エヴァンゲリオンの旧劇場版のあらすじ・最後は?内容をネタバレ解説

1995年から1996年にかけて全26話が放送され、一時代を築いたテレビアニメ、エヴァンゲリオンには2012年に公開されたものまで何作もの劇場版があります。その中でも、1997年に公開された「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」は2007年の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」公開以来「旧劇場版」と呼ばれています。旧劇場版エヴァンゲリオンのあらすじをネタバレをしながら紹介して行きます。

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目次

  1. エヴァンゲリオンの旧劇場版のあらすじ・最後を一挙紹介!
  2. エヴァンゲリオンの旧劇場版のあらすじ・最後をネタバレ解説!
  3. エヴァンゲリオンの旧劇場版の謎を解説
  4. エヴァンゲリオンの旧劇場版を何度でも観て楽しもう!

エヴァンゲリオンの旧劇場版のあらすじ・最後を一挙紹介!

1995年秋から1996年春まで、全26話で放送された「新世紀エヴァンゲリオン」のテレビシリーズの中から、ラストの第弐拾伍話と最終話をリメイクし、完全新作で製作されたのが通称「旧劇場版」エヴァンゲリオンです。本来は1997年3月に公開された「新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生」で完結の予定でした。TVエヴァンゲリオン第壱話から第弐拾四話を再構成して修正し、新作シーンを追加した総集編が「DEATH」編です。

さらに、シト新生は旧劇場版エヴァンゲリオンの「Air」の前半にあたる部分を未完成で公開した「REBIRTH」編を合わせての2部構成でした。そしてREBIRTH編の前半部に録り直しや修正を加え、1997年7月に「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」が公開となりました。これからネタバレを加え最後まで、旧劇場版エヴァンゲリオンを詳しく紹介、解説します。また多くのストーリーの謎にも迫ります。

エヴァンゲリオンの旧劇場版のあらすじ・最後をネタバレ解説!

エヴァンゲリオンの旧劇場版は、どんな作品?

エヴァンゲリオン劇場版「DEATH」編は、時系列は入れ替わり、それぞれの登場人物へのスポットライトが切り替わるようにすすむ総集編で、テレビシリーズを観た人には新鮮に解釈を深められますが、初見の人には理解しづらいと言われています。それを踏まえて、それまでの伏線の回収が無かった第弐拾伍話と最終話の別エンディングを描いた、旧劇場版をネタバレで解説します。

サードインパクト発動を目論むゼーレ

最後の使徒は、フィフスチルドレンだった渚カヲルでした。カヲルから好かれ、心の交流を出来たと思っていたシンジは、自分の手でカヲルを殺めた事で心を閉ざしていました。アスカも眠ったまま。その頃、ゲンドウやNERVと決裂し、使徒ではなく人の手によるサードインパクトを発動し、人類補完計画の遂行を目論んでいたゼーレが、まずはMAGIへのハッキングを試みます。しかしリツコがそれをギリギリのところで阻止します。

これ以上突破出来ないと考えたゼーレは、戦略自衛隊を使って直接NERVの組織を次々と占拠、破壊して行きます。NERVの戦闘員ではとても太刀打ち出来ない状態でした。次の狙いはパイロットと考えたミサトは、シンジとアスカ、そしてレイの所在を確認します。その途中、施設内でシンジは戦自の戦闘員に見つかり、殺されかけます。最後まで抵抗もしないでいた所をギリギリのところでミサトが助けます。

そのシンジを、初号機に乗せようとするミサトですが、そこにいないアスカに助けをもとめながら、死にたい、何もしたくないとうなだれて立ち上がろうともしません。ミサトはシンジを車に乗せ、エヴァを使ってサードインパクトを起こそうとしているゼーレの目論見と、自分の目的を話して聞かせます。「エヴァシリーズを全て消滅させて生き残るのだ」と。

アスカついに覚醒

意識を失ったまま弐号機に乗せられ、戦自隊に見つかる時間を稼ぐために海底に沈められていたアスカが、弐号機の中で目を覚まします。そこに、戦自隊の爆雷が次々に投下されました。「死ぬのはイヤ!」と母親との記憶がフラッシュバックする中で、母のぬくもりを見つけたアスカが「ママ!」と叫ぶと同時に、弐号機が起動します。戦自隊に反撃するアスカ。

「ママ、わかったわ、A.T.フィールドの意味」とつぶやき、攻撃をかわし、無傷で立ち向かいます。アスカが生きている事を確認したマヤはミサトに連絡を入れます。相変わらず助手席にうずくまっていたシンジの耳にも、その情報が届きます。無敵の状態の弐号機に怯む戦自隊は、ケーブルを狙ってきました。活動限界のカウントダウンが始まってもなお、アスカは強気で立ち向かいます。

弐号機が優勢と思われたその時、ゼーレは次の一手を打ってきます。巨大な輸送機から、白いエヴァ量産機が「KAWORU」と書かれたダミープラグを挿入し、9体落下してきました。「エヴァシリーズ」が完成されていた事に驚くアスカに、「必ず殲滅させるように」と伝えるミサト。囲まれた上に活動限界までの時間もギリギリですが、アスカは立ち向かいます。

ミサトとリツコの最後

アスカが闘っている中、シンジとミサトは攻撃を潜り抜けながらゲートにたどり着きますが、シンジをかばったミサトはわき腹を撃たれてしまいます。ミサトは倒れ込みながらエレベーターのボタンを押し、この場でもまだ自分にはエヴァに乗る資格がないというシンジに、「もう一度エヴァに乗ってケリを付けなさい。自分の答えを見つけなさい」と言い、ペンダントを託して最後にキスをして、行かせます。

弐号機がエヴァ量産機と格闘している頃、ゲンドウはレイと共にターミナルドグマにいました。リリスを見上げる2人、そこにはリツコが待っていて、ゲンドウたちに銃を向けました。「MAGIのプログラムを変えた」と告げ、ポケットの中のスイッチを押しますが、そのプログラムは作動しませんでした。「娘より自分の男を選ぶのね」とつぶやくリツコに、今度はゲンドウが銃を構えます。リツコは倒れ、L.C.L.の海に沈んで行きました。

エヴァンゲリオンの中でももっとも凄惨なシーンの一つ弐号機と量産機の闘い

活動限界まで1分を切ってもなお、弐号機は戦い続けていました。ママが見てるのに負けていられない、と叫ぶ声に、いまだに第7ケージ内でじっとしているシンジが反応します。残り僅かの時間の中で、最後の一体を倒せると思ったその時、何かが弐号機の背後から飛んできました。A.T.フィールドを展開したものの、それは変形しロンギヌスの槍になり、弐号機の頭部へ真っ直ぐ突き刺さったのです。

アスカは激痛に苦しみ、弐号機は沈黙、すると倒したはずの量産機が羽を広げ、なんと弐号機に向かって行きました。エヴァ量産機は、そのまま弐号機を無残にも捕食。その中でエントリープラグのアスカの、「殺してやる…」という念に弐号機が連動して、暴走を始めました。しかし、上げた腕は引き裂かれ、空中から飛ばされた無数の槍が弐号機に突き刺さってしまいます。アスカの惨状に耐えられず、マヤがシンジに叫びます。

しかしシンジはこの期に及んでも乗れないと弱気になっています。その時初号機の腕が動きだし、まるで乗れと促すようにシンジの所へ伸びてきました。「母さん」とつぶやくシンジ。そして初号機が起動します。その背中には光の羽が生えていました。シンジは意を決して顔を上げますが、そこで見たのは弐号機の変わり果てた姿でした。ショックを受けたシンジは発狂します。ここが旧劇場版エヴァンゲリオン25話「Air」の最後です。

サードインパクト始まる!

ここからが旧劇場版エヴァンゲリオン26話、「まごころを、君に」となります。エヴァンゲリオンのテレビシリーズ最終話とはまったく違う展開を見せた旧劇場版エヴァンゲリオンを、最後までネタバレ解説して行きます。冒頭、ゲンドウはレイとターミナルドグマのリリスのそばに立っていました。ゲンドウの手に宿るアダムをレイの身体に埋め込もうとします。

あまりにも無残な弐号機の姿と、それを運ぶ量産機をみて発狂するシンジに共鳴するように、月に刺さっていたロンギヌスの槍が抜け、急加速して初号機に向かって飛んで行きます。空中に浮かんだ初号機の喉元まできてロンギヌスの槍は静止。コックピットのシンジは動きません。

ゼーレはそれをみて、初号機を依代にサードインパクトを引き起こそうとします。十字架にはりつけにされた状態で、初号機は量産機に運ばれて行きます。その時、初号機、そしてシンジの両手に聖痕が刻まれていました。空中の初号機と、それをかこむ9体の量産機の光が組み合わさって、セフィロトの樹が描かれます。15年前、つまりセカンドインパクトの時の状況と酷似している事に周囲は気づきます。

その時、ターミナルドグマでは、ゲンドウが自分のシナリオを遂行しようとしていました。レイの腹部に手を入れたまま融合し、ユイとの再会を果たそうとしましたが、レイにそれを拒否されます。腕を引き抜くと、手首から先はレイに吸収されて無くなっていました。シンジのもとへ行こうとするレイを呼びとめるゲンドウですが、「碇くんが呼んでる」とレイはリリスに近づき、とりこまれて行きます。

リリスはレイの形をして、マヤやシゲルのいる第2発令所を通り抜け、シンジのもとへたどり着きます。大きな白い女性の姿をしたものに恐怖を覚えるシンジですが、それがレイの姿をしている事に気づきます。「綾波?」リリスが目を閉じて開くと、それは巨大なレイの瞳に変わりました。シンジは絶叫します。ゼーレはそんなシンジの自我を利用し、彼らの目的を果たそうとします。

初号機の周囲にいた量産機の顔が、すべてレイの顔に変化して行く様をみて、シンジは発狂し初号機は覚醒します。「もういやだ」と現実から逃れようとするシンジに、カヲルの声が届きます。「もういいのかい?」顔を上げると、レイの顔だった場所にカヲルの顔がありました。その顔を見て穏やかな表情になるシンジ、とうとうロンギヌスの槍が初号機のコアに刺さり、同化して行きます。

これで初号機は神と等しい存在になり、未来は碇の息子の手にゆだねられた、と冬月はつぶやきます。そのままシンジは自分のインナースペース、精神世界へもぐりこんで行きました。ここからは、エヴァンゲリオンシリーズの中でも特に解釈が難しいパートに入って行きます。

サードインパクトの最中に見る風景

その内面世界で心の補完をしていきます。過去や現実や願いが入り混じり、観る人にその解釈は委ねられていますので、ネタバレも解説も難しいです。幼少期の自分とアスカの小さい頃が重なったかと思うと、ミサトや加持とアスカ、そしてレイが入れ替わりながらシンジに問いかけ、突き放される中で「僕を助けてよ」「見捨てないで」と叫び続ける自分を見おろすアスカの首に、手をかけるシンジ。

入れ替わり、ナオコがレイの首に手をかける場面が差し込まれます。そして走馬灯のように次々と切り替わる映像、シンジはレイに自分の気持ちを吐き出します。自分をわかってくれない、自分なんかいらないというシンジにレイは「なぜここにいるの?」と聞きます。「ここにいてもいいの?」シンジは聞き返しますが答えはありません。シンジは絶叫します。

リリスのアンチA.T.フィールドが臨界点を突破しました。人々のA.T.フィールドも消滅して行きます。ガフの部屋が開きます。人々は次々とL.C.Lの海にのまれ、その刹那に自分の大切な人と対峙して溶けていきます。ゼーレの幹部も例外ではなく海へ還っていきました。ゲンドウもユイに会い、レイと話をし、初号機に飲み込まれていきます。ひとつ解説すると、これも現実ではなく、ゲンドウの内面でみたものと言えるでしょう。

シンジ、レイとカヲルに再会する

量産機は自らに槍を挿し、初号機はリリスの額にとりこまれて行きます。A.T.フィールドが失われ、L.C.L.に溶けた人類はひとつになり、穏やかな場所にいます。様々な人の意識や言葉が流れ込んで来る中、再び身近な人の言葉がシンジにかけられます。ミサトとレイはこのまま諦めても、やめてもいい、と言いますが、アスカはそれを「あんたとだけは絶対に嫌」と拒絶しました。

突然差し込まれる実写パートのネタバレです。映画館の風景はエヴァンゲリオンシト新生を見に来た観客の映像だそうです。解釈は様々ですが、監督の意図があってこの部分は実写になったとのことです。そこでシンジとレイが「夢と現実について」対話をします。夢は現実の続き、現実は夢の終わり、とレイは言います。

続けてレイは、境界があいまいな、どこまでも自分で、どこにも自分がいないL.C.Lの海の中で「あなたの望んだ世界そのものよ」とシンジに語りかけます。「それは違う」と気づくシンジに、「望めば、心の壁が人々を引き離す、でもまた他人への恐怖が始まるの」と返しますが、それでいいと望むと、今度はカヲルが現れます。レイとカヲルは「希望」。裏切られても、もう一度会いたい、とシンジは思います。

テレビシリーズから続く、旧劇場版エヴァンゲリオンのクライマックスがやってきました。誰もが望めば、また人の形に戻れる、その中で、シンジはユイとの最後の別れを迎えます。生きた証は残ります。初号機とロンギヌスの槍は遠く離れて行きました。気が付くと、包帯と眼帯をしたアスカが隣にいました。馬乗りになって首を絞めるシンジに気が付いたアスカは手を伸ばして頬を撫でます。「気持ち悪い」の一言で幕が下ろされました。

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エヴァンゲリオンの旧劇場版の謎を解説

ここまでネタバレで旧劇場版エヴァンゲリオンのあらすじを解説してきましたが、ここから様々な謎の一部を解説して行きます。エヴァンゲリオン旧劇場版が公開されて20年が経ちますが、その間に様々な解釈と議論がされてきました。新劇場版が公開されたことで再度旧劇場版のエヴァンゲリオンが注目され、その勢いは止まらないといえるでしょう。ここではその一部をネタバレで解説します。

シンジの「アスカにひどいことしたんだ」とは何のことか?

「アスカにひどいことをした」というのは冒頭の、意識のない状態のアスカをみて自慰をしたシンジの自己嫌悪によるものだ、という見方もありますが、エヴァンゲリオンの脚本の準備稿をみるとシンジが加持の死を告げたことのようです。そのことでアスカは絶望し使徒に心を汚され、精神が崩壊してしまいます。

アスカが言い放った「気持ち悪い」の意味とは?

エヴァンゲリオンの最大の謎ですが、最後のシーンは監督が聞いた実話が基になっていて、本来の台詞は「あんたなんかに殺されるなんてまっぴらよ。」だったそうです。アスカの声優宮村優子さんによると、これを何度録ってもしっくりこず、監督に冒頭のシーンのようなとある例え話をされ、「気持ち悪い、ですかね」と応えたことから採用されたそうです。このラストシーンの前にアスカは首を絞められながら、頬を撫でます。

ここではアスカがシンジを受け入れたとみて良いとも言えます。シンジは泣きだしますが、ここの当たりの気持ちの変化は、エヴァンゲリオンのファンの間でも散々議論されてきたことで、解釈はそれぞれでしょう。シンジは意識のないアスカに向かって「助けてよ、いつものようにバカにしてよ」と訴える場面があります。「気持ち悪い」と言われることは、最後にその願いがかなったとも言えます。

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エヴァンゲリオンの旧劇場版を何度でも観て楽しもう!

2014年には「エヴァ祭り」でエヴァンゲリオン旧劇場版が地上波放送、2017年にはBSプレミアムで放送がありました。ネタバレで解説した以上の凄惨なシーンも含むため、どちらも自主規制がかかり、映画オリジナルからカットされたシーンもありました。しかし新劇場版が途中で公開されているとはいえ、旧劇場版エヴァンゲリオン公開から20年近く経っても、いまだに注目されているのです。

エヴァンゲリオンシリーズはDVDやブルーレイも再発売されています。当時学生だった世代ももう30代40代となっています。今改めて見ると違う解釈もできますし、どの世代にも深く刺さるものがあります。ネタバレをされてもなお解釈が分かれるエヴァンゲリオンシリーズです。改めて公開されている解説を読んでみたり、自分なりの解釈をしながら繰り返し見て楽しみましょう。

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