【銀河英雄伝説】キルヒアイスはラインハルトの親友であり副官！最後の死亡シーンは？

「銀河英雄伝説」に登場するキルヒアイスは、銀英伝の主人公・ラインハルトの親友で、銀河帝国軍に入隊後は、ラインハルトの副官として活躍した軍人です。以下では、ラインハルトを語る上で欠かせない、「銀河英雄伝説」のジークフリード・キルヒアイスのプロフィールや、親友で上官のラインハルトとの関係、銀英伝での活躍や最後・死亡シーン、キルヒアイスの声優などをネタバレ紹介します。

「銀河英雄伝説（銀英伝」）」は、田中芳樹先生のSF小説を原作とする人気シリーズで、遠未来の銀河を舞台に、宇宙の覇権をかけた銀河帝国・自由惑星同盟の戦いを描いた作品です。銀河英雄伝説の原作小説は、2007年～2009年にかけて刊行された創元SF文庫版にて、本編・全10巻、外伝・全5巻で構成されています。

1982年に第1巻が刊行されて以降、幅広い世代に愛される「銀河英雄伝説」は、アニメ化をはじめとするメディア展開も行われ、2018年からは、アニメ新シリーズ「銀河英雄伝説 Die Neue These」が開始されました。また、2015年からは、藤崎竜作画による漫画版「銀河英雄伝説」が発表され、ヤングジャンプコミックスにて刊行されています。

銀河の覇権を巡る銀河帝国と自由惑星同盟の150年に及ぶ戦いは、2人の英雄の登場により転換点を迎えます。1人は銀河帝国の軍人・ラインハルト、もう1人は自由惑星同盟の軍人・ヤン・ウェンリーといいました。天才的な軍事力と卓越した戦術に恵まれた2人の英雄は、後に「常勝の天才」「腐敗の魔術師」と呼ばれ、2人の出会いは、1世紀半に及ぶ銀河の戦いに休止符を打つきっかけをもたらしました。

銀河英雄伝説・銀河帝国側として登場するジークフリード・キルヒアイスは、銀外帝国軍に所属する将校で、銀英伝の主人公・ラインハルト・フォン・ローエングラムの副官です。ラインハルトとは、幼い時からの親友同士でもあり、彼からは「ジーク」の愛称で呼ばれています。銀河英雄伝説・帝国陣営では数少ない常識人でもあり、聡明かつ穏やかな人柄は、敵味方問わず慕われています。

「銀河英雄伝説」では、ラインハルトの副官として活躍するも、キルヒアイス自身の能力も非常に高く、上官とは対照的に穏やかな性格で、清廉潔白であろうとする人格者でもあります。基本的には、ラインハルトに忠実であるものの、目的を達成するためなら非情な手段を厭わない意見に同調しつつあったラインハルトに異を唱えるなど、ラインハルトに足りない部分を補う役目も担っています。

また、身分や敵味方に関係なく、対等に接するなど人当たりも良く、はラインハルトや敵対関係にある地球教徒からも、その人柄を高く評価されています。一方で、「銀河英雄伝説」では、「いい人」すぎる性格ゆえに長生きできないとも言われたことがあり、キルヒアイスの壮絶な最後を予言していたと推測されています。

「銀河英雄伝説」の原作によると、キルヒアイスは帝国暦467年1月14日、銀外帝国司法省の下級官吏を務める一般家庭に生まれました。幼少期は、ごく普通の少年でしたが、隣に引っ越してきたラインハルトとの出会いが、キルヒアイスのその後の運命を大きく変えることになり、銀河英雄伝説の表舞台に登場しました。

「銀河英雄伝説（銀英伝）」のキルヒアイスは、ラインハルトの唯一無二の親友であり、彼の半身として活躍する副官でもあります。キルヒアイスの存在は、ラインハルトにとって非常に大きなものであり、銀河英雄伝説を代表する人物です。以下では、「銀河英雄伝説（銀英伝）」のジークフリード・キルヒアイスから、ラインハルトとの出会いや、「銀河英雄伝説」での活躍についてネタバレ紹介します。

隣の家に引っ越してきたラインハルトとの出会いは、キルヒアイスの運命を大きく変えることとなります。下級貴族でありながら、身分の差を越えて分け隔てなく接するラインハルトの存在は、平凡な毎日を送ってきたキルヒアイスに光を与え、また2人は同級生ということもあり、唯一無二の親友となっていきました。

ラインハルトには、5歳年上の姉・アンネローゼがおり、聡明で穏やかな、美しい年上の隣人にキルヒアイスは心を奪われます。アンネローゼとの出会いは、キルヒアイスに初恋のような感情を芽生えさせるも、3人の幸せな日々は、長くは続きませんでした。時の皇帝・フリードリヒ4世に見初められたアンネローゼは、皇帝の寵姫として後宮へ召し抱えられることが決まり、名をグリューネワルト伯爵夫人と改めます。

アンネローゼの後宮入りは、姉を敬愛するラインハルトはもちろん、彼女に想いを寄せていたキルヒアイスにも衝撃を与えました。ラインハルトは、皇帝から姉を奪い返すべく、軍人になることを決意し、アンネローゼに恋心を抱いていたキルヒアイスも彼の意見に賛同し、共に帝国軍幼年学校に入ります。

ラインハルトの帝国軍への志願は、姉・アンネローゼの奪還だけでなく、門閥貴族が政治の主導権を握る現体制への疑問や不満もあり、腐敗の一途をたどるゴールデンバウム王朝を崩壊させ、新たな政治体制を生み出すことも、彼の目的となっていました。

幼年学校を卒業後、軍人の道を歩み始めたキルヒアイスは、惑星カプチェランカを舞台とする地上戦での初陣を皮切りに、第5次イゼルローン攻防戦、憲兵隊勤務を経て、ラインハルトの副官に就任しました。2人の関係は、上官と部下という主従関係となり、かつてファーストネームで呼び合っていた親友に対し、「ラインハルト様」と呼ぶようになりました。

一方、ラインハルト自身は、「様」付けで呼ばれることに違和感を覚えつつも、キルヒアイスのことは、変わらず親友関係を維持しており、副官としてもキルヒアイスに信頼を寄せていました。また、キルヒアイス自身も、ラインハルトの野望を叶えるべくサポート役に徹し、軍内部でも唯一、ラインハルトに助言を送れる存在として、周囲からも信頼を寄せられます。

「銀河英雄伝説」では、主人公・2人の影に隠れて、軍事的才能の面では過小評価されがちなキルヒアイスですが、キルヒアイスが見落としがちな面を補う役目も担っています。例えば、アスターテ会戦にて、敵の艦隊を撃破した兵士たちに休息を与えるように助言するなど、ラインハルトにはない視点で物事を観察・判断する柔軟性を持ち合わせています。

また、ラインハルト自身も、自分に足りないものがあることを自覚しており、キルヒアイスに助言を求めることで、自分にはない発想を得たり、不足していた部分を補っています。

帝国軍への入隊を機に、ラインハルトの部下となったキルヒアイスは、軍での立場や身分の差から、周囲からは主従関係に見られつつも、お互いにとって唯一無二の親友であることに、変わりはありませんでした。キルヒアイスのラインハルトに対する態度からは、上官への忠誠心だけでなく、親友としての信頼も見ることができるでしょう。

また、ラインハルト自身も、キルヒアイスとは、子供時代のような関係に戻れないことに戸惑いを覚えつつも、志を共にする親友・副官として彼を信頼し、同時に、自身の半身としてキルヒアイスの才能を認めています。

常勝の天才の影に隠れ、過小評価されることが多かったキルヒアイスでしたが、「銀河英雄伝説」でのラインハルトの功績の数々は、キルヒアイスの助言によって成し遂げられたものも多く、「銀河英雄伝説」の名将としても知られています。以下では、「銀河英雄伝説（銀英伝）」に衝撃を与えた、ジークフリード・キルヒアイスの最後・死亡シーン、「銀河英雄伝説」への影響などを、ネタバレ紹介します。

キルヒアイスの徹底的なサポートも相まって、ラインハルトは軍人としての功績を上げ続け、リップシュタット戦没終結後には、帝国軍の三長官職を兼任する帝国軍最高司令官へ就任し、帝国の実権を握ることに成功します。しかし、リップシュタット戦没中に起きたヴェスターラントの虐殺から、キルヒアイスとラインハルトとの間に溝が生じ、部下で唯一許可が下りていた、公式な場での武器携帯が禁止されてしまいます。

親友同士だった2人の間に気まずい空気が流れる中、帝国暦488年9月9日に、リップシュタット戦役終結後の戦勝記念式典が催されます。式典には、自由惑星同盟側の人間の姿もあり、捕虜謁見が行われる中、アンスバッハ准将の刃がラインハルトに向けられます。アンスバッハ准将は、ラインハルトと対立していた門閥貴族・ブラウンシュヴァイク公の元部下であり、主君の仇を取るべく、ラインハルト暗殺を試みます。

ラインハルトに銃が向けられた瞬間、キルヒアイスは身を乗り出してラインハルトを庇い、銃弾が致命傷となって死亡しました。享年は21歳です。

自由惑星同盟側の人間も出席する式典で、主君を庇って死亡したキルヒアイスの最後は、ラインハルトの人生で大きな衝撃となりました。もし、リップシュタット戦没後に自分が意固地になっていなければ、式典での武器携帯の許可を取り上げなければ、キルヒアイスは死亡しなかったと嘆き、心の支えでもあった親友の死は、その後のラインハルトに影を落とし始めます。

キルヒアイスの壮絶な最後・死亡を受け、銀外帝国では、キルヒアイスの功績を讃え、帝国軍・上級大将から元帥へ昇進、宇宙艦隊司令長官・統帥本部総長・軍務尚書の３つの役職の長官を兼任する、帝国軍三長官の地位が与えられました。また、自失状態に陥っていたラインハルトも、キルヒアイスの死亡から立ち直り、銀外帝国の統一を亡き親友に誓います。

そして、銀外帝国にローエングラム王朝を成立させたラインハルトは、キルヒアイスに大公の地位を与えると共に、彼の名前を冠する勲章を定め、皇妃との間に生まれた息子のミドルネームに、キルヒアイスの名前「ジークフリード」を付けました。一方、キルヒアイスの墓標には、「Mein Freund（わが友）」とのみの一言だけが刻まれました。

ラインハルトにはない視点を駆使して、副官としてサポート役に徹したキルヒアイスの才能は、「銀河英雄伝説」の主人公・2人に次ぐとも言われ、能力の高さは銀河英雄伝説・自由惑星同盟側からも、高く評価されています。以下では、「銀河英雄伝説（銀英伝）」の銀河帝国の軍人・ジークフリード・キルヒアイスの強さや、「銀河英雄伝説」での活躍について、ネタバレ紹介します。

生涯、ラインハルトの副官として活動し続けたキルヒアイスは、後世の歴史家の間では、過小評価されることが多いものの、ラインハルトの命令が下れば、単独で戦うこともあります。また、その強さは、自由惑星同盟のヤン・ウェンリーと互角と評され、実際に、キルヒアイスと戦ったことのあるヤンからも、ラインハルトに次ぐ才覚と認識され、一筋縄ではいかない、良い意味で厄介な相手と見ています。

リップシュタット戦役終結後、イゼルローン要塞で開催された戦勝記念式典・捕虜交換式では、帝国代表として出席します。その会場には、自由惑星同盟の代表としてヤン・ウェンリーと彼の被保護者・ユリアン・ミンツと対面を果たしました。

銀河帝国・ゴールデンバウム王朝では、「お門閥貴族」と呼ばれる帝国の大貴族が権勢を誇り、皇帝一族と婚姻関係を結ぶことで、政治の実権を握ろうと暗躍していました。お門閥貴族を政治体制は、現政治体制の腐敗を招いており、ラインハルトの帝国簒奪の野望に拍車をかけていました。

また、お門閥貴族にとっても、軍人としては異例の出世を遂げたラインハルトに対し、皇帝の寵姫である姉の七光りと評し、ラインハルトの存在を快く思わない貴族による暗殺計画も決行されました。ラインハルトの野望を阻むお門閥貴族は、ラインハルトにとっても目の上のたんこぶでしたが、キルヒアイスの作戦により、血を流すことなく、お門閥貴族を崩壊させることに成功しました。

「銀河英雄伝説」のキルヒアイスは、目立った活躍こそ少ないものの、副官としては非常に優秀で、ラインハルトの勝利には、キルヒアイスの進言が欠かせません。軍人としての能力の高さから、自分とは異なる考えを受け入れようとしない傾向もあるラインハルトですが、キルヒアイスの意見に対しては、素直に聞き入れ、すぐさま行動に移っています。

「銀河英雄伝説」にて、キルヒアイスは喧嘩が強かったいう以外な過去が明かされ、その腕前は白兵戦でも発揮されました。自由惑星同盟のローゼンリッター隊所属のシェ―ンコップとの戦いにて、五角の戦いを繰り広げたキルヒアイスは、文武両道を極めた軍人でしょう。また、キルヒアイスの身体的な強さは、無重力状態でも衰えることなく、環境を上手く利用しながら戦いを有利に進めていきます。

「銀河英雄伝説」は、原作小説はもちろん、アニメ版も根強い人気を誇り、2018年からは新シリーズ「銀河英雄伝説Die Neue These」が開始されました。以下では、アニメ版「銀河英雄伝説」から、OVA版、銀河英雄伝説の劇場版、新シリーズ・ノイエ銀英伝にて、ジークフリート・キルヒアイスを演じた声優のプロフィール等を紹介します。

銀河英雄伝説・OVA版及び劇場版アニメ版の担当声優・広中雅志さんは、1957年生まれ、東京都出身の声優・ナレーターで、1983年にアニメ「ナイン」の加納役でデビューを果たしました。テレビ番組のナレーションを数多く担当しており、「グッとラック!」や「世界まる見え!テレビ特捜部」、「たけしのニッポンのミカタ!」「サンデージャポン」等に出演しています。

1992年公開の劇場版銀河英雄伝説・黄金の翼のアニメ声優・子安武人さんは、1967年生まれ、神奈川県出身の声優で、1988年から声優活動を行っています。声優・子安武人さんの主な出演作品は、アニメ「∀ガンダム」ギム・ギンガナム役、「楽しいムーミン一家」スナフキン役、「新世紀エヴァンゲリオン」青葉シゲル役、「ボボボーボ・ボーボボ」主人公・ボーボボ役等です。

銀河英雄伝説Die Neue These版のアニメ声優・梅原裕一郎さんは、1991年生まれ、静岡県出身の声優で、2013年に声優デビュー、2015年にアニメ「ヤングブラック・ジャック」間黒男役で初主演を果たしました。声優・梅原裕一郎さんの主な出演作品は、アニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」ユージン・セブンスターク役、「ジョジョ6部 ストーンオーシャン」ウェザー・リポート役等です。

「銀河英雄伝説」のメインキャラでありながら、銀英伝初期で最後を迎えたジークフリード・キルヒアイスの死亡は、ファンにも衝撃を与えた一方、彼の人気は衰えることなく、根強い人気を誇っています。以下では、壮絶な最後と死亡シーンに衝撃が走った、「銀河英雄伝説（銀英伝）」のジークフリード・キルヒアイスに関する感想や評価を紹介します。

1月14日は、ジークことジークフリート・キルヒアイスの誕生日であり、SNS上ではキルヒアイスの誕生日を祝福するメッセージが投稿されています。銀河英雄伝説での登場期間が少ないものの、帝国軍の人間には見えない人柄の良さや穏やかな性格が、女性ファンを中心に人気を集めています。また、「銀河英雄伝説」と言えば、キルヒアイスの存在は欠かせず、「銀河英雄伝説」の顔としても認知されています。

「銀河英雄伝説」のラインハルトを語る上で欠かせないキルヒアイスは、彼の親友であり、後に副官となった人物で、ラインハルトの銀河帝国の統一を後押ししました。「銀河英雄伝説」の序盤で突然の最後を迎えたキルヒアイスでしたが、彼の影響は、失意に陥るラインハルトや、「銀河英雄伝説」のその後の物語にも及び、ラインハルトにとって必要不可欠な人物として、親しまれています。

「銀河英雄伝説」において、ジークフリード・キルヒアイスの最後と死亡シーンは、避けて通れない銀英伝のターニングポイントであり、「銀河英雄伝説」にてもっとも衝撃的な事件として語り継がれています。アニメを通じて「銀河英雄伝説」を知ったファンからは、キルヒアイスの突然の最後・死亡を受け入れられないとの声も見られ、キルヒアイスの人気の高さがうかがえるでしょう。

アニメ「ノイエ銀英伝」の視聴者の中には、「銀河英雄伝説」の原作小説ファンもおり、アニメならではの躍動感ある演出が人気を集めています。「銀河英雄伝説」のアニメ版でも、ジークフリード・キルヒアイスの死亡シーンが描かれましたが、原作小説等からその日が訪れることは分かっていても、キルヒアイスの死は、何度見ても心打たれる悲しいシーンでしょう。

ジークフリード・キルヒアイスの最後は、「銀河英雄伝説」の原作小説では、2巻野望編の終盤で描かれ、銀外帝国側の主要人物の早すぎる死に、多くの読者が衝撃を受けました。「銀河英雄伝説」は、キルヒアイスの最後をはじめ、読者の予想を上回る展開が所々に散りばめられており、銀河英雄伝説の原作小説の根強い人気につながっているでしょう。

「銀河英雄伝説」のジークフリード・キルヒアイスのプロフィールや、銀英伝での活躍・強さ、銀河英雄伝説の主人公・ラインハルトとの関係、壮絶な最後・死亡シーン等をネタバレ紹介しました。「銀河英雄伝説」では、有能な副官としての人生を送ったジークフリード・キルヒアイスでしたが、彼の存在はラインハルトの銀河帝国統一を成し遂げる原動力となり、ラインハルトやその後の銀河英雄伝説の世界に影響を与え続けました。