【千と千尋の神隠し】千尋の名前・年齢やモデルを考察！名セリフや名シーンも

『千と千尋の神隠し』はアニメオリジナル映画でスタジオジブリの作品です。『となりのトトロ』や『もののけ姫』などで知られる宮崎駿が監督・脚本・原作・原案を務めています。スタジオジブリ作品の中でも特に人気が高い作品で、日本歴代興行収入ランキング第1位を保持しています。興行収入は日本だけで308億円を突破しました。日本では2001年7月20日に公開され、その後世界各国でも放映されました。

『千と千尋の神隠し』の主人公、千尋は慣れ親しんだ街から引っ越すことになりました。両親が運転する車で引越し先に向かっていると、森の中で小さなトンネルを見つけます。トンネルの先に行くと現世とは違う世界が広がっていました。両親はそこで料理を食べて豚になってしまいます。千尋もまた元の世界に帰ることができなくなりました。そんな時ハクという少年と出会い、湯屋で働くことになります。

『千と千尋の神隠し』の主人公・千尋は基本的に「千」と呼ばれています。しかし作中ではフルネームが判明するシーンがありました。それは湯婆婆と契約を交わすシーンです。契約書には、必ず本名を書かなくてはいけません。契約の時に千尋が書いた本名が「荻野千尋」だったのです。この「荻野千尋」という名前を見た湯婆婆は、お前にはもったいない名前だと言って新たに「千」という名前をつけました。

千尋の年齢は10歳です。そもそも『千と千尋の神隠し』の製作のコンセプトが10歳の少女の悩みでした。宮崎駿は当時恋愛ものばかりが流行っていたため、もっと10歳の少女が素直に感じていることを描いた作品をつくろうと思ったそうです。そのため、『千と千尋の神隠し』のコピーには「10歳の女の子達のための映画」と千尋の年齢がそのまま書かれていました。

ちなみに『千と千尋の神隠し』のリンは外見年齢14歳、ハクは外見年齢12歳としてキャラクターデザインされています。千尋に親しい人物には外見年齢が若いキャラクターがたくさんおり、10代向けの映画だということが表されています。

千尋の性格は10歳というちょうど思春期や反抗期を迎える頃で、悩みを多く抱える時期です。千尋はそんな時期に転校するだけあって、少し捻くれたような性格をしていました。内気ですぐに怯え、まだ自立していないような女の子です。そのため、湯婆婆に「働かせてください」と頼んだ時も、そんな性格を見抜かれて絶対に働けないと一度は断られていました。

物語開始当初はどこにでもいる今どきの10歳の女の子の性格をしていましたが、物語が進んでいくうちに千尋の性格は変化していきます。千尋の性格が変わったのは、厳しい湯屋で働いた事とハクの存在です。まず湯屋での仕事では千尋の自立心を育てました。そしてハクに対しては湯婆婆の元から助けたいという気持ちが勇気になり、行動力を与えました。

こうして千尋は誰かがやってくれることを待つのではなく、自ら行動する性格へと変わっていったのです。このような性格の変化が顕著に描かれたのは、河の神が現れた時にすべてを湯婆婆に任された時です。湯婆婆は千尋になんとかしろと無理難題を押し付けましたが、なんとか千尋は問題を解決に導きました。この出来事で河の主や湯婆婆に感謝される結果となったことが千尋の性格を大きく変化させました。

最終的に千尋は暴走するカオナシを止め、ハクを助けるために恐ろしいと言われる銭婆のところへ一人で行こうとするまでに成長しました。これは物語開始時の性格では考えられない行動力です。このような千尋の性格の変化は、当時同じ年齢の子供達に大きな影響を与えました。

千尋は異世界で生きるために湯婆婆に働かせてくれと頼み、契約書にサインすることになります。しかし、千尋が契約書に書いた名前は、「荻野千尋」の「荻」の漢字の中の「火」の部分が「犬」になっていました。千尋は自分の名前を書き間違えていたのです。これは旧字などではなくまったく存在しない文字なので、誤字であることが分かります。まだ10歳と年齢も若いので、素で間違えたのではないかと考察されています。

「荻」という字は小学校で習わないので、10歳の少女が書くには難しい漢字なのです。ただ、他にも名前の書き間違いに関する考察があります。それはハクが事前に「本当の名前を教えてはいけない」と忠告していたという説です。ハクが直接そのようなセリフを言うシーンはありませんが、千尋が契約した後に「名を奪われると帰り道が分からなくなるんだよ」と言っています。

本来はハクから名前に関する忠告を聞いてから、湯婆婆と契約をさせるつもりだったのではないかといわれています。その他にも、ハクが事前に千尋が名前を間違えるように魔法をかけていたのではないかという説もあります。魔法をかけるようなシーンはありませんが、ハクが名前を間違える魔法をかけたと思っている視聴者は多いようです。

このようにあらゆる説がありますが、千尋が元の世界に戻ることができたのはこの契約書の誤字のおかげだと考察されています。ハクは湯屋で働いていくうちに名前は忘れていくと言いました。千尋の場合、ハクが頻繁に本名を呼んでいたというのもありますが、ハクがいない間も完全に名前を忘れるということはありませんでした。千尋が完全に名前を忘れなかったのは、契約書の名前を間違えたからだといわれています。

『千と千尋の神隠し』の主人公である千尋にはモデルとなった人物がいるといわれています。千尋のモデルとなった人物は映画プロデューサーの奥田誠治の娘です。宮崎駿は夏になるとスタッフの子供達を集めて合宿をしており、その中に千尋のモデルである奥田誠治の娘がいました。千尋のモデルとなった娘を持つ奥田誠治は、『千と千尋の神隠し』『もののけ姫』『ハウルの動く城』など多くのジブリ作品の製作に携わっています。

実はジブリ作品の『平成狸合戦ぽんぽこ』の大仏のモデルは奥田誠治だといわれています。そして娘は千尋のモデルとなったのですが、実は制作当初の題名には奥田誠治の娘の実名が入る予定だったそうです。

『千と千尋の神隠し』の都市伝説では、そのストーリーにもモデルとなった実話があるといわれています。それは『千と千尋の神隠し』の監督である宮崎駿が、スタッフの子どもたちを集めて夏に合宿をしていた時のエピソードです。宮崎駿や千尋のモデルになった奥田誠治の娘が川の近くを散歩していた時、娘がピンク色の靴を川に落としてしまったそうです。

落とした運動靴を拾うために、奥田誠治や宮崎駿、鈴木敏夫が川の中に入って探しました。この出来事が宮崎駿の印象に強く残ったそうです。実際にハクの川に千尋がピンク色の運動靴を落とすシーンが映画の中で描かれていることから、この実際のエピソードがモデルとなっていることが分かります。

『千と千尋の神隠し』の千尋の名セリフには「ここで働かせてください!」というセリフがあります。このセリフを言ったのは、千尋が湯婆婆の元を訪れた時です。元々千尋はハクに言われて釜爺のところで働かせて欲しいと頼みました。なぜなら、働かないものはここでは生きていけないからです。しかし釜爺の仕事場は手が足りていたため、追い出されそうになります。

また、釜爺の元で働くにしても湯婆婆と契約しなければなりませんでした。そこでちょうど釜爺に用があって来たリンに、湯婆婆の元へ案内してもらうことになります。湯婆婆は働かないように誘惑してきますが、絶対に働くという意思を曲げないようにという忠告を貰い、千尋は湯婆婆と交渉します。千尋は「ここで働かせて下さい!」と何度も言いました。

湯婆婆は最初こそお前には無理だと脅すように言ってきましたが、千尋があまりにもうるさく言うので契約をすることにしました。湯婆婆は「働きたいものに仕事を与えなければならない」という誓いを立てていたので、千尋が諦めなければ契約せざるをえなかったのです。千尋が契約するシーンはすべての始まりにもなっている名シーンでもあります。

『千と千尋の神隠し』の名シーンには、泣きながらハクが作ったおにぎりを食べる千尋のシーンがあります。千尋は湯婆婆の脅しにも屈せず、毅然した態度で働かせてくれと言いました。その後リンに連れられて仕事を教わることになります。しかし千尋は緊張からその日は眠ることができませんでした。そんな時、早朝にハクに呼ばれて両親の元に行きます。両親は豚にされており、他の豚と一緒に飼育されていました。

ショックを受ける千尋にハクはおにぎりを取り出し、元気がでるまじないをかけたと言って千尋に渡します。千尋は湯婆婆と契約した後ハクに冷たくされたので、より一層恐怖と不安でいっぱいになっていました。しかしその時ハクは湯婆婆の手前、千尋に優しくすることができなかっただけでした。ハクの本当の優しさに触れた千尋は安堵しておにぎりを食べながら泣きじゃくりました。

ここまで張り詰めてきた千尋の心境が表れる瞬間で、このシーンの千尋に共感したという方も多いようです。こうして安心することができた千尋は、ボイラー室でしっかりと睡眠を取ることができました。ちなみにハクの作ったおにぎりはフィギュア化されています。

『千と千尋の神隠し』の千尋の名セリフには「千尋って…私の名だわ!」というセリフがあります。千尋は湯婆婆と契約したことで新しく「千」という名前をつけてもらいました。その後湯屋の人間からは「千」と呼ばれるようになります。しかし、ハクだけは千尋という本名を呼んでくれていました。久々に自分の本名を聞いた千尋は、つい「千尋って…私の名だわ!」と驚きました。

ここまで千尋が驚いたのには理由があります。実は湯婆婆と契約をして名前を奪われると、次第に本当の名前を忘れてしまうのです。実際に湯婆婆に弟子入りして名前を奪われたハクも、名前を思い出すことができませんでした。名前を思い出さなければ一生湯屋で働くことになります。リンはいつかここを出たいと夢を語っていましたが、それも本当の名前を思い出さなければ不可能なことなのです。

千尋の場合は一瞬名前を忘れそうになりましたが、その後ハクがずっと本名で呼んでくれていたおかげで自分の名前を忘れることはありませんでした。『千と千尋の神隠し』でどれだけ名前というものが重要なのか分かる名セリフでした。

『千と千尋の神隠し』では千尋がカオナシから逃げるシーンがあります。千尋は湯屋に勤めて間もないころ、外に佇んでいるカオナシを客だと勘違いして招き入れてしまいます。この事がきっかけとなり、千尋はカオナシから執着されるようになりました。カオナシはみんなに金を与えると喜ぶのを見て、千尋に金を与えれば自分のものになるのではないかと考えます。

しかし千尋はカオナシが作り出す金を受け取るのを拒否しました。すると自分の思い通りにいかないカオナシは暴走し始めます。そんなカオナシに、千尋は河の神からもらった団子を食べさせました。するとカオナシは千尋を追いかけながらこれまでに食べた人々を吐き出しました。

これまで何の力も持たなかったカオナシが、恐ろしい姿に変貌して追いかけている姿はとても怖いと言われています。大迫力のシーンですが、千尋を追いかけているうちにカオナシは河の神の団子によって元の姿へと戻っていきます。それでもカオナシは千尋についていきました。そんなカオナシを拒否せずに受け入れた千尋も印象的なシーンでした。

『千と千尋の神隠し』の千尋の名セリフには「わたし、ハクを助けたい」というシーンがあります。湯婆婆に良いように使われていたハクは、ボロボロになって千尋の元へとやってきました。龍の姿のままボイラー室に来たハクに、千尋が苦団子を食わせて呪いの印鑑を吐き出させたことでハクは暴れるのをやめて落ち着きます。千尋は釜爺から銭婆の話を聞き、自分が銭婆にハクが盗んだ印鑑を持って行って謝ると言いました。

釜爺は銭婆は恐ろしい魔女だと言いましたが、千尋はそれでもハクを助けたいと言いました。元々内気な性格をしていた千尋でしたが、そんな千尋が大きく成長した姿を見せたシーンでした。

『千と千尋の神隠し』の千尋の名セリフには「その川の名は…その川はね、琥珀川」というセリフがあります。これは物語の終盤で、千尋がもっと幼い頃にハクに助けられたことがあったことを思い出したシーンです。このセリフを聞いたハクは龍の姿から人型へと変化します。そしてハクは本当の名前を思い出すのです。

ハクの本当の名前は「ニギハヤミコハクヌシ」という名前でした。ずっと湯婆婆の元で奴隷のように働かされていたハクにも、自由になれるきっかけを与えた瞬間でした。映画ではハクのその後は描かれていませんが、都市伝説では千尋の引っ越した先の小さな川に解放されたハクが住んでいるという説があります。

『千と千尋の神隠し』で千尋役を演じた声優は柊瑠美です。柊瑠美は、1987年8月1日生まれの女優です。ファザーズコーポレーションに所属しています。元々声優ではなく、6歳の頃から子役として活動していました。『千と千尋の神隠し』で声優に抜擢されたことで、その名が知られるようになりました。主に女優として活動していますが、現在でもアニメやゲームの声優をすることもあります。

ジブリ作品では『崖の上のポニョ』や『コクリコ坂から』にも声優として出演しました。『千と千尋の神隠し』の声優を務めた時はまだ14歳でしたが、成人後に再びジブリ作品に声優として参加したことは話題になりました。また、スタジオジブリ・レイアウト展では音声ナビゲーターも務めました。多くのジブリ作品に出演していることから、ジブリ声優とも言われています。

柊瑠美の声優として出演した作品には、『崖の上のポニョ』の婦人役、『コクリコ坂から』の広小路幸子役、『デトロイト・メタル・シティ』の犬のメルシー役、『ONE PIECE アンリミテッドワールド レッド』のヤドヤ役、『天外魔境ⅢNAMIDA』のミヤ役、『動物のお医者さん』のチョビ役などがあります。

こちらの方は『千と千尋の神隠し』の名シーンの中でも、千尋がおにぎりを食べて泣くシーンが一番感動したそうです。千尋と同じくらいの年齢で観た時と大人になってから観た時とでは感じ方が違ったという方もいました。年齢を重ねるごとに『千と千尋の神隠し』に対する考え方や感じ方が変わってくるので、何度でも観たくなるという声もありました。

『千と千尋の神隠し』は千尋と同年齢の時に観たという方がたくさんいました。千尋は最初少し生意気な性格をしていましたが、湯屋での出来事をきっかけに性格が変化していきます。そんな千尋の心境の変化にとても感情移入できたと好評でした。

千尋と同じ年齢で観たという方は、当時千尋の行動力のに驚き、同時に自分と比べてしまったという方もいました。ただ、『千と千尋の神隠し』の裏話では、製作開始当初はそこまで千尋は行動力のあるタイプではなかったそうです。ただ、ずっとウジウジしていると物語が進まないために千尋にあれだけの行動力を与えたそうです。

『千と千尋の神隠し』で千尋の声優を務めた柊瑠美は、『崖の上のポニョ』の赤ちゃんを抱えた婦人役で登場します。実は千尋が冒頭に持っていた花束のメッセージカードには「理砂」という名前が書かれていました。そして『崖の上のポニョ』のお母さんの名前は「リサ」です。名前が同じである点と、千尋の声優が再び起用されていることから「理砂」と「リサ」は同一人物なのではないかといわれています。

『千と千尋の神隠し』の主人公、千尋は作中で性格が変わるほどの成長を見せました。そんな千尋のモデルとなったのは映画プロデューサーの奥田誠治の娘でした。奥田誠治の娘との出来事がきっかけで『千と千尋の神隠し』という映画ができました。千尋の声優は柊瑠美で、ジブリ声優ともいわれるほど何度も器用されており、演技力に定評があります。

また『千と千尋の神隠し』を視聴した方の中には、千尋と同じくらいの年齢で観たという方がたくさんいました。子供の時と大人になってからでは映画の捉え方が変わってくるところも『千と千尋の神隠し』を楽しめるポイントです。ぜひ大人になってからも『千と千尋の神隠し』を観てみて下さい。