2020年11月11日公開
2020年11月11日更新
【エヴァンゲリオン】ATフィールドとは何?意味・正体や何の略語なのか解説
エヴァンゲリオンを代表する要素の1つとなっているのがATフィールドです。エヴァンゲリオン以外の作品でもパロディ的に使用されるなど有名な言葉になっていますがその意味や本来の使い方がわからないという声も多くなっています。今回はエヴァンゲリオンに登場するATフィールドについて、そもそもエヴァンゲリオン作中におけるATフィールドとはどんな存在なのか、元になっている英語の略称やエネルギー源になっているとされる心の壁についてまとめて紹介していきます。
目次
エヴァンゲリオンとは?
新世紀エヴァンゲリオンの概要
新世紀エヴァンゲリオンとは庵野秀明監督が中心に手掛けたSFアニメ及びそのアニメからメディアミックス展開された作品です。1995年10月から1996年3月末まで、今で言う2クールのアニメとして放送され、最終話を補完する劇場版映画が製作された作品です。1990年代後半において社会現象を起こす程に高い人気を集めた作品で、独特な演出やキャラクター造形、「セカイ系」と言われる特徴などは後の作品にも大きな影響を与えた作品です。
特にそのアニメのエンディング・劇場版の衝撃的な結末は賛否両論の議論を呼ぶ程になりました。2006年からは設定やストーリーを再構成した形でエヴァンゲリオン新劇場版シリーズが展開されており、2007年に第1作の「序」、2009年公開の第2作「破」、2012年公開の第3作「Q」と続いており、2021年には新劇場版シリーズ最終章と言われる「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が公開される事が予定されている作品です。
新世紀エヴァンゲリオンのあらすじ
西暦2000年に発生した大災害「セカンドインパクト」により世界人口の半数が失われた世界、物語はそんな世界の2015年から始まります。主人公の少年、碇シンジは別居していた父、碇ゲンドウから突然の呼び出しを受けます。ゲンドウは国連直属の組織ネルフの総司令官であり、シンジに人形決戦兵器エヴァンゲリオンのパイロットとなって謎の敵である「使徒」と戦う事を命じるのでした。
エヴァンゲリオンのATフィールドとは?意味は?
ATフィールドは何の英語の略?
エヴァンゲリオンの中でも略して「ATフィールド」と呼ばれていますが、ATフィールドとは正式名称は英語で「Absolute Terror Field」と言います。日本語で言うとそれぞれ英語の単語で「Absolute=絶対」「Terror=恐怖」「Field=領域」となり置き換えて「絶対不可侵領域」という意味の略称で、その意味の通り、主に相手を絶対に受け付けないバリアとしてエヴァンゲリオン作中では使用されています。
エヴァンゲリオンにおいての敵である使徒がこのATフィールドを使用しているので通常の兵器ではほとんどダメージを与えられず、同時にこのATフィールドにはATフィールド同士を衝突させると中和されるという特性がある事から同じくATフィールドを展開できるエヴァンゲリオンのみが使徒に有効打を与えられるという仕組みになっています。名前の意味が分かると効果からみて非常に分かりやすい名前になっていると言えます。
使用用途的には「バリア」という英語を用いても良さそうですが、あくまでもバリア的に使う事が多いというだけで必ずしも防御の為だけのものではないという点において敢えてバリアという英語を避けたのではないかとファンの間では考えられています。もしくは英語の意味を意識するよりも「ATフィールド」という語感の良さを意識してATフィールドと名付けたのではないかという声もあります。
ATフィールドは心の壁を意味している?
名前の由来は英語ですがエヴァンゲリオンの世界においてATフィールドについての詳しい原理は不明になっており、エヴァンゲリオン作中でもそれぞれに解釈される場合が多いですが、渚カヲル曰く、ATフィールドとは本来なら人間誰しもが持っている「心の壁」を意味していると解釈しています。通常人間はこのATフィールドを人の形を保つ為にしか使えず、それ以上に使う事ができるのが使徒や人形決戦兵器エヴァンゲリオンだというのです。
この解釈を裏付けるようにエヴァンゲリオン作中では「リビドー(生への欲望という意味)」と「デストルドー(死への欲望という意味)」という言葉が登場し、リビドーこそがATフィールドの正体であるかのような描写が、逆にデストルドーに満たされてしまった人はATフィールドを失い人の形を保てなくなる描写が見られます。生きる為に恐怖を与えてくる敵を遮断するバリア=ATフィールドというわけです。
エヴァンゲリオンのATフィールドの強さやエヴァと使徒が使える理由
ATフィールドの強さ
エヴァンゲリオンの世界において使徒の使用するATフィールドは最強とも言うべき性質を持っています。ATフィールド同士をぶつけてると中和されるという大きな弱点こそあれど裏を返せばATフィールド以外の方法では打ち破る方法がなかったのです。使徒によってはその分厚くATフィールド以外に止めるほうほうがないATフィールドを攻撃に転用するような場面も見られる程です。
またATフィールドは使徒やエヴァンゲリオンの場合はパイロットの心理状態・シンクロ率などによっても強さが変わると考えられており、名前の元になっている英語の「絶対不可侵領域」とは裏腹に、エヴァンゲリオン作中ではATフィールド同士の衝突により破られている例も非常に多くなっています。ATフィールド以外のものには滅法強さを発揮しATフィールド同士の戦いになって初めて優劣が出る物という形になっていると言えます。
ATフィールドをエヴァと使徒が使える理由
汎用人形決戦兵器であるエヴァンゲリオンもATフィールドを展開できるのは一重に使徒に対抗する為であると言えます。人類としては他の兵器では効果が薄いので使徒に対抗する為にはATフィールドをコントロールする為の兵器を開発するしかなかったわけです。つまり使徒が先にATフィールドを使えるようになり、それに対抗する為にエヴァンゲリオンも使えるようになったとするのが正確な流れであると言えます。
メタい話をするとATフィールドの意味はエヴァンゲリオンの醍醐味でもある汎用人形決戦兵器エヴァンゲリオンと使徒の戦いに他の兵器などで介入しないようにする意図もあったのではないかと考えられています。あくまでも人類の最後の兵器としてのエヴァンゲリオンを際立たせるべく、それ以外の方法では倒せないようにしたかったのではないかと考察されているのです。
ちなみに使徒についての設定は様々な媒体で差がある事から明確に使徒とは何なのかについてははっきりしない形になっており、使徒がATフィールドを展開できる理由も不明点が多くなっています。ただ使徒によってもATフィールドの強弱があるのは確かなので、その点から使徒がATフィールドを仕様できる理由を探る考察も多くなっています。
エヴァンゲリオンのゲーム作品でのATフィールド
エヴァンゲリオンの社会現象的な人気は数々のメディアミックス作品を生み、SFアニメであるという特性から単独のゲームとしてはもちろん、他のロボットアニメなどとクロスオーバーする作品にも多く登場しています。それらのゲームにおけるATフィールドは整合性を取るために多少意味合いが異なる場合が多いです。
新世紀エヴァンゲリオン2でのATフィールド
エヴァンゲリオンの単独ゲームである2003年PS2で発売した「新世紀エヴァンゲリオン2」では原作でいわれた「心の壁」という部分を上手く取り入れ、それぞれのキャラクターに「A.T」というゲージが存在しそれを管理する形で取り入れられています。自身で操作するキャラクターにおいける「A.T」は「やる気」に近いパラメータであり、同時に体調管理の為のステータスとしても使用されました。
またNPCの場合には「好感度」に相当する使われ方をしています。戦闘においても使用する事になりNPCパイロットの「A.T=心の壁」の高まり具合に戦闘の優劣が大きく左右される形を再現する仕様となっていました。戦闘システムはもちろん、それ以外の部分でも「心の壁」というフレーズが大切にされた作品になっています。
スーパーロボット大戦シリーズでのATフィールド
スーパーロボット大戦シリーズとは多数のロボットアニメのロボットが登場して戦うクロスオーバー作品でエヴァンゲリオンもそこに参加しています。スーパーロボット大戦におけるATフィールドは「一定量のダメージを無効化するバリア」という仕様になっている場合が多いです。その為、多くの敵の攻撃からのダメージを防げる優秀なバリアになっている場合が多い反面、バリア以外の装甲が薄い事が弱点になっています。
同時に敵として登場してくる使徒には「ATフィールド中和能力」があり相手取るのが難しい他、特に中盤以降にはATフィールドのバリア量を上回る攻撃力を持つロボットが登場してくる事、攻撃力を一時的に上げる事でATフィールドを打破する事ができるなど、バランスを取る為、エヴァンゲリオン作中の描写よりも脆く見えるような描写が増えています。
ただ中盤まで或いは終盤になっても汎用的な相手を相手どる際にはATフィールドの防御力を打ち崩されない事から非常に重宝するという立ち位置になっており、その略称通りバリアとしてゲームを攻略する上でも大いに活躍するような形になっています。
エヴァンゲリオンのATフィールドに関する感想や評価
ATフィールドってエヴァが元ネタで、しかもよく使われてる使い方とちゃんと同じ意味だったんですね…初めて知った(エヴァ見たことない民)
— ペンキ (@motopenki) June 6, 2020
ここからは既にエヴァンゲリオンを視聴している人のATフィールドに関しての感想を紹介していきます。ATフィールドという言葉は既にエヴァンゲリオンを知らない人すらも知っている程の言葉になっています。一方でエヴァンゲリオンが元ネタである事、その意味が作中で解釈された「心の壁」をそのまま反映している使われ方に驚いたという声も多くなっています。
ただ一方で「何の英語の略であるか」「そもそも英単語の略称であるという事」を知らないという声も多くなっています。ATフィールドの語感の良さも相まって略である事を考えずそれ1つで英単語的に認識している人もいる程に浸透しているのがATフィールドという言葉という声も多いです。
旧エヴァはATフィールドがかなり重要な要素だったけど、新エヴァではどうなるのか
— ツキモチ (@tukimoti69) October 27, 2020
エヴァンゲリオンは「新劇場版」が展開され、旧アニメとその流れを汲む旧劇場版の流れを踏襲しつつさらなる展開を見せている映画になっており、作中の登場人物である渚カヲルが「心の壁」と解釈したのとは別の意味を見せる可能性もあるのではないかとする声も見られており、楽しみという声も多くなっています。
元々エヴァンゲリオン作中においては「ATフィールド=心の壁」というのも渚カヲル個人の解釈であるという見て取れる描写になっているのが旧版なので或いは新劇場版ではエヴァンゲリオン全体として「心の壁」とは違った解釈がを示す可能性もあるのではないかとも考察されています。
庵野監督曰くエヴァはウルトラマンには勝てないらしい
— マサト TNののの (@masato_ganonn) November 4, 2020
ウルトラマンの性質上ATフィールドが全く意味を成さないんだとか
まぁ監督が特撮好きだからそれ故のリスペクトとウルトラマン達じたい特撮界のチート集団だから当然といえば当然なのかな
エヴァンゲリオンはSFアニメ作品の1つとして他作品とのクロスオーバーも多い事が一つの特徴になっており、重要な要素であるATフィールドも当然のように登場しています。しかしエヴァンゲリオンでの圧倒的な強さを誇る描写に対して相対的に弱く描かれる事が多く、そこには特撮好きでも知られる庵野秀明監督などの思想が反映されているのが良いという声も多くなっています。
そもそもエヴァンゲリオンにおけるATフィールドはその英語名「Absolute Terror Field(絶対不可侵領域)」の略称である通り、ATフィールド以外の物を基本的にほぼ受け付けない仕様になっている為、他の作品とのバランスを取る必要がある事などもあり、ATフィールドの強さと他作品のロボットの強さのバランスを考え上手く組み込まれた作品が多いという声も見られます。
エヴァンゲリオンのATフィールドまとめ
ATフィールドはエヴァンゲリオンに登場するバリアの名称であり正式名称は「Absolute Terror Field」という英語の略称から着けられています。エヴァンゲリオン作中では使徒及び汎用人形決戦兵器エヴァンゲリオンだけが使用する事ができるバリアの一種であり、同時に人間の誰もが持っている「心の壁」だという解釈も示されたものになっています。
ATフィールド=心の壁、自分だけのテリトリーという形でエヴァンゲリオンを見た事がないという人すらも知っているフレーズとして2020年11月現在でも使われる事がある程に有名な言葉の1つになっています。元ネタを知らなかったという人も多いのでまだエヴァンゲリオンを視聴していないという人はATフィールドの意味なども考えつつエヴァンゲリオンを視聴してみてはいかがでしょうか?