【幽遊白書】左京と静流の関係は？原作とアニメで違う？ライターを渡した理由も考察

『幽遊白書』の左京と静流(しずる)の関係を解説していく前に、左京と静流のそれぞれのプロフィールを紹介していきます。大人な雰囲気でかっこいい印象を受ける2人ですが、いったいどんな人物なのでしょうか？また、『幽遊白書』の作品概要やあらすじもまとめていますので、ぜひご覧になってみて下さい！

『幽遊白書』は冨樫義博による漫画作品です。『週刊少年ジャンプ』にて1990年から1994年まで連載され、原作の単行本はわずか全19巻ながら2020年時点で5000万部を突破しているという人気作品です。アニメやゲーム、フィギュアなど様々なジャンルにメディアミックスされており、原作が終了してからも新作が制作され続ける根強い人気を誇っています。特にアニメ版は高視聴率を記録し、担当声優と共に知名度を広めました。

中学2年生の不良少年・浦飯幽助は子供を助けようとして交通事故で死んでしまいます。幽霊となった幽助でしたが、そこに霊界案内人のぼたんが現れ、幽助の死は霊界にとってイレギュラーだった事から、生き返る試練を受ける事が出来る事を知らせてくるのでした。大切な人の為に生き返る試練を受けた幽助は見事生き返る事に成功します。一件落着に見えましたが、霊界探偵に指名された幽助の本当の試練はここから始まるのでした。

左京は黒髪の長髪と右目にある傷が印象的な二枚目の人間の男性です。妖怪を使って闇の世界でのし上がってきた生粋のギャンブラーで、大金がかかった大きな勝負事で常に勝ち続けてきました。年齢は36歳以上で、過去に自分の命を4回賭けた事があるほどの生来の破綻者であり、自分と他人の命に全く価値を感じていません。一方でギャンブラーとしての誇りや美学を持っており、負けをチャラにするのは最低の行為だと語っていました。

左京が原作で初登場を果たした時にはBBCのメンバーで、コエンマによると10年以上前の26歳前後の時から妖怪を利用して闇世界で暗躍していたという事でした。『暗黒武術会編』では戸愚呂チームのオーナー兼大将として登場しましたが、戦闘力に関しては普通の人間レベルである為、副将である戸愚呂弟が実質的な大将となっています。原作者であるとがしは『きょう』という名前を入れたくて左京の名前を決めたという事です。

桑原静流(くわばらしずる)はメインキャラである桑原和真の3歳年上の姉で、弟とは似つかないルックスの美女です。生まれつき霊感が強い弟よりもさらに霊感が強く、さらに喧嘩も弟よりも強い為、桑原が唯一頭の上がらない存在となっています。ドライな性格をしていますが、他人の事を守ろうとする姉御肌な一面も持っています。また、喫煙者である事から、アニメ版『幽遊白書』では20歳に年齢が変更されています。

『幽遊白書』の原作とアニメ版では桑原に対する態度が若干異なり、原作では桑原に対する興味の無い態度が強調されていましたが、アニメ版では桑原が死んだかと思われたシーンで涙を流したり、実は生きていた事を知った時には大喜びしていました。霊力の修行は静流自身興味がない為全くしていませんが、ある程度使用できるようで、アニメ版では暗黒武術会にてぼたんと共に霊力の結界を作り出していました。

ここからはメインである、左京と静流(しずる)の関係を解説していきます。しかし、『幽遊白書』の原作とアニメでは左京と静流の関係性はかなり異なるという事で、気になるところとなっています。漫画が原作のアニメ作品はオリジナルエピソードが描かれる事は珍しくありませんが、どうやら左京と静流の関係はそういったところも関係しているようです。

深い関係性を漂わせる左京と静流(しずる)ですが、なんと『幽遊白書』の原作では2人は出会ってすらいません。暗黒武術会では左京は戸愚呂チームのオーナー兼大将、静流は浦飯チームの応援団として一緒の空間にはいましたが、幽助が戸愚呂を倒して全ての試合が終了しても一切関わる事はありませんでした。左京は崩れ行く試合会場と運命を共にしていましたが、静流はその事さえも知らずに首縊島(くびくくりとう)を後にしています。

『幽遊白書』の原作では一切関係していなかった左京と静流(しずる)ですが、アニメ版ではオリジナルの要素として2人の関係が描かれています。原作では静流は異性と関わるようなエピソードはありませんが、アニメ版では静流の女性らしさが強調されたシーンを見る事が出来ます。また、喫煙者である左京と静流ですが、ライターに関係するエピソードが存在しており印象的なものとなっていますので、後述で詳しく解説していきます。

アニメ版『幽遊白書』の32話『ナイフエッジデスマッチ』にて左京と静流は初対面を果たします。32話の中盤にて、静流は妖怪に尾行されており、それに気付いた左京が先回りして静流を助けていました。静流をつけていた妖怪がどこかへ行ってしまうと左京は静流に対して優しく微笑みますが、静流は左京に『あなた人間？』と少し不審そうにしていました。左京は妖怪の世界では気を付けるように静流に忠告すると去っていくのでした。

ちなみに、この32話では幽助と酎がナイフエッジデスマッチを行いますが、規則に反している事から暗黒武術会の運営が試合を止めようとしてきます。アニメ版での左京はそんな運営に対して文句を言いに行き、試合を続行させると言った粋な姿が描かれていました。

アニメ版『幽遊白書』の42話『決死の桑原！愛の突撃』にて、左京と静流(しずる)は再会を果たします。静流はチケットを持っているにも関わらず暗黒武術会の会場に入ろうとすると入場拒否されてしまいます。気にせずに強行突破しようとする静流でしたが、警備員の1人に捕まってしまいます。そこに現れたのが左京で、警備員に静流が自分の知り合いである事を伝えて助けていました。

左京が『また会ったね』と言った事に対して静流は『そのようね』と返しており、クールな性格の2人らしい会話となっています。また、この時に静流はタバコを咥えますが、左京が自分のライターで火をつけてあげていました。

アニメ版『幽遊白書』の60話『怒り爆発！桑原の反撃』では、左京と静流は直接対面する事はありませんでしたが、オリジナルエピソードが加えられています。戸愚呂チームと浦飯チームの試合の時、左京は戸愚呂弟と幽助の試合を事実上の決勝戦にしたいという事を宣言し、その後協議の為に休憩を言い渡されます。左京は試合会場から離れていき、戸愚呂弟と会話をしますが、静流は左京を追いかけてその会話を盗み聞きしていました。

アニメ版『幽遊白書』の65話『闘技場とともに消える野望』にて、左京が暗黒武術会の会場と運命を共にした事で、静流(しずる)と別れるエピソードが描かれています。戸愚呂が幽助に敗北した事で賭けに負けた左京は、闘技場を爆破するスイッチを押して立ち去っていきました。コエンマは左京を追いかけて死ぬ必要はない事を言いますが、左京はギャンブラーとしての誇りにかけて死ぬ事を選びます。

原作には無いエピソードとして静流がコエンマを追いかけていき、左京と対面する場面があります。この時に左京は自分のライターを静流に向かって投げ、心の中で『さようなら』と言うと天井が落ちてきた事で炎と共に瓦礫に包まれていきました。静流は『左京さん！』と名前を叫んで涙を流していましたが、コエンマに安全な場所まで連れられていきました。ちなみに左京のライターにはイニシャルである『S・N』が刻まれていました。

『幽遊白書』のアニメ版のオリジナルエピソードとして関係が描かれていた左京と静流(しずる)ですが、恋愛感情はあったのでしょうか？『幽遊白書』の多くのファンが左京と静流はお互いに一目惚れだったと考察しており、恋愛感情によって関係を深めていったと考えているようです。左京が死ぬ直前に静流にライターを渡した事も大きな理由となっているようですが、その事も含めてここで考察していきます。

『幽遊白書』のアニメ版では数回に渡って関係していった左京と静流(しずる)ですが、左京が静流を助けた初対面の時に一目惚れだとはっきりと分かる描写はありません。しかし、左京は自分や他人の命を賭ける事に躊躇の無い非常なギャンブラーであるにも関わらず、見ず知らずの静流を助けた事から考えると、もしかすると一目惚れだった可能性があります。また、静流も助けてもらった時に左京に対して興味を持っているようでした。

静流の好きな男性のタイプは高倉健と菅原文太である為、見た目的には左京とは似ても似つきませんが、妖怪という強い存在から男らしく女性を助けた姿はかっこよく、静流が一目惚れをしていてもおかしくありません。その後も何度か関係していった左京と静流ですが、左京は他の者には見せない笑顔を静流にだけは見せており、恋愛感情を感じられるものとなっています。

静流も左京と戸愚呂弟の会話を盗み聞ぎしている事から明らかに左京の事が気になっている事が分かります。決定的なのは左京が闘技場と運命を共にしようとした時に必死になって止めようとしていたシーンで、涙を流して左京の元に行こうとしていた静流は左京の事が好きになっていたと考えるのが自然です。左京も自分の死を選びましたが、最後に静流に笑顔を見せながらライターを渡しており、これも恋愛感情ととらえられます。

左京は死ぬ直前、静流にライターを渡しましたが、これにはどういった意味があるのでしょうか？左京は以前に静流にライターで火をつけてあげており、静流が喫煙者である事は知っていました。左京は静流にライターを渡した時、もはや自分が死ぬ事を決めていたため、形見として静流にライターを渡す事で自分の事を覚えていてほしいと考えたと考察出来ます。喫煙者である静流にはライターが形見として丁度良いと考えたのでしょう。

静流は左京の死後もこのライターを所持しており、アニメ版では魔界統一トーナメントが終わった後も使用していました。どうやら普段使いは違うライターを使い、ここぞという場面では左京のライターでタバコに火をつけていたようです。この事から、静流は左京の死後も想い続けていた事が分かります。

『幽遊白書』の原作とは違い、アニメ版では恋愛関係にあったようにも見える左京と静流(しずる)ですが、左京の死によって結ばれるという事はありませんでした。自分で死を選んだ生粋のギャンブラーである左京ですが、ここからは彼の過去や強さをネタバレしていきます。闇の世界でのし上がっていった左京ですが、どのような過去があってそのような経歴となったのか、詳しく解説していきます。

左京の生い立ちは『幽遊白書』の単行本の12巻『左京の提案!!』で語られています。左京は元々普通の家庭に生まれ、5人兄弟の1人として分け隔て無く育てられました。客観的に見ても理想的な家族だったと左京本人の口から語られています。他の兄弟は全員公務員をやっており、左京だけが闇の世界に生きるようになったという事です。分け隔てなく愛情を受けて育った事から左京は自分の意志で闇の世界に足を踏み入れた事が分かります。

子供時代は普通に育っていたはずの左京でしたが、ある時期から血や臓物を見る事が好きになり始め、カエルや魚から始まって犬や猫も解剖するようになりますが、その対象が人間に変わるまで3年とかかりませんでした。しかし、その趣味も数年で飽きてしまった左京が今でも熱くなれるのがギャンブルだったという事です。ギャンブルに明け暮れるようになっていった左京は常勝無敗で闇の世界で有名になっていくのでした。

莫大な富を得るようになっていった左京でしたが、戸愚呂弟との会話の中で過去の自分のギャンブルについて語る場面があり、命を賭けたギャンブルは4回だった事を引き合いに出して『少ないだろう』と述べており、『腐っていたのは自分の脳ミソだ』と自分の事を称していました。しかし、兄弟が公務員をやっている事には安心しているようで、家族に対する愛情は持っているようでした。

原作では描かれていませんでしたが、アニメ版のみ左京の兄弟や父親の姿がシルエットで描かれており、父親の姿は現在の左京の雰囲気に非常に似ています。左京は普通の家庭での突然変異のイレギュラーといってもよいでしょう。

左京は暗黒武術会の決勝前にて、優勝賞金を使って人間界と魔界の境界トンネルを開いて人間界に魔界の妖怪を大量に出現させる事が目的である事を大会の運営委員会に語りました。左京の恐ろしい真の目的を聞いた運営委員会は左京に妖怪を差し向けて抹殺しようとしますが、戸愚呂弟に命令して妖怪もろとも運営委員会を始末させていました。

左京は戸愚呂チームの大将でしたが、特に戦闘力の強さを持っているわけでは無い為、戸愚呂弟が実質的な大将でした。しかし、戸愚呂弟が筋肉操作によって80％や100％の力を出した時、弱い妖怪がその妖力に耐え切れずに身体が消滅していく中、左京は平然としている事からある程度の霊能力を持っている事がうかがえます。

蔵馬の中学時代の同級生に喜多嶋麻弥という人物がいましたが、彼女は元々強かった霊力が強い妖怪である蔵馬と一緒にいた事で増大していったという事がありました。左京も長年妖怪と関わり続けており、特に戸愚呂弟と数年間一緒にいた事で、霊力が増大していったとも考えられます。

BBCのメンバーであった左京は他の金持ちのメンバーと賭けをしてました。侵入者である幽助・桑原と闇ブローカーである妖怪との戦いの勝敗を予想するという内容でしたが、左京は1人だけ侵入者に賭けて勝利し、50億円もの大金を獲得して1人勝ちしています。『幽遊白書』の作中で左京が初めてギャンブルでの勝利を見せたシーンでした。

BBCのメンバー達で行われた第2の賭けは三鬼衆という妖怪が登場し、幽助と桑原との戦いでしたが、当たれば掛け金3倍の返金という内容でした。左京は変わらずに幽助と桑原に賭けましたが、今回は前回よりも多い200億円でした。結局幽助と桑原が勝利したため、またもや左京の1人勝ちとなり、700億円を手に入れる事に成功します。

BBCのメンバーと最後に行った賭けは戸愚呂兄弟と侵入者である幽助と桑原の戦いでした。左京は日本の国家予算と同じ額である66兆2000億という賭け額を提示します。ちなみにアニメ版では当時の国家予算に合わせて72兆3500億という金額に変更されていました。今回の賭けは主催者である垂金以外のメンバーが左京と同じく侵入者に賭け、戸愚呂兄弟が敗れた事で垂金は破産に追い込まれていました。

実は今回の賭けは左京によって仕組まれたもので、垂金よりも先に幽助の情報を得ていた事と、戸愚呂兄弟を雇っていた事で先読みが出来たという出来レースでした。左京の目的は垂金を破滅させる事でしたが、それ以上に幽助と桑原を戸愚呂弟と戦わせる事だったと明かしています。

人間界での妖怪を売買するブローカー達は直径10メートルほどの召喚円を使用して妖怪を召喚し、多額の金で取引していました。妖怪捕獲のスペシャリストであった左京は、妖怪をボディガード兼ブローカーとして雇い、妖怪を捕獲さえるという方式を作り出した張本人でした。

仙水は現代から10年前、2代目霊界探偵として活動していました。当時の仙水は人間が正義、妖怪が悪という考えを持っていましたが、ある時に多くの人間が妖怪を虐待する壮絶な現場を見てしまい、その場にいる人間を虐殺します。仙水が人間に対する考えを変えた瞬間でしたが、アニメ版ではこの現場に左京がいて、仙水を見下ろしているシーンが追加されていました。

仙水の目的は人間界と魔界を繋ぐことである為、左京と全く同じ目的を持って動いていた事になります。仙水は暗黒武術会で生き残った戸愚呂兄を通じて境界トンネルを開くという左京の野望を知り、その目的に賛同した事で行動を開始するようになります。結局は境界トンネルは開けられることになるため、左京と仙水の目的は達成された事になります。

左京と静流(しずる)の絡みがすごく好きだというファンの感想があります。アニメオリジナルのエピソードとなっていますが、原作では男性キャラとの絡みの無い静流が切ない表情を浮かべて葛藤する様子が描かれており、見ごたえのあるものとなっています。

『幽遊白書』をアニメ版から見始め、その後に原作を読んだ場合に左京と静流(しずる)の絡みが無い事にショックを受ける方がいそうというファンの感想があります。アニメ版とは違い、原作では左京と静流の絡みは一切存在しない為、2人の絡みが好きだったファンにはショックな事は間違いありません。

左京と静流(しずる)のエピソードが泣けるというファンの感想があります。劇中では少しずつ関係を深めていった2人でしたが、結局は死に別れる事になってしまい、静流が流すところは非常に切ないシーンとなっています。

『幽遊白書』の左京と静流(しずる)の関係性についてまとめてきましたが、原作では関わりがないながらも、アニメでは恋愛描写とも感じられる感動的なエピソードが存在している事が分かりました。左京と静流のエピソードはアニメ版の『暗黒武術会編』で見る事が出来ますので、今回の記事を読んだ後に観てみるというのはいかがでしょうか？