【無能なナナ】橘ジンは5年前の生き残り？能力と代償は？正体や過去をネタバレ考察

無能なナナにて登場したイレギュラーな存在とも言えるのが橘ジンです。今回は橘ジンについてまとめて紹介していきます。

無能なナナは2016年からスクウェア・エニックスが発売する漫画雑誌「月刊少年ガンガン」と同じくスクウェア・エニックスが運営する「ガンガンONLINE」にて連載しているサスペンス作品です。8巻までが既に発売しており、公式から「学園×知略×サスペンス」というテーマを掲げられた作品になっています。2020年にはアニメ化も行われるなど高い人気を獲得している作品になっています。

能力者と呼ばれる特殊な少年少女が集められた孤島の学園。そこでは人類の敵と呼ばれる怪物と呼ばれる物たちと戦うべく日々訓練が行われていました。そこに柊ナナと小野寺キョウヤが転校してきます。柊ナナはさっそくクラスメイトの1人であるナナオに近づきます。彼の能力が「能力の無効化」であると知ったナナはナナオを崖から突き落とします。実は彼ら能力者の少年少女こそが人類の敵でありナナはそこに送り込まれた暗殺者だったのです。

橘ジンは1人能力者達の暗殺を行うナナの前に近づいてきた謎の少年です。メガネとスーツ姿が特徴的な姿をしており、基本的に学生しかいない「無能なナナ」の作品内においても異質な存在となっています。ある時はナナを助け、ある時はナナを試すように動くなど的とも味方とも言えない独自な立ち位置を持ったキャラクターになっています。

無能なナナの本編中にてネタバレされる事になりますが実は橘ジンはナナ達の先輩に当たるこの孤島の学園の5年前の生徒です。この過去の孤島の学園は最終的に橘ジンを除き全て全滅してしまっています。しかしそれはナナのような暗殺者が現れたわけではなく、能力者達による「誰が1番強いかを決める」という殺し合いの結果だったのです。橘ジンはとあるグループの一員として敵対するグループと戦いました。

本来はいるはずの学園関係者達もこの事態を対処しきれずに島を放棄する事になっても戦いは続き最終的に生き残ったのが橘ジンだけだったのです。

自身の能力で島を脱出した橘ジンは生き残っていた唯一の肉親である祖母の元を訪ねます。しかし祖母は橘ジンの顔を見た途端念仏を唱えだします。祖母は政府から「橘ジンは人類の敵と戦い死んだ」と聞かされていたのです。その後拘束されそうになった所を逃げ出した橘ジンは能力者達がいなくなり安全になった島で再開された能力者の徴兵から島に戻る事を決意します。

そのような経緯からナナが知らない事を知っていたり、ナナが来る前から学園にいた為、ナナの暗殺についても把握しておりナナにはその事をネタバレして信用を得ようとしています。無能なナナ本編では明かされていませんが橘ジンもまた事件の真相を探ろうとしているとファンの間では考察されています。

能力者通しの殺し合いを生き残り、拘束されそうになった際も逃げ出す事に成功するなどしている橘ジンですが、そんな彼の能力は「変身」です。無能なナナ作中で確認出来る限り、人だけでなく猫や鳥などの動物にも変身する事ができます。また能力者に変身した場合にはその能力さえもコピーしてしまう事ができます。端的に言ってしまえば全ての能力を使う事が出来る能力とも言えるのでまさに最強の能力と言えます。

この能力について知ったナナからも無能なナナ本編中に「コイツこそが真の人類の敵」と認識される程でした。

最強とも言える変身能力ですが、他の能力と同じように代償もあります。それは変身した相手の能力と同時に代償や欠点も引き継いでしまうという事です。ミチルになって怪我を治療すれば寿命が縮むと言った具合で能力の使用には細心の注意を払う必要があるのも橘ジンの能力の難しさと言えます。同時に、変身能力自体の代償はまだ本編中には描かれていませんが、何かあるのではないかとファンの間では考察されています。

登場当初は最強と言われた橘ジンの変身能力ですが、無能なナナ本編中でいくつかの「変身」能力自体の明確な弱点も発覚しています。判明している弱点は主に3つで、「人に見られている状態では変身できない」「能力を持たない人には変身出来ない」「変身対象は生者のみで死者には変身出来ない」というものです。端的に言ってしまえば2つ目の条件により橘ジンは無能力者であるナナに変身する事は出来ません。

能力が明らかになった時点でファンの間では考察されていた内容だったのが、青年の橘ジンというのも変身した姿であり、正体は別にあるのではないかという考察です。そしてこの考察は正しかった事が6巻で明らかになりました。橘ジンが薄暗い部屋で呼吸器などを着けられた寝たきりの橘ジンに会うシーンが描かれているのです。この事から普段の姿もまた変身した姿の1つである事が明らかになりました。

ちなみに本物のジンの能力は「念動力」である為、青年の姿をした橘ジンは常時「変身」と「念動力」の能力を使う事が出来るという状態にあり、橘ジンとして名前まで借り受けて活動しているという事になります。過去編でも現在の橘ジンを幼くしたような姿で描かれるなど徹底されており、2021年9月現在、橘ジンの本当の正体については姿はもちろん名前も描かれていません。

無能なナナ作中で1度も正体とも言える本来の姿で描かれていない橘ジンですが、この行動についても2つの考察が行われています。その1つが「本当の姿に戻りたくない」という感情論です。どのような姿かはもちろん分かりませんが、少なくとも橘ジンはイケメンでスーツも似合うスラッとした体型をしているキャラクターなのでずっとそのままでいられるならその方が良いと考えても不思議ではないと考察されています。

もう1つの可能性として考察されているのが既に本当の姿に戻る事は出来ないのではないかという考察です。理由として上げられているのが他のキャラクターの能力に存在する変身能力自体の「代償」がまだ描かれていない事にあります。ミチルのように寿命を失うといった命に関わる代償も存在しているので、或いは変身を繰り返す度に本当の姿に戻れなくなるような代償があるのではないかとする考察もあります。

橘ジンは能力者以外にも動物にも変身する事が出来ます。また鶴見川レンタロウが動物を虐殺した際に心を痛める描写などもあり、動物に対して強い思いを持っているのは間違いありません。その事から或いは橘ジンの正体は学園のある孤島で生まれ育った猫などの動物なのではないかという考察もあります。

上記の2つに比べると少し突飛な考察ではありますが、動物への思いの強さは明らかに意識して描かれている事から何か関係があるのではないかとする声も少なくありません。

橘ジンの正体と共に不明点となっているのが行動原理です。ナナを助ける描写も多い一方でナナ自身もそう感じているようにあくまでも自身の目的の為にナナを利用しているというのも分かるポジションに付いています。とはいえナナに期待する部分も多く、ナナの味方として行動する部分も多いです。もちろん今後の無能なナナの展開次第ではナナと敵対する可能性も残されているキャラクターであると言えます。

橘ジンは無能なナナ作中でナナに目的を聞かされた際、「真実を知りたい」と話しはぐらかしています。自身の正体を隠している事などからもまだまだ本当の目的が分かりませんが、少なくとも現状を良く思っていないのは事実です。過去を思い贖罪的な目的なのか、或いは復讐的な目的なのか、謎の多いキャラクターだけに今後どのような展開を受けてもおかしくないとされています。

謎に包まれた橘ジンの正体ですが、無能なナナが公式に「サスペンス」であるとされている以上、正体が明かされる時には既に名前などが登場しているキャラクターである可能性が高いとされています。そんな橘ジンの正体候補の1人として名前が上がっているのがナナが作中で何度か言及している「年の離れた兄」です。

ナナが生まれる前に家を出たとしてナナも顔も知らないとされる兄ですが、橘ジンがなんだかんだ言ってナナを守ろうとする行動を取る事も相まって、実は目的はナナを守る事なのではないかという考察も生まれる程になっています。ちなみに橘ジンとナナは共に両親を早くに亡くしているというのも共通点としてあります。

もう1つの正体の候補として名前が上がっているのが同じく度々存在が言及されている小野寺キョウヤの妹です。小野寺キョウヤの妹はキョウヤよりも先に島に徴兵されており、行方不明になっています。キョウヤの行動原理の根底にはこの妹を探し出す事があります。他にそれらしいキャラクターは登場しておらず、仮にキョウヤの妹として誰かキャラクターが登場するのであれば橘ジンの正体と繋がると考えるのが自然という逆説的な考察もあります。

逆説的な考え方ですが、ナナの兄、キョウヤの妹どちらも今後の無能なナナの物語に関わるのであれば、橘ジンの正体以外に候補に上がるキャラクターがいません。そこで考察されているのが橘ジンの正体は「実はナナの兄でもありキョウヤの妹でもあるのではないか」という考察です。端的に言ってしまえば一般社会に溶け込む為に、変身能力を使ってナナの兄として過ごした後、キョウヤの妹に変身して生活していたのではないかと考察されています。

もちろんその場合は橘ジンの正体はさらに別の人物という可能性も出てきますし、ナナの兄として生まれた橘ジンが変身能力でキョウヤの妹を演じていたという可能性など無数な可能性が出てきます。

アニメ無能なナナにて橘ジンの声優を担当したのが1993年より声優として活動する遊佐浩二さんです。京都出身の声優さんで、声優としては幅広い役どころをこなせる声優さんとして知られる一方で、情報番組のナレーション、イベントやラジオなどの仕事も多くこなしている声優さんです。

遊佐浩二さん本人曰く演じるキャラクターの特徴として「瞳をあまり開かないキャラクター」「京都弁を話すキャラクター」「中国系のキャラクター」を演じる事が多いとしています。

遊佐浩二さんがこれまでに演じてきたキャラクターとしては「BLEACH」の市丸ギン役、「アイシールド21」の葉柱ルイ役、「遊戯王GX」の天上院吹雪役、「銀魂」の東城歩役、「鬼灯の冷徹」の白澤役、「弱虫ペダル」の御堂筋翔役、「テラフォーマーズ」のアドルフ・ラインハルト役、「東京喰種」のタタラ役、「七つの大罪」のグレイロード役などがあります。

遊佐浩二さんが近年演じたキャラクターとしては「ドラゴンクエストダイの大冒険（2020）」のフェンブレン役、「精霊幻想記」のレイス＝ヴォルフ役、「ヴァニタスの手記」のヨハン役、「くまクマ熊ベアー」のクリフ・フォシュローゼ役、「真夜中のオカルト公務員」の仙田礼二役、「不機嫌なモノノケ庵 續」の行政役、「ラディアン」のドラグノフ役などがあります。

ここからは既に無能なナナを視聴した人の橘ジンについての感想を紹介していきます。橘ジンの変身能力についてはまだまだ分からない事が多い一方で「見られていると変身出来ない」という制限は非常に珍しいという声が多いです。加えてネタバレしたように無能なナナ作中で唯一同時に複数の能力を使う事が出来るという事もありチートすぎるという感想も多くなっています。

ただ橘ジンの登場はかなり好意的に見られるという声も多いです。無能なナナはそれまで「ナナがいかに能力者を暗殺するか」という点にフォーカスしていた事もあり、橘ジンの登場でナナの背景はもちろん、立ち位置が不可思議な存在がいる事が学園での暗殺などをより面白くしたという感想も多くなっています。

アニメ無能なナナにて橘ジンの声優を担当した遊佐浩二さんについては流石の安定感があるという声と共に原作以上に年齢がわからなくなったという声もおおくなっています。正体を隠しているキャラクターという事もあり正体が明らかになった際にどのような声になるのかという点も注目しているという感想も多くなっており、2期以降のアニメを作って欲しいという感想も多いです。

橘ジンは無能なナナに登場する謎のキャラクターです。過去などもネタバレされている一方で、普段の姿が変身した姿という事もあり、その正体が気になるという感想やまだ明らかになっていない能力の制限や欠点などネタバレした以上に謎が多いキャラクターなので注目しているという感想も多いキャラクターです。

まだ明かされていない過去があるのも確実でいずれにしてもその正体を含め物語のキーパーソンになる可能性が高いキャラクターなのでまだ無能なナナを視聴していない人は橘ジンに注目しながら視聴してみてはいかがでしょうか？