【文スト】神威（カムイ）の正体は天人五衰の福地桜痴！異能力・強さや目的は？

この記事では、文ストに登場するテロ組織・天人五衰の5人目のメンバー・神威（カムイ）を特集していきます。その話題に入る前に、まずは文豪ストレイドッグスの作品情報をお届けします。最初に作品の概要、そして簡単なあらすじ解説へと進みます。

文豪ストレイドッグス（公式略称は「文スト」）は、原作・朝霧カフカ、作画・春河35によるアクション漫画です。KADOKAWAの「ヤングエース」にて2013年1月号から連載中の作品になります。単行本は、角川コミックス・エースより23巻まで刊行され、2022年2月時点でのシリーズ累計発行部数は実に1000万部を超えています。

また文ストのメディアミックス展開としては、小説版、テレビアニメ、劇場版アニメ、ゲーム、そして実写作品が制作されています。まず小説版文ストは、2014年4月より角川ビーンズ文庫にて刊行され、現在既刊7巻を数えるまでになっています。テレビアニメは、TOKYO MXほかにてすでに4シーズンまで放送されています。

劇場版アニメについては、2018年3月3日に「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE」のタイトルで上映されました。また、実写作品については舞台作品と実写映画作品がありますが、舞台作品は2017年より2022年まで合わせて7作品が上演されています。実写版映画は、「映画 文豪ストレイドッグス BEAST」というタイトルで2022年1月7日に公開されました。

孤児院を追い出された青年・中島敦は、あてどなく横浜市内を彷徨います。すると鶴見川の川岸で入水自殺を図った男を発見し、行きがかり上助けることになります。男の名は太宰治、危険な依頼を専門に扱う武装探偵社の社員です。そこへ駆けつけてきた相棒の国木田独歩によると、2人は人食い虎捜索の最中とのことでした。成行きで2人を手伝うことになった中島は、やがて自分が孤児院を追い出された理由を知ることになります。

ここからは、この記事のメインテーマである文ストの神威（カムイ）の話題に入っていきます。神威（カムイ）とは、後述する天人五衰の首領を務める人物です。極めて慎重な性格で、味方にも正体を隠しています。そのため常にガスマスクを着用し、仲間と一緒にいる時でもマスクを外すことはありません。

文ストに登場する天人五衰（てんにんのごすい）は、ゴーゴリが先鋒を務めるテロと殺人の秘密結社です。六道輪廻の最高位に位置する天人が、長寿の末に迎える死の間際に現れる衣裳垢膩（えしょうこうじ）などの5つの兆候のことを指します。かつてゴーゴリは、天人五衰のことを「天人の世の終焉を告げる五指」と表現していました。

殺人結社・天人五衰は、こうした思想に基づき猟奇的殺人事件を次々に起こします。これまでにすでに4件の猟奇事件が発生しており、5件目の凶行も近く起こると推察されています。内務省異能特務課長官・種田山頭火（たねだ・さんとうか）は、敵から情報を得る異能力により天人五衰のメンバーが5人であることを掴みます。

ここからは、文ストの神威（カムイ）の正体や目的について考察していきます。原作漫画・文豪ストレイドッグスの19巻83話で、カムイの正体が福地桜痴（ふくち・おうち）という男であることが判明します。

福地桜痴は、軍警察の最強特殊部隊・猟犬で隊長を務める人物です。陽気で明るい性格、そして優れた能力や高い指導力により、彼には隊員からの厚い信頼が寄せられています。武装探偵社の社長・福沢諭吉とは武術で競い合う幼馴染であり、かつ親友でもありました。しかし、福沢諭吉とは戦場へ赴くときの意見の相違から袂を分かつことになります。福地は戦場に身を捧げ、諭吉は戦場行きを拒否します。

事態を重く見た武装探偵社の社長・福沢諭吉は、カムイの正体と考えられる福地桜痴に接触するよう部下に指示します。その命を受けた江戸川乱歩は、かねてより面識のあった福地桜痴と手を組むことに成功しました。

福地桜痴がカムイの正体とは知らされていなかった乱歩は、福地の面前で彼が異能力と信じる超推理を行いカムイの正体を暴こうとします。乱歩は、「頁」による改変以前の情報に着目し、カムイの正体が福地桜痴であることを導き出しました。

次に、文ストの福地桜痴が神威になった理由を考察します。その理由を知るには、福地がテロ組織・天人五衰を設立し国家消滅を図ろうとした背景を探る必要があります。かつて福地桜痴は、武装探偵社の福沢諭吉と親友の間柄でした。ところが、戦争への対応をめぐり袂を分かったのです。戦地へと赴いた福地は、帰還後に道を大きく踏み外すことになります。後に、福地桜痴は、戦争での経験がそうさせたと語っています。

戦場で人を殺す側に立った福地の経験は、その後の彼の人生観・世界観に大きな影を落としました。福地は戦場での非人道的な出来事を振り返ります。そして、戦場で人を殺したのは自分でも、そう仕向けたのは国家だという結論に至りました。

戦争を生み出す国家を憎み、全ての国家を消滅させるためにテロ組織・天人五衰を設立したのです。戦争をなくし世界を平和に導くため、テロによる虐殺を肯定するという福地桜痴の歪んだ思想はこのようにして生まれました。

文ストの神威、つまり福地桜痴が最終目標に掲げているのは、全世界の国家の消滅です。前述のように、その目標には戦場での悲惨な経験が大きく影響しています。戦場で軍人・民間人を問わず多くの人間を殺戮した福地は、自分にそうさせた国家を憎みます。国家さえなければ凄惨な戦争も起きないのです。

戦争をなくすためには全ての国家を消滅させねばならない、福地桜痴はこう結論付けました。帰還後に福地桜痴は生まれ変わり、もはや福沢諭吉の知る人間ではなくなっていました。

福地桜痴が目標達成のために狙ったのは、国連の持つ異能力の兵器「大指令（ワンオーダー）」です。この兵器には、軍隊の部下をどのような命令であっても、その通りに動かす能力があります。福地は、天人五衰により国家を消滅させた後、自らが人類のトップに就き、この「大指令」により世界を支配しようと考えていたのです。

文ストの福地桜痴の目標は、世界中の国家の消滅です。では、福地桜痴が創った天人五衰の最終目的は何なのでしょうか？実は、文ストの23巻までを精読しても、天人五衰の最終目的に関する記述は出てきていません。つまり、現時点で天人五衰の最終目的は不明となっています。

文ストの中で最強と言われる神威（カムイ）の異能力や強さについて見ていきましょう。神威（カムイ）すなわち福地桜痴には、「鏡獅子」と呼ばれる異能力があります。これは、手に取った武器の能力を100倍にまで高める異能力で、本人が武器と認識さえすればどんなものでも対象となります。ただし、武器の能力は必ずキッチリ100倍となり微調整はできません。

この能力だけをとっても最強の異能力といえるのですが、対象となる武器いかんでは、異能力と武器の強さの相乗効果で天井知らずの威力を発揮します。

文ストで異能力・鏡獅子を持つ福地桜痴が賜った儀式用の剣に、神刀・雨御前があります。この剣は、1500年前に異能力を持つ鍛冶職人の手により製作されたもので、10cm強の空間を省略することができます。この神刀・雨御前を手に取り異能力・鏡獅子を発動すれば、10cm強の100倍、つまり十数メートル先の対象物に斬撃を加えるチート級の武器に早変わりします。

また、この神刀・雨御前は空間を省略するだけではなく、時を渡る能力をも備えています。仮に福地が戦闘で敵に敗れたとしても、この剣を使って過去の敵を斬り倒せば戦闘そのものを無くしてしまうことが可能です。さらに、異能技師による生体手術で身体能力が数十倍に高まった猟犬部隊隊員が、福地の異能力や剣を手にした場合には、想像を絶する空前絶後のパワーを獲得することでしょう。

文ストの作中では、神刀・雨御前を持ち鏡獅子を駆使する福地桜痴と最初に一戦を交えたのは、中島敦と芥川龍之介による新双黒です。新双黒は、福地桜痴に強烈な一撃をお見舞いしますが、神刀の「時渡り能力」でリセットされてしまいます。

勝ち目がないと悟った新双黒の芥川は、共倒れを避けるため中島を逃がし自らを犠牲にします。福地は芥川を殺害した上に、ブラム・ストーカーの力を使って吸血鬼の眷属に変えてしまいました。最強コンビ・新双黒は最善を尽くしましたが、福地桜痴が強すぎて打つ手なく完敗を喫しました。

ここで、アニメ文ストで福地桜痴の声を演じた声優・大塚明夫（おおつか・あきお）のプロフィールを紹介します。大塚明夫は、1959年11月24日生まれで東京都出身の声優で、マウスプロモーションに所属し俳優やナレーターとしても活躍しています。父親はアテレコ界の重鎮と称された故・大塚周夫です。

大塚の経歴を簡単に紹介しますと、まず1988年のOVA「あいうえおアニメ 世界名作童話全集」でシルバー役を演じ声優デビューを果たします。その後は、テレビアニメから劇場アニメ、ゲーム、そして洋画や海外ドラマの吹き替えとジャンルを問わず幅広く活動しています。

また、ナレーターとしては、テレビ朝日の「日曜洋画劇場」の予告や「飛び出せ!!科学くん」などでお馴染みです。さらに俳優としては、テレビドラマ「真夜中の百貨店〜シークレットルームへようこそ〜」で主役を演じたほか、中年のオヤジ役やヤクザの役などで舞台に立つことも数多くあります。

2015年3月には、初の著作となる「声優魂」を星海社より上梓します。声優になるまでに経験した職業のことや、声優に転向する際、父・大塚周夫に許可してもらえなかったエピソードなどが綴られています。あわせて声優に限らず様々な職業を目指す若者に向けての指南の書として注目を集めました。

次に、アニメ文ストでカムイの声を演じた大塚明夫のテレビアニメにおける主な出演作品や演じたキャラを一覧で紹介します。

• 機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光（アナベル・ガトー）
• 楽しいムーミン一家（ムーミンパパ）
• BLEACH（京楽春水）
• ジョジョの奇妙な冒険（ワムウ）
• ONE PIECE（マーシャル・D・ティーチ/黒ひげ）
• 僕のヒーローアカデミア（オール・フォー・ワン）
• バキ（範馬勇次郎）
• ブラック・ジャック（ブラック・ジャック）
• 攻殻機動隊（バトー）
• ルパン三世 PART6（次元大介ほか）

ここまで文豪ストレイドッグスの神威（カムイ）特集をお届けしてきましたが、最後に神威（カムイ）に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、時事ネタに絡めた神威に関するツイートからです。大きな組織を率いる能力から、カムイとウクライナのゼレンスキー大統領を比較していました。

続いて紹介するツイートでは、神威の正体が判明したところで、文ストを読むのを止めていたと明かしています。神威の正体判明が、文ストのストーリーにおける1つの山場であったことを表しているのではないでしょうか？

最後に紹介するのは、この記事でも解説しましたが、強すぎる神威（カムイ）に関するツイートからです。どうやって倒すのかが投稿者をはじめ多くの読者の関心事になっているようです。

テロ集団・天人五衰の首領として文ストに登場する神威（カムイ）の正体は、軍警最強の特殊部隊・猟犬の隊長・福地桜痴です。福地桜痴の異能力は「鏡獅子」で、神刀・雨御前と組み合わせることで新双黒でさえ歯が立たない最強の力を得ます。福地桜痴の目標は、この世から戦争をなくすため全世界の国家を消滅させることであり、彼の思想には戦地で経験した凄惨な殺戮の記憶が大きく影響していました。