【銀河英雄伝説】フレデリカ・グリーンヒルがかわいい！ヤンとの関係や声優は？

「銀河英雄伝説」とは、作家・田中芳樹さん原作のSF小説およびそれらを原作とするアニメ、舞台、ゲーム作品などの関連作品を指します。本作品は、はるか未来の銀河系を舞台に繰り広げる英雄たちの戦いや人間模様を、ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーの敵対する2人の主人公を軸に物語が展開されるスペースオペラ作品です。

今回は、『銀河英雄伝説』ヤン・ウェンリー側に登場するヤン艦隊の主要メンバー・フレデリカ・グリーンヒルの作中での活躍や能力、かわいいと称される人物像や名言、気になるヤンとの関係やアニメ版担当声優について紹介します。

作家・田中芳樹さんの代表作である『銀河英雄伝説』は、1982年に徳間書店から第一作「銀河英雄伝説黎明編」を始め、本編は全10巻が書き下ろし刊行されました。本作品は1988年に、第19回星雲賞日本長編部門を受賞しており、後に本編以前あるいは本編で描かれなかったエピソードを執筆した外伝既刊5巻が刊行されています。それら小説を原作とする漫画版及び関連書籍の刊行も行なわれており、根強い人気を誇るSF小説です。

小説「銀河英雄伝説」を原作としたアニメ作品も展開しており、1998年から2000年にかけて、劇場映画化、OVA作品本伝・外伝が制作されました。また、2018年からキャスト・スタッフ等を一新して制作されたアニメ「銀河英雄伝説Die Neue These」の放送が開始されました。

『銀河英雄伝説』の作者として知られる田中芳樹さんの代表作には、2017年に刊行された第16巻をもって執筆に休止符が打たれた架空の歴史小説『アルスラーン戦記』も広く知られています。アルスラーン戦記は、古代から中世あたりの中東風文化を持つ架空世界を舞台に繰り広げられる軍記作品です。

はるか未来の銀河で起こった2大陣営による宇宙の覇権争い、皇帝と貴族が支配する銀河帝国と帝国から脱出した人々によって築かれた民主主義の国・自由惑星同盟の150年に及ぶ戦いの末、2人の英雄の登場を持って終止符が打たれます。1人は、数々の戦いで武勲を上げ、常勝の天才と呼ばれたラインハルト・フォン・ローエングラム。

もう1人は、戦の天才・ラインハルトの完全勝利を阻止する、巧みな戦術と戦略を繰り出す様から不敗の魔術師と呼ばれたヤン・ウェンリー。2人の英雄の登場は、やがて銀河帝国・自由惑星同盟の歴史を大きく変えていきます。原作では、「後世の歴史家」と呼ばれる語り手によって物語が進行される設定がなされ、架空の軍記物語として書かれています。

『銀河英雄伝説』随一の美女で同盟軍所属の軍人、上官のヤン・ウェンリーに恋心を寄せたり、仕事はそつなくこなせるのに、料理を始めとする家事仕事が苦手だったり、かわいい一面を持つフレデリカ・グリーンヒルの人物像を以下に紹介します。

フレデリカ・グリーンヒルは、銀河英雄伝説に登場する自由惑星同盟軍所属の軍人であり、初登場時は、統合作戦本部情報分析課に所属する中尉でした。アスタ―テ敗戦後、少将昇格と第十三艦隊（ヤン艦隊）の司令官に就任したヤン・ウェンリーの副官に任命されます。また、フレデリカの父は、かつてヤンの上官だった宇宙艦隊総参謀長を務めるドワイト・グリーンヒル大将です。

以下は、『銀河英雄伝説』のフレデリカ・グリーンヒルの主な経歴です。

• 794年　：士官学校次席卒業、同盟軍統合作戦本部情報分析課に勤務
• 796年　：第13艦隊司令官ヤン・ウェンリーの副官に就任（階位は中尉）
• 同年10月：大尉昇進と、イゼルローン要塞に赴任
• 797年4月：救国軍事会議によるクーデターで、主謀者に仕立てられた父ドワイト大将が暗殺される
• 799年：ラグナロック作戦の後、少佐に就任、同年6月10日にヤンと結婚・軍を退官
• 800年：地球教徒によるテロで、夫・ヤンを失う
• 同年８月8日：イゼルローン共和政府の政治指導者に就任。801年のシヴァ星域開戦後に共和政府が解散するまで務める

フレデリカのヤン・ウェンリーに対する恋愛感情は、彼の怠惰な部分すら魅力に思っているかわいい描写が見られます。しかし、司令官でありながら怠惰なヤンの言動に手を焼いている仲間が多く、ワルター・フォン・シェ―ンコップからは、もの好きとのレッテルを貼られています。また、フレデリカが軍人になった動機は、同盟軍の重鎮である父・ドワイト大将の影響ではなく、ヤンに対する憧れだったことも判明しています。

一方、作中最高とも称される美女に一目ぼれをされたヤン・ウェンリーの容姿は、「中肉中背で、おさまりの悪い黒髪に学者の風貌が漂う東洋系の容貌」が特徴です。作中では、どちらかと言えばハンサムとは言い難い容姿に描かれています。しかし、彼に片思いするフレデリカを始めとする一部の人間からは「ハンサムにも見えなくもない」などと言われています。

作中では、ヤン艦隊メンバーの中で一番の常識人として描かれ、怠惰なヤンとは対照的に優秀な軍人として描かれるフレデリカですが、主婦力は相当低く評価されています。特に料理に関しては、食材が無駄になるとの理由から、ヤン艦隊の補給担当キャゼルヌに料理を止められるほど苦手としており、サンドイッチやハンバーガーのように挟む工程の料理しか作れないことが言及されています。

後に料理や紅茶の淹れ方について、キャゼルヌ夫人やヤンの被保護者であるユリアン・ミンツに師事し、腕を磨きます。紅茶に関しては、無類の紅茶党として描かれるヤンを満足させるほどの上達ぶりを見せています。このように、料理を始めとする家事仕事を苦手とする描写が目立ちますが、死んだ仲間に死化粧を施すなど、女性としての身だしなみは心得ています。

冴えない上官・ヤンを一途に思い続けたり、私生活では料理が苦手など、かわいい魅力を持つフレデリカですが、彼女の仕事ぶりは、ヤン艦隊に欠かす事の出来ない人材として描かれており、作中での彼女の台詞から多くの名言も誕生しました。以下では、フレデリカ・グリーンヒルの軍人としての能力を紹介します。

統合作戦本部情報分析課に所属時から、抜群の記憶力と情報処理能力を髙く評価されていたフレデリカは、士官学校を次席で卒業した経歴を持っています。軍内でのフレデリカの有能さは、副官就任前からヤン艦隊メンバー内でも高い評価を得ており、美人でかわいいだけでなく、一部の人間からはヤンより優秀とも言われています。

一方、フレデリカの上官にあたるヤン・ウェンリーの士官学校時代の成績は、得意分野である戦史や戦略・戦術では好成績を収めるも、他の分野での成績は赤点を取らない程度に留まっており、任官後の華々しい武勲や戦歴に対して平凡な成績だったことが言及されています。

ヤンの副官就任前から、優秀な軍人として知られていたフレデリカの最大の能力は、並み外れた記憶力にあります。ヤン艦隊の主要メンバーの間でも高い評価を得ているフレデリカの記憶力は、「コンピューターのまたいとこ」と表現されており、父・ドワイト大将を暗殺したリンチ少将や5年前に一度だけ会ったバクダッシュのことも覚えていました。

原作である小説版のフレデリカの容姿は、「ヘイゼルの瞳と金褐色の髪が特徴の美人」と称されており、ヤンの被保護者で彼女との年齢が近いユリアン・ミンツから片思いされていました。アクの強い面々が揃うヤン艦隊の主要メンバー内では常識人として描かれ、温厚であり滅多なことは弱音を吐かない芯の強さも兼ね備えています。作中で描かれたフレデリカの女性としての強さは、後に同性をも惹きつける大きな魅力となります。

「ありきたりなハンサム」とも称されるヤンに恋心を寄せ続けるかわいい一面を持つフレデリカの姿も魅力の一つです。同盟国側の主人公ヤン・ウェンリーは、フレデリカが副官を務める上官です。以下では、フレデリカ・グリーンヒルとヤン・ウェンリーの関係を、ヤンのプロフィール等と合わせて紹介します。

銀河英雄伝説のヤン・ウエンリーとは、作中の自由惑星同盟側の主人公であり、同盟軍所属の将校です。作中では巧みな戦略から「不敗の魔術師」と称される一方、帝国軍側の主人公で宇宙統一を目指す「常勝の天才」ラインハルトとは、対照的に描かれています。経済的理由から士官学校に入学・任官しましたが、ヤン自身の怠惰な姿勢から、エル・ファシル脱出行で功績を上げるまで軍内では、厄介者扱いされていました。

作中では、帝国軍に苦戦を強いらせるほどの戦略・戦術を繰り出す様から、世間では「奇術師ヤン」「奇跡のヤン」と讃えられます。一方で、権力欲には全く無関心であり、階級が上がってもお決まりの怠惰な姿勢を崩正そうとせず、フレデリカをはじめとする仲間たちともフランクに接するなど、階位相応の威厳を全く示さない柔和な性格がヤンの最大の魅力でしょう。

フレデリカとヤンの出会いは、エル・ファシル脱出行までさかのぼります。帝国軍に占拠された惑星エル・ファシルには、民間人300人が同盟軍に救出を要請しました。その時、指揮官に選ばれたのが、当時21歳のヤン中尉であり、彼の巧みな戦術により民間人300人をエル・ファシルから脱出させることに成功します。これらの功績が認められたヤンは、「エル・ファシルの英雄」と讃えられ、少佐に昇進します。

ヤンが救出した民間人の中に、当時14歳のフレデリカの姿もありました。指揮を執るヤンの姿に一目ぼれしたフレデリカは、ヤンにコーヒーとサンドイッチの差し入れをしたことや、やる気のない軍人であったヤンの頼りなさに不信を抱いた周囲の大人たちからヤンを庇ったりしました。エル・ファシル脱出行でのヤンの姿は、後にフレデリカが軍人を志望する大きな動機となりました。

アスタ―テ会戦での功績が認められ、第13艦隊の司令官に任命されたヤンと同時に、フレデリカもヤンの副官に就任します。フレデリカの副官就任には、ヤン艦隊の後方事務を担うアレックス・キャゼルヌによる手配によるとされており、フレデリカの並み外れた記憶力、事務能力・情報処理能力を有する優秀な人材と評されています。

また、宇宙歴747年に発生した救国軍事会議によるクーデターにて、敵国の策略により父ドワイト・グリーンヒル大将が首謀者に仕立て上げられた際、ヤンはその事実を意に介さず引き続きフレデリカを副官に留めさたことがありました。やる気もなく、デスクワークを苦手とするなど、軍人として頼りない面が目立つヤンがここまで活躍できた陰には、副官・フレデリカの存在が大きいことを示唆させます。

当初は、フレデリカ自身は、エル・ファシルでの出会いからヤンに片思いしていましたが、ヤンは、彼女のことを仲間の1人として接していました。後にヤン自身もフレデリカに対する恋心が芽生え始め、799年のバーラト和約後の6月10日に結婚しました。当時、フレデリカの年齢は25歳で、フルネームも「フレデリカ・グリーンヒル・ヤン」に改名されます。

しかし結婚生活からわずか1年で、帝国側との停戦と講和の話し合いのために出向いた先で、ヤンがテロに遭い命を落とします。ヤンの死を受けて悲観に暮れるも、後にキャゼルヌ達の要請により、新たに樹立されたイゼルローン共和政府の政治指導者に就任し、シヴァ星域会戦後に解散されるまで務めました。

『銀河英雄伝説』は、壮大な世界観とストーリー展開だけでなく、登場人物たちが発した名言も多くのファンに親しまれています。以下では、フレデリカ・グリーンヒルの名言を紹介します。

「真実を言うとね、わたしは民主主義は滅びてもいいの。全宇宙が原子に還元したってかまわない。あの人が私のそばで半分眠りながら本を読んでいてくれたら」。恋心を寄せる人が隣に居てくれるなら、他は何も望まない、フレデリカのヤンに対する恋心の深さがしみわたる名言であり、フレデリカの女性としての魅力が伝わる名言でしょう。

「あの人は天上なり来世なりでのんびり寝ていたいでしょうけど、せめてあの人の遺した作品がどういう結末を遂げるのか、それぐらい見ていてもらわなくてはね」。生前は、何処か頼りなく怠惰な一面が目立つヤン・ウェンリーでしたが、彼が成し遂げようとした功績は、本人が思っている以上に大きいモノ(作品)であったことを讃えるフレデリカらしい名言です。

『月日を自分で培わなければならないとしたら、わたしはあの人の築いた土台に、埃以外のものも1ミリでもいいから積み上げたいわ』。副官や妻としてではなく、1人の人間としてヤンの力になりたい、ヤンが成し遂げようとしたことを実現したい、フレデリカの強い意志が垣間見える名言でしょう。

ヤン・ウェンリーのよき副官でありながら、彼に片思いするなどかわいい一面や聞く人を引き付ける名言も多く発してきたフレデリカ・グリーンヒルの担当声優は、銀河英雄伝説OVAシリーズでは榊原良子さん、同シリーズ外伝では、桑原法子さんが務めました。以下ではフレデリカ・グリーンヒルの担当声優2人のプロフィールと出演作品を紹介します。

銀河英雄伝説OVAシリーズのフレデリカ・グリーンヒルの担当声優は、榊原良子さんが務めました。榊原さんは、1956年生まれの千葉県出身の声優、女優、ナレーターで、1980年から声優として活動を開始しました。宮崎駿監督の代表作「風の谷のナウシカ」を始め、人気アニメ作品の声優活動を行う傍ら、ニュース番組のメインナレーターも務めたベテラン声優です。

榊原良子さんの主な出演作品は、「風の谷のナウシカ」クシャナ役、「機動戦士Zガンダム」ハマ―ン・カーン役、テレビ朝日の報道番組「ニュースステーション」では10年以上メインナレーターを担当しました。特にガンダムシリーズにて担当したハマ―ン・カーン役は広く知られおり、ハマ―ンの有名な台詞「俗物」に対して、罪の意識に苛まれるほど嫌いな台詞であったことが語られています。

銀河英雄伝説OVA外伝版のフレデリカ・グリーンヒルの担当声優は、桑原法子さんが務めました。桑原さんは、1975年生まれの岩手県出身の声優・歌手・ナレーターで、1995年から声優活動を開始しました。幼い女の子や女性役が多く見られますが、作品によって少年役を担当するなど、幅広い役柄を演じています。

桑原法子さんの主な出演作品には、「機動戦艦ナデシコ」ミスマル・ユリカ、「CLANNAD-クラナド-」坂上智代、「ハートキャッチプリキュア!」明堂院いつき（キュアサンシャイン）が挙げられます。また、宇宙戦艦ヤマトシリーズの「宇宙戦艦ヤマト2199」では、ヒロイン・森雪の担当声優を務めました。

有能でたくましいだけでなく、ヤンに対する恋心や料理が苦手などかわいい一面ものぞかせながら、原作をはじめとする「銀河英雄伝説」シリーズにて高い人気を誇る登場キャラクター・フレデリカ・グリーンヒルに関する感想や評価を紹介します。

同盟軍・ヤン艦隊の主要メンバーの紅一点であるフレデリカの落ち着いた大人の雰囲気は、作中の主要人物の1人で、ヤンの養子ユリアン・ミンツをはじめ、多くの銀河英雄伝説ファンも虜にしてしまう魅力が備わっています。美人でかわいいだけでなく、女性としての品位も兼ね備えたフレデリカに、担当声優・榊原良子さんの演技が加わり、現在も根強い人気を誇っています。

OVA版の「銀河英雄伝説」では、実年齢より大人っぽく描かれ、西洋風な顔立ちが特徴のフレデリカでしたが、2018年に放送されたアニメ版では、年相応の姿に描かれ、OVA版と比べて親しみやすさが強調され、かわいい顔立ちに人気が高まりつつある登場キャラクターです。特に、ヤンにコーヒーの差し入れを出し「紅茶が良かった」と言われ、機嫌を損ねる14歳のフレデリカの姿が特にかわいいと高評価を得ています。

軍師としては、並み外れた才能を発揮するヤン・ウエンリーですが、得意分野以外では、デスクワークを始め不器用な面が強調されています。しかし、ヤンが苦手とする分野は、各分野に秀でたヤン艦隊の仲間達によってカバーされ、特にフレデリカの存在は、副官としてではなく、ヤンの人生にも欠かすことの出来ない大切な人に変わります。またヤンを陰で支えるフレデリカの姿も人気に拍車をかけました。

表舞台での華々しい功績からは想像がつかないくらい、怠惰な言動が目立ち、事あるごとに退役後の年金を口にする場面が多く見られるヤンには、物事の本質を見抜く優れた洞察力が備わっています。それは、父のクーデターにより窮地に立たされたフレデリカを意に介さず副官に留めさせたことや、作中の彼の台詞から伺うことができ、フレデリカと同様に多くのファンから根強い人気を誇っています。

大人気SF作品『銀河英雄伝説』に登場する数少ない女性キャラクターであり、主人公の1人・ヤンを陰で支えながら恋心を寄せるなど、美人でかわいい人気キャラクター・フレデリカ・グリーンヒルの人物像、作中での活躍、名言、OVA版担当声優について紹介しました。漫画やゲーム、アニメ等で親しんでいた方も、それらの原作となった田中芳樹さんのSF小説『銀河英雄伝説』の世界も感じてみませんか。