニ司教の策略で異端者の嫌疑をかけられたヨレンタ。

ノヴァクを陥れるために異端者として処刑されたものの、死亡した者はヨレンタの身代わりとなった新人の異端尋問官でした。彼の正義によって難を逃れたヨレンタは、25年後に異端解放戦線のリーダーとしてC教と対立します。一方、娘の死亡を信じて疑わないノヴァクは、地動説への憎悪を募らせて異端者の取り締まりにのめり込みます。

異端解放戦線が地動説の本を集めている目的は、この内容を世間に広めることでC教の権力を弱めようとすることでした。そして、教会などから奪った本はある場所で保管されるも、商才に優れたドゥラカに見つかります。地動説を刺激的な娯楽を捉え、これらを本にすれば売れると考えたドゥラカ。本を民衆の手に渡らせたいヨレンタ達の目的とも一致し、「地球の運動について」の本の出版に向けた計画が始まります。

しかし、本の出版は思うようにいかず、ノヴァクの妨害や仲間の裏切りにも見舞われました。それでも一行は諦めず、最後はドゥラカによるアントニ司教との交渉にこぎつけます。儲け話を聞かされたアントニ司教は、本の売り上げを渡すことを条件に出版を認め、「地球の運動について」の本が世に出ました。

漫画「チ。」の副題であり、オクジーの著書として登場した「地球の運動について」の本。全60ページで構成されていることが判明するも、その内容は明かされていません。しかし、作中では本の内容を示唆するセリフがいくつか見られます。オクジーの地動説への感動や、それらがもたらした自身の変化が書かれていると推測されるでしょう。

また、ヨレンタとの出会いも、オクジーが本を書こうと思ったきかっけになりました。文字は時間と場所を超越できるという言葉から、読み書きへ興味を持ったオクジー。自身の体験を基にした物語を書こうと思いつき、「地球の運動について」が完成したでしょう。オクジー自身は、この作品を誰かに発表するつもりはないと話していたものの、読まれることを前提に執筆していたことに間違いありません。

また、バデーニ自身も、いつかオクジーの本が読まれることを予感し、保険をかけたとも考えられます。ノヴァクに捕まったことで、志半ばで最後を迎えたオクジーとバデーニ。しかし、2人の意思は時代を経て本として発表されました。そして、最終章ではアルベルト・ブルゼフスキの手にもわたり、地動説が世に広まるきっかけをもたらしたでしょう。

多くの死亡者が出ながらも、最後には感動の結末を迎えた「チ。-地球の運動について-」ですが、早くもアニメ化が発表されました。詳細な情報は2023年8月時点では未発表ですが、SNSでは担当声優の予想など、アニメ作品への期待が高まっています。以下では、「チ。」のアニメ化やオクジーのアニメ声優について紹介します。

地動説の証明にかけた人々の生き様が読者を魅了した「チ。-地球の運動について-」の漫画。2022年6月には早くもアニメ化が発表され、制作はマッドハウスに決まりました。

アニメ化が決定した「チ。」の漫画ですが、アニメ放送の開始時期は2023年8月時点で未定です。そのため、アニメ声優陣の顔ぶれも未公表となっています。第2章の主人公であり、物語全体において重要な役目を果たすオクジー。アニメ声優は誰になるのか、ファンの期待が高まっています。

物語を完成させたのも束の間、異端者として壮絶な最後を迎えたオクジー。しかし、地動説の感動を綴った物語は、その後の時代に一冊の本となって出版されました。オクジーはすでに死亡しているものの、本の中で生き続けているでしょう。以下では、「チ。-地球の運動について-」のオクジーに関する感想や評価を紹介します。

「チ。」の登場人物で高い人気を誇るオクジーといえば、誰かのために覚悟を決めることができるカッコよさは外せないでしょう。登場初期は天国に行くことだけを願い、人生を悲観的に考えていたオクジー。しかし、地動説との出会いを機に変わっていき、前向きに生きるようになります。SNSでは、オクジーがかっこいい、彼の姿を見て元気な気持ちになれたと、ファンの人気を集めています。

オクジーが書いた物語は、その後、ヨレンタやドゥラカの手で出版されました。しかし、内容はオクジーの地動説の感動を物語風に描いたとしか説明されておらず、詳しい情報は不明となっています。最後まで地動説に命をかけたオクジーとバデーニ。彼らの意志はその後、1冊の本になって後世に残されました。ファンの中にはオクジーが書いた本を読みたいとの感想を寄せており、その中身について様々な考察が飛び交っています。

「チ。」の序盤は異端者の拷問シーンというショッキングな展開から始まりました。異端者の正体は何者なのか、どのような経緯で拷問を受ける羽目になったのか、読者の興味を刺激するシーンとなっています。その後、この人物の正体はオクジーと判明し、拷問の先に待つ悲惨な最後を予感させる描写だったでしょう。読者の中には、オクジーの死亡よりも拷問される方が悲しいとの声も寄せています。

死亡者の多さや難解な結末から賛否両論が飛び交った「チ。」の漫画ですが、SNSでは第2章が面白かったと高評価も見られます。地動説を通じて仲間となったオクジーとバデーニのやり取りはシリアスな空気を和ませ、見ていて楽しかったとの感想も寄せられました。最後は絞首刑に処されたオクジーとバデーニ。しかし、彼らの人気は根強く、多くのファンに愛されています。

「チ。-地球の運動について-」のオクジーのプロフィールや最後と死亡シーン、本のその後などを紹介しました。主要キャラの中では異色の経歴の持ち主であり、物語において重要な役目を担ったオクジー。地動説との出会いは彼だけでなく、地動説の運命も大きく変えました。壮絶な最後と死亡を迎えたオクジーでしたが、彼が書いた本はその後の人々の託され、地動説への感動を多くの人々に教えることができたでしょう。