【銀河英雄伝説】ウルリッヒ・ケスラーの経歴・能力とは？人物像や声優まとめ

「銀河英雄伝説」は遠い未来の銀河系を舞台に、英雄たちの戦いを描いたSF小説です。作者は田中芳樹で、1982年に徳間書店より刊行されました。累計1500万部以上の発行部数となったベストセラーです。この小説「銀河英雄伝説」を基にしてアニメ、コミック、コンピューターゲームなどが製作されています。「銀河英雄伝説」は、歴史小説を思わせる描き方で、歴史上実際にあったエピソードなども登場します。

また、「銀河英雄伝説」はフィクションですが、超能力や異星人などを登場させず、化学的に実現可能なものだけが登場します。「銀河英雄伝説」を書いた田中芳樹は、超能力や異星人といった架空のものを登場させなかった理由として、歴史は人間によって創り出されるものだということを意識し、そんな作品を描きたかったからだそうです。

「銀河英雄伝説」では、遠い未来に生きる人類が太陽系を飛び出し、銀河系の3分の1という広さまで居住地を拡大しています。地球は人類が発祥した星とされていますが、すでに銀河系の僻地にある星という設定になっています。「銀河英雄伝説」は、銀河系にある無数の星に生きる様々な人間たちの戦いが描かれていきます。

「銀河英雄伝説」で描かれている銀河系は「銀河帝国」と「自由惑星同盟」という二つの陣営に大きく分かれています。「銀河帝国」にいるのがラインハルト・フォン・ローエングラムで、「自由惑星同盟」にいるのがヤン・ウェンリーです。「銀河英雄伝説」はこの二人が主人公で、それぞれの陣営の英雄であるラインハルトとヤンの活躍を中心に物語が進行していきます。

「銀河英雄伝説」のあらすじを紹介します。人類が銀河へと居住地を拡大していく中で、二つの陣営が宇宙の覇権を争っています。その二つの陣営とは、皇帝を頂点とする「銀河帝国」と、皇帝の支配を拒絶し、逃れた者たちが作り上げた民主主義を目指す国「自由惑星同盟」です。「銀河英雄伝説」の主人公の一人、ラインハルトは「銀河帝国」の下級貴族として生まれました。

ラインハルトは尊敬する大好きな姉・アンネローゼと親友のキルヒアイスと共に育ちました。ラインハルトが10歳の時、姉のアンネローゼが皇帝に見初められ、皇帝の後宮に入ったことで、ラインハルトは姉を取り戻すために軍人として出世しようと決意しました。ラインハルトには軍事の才能があり、戦場で数々の功績を上げます。そんなラインハルトの側には常に親友のキルヒアイスの姿がありました。

戦場で快進撃を続けるラインハルトは20歳という若さで「銀河帝国」の元帥となりました。いよいよ姉を奪った皇帝を倒そうとしますが、その前に皇帝は死亡します。新たな皇帝を迎えた帝国で、ラインハルトは臣下としては最高の権力を手に入れますが、次期皇帝の座を争う内戦でキルヒアイスを失うという悲劇に見舞われます。また、姉のアンネローゼがラインハルトから去っていきました。

たった一人の親友を亡くし、大切な姉が去っていったことでラインハルトは落ち込みます。虚しい心を抱えるラインハルトですが、宇宙を統一するというキルヒアイスとの約束を果たすため、戦いに身を投じていきます。そんなラインハルトの前に立ちはだかるのが「自由惑星同盟」のヤン・ウェンリーです。ラインハルトの最大のライバルとなっていくヤン・ウェンリーとの壮絶な戦いが繰り広げられていきます。

「銀河英雄伝説」の主人公ラインハルト・フォン・ローエングラムは「銀河帝国」の首都オーディンで生まれました。父はセバスティアン・フォン・ミューゼルという下級の貴族です。母はラインハルトが幼い時に事故死したため、ラインハルトの姉のアンネローゼが母親代わりとなってラインハルトを育てました。

しかし、父の散財によってミューゼル家は没落し、下町に移住したラインハルトはキルヒアイスと出会います。その後、姉のアンネローゼが皇帝に見初められ、後宮に入ったことは「銀河英雄伝説」のあらすじで紹介しました。姉を取り返すために軍人となったラインハルトは、戦場で次々と手柄を立てていきます。ラインハルトは、自身の武功と皇帝の寵姫となった姉の配慮などもあり、20歳という異例の若さで元帥にまで昇りつめます。

元帥となったラインハルトは、名門ローエングラム伯爵家を継ぐことになり、ラインハルト・フォン・ローエングラムと名乗ることになります。様々な戦いの後、23歳で「銀河帝国」に新たな王朝・ローエングラム王朝を興したラインハルトは、初代の皇帝となりました。

「銀河英雄伝説」のもう一人の主人公ヤン・ウェンリーは、「自由惑星同盟」側の人物です。「銀河帝国」と対立する陣営である「自由惑星同盟」で生まれたヤンは、父の死によって歴史家になる夢を諦め、軍人になる道を選択しました。軍人としての才能に恵まれたヤンは、無敵を誇る「銀河帝国」のラインハルト率いる艦隊の攻撃から味方を守り抜きます。英雄となったヤンは司令官に昇進します。

軍事の天才で無敗の英雄ラインハルト率いる帝国軍を撃退するなど、ラインハルトに対して負けることなく互角に戦うヤンは「不敗の魔術師」と称されるようになります。ヤンは危険な場所に出向くことなく命令だけを出す権力者を嫌悪していますが、戦場で自ら指揮を執るラインハルトには一目置いていました。

ここまで「銀河英雄伝説」の概要、世界観、あらすじを紹介し、主人公のラインハルトとヤン・ウェンリーについて紹介しました。ここからは、ウルリッヒ・ケスラー提督について紹介します。

「銀河英雄伝説」のウルリッヒ・ケスラー提督は、ラインハルト率いるローエングラム陣営で最高幹部として仕える提督です。艦隊の優秀な司令官であり、軍務を担う官僚としても高い能力を見せます。そのため、ウルリッヒ・ケスラー提督は帝都を防衛する司令官に迎えられました。その後、帝国軍の憲兵の総帥も担当しています。

「銀河英雄伝説」でウルリッヒ・ケスラー提督が初めて登場したのは、ラインハルトとキルヒアイスが憲兵隊の任務をしていた時です。その際、憲兵隊で法務士官の研修をしていたウルリッヒが、ある事件の処理を担当しました。その様子を見ていたラインハルトとキルヒアイスは、ウルリッヒの手際の良さに注目します。また、グリンメルスハウゼン大将の屋敷でラインハルトとリューネブルク少将が対立したことがありました。

ウルリッヒ・ケスラー提督が二人の間に入ることになりました。ラインハルトは、この時のウルリッヒの問題処理能力を高く評価しました。その後、ウルリッヒの上司であるグリンメルスハウゼン大将が死亡し、ウルリッヒが左遷されそうになったところをラインハルトによって救われ、ウルリッヒはラインハルトに仕えることになりました。

ラインハルトの妻のヒルデガルド（ヒルダ）とアンネローゼが、地球教徒によるテロ事件（柊館炎上事件）で、暗殺犯に命を狙われました。その時、ヒルダとアンネローゼの居場所をウルリッヒ・ケスラー提督に教えたのが、ヒルダの侍女のマリーカ・フォン・フォイエルバッハでした。この事件の後、ヒルダの勧めもあり、ウルリッヒとマリーカは交際することになり、2年後、結婚することになりました。

ラインハルトが築いた新たな帝国・ローエングラム王朝で、ウルリッヒ・ケスラー提督は元帥に昇進しました。そしてラインハルト皇帝が亡くなった後、ウルリッヒ・ケスラー元帥は、皇妃ヒルデガルド（ヒルダ）によって授けられた元帥号である「獅子の泉の七元帥」の一人となりました。

ここまで「銀河英雄伝説」の、ウルリッヒ・ケスラー提督の経歴を紹介しました。ウルリッヒ・ケスラー提督は、帝国の非常に優秀な軍人であり、また、官僚としても高い能力を発揮します。そんなウルリッヒ・ケスラー提督の能力について詳しく見ていきます。

ウルリッヒ・ケスラー提督は、帝国の帝都防衛司令官と憲兵の総帥という二つの任務を担当していますが、どちらの任務においても高い能力を発揮しています。帝都防衛に関しては、ラインハルトの補佐として勝利に貢献しています。また、憲兵隊は腐敗の温床となっており、ウルリッヒ・ケスラー提督はそんな憲兵隊に対して不正を許さぬ断固とした態度で臨みました。

そのため、軍の上層部から憎まれ、ラインハルトに迎えられるまでは首都から遠く離れた僻地に左遷されていました。さらに、ウルリッヒ・ケスラー提督は軍部の人事においても人員の刷新に務め、適材適所の軍部を作り上げるなど、有能な官僚だということです。そんなウルリッヒ・ケスラー提督は同僚から篤い信頼を寄せられています。

「銀河英雄伝説」のウルリッヒ・ケスラー提督の経歴や能力について紹介してきました。ここで、アニメでウルリッヒ・ケスラー提督を担当した声優・池田秀一について紹介します。

「銀河英雄伝説」のウルリッヒ・ケスラー提督の声優は池田秀一です。池田秀一は1949年生まれ、東京都出身です。9歳でNHKのドラマ「次郎物語」で主演するなど、子役として活動を始めました。その後、ドラマ「太陽にほえろ！」や「Gメン‘75」など、数々の人気テレビドラマに出演しました。

声優として主に洋画などの吹き替えを経て、アニメ「機動戦士ガンダム」のシャア役を演じ、アニメにも進出してきました。2001年には「名探偵コナン」の赤井秀一役の担当となりました。2010年には「声優アワードシナジー賞」を獲得しています。

「銀河英雄伝説」のウルリッヒ・ケスラー提督の声優・池田秀一の主な出演作を紹介します。1979年「機動戦士ガンダム」シャア・アズナブル、1985年「炎のアルペンローゼ ジュディ&ランディ」ジョルジュ・ド・グールモン伯爵、「機動戦士Zガンダム」シャア・アズナブル、クワトロ・バジーナ、1994年「七つの海のティコ」スコット・シンプソン、1996年「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」比古清十郎。

2001年「名探偵コナン」赤井秀一、2004年「SDガンダムフォース」レッドザコ、「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」ギルバート・デュランダル、2006年「彩雲国物語」紅邵可、2010年「まじっく快斗」黒羽盗一、2016年「カードファイト!! ヴァンガードG」明神リューズ、「機動戦士ガンダムUC RE:0096」フル・フロンタル、などです。

「銀河英雄伝説」のウルリッヒ・ケスラー提督は、ラインハルトにその能力を高く評価され、ラインハルトの配下となりました。ラインハルト自身が目を付け、配下としたのは親友のキルヒアイスとウルリッヒ・ケスラー提督ぐらいです。それほどラインハルトはウルリッヒ・ケスラー提督の有能さを認め、優遇しているということです。

「銀河英雄伝説」のウルリッヒ・ケスラー提督は有能な人物で、不正を許さないという姿勢を憎まれ、左遷されたりしていましたが、ラインハルトに認められ、配下となってからは帝国のためその能力を発揮し、功績を残しました。そしてマリーカという女性と結婚するなど、「銀河英雄伝説」の中で最も勝ち組と言えるキャラクターだという感想です。

こちらのツイッターは、大人になってから観たアニメの中で「銀河英雄伝説」が思い出されるということです。登場人物の中ではウルリッヒ・ケスラー提督が好きだったそうです。

いかがでしたか？「銀河英雄伝説」のウルリッヒ・ケスラー提督の経歴や能力を紹介しました。ウルリッヒ・ケスラー提督の有能さに目を付けたラインハルトが自ら配下とした人物でした。ラインハルトの元で艦隊の司令官と憲兵の総帥を兼任し、帝都防衛に際してはラインハルトを補佐し勝利に貢献しました。また、官僚としても優秀で、憲兵隊の改革を進めました。

また、アニメの「銀河英雄伝説」のウルリッヒ・ケスラー提督の声優、池田秀一は人気アニメで主要なキャラクターを演じるベテランの声優でした。不正を許さない潔癖さでラインハルトや同僚に信頼されているウルリッヒ・ケスラー提督に注目して「銀河英雄伝説」をお楽しみください。