【エヴァンゲリオン】加持リョウジの声優と名言を紹介!過去や性格・人間関係も考察

エヴァンゲリオンに登場する加持リョウジについて、声優と名言を紹介します。エヴァンゲリオンで謎めいた男として登場する加持リョウジは、大人でミステリアスな言動がかっこいいと人気を得ているキャラクターです。この記事ではアニメで加持リョウジを演じた声優の山寺宏一さんや、作中で残された加持リョウジのかっこいい名言・名セリフを紹介します。また、葛城ミサトや碇シンジなどとの人間関係や、漫画版で描かれた過去も合わせて紹介しますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

【エヴァンゲリオン】加持リョウジの声優と名言を紹介!過去や性格・人間関係も考察のイメージ

目次

  1. 加持リョウジとは?
  2. 加持リョウジのアニメ声優
  3. 加持リョウジの名言や名セリフ集
  4. 加持リョウジの人間関係
  5. 加持リョウジの過去や性格を考察
  6. 加持リョウジの新劇場版での登場
  7. 加持リョウジに関する感想や評価
  8. 加持リョウジの声優と名言まとめ

加持リョウジとは?

エヴァンゲリオンに登場する加持リョウジは、特務機関ネルフの諜報員であり葛城ミサトと恋人だったキャラクターです。この記事では加持リョウジについて、声優の山寺宏一さんやその過去、かっこいい名セリフなどを紹介します。また、葛城ミサトや赤木リツコ、碇シンジなどとの人間関係についてもまとめていますので、加持リョウジについて詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。

新世紀エヴァンゲリオンの作品情報

かっこいいと言われる加持リョウジについて詳しく解説する前に、まずはエヴァンゲリオンの作品情報を紹介します。難解なストーリーや設定が話題となり、アニメブームの火付け役となった名作・エヴァンゲリオンがどのような作品か知りたい方はまずこちらをチェックしてみてください。

新世紀エヴァンゲリオンの概要

新世紀エヴァンゲリオンは、1995年から1996年にかけて放送されたテレビアニメです。エヴァと呼ばれる人造人間兵器に乗る子供たちと、使徒と呼ばれる敵との戦いを描いています。難解で革新的なストーリーがアニメ放送後に話題を集め、社会現象を巻き起こしました。2020年現在に至るまで劇場版アニメや漫画、ゲームなど幅広くメディアミックスされている大人気作品です。

新世紀エヴァンゲリオンのあらすじ

セカンドインパクトと呼ばれる大災害によって荒廃した世界に、使徒と呼ばれる未知の敵が襲来します。使徒と戦う特務機関ネルフの総司令・碇ゲンドウは、息子である碇シンジを第3新東京市に呼び寄せ、エヴァと呼ばれる兵器に乗ることを命じます。混乱しながらもエヴァパイロットとなった碇シンジは、仲間のレイ、アスカとともに、人類滅亡をかけた使徒との戦いに身を投じることとなります。

加持リョウジのプロフィール

新世紀エヴァンゲリオンの作品情報を紹介したところで、まずは加持リョウジの簡単なプロフィールを紹介します。加持リョウジは1985年6月17日に生まれ、テレビアニメ新世紀エヴァンゲリオン作中の2015年では30歳となっています。特務機関ネルフの職員であり、元々はドイツ支部で働いていましたが、3人目のエヴァパイロットである惣流・アスカ・ラングレーと共に日本のネルフ本部へと配属されスパイとして活動します。

外見は、無精髭に結んだ長髪、スーツは首元をゆるく開くスタイルなど、国連直属の機関であるネルフの職員とは思えないほどルーズです。愛煙家でよくタバコを吸っています。性格は飄々としており、物腰は柔らかであるものの相手に尻尾をつかませないようなところがあります。女性に対してはかなりの軟派で、恋人であった葛城ミサトはもちろん、隙をみて友人の赤木リツコや同僚の女性を口説いていました。

加持リョウジの名前の由来は「舵」?

大人でかっこいいと言われる加持リョウジですが、その名前は、船の「舵」に由来して付けられたそうです。のちに詳しく紹介しますが、加持リョウジはただのネルフ職員ではなく、利害関係が対立する三つの組織の間を渡り歩き、物語を大きく進めるきっかけを作りました。また、職務ではないプライベートでも周囲のキャラクターたちに大きな影響力を発揮しています。

加持リョウジの名前はまさに、エヴァンゲリオンという物語の中で荒波に揉まれる登場人物たちの運命を舵とるという、彼の役割を体現していると言えます。自身が主役となり物語を動かすというよりも、他のキャラクターたちに情報やアドバイスを渡して導くという役割が加持リョウジに与えられたことがわかります。

エヴァンゲリオン公式サイト

加持リョウジのアニメ声優

2020年5月にNHKで『発表!全エヴァンゲリオン大投票』が放送され、番組内のキャラクター部門人気投票で加持リョウジは7位にランキング入りしました。男子だけで見ると渚カヲル、碇シンジに続く三番目の人気です。かっこいいと評される理由の一つに、アニメで加持リョウジ役を演じた声優の山寺宏一さんの存在が大きいと言われています。それでは、加持リョウジを魅力的に演じた声優の山寺宏一さんについて紹介します。

山寺宏一のプロフィール

声優・山寺宏一さんのプロフィールを紹介します。山寺宏一さんは1961年に宮城県で生まれました。大学時代の山寺宏一さんは落語研究会に所属し、CMにも出演しました。卒業が近くなり、話すことが得意だった山寺宏一さんは広告代理店や旅行代理店の営業マンを目指しますが、途中で気が変わります。当時、山寺宏一さんはCM参加の縁で広告代理店の内定がほぼ出ていたものの、声優の仕事に興味が出てきたことでそれを断ります。

当時、声優業はメジャーな仕事ではありませんでしたが、山寺宏一さんはやってみたいという心を優先させて挑戦を決めます。山寺宏一さんは22年暮らした実家を出て東京の俳協養成所に入所し、30歳までに声優業で生活できるようにならなければ諦めるという目安を設けます。実際、声優業で生活していけるようになったのは、俳協に入所してから四年ほど経ってからで、それまで山寺宏一さんは鰻屋のバイトをしていたそうです。

山寺宏一さんは、1985年には『メガゾーン23』の中川真二役で声優デビューをし、1989年に出演した『らんま1/2』の響良牙役でブレイクします。ベテラン声優の野沢雅子さんにも伸び代を認められた山寺宏一さんは、その後「七色の声を持つ男」という異名を持つ実力派声優になります。山寺宏一さんは『声優が選ぶ』ナンバーワン声優」に選ばれるほどであり、山寺宏一さんの実力は同業者からも強く認められています。

山寺宏一さんは若者から老人、動物からシリアスな悪役まで幅広い役柄を多彩な声音で演じることに定評がある声優で、ディズニー映画に多くの役で参加しています。また、山寺宏一さんは洋画の吹き替えも多く、ウィル・スミスやブラッド・ピットなどの声を担当しています。喋ることが得意な山寺宏一さんは声優の地位向上のためタレントとしても活躍しており、『おはスタ』などバラエティー番組の視界も多く担当しています。

山寺宏一の主な出演作品

  • テレビアニメ『らんま1/2』響良牙役
  • テレビアニメ『HUNTER×HUNTER(2011年版)』シルバ・ゾルディック役
  • テレビアニメ『銀魂』吉田松陽役
  • テレビアニメ『アンパンマン』チーズ、ジャムおじさん2代目、かまめしどんなど
  • アニメ『ディズニー・コメディ・タイム』など ドナルド・ダック役 吹き替え
  • アニメ『リロ・アンド・スティッチ』スティッチ役 吹き替え
  • アニメ『アラジン』ジーニー役 吹き替え
  • アニメ『美女と野獣』ビースト役 吹き替え
  • アニメ『ムーラン』ムーシュー役 吹き替え
  • アニメ『リトル・マーメイド』セバスチャン役三代目 吹き替え

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加持リョウジの名言や名セリフ集

山寺宏一さんが演じた加持リョウジは、シンジなどのエヴァパイロットたちほど登場回数は多くないものの、出てくるたびにかっこいい名言や名セリフを残していく印象的なキャラクターです。ここでは、そんな加持リョウジの印象に残るかっこいい名言や名声セリフを紹介します。

加持リョウジの名言①「生きるって事は…」

加持リョウジのかっこいい名言を紹介します。一つ目は、エヴァンゲリオン第15話「嘘と沈黙」にて加持リョウジが残した名セリフです。

生きるってことは、変わるってことさ

大学時代の友人である加持リョウジ、葛城ミサト、赤木リツコは共通の友人の結婚式に出席していました。結婚式が終わり、3人はバーへと場所を変えて飲み直します。プレイボーイである加持リョウジは、葛城ミサトがトイレに立った隙を狙って赤木リツコに言い寄ります。しかし葛城ミサトが戻ってきて、大学時代と変わらない加持リョウジの軽さを指摘します。それに対して加持リョウジが返したセリフがこの名セリフです。

これは、プレイボーイだった大学時代と変わらず今も軽い男だと指摘する葛城ミサトのセリフに対して、昔よりは遊ばなくなったと主張する加持リョウジのセリフだと考えられます。そして、このやり取りの後には赤木リツコが次のように発言します。

ホメオスタシスとトランジスタシスね。今を維持しようとする力と変えようとする力。その矛盾する二つの性質を共有しているのが生き物なのよ

これに対して、加持リョウジは「男と女だな」と返します。これは、今を維持しようとしているのが男、加持リョウジであり、変えようとしているのが女、葛城ミサトであるということを示唆しています。つまり、加持リョウジは恋人関係であった葛城ミサトに対して今でも好意を持っているのに対し、葛城ミサトは過去を忘れたかのように振舞っていることを示していると考えられます。

上で紹介した名セリフでは変わったことをアピールしたのに対し、その直後には変わっていないことをアピールする加持リョウジ。赤木リツコが言ったように、生きている人間は変わっていく部分と変わらない部分がある、矛盾する生き物だということを示していると考えられます。

加持リョウジの名言②「つらいことを知ってる…」

加持リョウジのかっこいい名言を紹介します。二つ目は、新世紀エヴァンゲリオン第17話「四人目の適格者」にて加持リョウジが残した名セリフです。

つらいことを知ってる人間の方が、それだけ他人に優しくできる。それは弱さとは違うからな

ネルフ本部内にて碇シンジと会った加持リョウジは、碇シンジをお茶に誘います。訝しげな碇シンジを連れて行ったのは、加持リョウジが趣味で育てていたスイカ畑でした。加持リョウジは碇シンジに対し、何かを育てることの楽しさを説きます。楽しいことが見えてくる、という加持リョウジに対し、碇シンジはつらいこともあると返します。それに対する加持リョウジのかっこいい返答が、上のセリフです。

14歳にして世界の命運を託されてしまうことになり、未だエヴァに乗ることに対して迷いのあるシンジに対し、加持リョウジなりに助言をしたのがこのセリフだと考えられます。逃げられない使徒との戦いや父親である碇ゲンドウとの関係、友達との関係など辛いことがたくさんありますが、そんなシンジを無理やりエヴァに乗せるのではなく、辛いことにも意義があるのだと優しく諭しているセリフだと言えます。

加持リョウジの名言③「大人はさ、ズルイぐらいが…」

加持リョウジのかっこいい名言を紹介します。三つ目は、『エヴァンゲリオン新劇場版:破』にて加持リョウジが残した名セリフです。

大人はさ、ズルイくらいがちょうどいいんだ

加持リョウジが碇シンジをスイカ畑に誘うシーンを上で紹介しましたが、テレビ版エヴァンゲリオンでお茶に誘っていたのに対し、『破』ではデートに誘うセリフに変更されています。加持リョウジは缶コーヒーをおごって碇シンジに畑仕事を手伝わせます。そして手のひらについた土の匂いを嗅いでいた碇シンジに対し、もうへばったのか、給料分は働いてもらうぞと言います。碇シンジは缶コーヒーが給料だという加持リョウジに呆れます。

加持さんってもっと真面目な人かと思ってましたと言う碇シンジ。それに対する加持リョウジのかっこいい返答が上のセリフです。加持リョウジはシンジをデートに誘ったりと軽薄に見える言動の多い人物ですが、その正体がスパイであることからもわかるように、大人の複雑な社会の中を上手く渡り歩く器用さがあります。不器用で思いつめがちな碇シンジと対照的に、加持リョウジが大人の男であることが印象付けられるシーンです。

加持リョウジの名言④「人は他人を完全に理解することは…」

加持リョウジのかっこいい名言を紹介します。四つ目は、新世紀エヴァンゲリオン第18話「命の選択を」にて加持リョウジが残した名セリフです。

人は他人を完全に理解することはできない。自分自身だって怪しいもんさ。100%理解し合うのは不可能なんだよ。まっ、だからこそ人は自分を、他人を知ろうと努力する。だから面白いんだな、人生は

葛城ミサトが用事で留守の間、加持リョウジが家に泊まって碇シンジとアスカの面倒をみることになります。同じ部屋で寝ることになり、碇シンジは加持リョウジに父であるゲンドウの人柄を尋ねます。今までずっと一緒にいなかったゲンドウのことが、最近わかるようになってきたという碇シンジ。それに対し、加持リョウジが返したのが上のかっこいいセリフです。

碇シンジを窘めているようでもあり、人生の先輩として助言しているようでもあるこのセリフは、酸いも甘いも経験してきた大人であるからこそ言えるものだと考えられます。スパイであり、のちに紹介するように暗い過去を背負っている加持リョウジは、他人も、自分ですら完全に知っているとは言えないということを学んでいます。加持リョウジの隠された暗い部分が示唆されるようなかっこいい名セリフです。

加持リョウジの名言⑤「俺はここで水をまくことしか…」

加持リョウジのかっこいい名言を紹介します。五つ目は、新世紀エヴァンゲリオン第19話「男の戦い」にて残された加持リョウジの名セリフです。

俺はここで水をまくことしかできない。だが君には、君にしかできない、君ならできることがあるはずだ。誰も君に強要はしない、自分で考え、自分で決めろ。自分が今、何をすべきなのか。まぁ、後悔の無いようにな

誰が乗っているかを知らず、強制的にエヴァ3号機を倒すこととなった碇シンジは、全てが終わった後にそのエヴァパイロットが友人・トウジであったことを知ります。自分のしたことにショックを受け、以降碇シンジはエヴァに乗ることを拒否するようになります。ミサトの説得も甲斐無く、第三新東京市を去ることを決めた碇シンジ。しかしそこに、第14使徒ゼルエルが襲来します。

レイとアスカが奮闘しますが、使徒を止めることはできません。やられる二人の姿を見て凍りついている碇シンジに声をかけたのが、偶然近くでスイカ畑に水をやっていた加持リョウジでした。加持リョウジは、使徒がネルフの地下に眠るアダムに接近すればサードインパクトが起き、そうすれば人類は滅亡することを教えます。そして告げたのが、上のかっこいい名セリフです。

友人を傷つけたことでエヴァに乗ることを拒否した碇シンジでしたが、自分がエヴァに乗らなければ友人を含めた全員が死んでしまうことを理解し、再びエヴァに乗ることを決意します。大人たちの都合や大義ではなく、大切なひとを守るという意義を碇シンジに感じさせる、加持リョウジの導き方が光ったかっこいい名セリフでした。

加持リョウジの名言⑥「真実は、君と共にある…」

加持リョウジのかっこいい名言を紹介します。六つ目は、新世紀エヴァンゲリオン第21話「ネルフ、誕生」にて残された加持リョウジの名セリフです。

真実は、君と共にある。迷わず進んでくれ

加持リョウジがネルフの副司令・冬月を拉致したことで、彼と深い関係にある葛城ミサトが拘束されます。しばらくすると解放されますが、加持リョウジの安否を聞いても答えてもらえません。自宅に戻った葛城ミサトは、電話に留守電が残っていることに気がつきます。電話は加持リョウジからであり、内容は迷惑をかけたことに対する謝罪と、残してきた花の世話を頼むということ、そして上の名セリフでした。

これは、加持リョウジが葛城ミサトと最後に会った時にプレゼントだと言って渡したカプセルのことを指しています。葛城ミサトはずっとネルフの秘密について知りたがっており、その情報を詰めたカプセルを最後の逢瀬の時に加持リョウジは渡していたのでした。この後、葛城ミサトは受け取った情報を元に自らネルフの秘密を暴くため動き出します。

加持リョウジの名言⑦「ま、恋の始まりに理由はないが…」

加持リョウジのかっこいい名言を紹介します。7つ目は、新世紀エヴァンゲリオン第25話「終わる世界」にて加持リョウジが残した名言です。

ま、恋の始まりに理由はないが、終わりには理由がある、って事だな

友人の結婚式に出席した後、加持リョウジは酔いつぶれた葛城ミサトを負ぶって帰り道を歩きます。少し酔いが覚めて自分で歩けるようになった葛城ミサトは、加持リョウジに昔別れを告げた本当の理由を話し始めます。あなたを死んだ父親に重ねていた、それに気づいたから別れたのだと語る葛城ミサトに、加持リョウジは上のセリフを言います。

自分勝手な理由ですが、それを知っても全く葛城ミサトを責める事のない加持リョウジの懐の広さが伝わってくるかっこいい名セリフです。その上、この名セリフの後で加持リョウジは、自分を責め続ける葛城ミサトに対して自分を大切にしろという意味の言葉を掛けます。加持リョウジの器の大きさや包容力がよくわかるエピソードとなっています。

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加持リョウジの人間関係

次からは、加持リョウジの人間関係について紹介します。エヴァンゲリオンに登場するキャラクターの中でも最も大人な性格をしていた一人である加持リョウジは、多くの登場人物に影響を与えました。物事を俯瞰した目で見るような加持リョウジの言動は、相対する人物にとって有用な助言となることもしばしばあります。物語の重要人物と言える加持リョウジの人間関係が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

加持リョウジと葛城ミサトの関係

加持リョウジと葛城ミサトは大学時代の友人であり、かつては恋人同士でした。一緒に住むほどの仲でしたが、葛城ミサトが加持リョウジを死んだ父親に重ねていたことに気づき、「好きな人ができた」と偽って別れることになります。しかし加持リョウジがネルフ日本支部に配属されることとなり、二人は再会します。再会してから加持リョウジは変わらず葛城ミサトに対して口説く様子を見せるものの、葛城ミサトは彼を突き放します。

付き合っていたことが黒歴史だとまで言う葛城ミサトでしたが、実際のところ完全に吹っ切れているわけではなく、加持リョウジに強引に迫られると拒否しきれないところがありました。その後、葛城ミサトがかつて別れを切り出した本当の理由を話したことをきっかけに二人はよりを戻すこととなります。葛城ミサトは加持リョウジがネルフの秘密を追っていることに気づいており、それを共有するように何度も迫ります。

ネルフの秘密に迫り、自らの身に危険が迫っていることを勘づいていた加持リョウジは、葛城ミサトとの逢瀬の中で極秘情報を詰めたカプセルを渡します。その後降りてきた指令でネルフ副司令の冬月を拉致した加持リョウジでしたが、勝手に冬月を解放してしまいます。その裏切りが原因で加持リョウジは殺されることとなります。

加持リョウジは冬月を拉致しに行く前、葛城ミサトに留守電を残していました。内容は迷惑をかけたことを誤るもの、渡したカプセルの中身を示唆するもの、そして次に会えたら8年前に言えなかった言葉を言うよというものでした。これを聞いた葛城ミサトは「あんた、本当にバカよ…」と泣き崩れます。加持リョウジが言いたかった言葉とは、おそらく「結婚してくれ」という類のセリフだと考えられます。

後に紹介しますが、加持リョウジは暗い過去を抱えたキャラクターであり、一見軽薄に見えても心の中には重い十字架を背負っています。そのため自分が幸せになってはいけないと思っていると考えられ、8年前に葛城ミサトと付き合っていた時はプロポーズできなかったのではないかと推測されます。そんな加持リョウジが最期を前にしてプロポーズしようと思ったことは、二人が積み上げてきた深い関係を示していると考えられます。

加持リョウジと赤城リツコの関係

加持リョウジと赤木リツコは、葛城ミサトと同様に大学時代の友人です。加持リョウジがネルフ日本支部に配属されるようになってから、二人は葛城ミサトを交えて再び交友を持つようになります。プレイボーイである加持リョウジは友人の赤木リツコにも口説く様子を見せますが、お互い本気ではなく赤木リツコもそれを軽くいなしています。

加持リョウジが日本支部に配属された後、赤木リツコとの再会では後ろから抱きしめて口説こうとしますが、葛城ミサトに見つかって怒られます。その時加持リョウジは「涙の通り道にホクロがある人は一生泣き続ける」と言います。これは赤木リツコの苦しい恋を言い当てています。また、友人の結婚式の帰り、加持リョウジと赤木リツコと葛城ミサトは三人でバーで飲み直します。

葛城ミサトがトイレに立つ間、赤木リツコは加持リョウジにあまりネルフの秘密を深追いするなと忠告します。このように、加持リョウジと赤木リツコは久々の再会でも、お互いの状況を察して忠告することができるような友人としての関係性を築いていることが分かります。

加持リョウジと碇シンジの関係

加持リョウジと碇シンジは、ネルフの職員とエヴァのパイロットという関係性ですが、それだけでもありません。加持リョウジは葛城ミサトのように碇シンジの直接の上司というわけではありませんが、重要な場面で碇シンジに助言を与えることがあります。例えば、碇シンジが友人のトウジを傷つけてしまいエヴァに乗ることを拒否している時、加持リョウジは碇シンジにエヴァに乗る意義を気付かせます。

他にも、父親との関係に悩んでいた碇シンジに対し、他人や自分を完全に理解できることなどないと諭す場面もありました。碇シンジはいつもネルフの大人から何かすることを強く押し付けられていますが、加持リョウジは強制するのではなく導くような姿勢で接しています。そのせいか碇シンジは、加持リョウジを胡散臭く思うことはあっても、強く反発する様子を見せることはありませんでした。

また、加持リョウジは碇シンジが葛城ミサトと同居していることが気になる様子を見せることがあります。実際、加持リョウジが死亡した後に葛城ミサトが碇シンジとキスをするシーンもあるので、加持リョウジの勘は間違っていなかったと言えます。

加持リョウジと惣流・アスカ・ラングレーの関係

加持リョウジは三人目のエヴァパイロットである惣流・アスカ・ラングレーの随伴としてドイツからネルフ日本支部に配属されました。アスカは加持リョウジに対して直接的に好意をアピールしますが、加持リョウジはこれを一顧だにせず交わします。というのも、子供であるアスカが恋愛対象でない上に、アスカが自分を本当に好きなのではなく、大人に近づきたいための背伸びであることに気づいていたからでした。

物語後半では、好意を向けていた加持リョウジが死亡したことを知ったことが、使徒との戦いでアスカが精神汚染を拡大する一因となってしまいます。アスカにとって加持リョウジは恋ではなかったかもしれませんが、憧れであり好意を持っていた人物であったのは確かです。

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加持リョウジの過去や性格を考察

ここからは加持リョウジの過去や性格を考察していきます。新世紀エヴァンゲリオンではあまり自分のことを明かさずミステリアスな存在だった加持リョウジは、視聴者に多くの謎を残して死亡しました。謎めいた男である加持リョウジの秘密について迫ります。

考察①加持リョウジの過去

テレビアニメ新世紀エヴァンゲリオンでは、なぜネルフに所属して使徒と戦っているのかその行動原理が明かされずに加持リョウジは死亡してしまいました。その加持リョウジの過去が、貞本義行さんによってコミカライズされた漫画『新世紀エヴァンゲリオン』の中で明かされています。それによると、加持リョウジは元々セカンドインパクトによって浮浪孤児となった子供でした。

加持リョウジと弟は同じ境遇の子供達が集まるグループの中で生活し、彼らは盗みによって命を繋いでいました。しかしある時、仲間とともに軍の倉庫に食べ物を盗みに入ったところを捕まり、拷問を受けます。その結果、拷問に耐えかねた加持リョウジは、弟を含む仲間の命と引き換えに見逃してもらうことを選びます。自分だけは助かった加持リョウジでしたが、以降心の中に大きな十字架を背負うことになります。

罪悪感に押しつぶされそうになった加持リョウジは、盗みをしなければ生きていけないような状況を作ったそもそもの原因・セカンドインパクトを恨みます。加持リョウジは世間では隕石の衝突だと言われているセカンドインパクトの真相を知るべく、ネルフに入り、三つの組織を股にかけたスパイとして活動することになります。しかし真実を知りたいという加持リョウジの欲求は裏目に出、死へと繋がります。

考察②加持リョウジの性格

加持リョウジは、女性に見境なく声をかけていることから一見軽薄に見えますが、その実は尻尾を相手につかませない飄々とした性格です。上で紹介した生い立ちが関係しているのか、それとも三重スパイとして活動するためなのかは定かではありませんが、秘密主義であり、一歩引いた物の見方をしています。発言するときは抽象的でぼやかした表現で相手に考えさせるような物言いが多いです。

女性に対してはかなりのプレイボーイであり、友人同僚関係なく口説いていますが、本命の葛城ミサトに関しては誠実な態度で対応しています。葛城ミサトが父親と重ね合わせていたことからもわかるように、大人で包容力のある性格をしています。「負ける戦はしない主義だ」という発言から、去る者は追わずという主義が読み取れます。過去の経験から、特定の誰かに執着しないようにしているとも考えられます。

考察③3重スパイ?

加持リョウジはネルフ総司令である碇ゲンドウの下で諜報活動を行うスパイでしたが、その正体は日本政府内務省とゼーレのスパイを兼ねた三重スパイでした。碇ゲンドウはそのことを知っていたようでしたが、あえて泳がせていたような描写がされています。加持リョウジは最後、冬月を勝手な判断で解放したことで殺されてしまいます。それは真実に近づきたいという理由からでした。

加持リョウジはスパイとして諜報活動を行なっていただけではなく、裏工作も行なっていました。その功績に、兵器JAの暴走、卵にまで還った第一使徒の肉体を碇ゲンドウに横流し、ネルフ本部の停電などがあります。最後の裏切りがなければ、加持リョウジは優秀な工作員であったことがわかります。ただ、碇ゲンドウや葛城ミサト、赤木リツコなどに正体を勘付かれていたので、隠密のスパイとしては失敗だったとも言えます。

考察④誰に殺された?

加持リョウジが最後誰に射殺されたかというのは明確に描写されておらず、視聴者の間でも犯人が誰かというのは長年疑問に思われてきました。犯人を待っていた加持リョウジが「よう、遅かったじゃないか」と発言したことから、身近な人物だったのではないかとも考えられていましたが、これは後に庵野監督によって否定されています。庵野監督が言うには、「誰かであって、特定のキャラクターが殺したわけではない」そうです。

更に庵野監督は、犯人は「ゼーレの手のものかネルフの諜報部」であると言っています。つまり、加持リョウジを殺した犯人を描かなかったのは、犯人自体に意味があるわけでもなく、それが明らかになっても物語の展開になんの意味もないからだと考えられます。

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加持リョウジの新劇場版での登場

最後に、エヴァンゲリオン新劇場版で加持リョウジがどのように登場するかを紹介します。新劇場版ではキャラクターの設定や物語が大きく変更されることがあります。新劇場版での加持リョウジの活躍が気になる方はぜひチェックしてみてください。

加持リョウジの新劇場版での活躍

加持リョウジは『エヴァンゲリオン新劇場版:破』から登場します。『破』での加持リョウジは、テレビアニメ版エヴァンゲリオンとは違い、「ネルフ首席監察官」の地位にあることが示されています。テレビアニメ版ではアスカの随伴としてドイツから来日したのに対し、『破』ではアスカとは面識がなく、代わりに新しく登場したエヴァ仮設5号機パイロットの真希波・マリ・イストリアスと知り合いです。

スパイという設定は踏襲されているらしく、『破』では碇ゲンドウにネブカドネザルの鍵と呼ばれるものを横流ししている場面が描かれています。シンジやアスカたちエヴァパイロットを連れて海洋生物研究所の社会見学に連れ出す場面もありました。

加持リョウジはQには登場していない?

加持リョウジは3作目の『Q』では姿は描かれていません。ただ、コウジが加持リョウジの名前を出していることから、ヴィレと関係があると考えられます。

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加持リョウジに関する感想や評価

このツイートのように、加持リョウジと葛城ミサトの運命を悲しむ感想が多くみられました。加持リョウジも葛城ミサトも辛い過去を背負って生きているので、二人を応援したくなる人が多いようです。

頭ごなしに叱ったりするのではない、加持リョウジの導くような姿勢を指摘するツイートです。エヴァンゲリオンの世界ではシンジに何かを強制する大人が多いですが、加持リョウジはそうではありません。エヴァの中では珍しいタイプの大人だと言えます。

飄々としている加持リョウジの辛く重い過去を知って、このツイートのように驚く方も多いようです。ただのプレイボーイではないところに加持リョウジの魅力があるという意見が多くみられました。

Thumb【エヴァンゲリオン】空白の14年間の謎を予告編から考察!破からQの間に何があった? | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

加持リョウジの声優と名言まとめ

新世紀エヴァンゲリオンで加持リョウジを演じた声優や名セリフ、人間関係や過去をまとめました。この記事で加持リョウジに興味を持った方は、2021年1月23日に公開される『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』をみに行ってみてはいかがでしょうか?

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