エヴァンゲリオン新劇場版:Qのあらすじ・ネタバレ!謎や伏線を考察

エヴァンゲリオン新劇場版:Qの内容をネタバレありで紹介しています!『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』は、庵野秀明監督による映画作品であり、全4部作を予定している『エヴァンゲリオン新劇場版』シリーズの第3作目にあたります。しかしシリーズの途中の作品でありながら、設定やあらすじ、キャラクターを取り巻く環境など、前作までの物語展開から大きく変わっている部分があり、大変考察しがいのある作品となっています。この記事では、あらすじを完全ネタバレで紹介するとともに、残された謎や伏線について考察していきます。

エヴァンゲリオン新劇場版:Qのあらすじ・ネタバレ!謎や伏線を考察のイメージ

目次

  1. エヴァンゲリオン新劇場版:Qのあらすじ・ネタバレを一挙紹介!
  2. エヴァンゲリオン新劇場版:Qのあらすじをネタバレ解説
  3. エヴァンゲリオン新劇場版:Qの謎や伏線を考察
  4. エヴァンゲリオン新劇場版:Qの次回作も目が離せない!

エヴァンゲリオン新劇場版:Qのあらすじ・ネタバレを一挙紹介!

『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』は、全4部作を予定している『エヴァンゲリオン新劇場版』シリーズの第3作目です。1995年から放送されたTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』をベースに、設定に変更を加えて新たなストーリーを再構築したものが『エヴァンゲリオン新劇場版』シリーズです。

前作である第2作『エヴァンゲリオン新劇場版:破』の公開から3年後、2012年11月17日に待望の劇場公開を迎えました。エヴァンゲリオン新劇場版シリーズが始まった当初は、1〜3作目はそれぞれ『序』『破』『急』というタイトルになると告知されていましたが、『エヴァンゲリオン新劇場版:破』公開時の次回予告で、作のタイトルが『急』から『Q』へ変更になることが発表されました。

ただしこれは「単純に読み方が同じだから」という理由だけで『Q』とされたわけではありません。次回予告内で発表された『Q』には『Quickening』と併記されていました。このQuickneingという単語は「急がせている」という意味であることから元々の『急』にも合致するほか、「蘇る」「胎動」の意味もあり、エヴァンゲリオンの関連用語として連想しやすい単語です。

このことから計算的に決められたタイトルであることがわかりますが、実際の内容も、新設定や謎に満ちた複雑なあらすじで、大変考察しがいのある内容となっています。この記事では、そんな『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』について、あらすじを完全ネタバレで解説しつつ、残された謎、考察などを紹介していきます。

エヴァンゲリオン公式サイト

エヴァンゲリオン新劇場版:Qのあらすじをネタバレ解説

エヴァンゲリオン新劇場版:Qは、どんな作品?

前述の通り、TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のリブート版である『エヴァンゲリオン新劇場版』シリーズですが、第3作目の本作『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』は、シリーズの中でも異色の作品となりました。

前二作の『序』『破』については、設定に変更はあれど大筋はTVアニメ版に沿ったストーリー展開でしたが、それに対して本作『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』は完全にTVアニメと異なる独自の物語が展開された上に、その内容は『破』で公開された予告映像でのあらすじからも大きく変更されていました。

それもそのはずで、本作では『破』のラストからいきなり14年近くもの歳月が経っていて、世界の状況や主要人物が置かれた環境は前作までとは大きく変わっていました。またその経緯について明確な説明がないままに物語が進んでいくこともあり、中には置いてけぼり感を感じる観客も多かったようです。

最終的な興行成績は50億円を超え、これは2012年の国内映画興行ランキングで『BRAVE HEARTS 海猿』『テルマエ・ロマエ』『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』に次ぐ第4位という好成績でしたが、その内容ゆえに良くも悪くも賛否両論を巻き起こした作品です。

それでは、次項からその賛否両論の内容・あらすじを紹介していきます。完全ネタバレであらすじを解説するので、まだ未視聴でネタバレを避けたい方は、ぜひ本作を見てから読むことをお勧めします。

新組織ヴィレによる「US作戦」の実行

『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』の物語は、いきなり成層圏で戦闘が起きているシーンからスタートします。式波・アスカ・ラングレーと真希波・マリ・イラストリアスの二人が登場するのですが、そのうちアスカは左目に謎の眼帯をつけています。二人はコード4A・コード4Bと呼ばれる円盤形状を持つ何かと戦いながら、十字架型のケースを攻撃、ケース内部のものを回収しようとします。

4A・4Bの妨害攻撃により窮地に陥るアスカでしたが、彼女が「馬鹿シンジ!」と呼びかけたことに呼応したのか、十字架型のケース内部のいたエヴァ初号機が一時的に覚醒、ビーム状の攻撃で4A・4Bの敵二体を破壊します。

アスカたちはUltimate Soldier Operation・通称「US作戦」の任務についていて、十字架型ケース内部に封印されていた初号機を奪還するために戦っていたのでした。初号機の覚醒により4A・4Bを破壊されたことで結果的に作戦は無事に完了、アスカとマリは初号機およびその内部にいた碇シンジとともに地球へ帰還します。

ネタバレ:コード4A・4Bの正体

ここで本編では説明のなかったコード4A・4Bの正体について、補足のためにブックレットからのネタバレを紹介します。このUS作戦のシーンでアスカたちが戦っていたコード4A・4Bと呼ばれた敵は、一見使徒かと思われましたが、Blu-rayのブックレットでのネタバレによると、ネルフにより作られたエヴァンゲリオンMark.04に分類されるものと判明しました。

しかし同時に、作中で固有波形パターンは使徒と同じ「青」と識別されていることから、限りなく使徒に近いとも言えます。現状の情報では、これらはネルフが開発した人口使徒のような存在であると考えられています。またこの後のあらすじでコード4Cも登場しますが、こちらについても4A・4Bと同様にエヴァンゲリオンMark.04に分類されることが、同ブックレット内でネタバレされています。

14年ぶりに目覚める碇シンジ

US作戦によりエヴァ初号機とともに回収されたシンジが眼を覚ますと、彼は全身を拘束され、首にはチョーカーのようなものが装着されていました。状況が飲み込めないシンジでしたが、旧知の仲である葛城ミサトからは「エヴァに乗ることはできない、とにかく何もするな」と冷たく言われ、その態度にショックを受けます。

葛城ミサトや赤木リツコを含む旧ネルフ職員は、新組織「ヴィレ」に所属していました。ヴィレとはネルフ壊滅を目指す反ネルフ組織で、ミサトとリツコはそのリーダー的存在だったのです。シンジが目覚めたのはヴィレが所有する艦艇「AAAヴンダー」でした。AAAとはAutonomous Assault Ark、訳して自律強襲方舟のことで、戦闘用の巨大飛行戦艦でした。

ヴィレには葛城ミサトや赤木リツコのほか、US作戦に参加していたアスカとマリ、日向マコト、伊吹マヤなどの元ネルフの職員や、民間人も所属していて、ミサトを除く全員がシンボルとなる青いスカーフを腕や首などに巻いているようでした。しかしその誰もが何故かシンジに対して冷たい態度をとるのでした。

訳も分からないままそんな状況に放り込まれたシンジが困惑する中、ヴンダーに襲いかかる存在がありました。それは「ネーメジスシリーズ」、識別コード4Cと呼ばれ、先ほどのUS作戦でアスカたちが戦っていた敵と同型の敵でした(前述の様に、ブックレットでネタバレされたエヴァンゲリオンMark.04の一つです)。しかしヴンダーは凄まじい戦闘力で敵を圧倒、コード4Cとの空中戦を制し、殲滅します。

戦闘後、シンジはリツコから、エヴァ初号機はヴンダーの主機として使用中で、エヴァのパイロットは不要であること、そもそも今のシンジは初号機とのシンクロ率0%のためエヴァには乗れないことなどの説明を受けます。また、シンジの首についているチョーカーはDSSチョーカーと呼ばれるもので、『破』のクライマックスで初号機をシンジが覚醒させたことの罰として装着したということを知らされます。

実は、綾波レイを助けるためにシンジが行なった初号機の覚醒は、「ニアサードインパクト」を引き起こしてしまっていたのです。DSSチョーカーは同じことを繰り返さないためのもので、もしエヴァを覚醒させてフォースインパクトが起きそうになった場合は、チョーカーが作動、エヴァパイロットの首を吹き飛ばし命を奪うとのことでした。

さらにシンジにとって驚愕の事実だったのは、アスカが言った「シンジが初号機を覚醒してから14年もの月日が経っている」ということでした。アスカの外見が全く変わっていないことについてアスカは「エヴァの呪縛」によるものだと言います。

何が何だかわからないシンジでしたが、綾波レイの所在について尋ねると、分からないとのことでした。シンジは前作『破』で、初号機の覚醒により綾波レイを第10使徒から救出したと思われましたが、助け出したはずの綾波レイは探索済みの初号機内からは発見されていないのです。

新型エヴァンゲリオンの襲来

そんな中、突如として零号機似の新型エヴァ「エヴァンゲリオンMark.09」が出現、ヴンダーは再び襲撃を受けます。このとき、シンジはMark.09から「碇君、どこ?」と自分を呼ぶ綾波レイらしき人物の声を聞きます。14年の年月での変化や、ヴィレのメンバーの冷たい態度に疎外感を感じていたシンジは、Mark.09に連れられてヴンダーを脱出することを決めます。

このときミサトは、シンジの首に装着したチョーカーの爆破スイッチを押そうとしますが、シンジは警告を無視。最終的にはミサトもやはりシンジを死なせることはできなかったのかスイッチを押せず、シンジはMark.09とともにネルフ本部へ向かうことになりました。

ネルフ本部の様子

シンジがネルフ本部に到着すると、渚カヲルがシンジを出迎えます。そしてエヴァンゲリオンMark.09から降りてきたレイと改めて顔をあわせることになりました。しかし、その人物は綾波レイではなく、「アヤナミレイ(仮称)」という名前の人物でした。

またシンジは、父親である碇ゲンドウとも対面します。14年ぶりの再会でしたが、ゲンドウはシンジにエヴァ13号機に乗るようにだけ言うと、その場を立ち去ります。ネルフ本部には、碇ゲンドウ、冬月コウゾウ、渚カヲル、アヤナミレイ(仮称)以外に人の姿は見当たらず、自動生産ラインでエヴァらしきものを量産しているようでした。シンジは記憶と異なりすっかり荒廃した本部を見て時の流れを実感します。

渚カヲルとの交流と14年前の真実

ピアノの連弾を通して渚カヲルと親しくなったシンジは、ここでようやく14年前の出来事と今に至るまでの経緯をカヲルから聞かされることになります。前作『エヴァンゲリオン:破』のクライマックスで、使徒に捕食された綾波レイを救い出すため、シンジは自身が乗ったエヴァ初号機を覚醒させました。この覚醒により、初号機は「光の巨人」という神に近い存在になってしまい、あわやサードインパクトが始まりかけます。

そこに、渚カヲルがエヴァンゲリオンMark.06を操縦して飛来、「カシウスの槍」を打ち込んでエヴァ初号機の暴走を停止させ、サードインパクトを食い止めました。ギリギリで食い止めたことから、このエヴァ初号機覚醒による出来事は「ニアサードインパクト」と呼称されることになります。

しかし、初号機覚醒の影響はそれだけでは終わらなかったのです。初号機が覚醒してガフの扉を開いたことがトリガーとなり、最終的にリリスがサードインパクトを起こし、世界は荒廃し一面真っ赤な景色となってしまったのです。ヴィレのメンバーがシンジに冷たい態度を取っていたのも、シンジがエヴァ初号機を覚醒させたことでリリスにサードインパクトを起こすきっかけを与えてしまったからでした。

冬月コウゾウの話

その後シンジはネルフ副司令の冬月コウゾウから、シンジの母親・ユイは、初号機の制御システムとなってしまっていることを聞かされます。また、ユイの旧姓は綾波であることも明かされ、『破』でシンジが助けようとした「綾波レイ」と、今ネルフ本部にいる「アヤナミレイ(仮称)」は、どちらもシンジの母・綾波ユイから作られたクローンであり、それぞれ別の複製体であることを知らされます。

また、『破』のラストで初号機覚醒により綾波レイを救出したと思っていたシンジでしたが、実際は綾波レイの魂はサルベージされておらず未だに初号機の中に残っていることを告げられ、シンジは絶望に暮れます。

2本の槍と「世界の修復」

絶望したシンジに対して、カヲルはある提案をします。その提案とは、セントラルドグマ最深部にある「カシウス」と「ロンギヌス」の2本の槍を回収する、というものでした。カヲル曰く、その2本を奪ってしまえばネルフもフォースインパクトを起こせなくなる上に、それらの槍とエヴァ第13号機をセットで使うと「世界の修復」が可能になり、世界を元通りにできるとのことでした。

最初のうちは困惑していたシンジでしたが、世界の修復に心惹かれ、カヲルの提案を受け入れることにしました。カヲルはシンジの首に装着されていたDSSチョーカーを外し、「DSSチョーカーは元々は僕を恐れたリリンが作ったものなんだ」と言い、自身の首につけ直すのでした。

セントラルドグマ最深部の戦い

初号機に似た見た目を持つエヴァ第13号機は、エントリープラグおよびプラグソケットを2つずつ持つ「ダブルエントリーシステム」を採っており、シンジとカヲルが2人揃って搭乗することができるものでした。2本の対の槍を回収するため、シンジとカヲルはエヴァ第13号機に乗り、アヤナミレイ(仮称)の乗るMark.09とともにセントラルドグマを降下していきます。

サードインパクトの爆心地であるセントラルドグマ最深部へ到着すると、そこにはサードインパクトを引き起こしたリリスの骸が横たわっていました。リリスの首から上はエヴァMark.06と融合しており、その胸には2本の槍が突き刺さっていました。

同じ頃、反ネルフ組織ヴィレもまた第13号機の起動を察知していて、エヴァ改2号機に乗るアスカと8号機に乗るマリをセントラルドグマへ向かわせていました。「僕がこの世界を変えるんだ!」とリリスに刺さった槍に向かっていくシンジでしたが、到着したアスカに妨害攻撃を受けます。これにより、ネルフ(13号機、Mark.09)対ヴィレ(改2号機、8号機)の戦いが勃発しました。

戦いの最中、リリスに刺さっている2本の槍についてカヲルは不審に思います。リリスには「カシウス」「ロンギヌス」2本の槍が刺さっていると思われていましたが、刺さっている槍は同じ形状です。カヲルは計画を中止するようにシンジに言いますが、シンジはこれを無視、カヲルがエヴァを操縦できないように操作系を変更してしまいます。そして全員の制止の声を振り切り、シンジは槍を引き抜きます。

13番目の使徒

シンジが槍を引き抜くと、リリスの体は崩壊し、同時にエヴァンゲリオンMark.06の固有波形が使徒を示すパターン青に変化します。Mark.06の中には第12の使徒が潜んでいたのです。アヤナミレイがMark.06の首を刈ることで、第12の使徒が外に放出され、再び活動を開始しました。

外に出た第12の使徒は、黒いケーブル状の姿となり、エヴァ第13号機を包み込みます。しかし同時に13号機が覚醒し、逆に第12の使徒を吸収していきます。実はシンジが引き抜いた槍は2本ともロンギヌスの槍で、エヴァを覚醒させフォースインパクトを引き起こすためのキーだったのです。

全てを理解したカヲルは、自らが「13番目の使徒」へと落とされたことに気づきます。カヲルは「まさか第1の使徒の僕が13番目の使徒に堕とされるとは…」「始まりと終わりは同じというわけか。さすがリリンの王、シンジ君の父上だ」と語ります。全ては碇ゲンドウの策略だったのです。こうして覚醒した第13号機は上空へと浮上していき、フォースインパクトが始まります。

フォースインパクトの発動

ガフの扉が開き、地上にあるすべてのものが覚醒した13号機の頭上に吸い寄せられ崩壊していきます。ヴィレもフォースインパクトを阻止すべくヴンダーで13号機に突撃を試みますが、レイの操るMark.09に攻撃され、制御を奪われてしまいます。その状況を救うべく、アスカが改2号機を獣化形態にし、Mark.09に応戦します。

戦いの最中、Mark.09を活動限界の時間内で倒すことは難しいと判断したアスカは、改2号機の自爆システムを起動、Mark.09を道連れに機体を自爆させることを選びます。このままMark.09の中にいては自分も死んでしまう状況でありながら脱出を渋るレイでしたが、アスカに「自分がどうしたいのよ!?」と問われ自分の意思を自覚、アスカとレイはそれぞれエントリープラグで脱出します。

自分が槍を抜いたことで目の前に起きた惨事に狼狽するシンジでしたが、そんなシンジをカヲルは「僕が第13の使徒になってしまったからね。僕がトリガーだ」と優しく慰めます。フォースインパクトの発動により、カヲルの首に装着していたDSSチョーカーが起動してしまう中、「また会えるよ、シンジくん」という謎の言葉を残して、カヲルはチョーカーの発動により死んでしまいます。

カヲルの死により第13号機の覚醒は止まり、地上へ落下していきます。ところがガフの扉は閉じず、フォースインパクトの進行は止まりません。ここでマリは第13号機に乗っているシンジの存在が原因だと気づきます。

実は13号機のダブルエントリーシステムは、どちらかのパイロットが途中で死んでもフォースインパクトが止まらないようにするための「ゼーレの保険」だったのです。マリは必死に第13号機からシンジのエントリープラグを強制排出し、これによりようやくゼフの扉を閉じることに成功、フォースインパクトが収束します。

ラストシーン

自爆により大破した改2号機から無事に脱出したアスカは、同じく地上に落下したシンジの元に向かいます。シンジは、自身がサードインパクトのきっかけを作っただけでなく、フォースインパクトまでをも引き起こしそうになったことに落胆し、エントリープラグの中に蹲っていました。

そこに、同様に脱出したアヤナミレイ(仮称)もやってきます。その場を動こうとしないシンジでしたが、アスカは「まだ甘えてる。いつまでたっても手間のかかるガキね!」と発破をかけ、「ここじゃL結界密度が強すぎて助けにこれないわ。リリンが近づける場所まで移動するわよ」と言います。アスカはシンジの手を引いて歩き出し、レイも2人についていきます。このスリーショットで本作は終了、次回作へと続いていきます。

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エヴァンゲリオン新劇場版:Qの謎や伏線を考察

エヴァンゲリオン新劇場版:Qは謎だらけ

『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』のネタバレあらすじを紹介しましたが、前作までの流れから大きく逸れたことで、詳細の説明がない単語や新たな設定などが登場し、結果として謎が多く考察しがいのある作品となっています。ここでは、その謎や伏線について、現状出てきている考察をまとめて紹介します。

アスカはなぜ眼帯をしているのか?

冒頭から気になるのが、アスカが眼帯をしている理由です。あらすじで紹介した様に、アスカは『Q』の最初から謎の眼帯をつけています。またこの眼帯は、戦闘中や、ヴィレから脱出にネルフ本部へと飛び去るシンジを見つめるシーンなどで、青く十字に光る様子が確認できます。一体何のための眼帯なのでしょうか?

この眼帯には、よく観察すると「使徒封印用呪詛文様」のような四角形が確認できます。「使徒封印用呪詛文様」とは、前作『破』で登場した「使徒封印呪詛柱」に刻まれていた文様で、第3の使徒を封印するために使われていました。

このことから、実はアスカは『破』で第9の使徒に左目を侵食されていて、その侵食した使徒を封じ込めるために眼帯を身につけているのではないか、つまりアスカの眼帯は「使徒封印用のアイテム」なのではないかという考察がされています。ちなみにこの文様は、本作エヴァンゲリオン新劇場版:Qでは「新ネルフマーク」や「DSSチョーカー内部」などにも刻まれていることが確認できます。

シンジ達は人間ではない?

あらすじで紹介したように、『Q』のラストシーンではアスカの「ここじゃ、L結界密度が強すぎて助けに来れないわ。リリンが近づける場所まで移動するわよ」というセリフがあります。ここでの「リリン」とは、「人間」を意味する単語です。このことから、リリンが近づけない場所にいるシンジ、アスカ、レイの3人はリリンではない、つまり3人は「人間ではない」のではないかと考察されています。

エヴァの呪縛

さらに、前述の「シンジたちは人間ではない」ということに関連していると考察されているのが、「エヴァの呪縛」です。あらすじで紹介したように、作中でアスカたちエヴァパイロットの外見が14年前から変化していないのは「エヴァの呪縛」のためだとアスカがシンジに説明しています。

エヴァンゲリオン新劇場版シリーズでは、本作『Q』以前にも、リツコが「人間に戻れなくなる!」というようなセリフを度々口にしていました。例えば、アスカがエヴァ3号機の起動実験で使徒に侵食されかけたシーンです。プラグ深度がパイロット安全深度を超えそうになった段階で、リツコが「引き止めて!このままでは搭乗員がヒトでなくなってしまう!」という場面があります。

これらことから、「エヴァの呪縛」とは、エヴァのパイロットがプラグ深度により影響を受けて人(リリン)でなくなることであり、それにより彼らは年を取らなくなるのではないか、という考察が導き出されています。

「碇君、どこ?」の声はシンジだけに聞こえていた?

ネタバレあらすじで紹介した「碇君、どこ?」のシーンについてです。シンジがヴィレに回収されてヴンダーに乗っていた時、Mark.09が飛来した場面で、シンジは綾波レイらしき人物の「碇君、どこ?」の声を聞きます。しかしこの時、シンジだけがその声に反応し、ミサトやリツコは反応を示しませんでした。おそらくシンジ以外には聞こえていなかったと考えられます。

では、なぜシンジだけに聞こえたのでしょうか?この理由については考察がいくつかあり、一つは「Mark.09に乗っているアヤナミレイ(仮称)がシンジの頭の中に直接語りかけた」というものです。

これについては、前項までのようにシンジたちエヴァパイロットは人間ではないことから特別な意思伝達の手段を身につけても不思議ではないほか、『Q』冒頭のUS作戦でアスカの「馬鹿シンジ!」の呼びかけに呼応するようにシンジの初号機が起動した場面とも矛盾しないため、かなり可能性が高いとみられています。

シンジだけに聞こえた理由について、もう一つ別の考察は、「シンジが『破』で助けようとした綾波レイと一部融合しているから」というものです。つまり、あのシーンで声はMark.09から聞こえたものだと思われましたが、そうではなく実は初号機に残ったままの綾波レイの声だったのではないか、という考察です。

この声のシーンでは、初号機はヴンダーの主機として起動されている状態だったので、可能性はあると言えます。もしあの声が初号機に残っている綾波レイのものであったとするならば、次回作における伏線となる可能性もあると言えるでしょう。

渚カヲルは何者なのか?

本シリーズの1作目『エヴァンゲリオン新劇場版:序』のラストシーンでは、月面に並ぶ多数の柩(ひつぎ)のうちの一つから全裸の渚カヲルが目覚めるカットがあります。ここでのカヲルの左右には、同じ柩がいくつも並び、扉が開いているものと閉じているものが混在しています。

この柩について、詳細は本編では描かれていないのですが、資料集『エヴァンゲリオン新劇場版:序 全記録全集』からのネタバレによると、この柩は「カヲルの柩」と設定されていて、目覚めたカヲル以外にも、すべての閉じている柩の中に「渚カヲル」が眠っているのではないかと考察されています。

あらすじで紹介したように、本作『Q』で、シンジがリリスに刺さっていたロンギヌスの槍を抜いたことで第13号機が覚醒してしまいますが、カヲルはDSSチョーカーの発動で命を落とす直前に「また会えるよ、シンジくん」との言葉を残していきます。これはシンジを慰めるための気休めともとれますが、もしかしたらそうではなく、次回作で本当に「別の渚カオル」が再びシンジの前に現れることの伏線ではと考察されています。

アダムスの器とは?

本作の終盤、ネタバレあらすじで紹介したセントラルドグマ最深部での戦いにおいて、8号機を操るマリが、アヤナミレイ(仮称)の操縦するエヴァンゲリオンMark.09を指して「アダムスの器」と呼ぶシーンがあります。

アダムスとは何なのかについて『Q』本編では説明がありません。しかし『破』の設定資料からのネタバレ情報にアダムス(ADAMS)の文字列があり、現状では「アダムス」とはセカンドインパクトの回想シーンに登場した4体の光の巨人のことを指していると考察されています。そして「アダムスの器」とは、そのアダムスという巨人をベースにしたエヴァの機体のことを意味していると見られています。

そんな「アダムスの器」であるMark.09は、作中で顔の部分を吹き飛ばされても問題なく動くことができたり、ヴンダーの本来の主として初号機からヴンダーの制御権を奪ったりなど、通常のエヴァンゲリオンにはない性能を持つ高性能型として描写されています。光の巨人は4体いたことから、次回作で他にもアダムスの器が登場する可能性があると考察されます。

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エヴァンゲリオン新劇場版:Qの次回作も目が離せない!

以上、『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』のネタバレあらすじ、謎や伏線の考察を紹介しました。あらすじで紹介した通り『Q』は前作から大きく物語展開を変えてきていて、本編外のネタバレ情報無しでは理解しにくい部分もある、複雑な内容となりました。

次回作は『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』と発表されていますが、今作での設定からいったいどの様な展開をされていくのでしょうか?『序』『破』『Q』までの内容をしっかりと復習し、万全の体制で次回作を待ちましょう!

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