2020年03月16日公開
2020年03月16日更新
【Fate】衛宮切嗣の名言・セリフ集!かっこいい名シーンや担当声優も紹介
Fateでは、一見冷酷な行動を見せている衛宮切嗣の姿を見ることができます。彼は戦いのためには手段を選ばない、多くの命を救うためであれは少数を犠牲にすることも仕方がないという考えをもって戦っていました。しかし、本来の衛宮切嗣は心優しく家族や友人思いだったため常に罪の意識に苛まれていたのです。そんな衛宮切嗣からは、彼の心情がわかるセリフが多く登場していました。そこで、彼の悲しみがにじみ出ている名言や心に響くセリフ、かっこいい名シーン、アニメの声を担当した声優の小山力也さんについてもご紹介します。
衛宮切嗣が登場!Fateとは?
2004年1月30日にゲームブランドであるTYPE-MOONから発売されたのが、「Fate/stay night」というコンピューターゲームです。こちらは、中国の唐から宋時代に書かれた短編小説を基に作られたビジュアルノベル作品となっています。大人気となったFate/stay nightでは、ゲームと共に漫画も全20巻が発売され、本編となるFate/stay nightを基にした「Fate/Zero」などのスピンオフ作品も発売されました。
ライトノベルとして発売されたFate/Zeroでは、第四次聖杯戦争が繰り広げられていますが、そこではタバコの臭いを纏った魔法使いである衛宮切嗣(えみやきりつぐ)が主人公として活躍しています。そこで、Fateでは、心優しい衛宮切嗣から放たれた多くの心に響く名言やセリフ、かっこいい名シーン、アニメの彼の声を担当した声優の小山力也さんについてもご紹介しましょう。
Fateの原作情報
2004年の1月にコンピューターゲームとして誕生したのが、「Fate/stay night」です。当初、Fate/stay nightでは、パソコンのみで楽しむことができる成人向けのゲームとして発売されます。しかし、大人気となったため、対象年齢を12歳以上と変更し、家庭用のテレビゲームやスマートフォンでも楽しめるように展開されていきました。
そして、2006年には月刊少年エースから漫画の連載もスタートし、82話に加えて番外編の13話で繰り広げられている全20巻が単行本で刊行されることになります。さらに本編となるFate/stay nightを基としたスピンオフ作品であるFate/Zeroの小説をはじめ、漫画やテレビアニメなども刊行されたり、放送されたりしました。
Fateのあらすじ
人々は、あらゆる願いを叶えてくれると言われていた聖杯を巡り、戦争をしました。聖杯戦争では、魔術師と呼ばれているマスターと使い魔としてマスターと一緒に戦うサーヴァントが1組となり戦いが繰り広げられていきました。7組の中で最後まで残った1組が聖杯を手にできるとされていたのです。それぞれが平和よりも自分の望みを叶えるために戦いをしていきました。
Fateのアニメ情報
2004年当初は、コンピューターゲームとして誕生した Fate/stay nightでしたが、大人気作品となりテレビアニメとして制作され、放送されるようになります。テレビアニメとしては、2006年1月~6月に渡って全24話が放送されました。それらが好評だったため、Fate/stay nightのUnlimited Blade Worksが制作され、放送されることになります。
こちらのテレビアニメは、2014年10月~12月にかけて1stシーズンが全26話に加えて特典映像ありで放送されました。さらに、2015年4月~6月に渡っては2ndシーズンとして同じく全26話と特典映像が放送され大人気となります。テレビアニメ以外にも劇場版としても制作され、次々と公開されていきました。
衛宮切嗣の名言・セリフ集
ロボットのフリをしている人間と呼ばれていた衛宮切嗣は、誰よりも平和を望み、戦いの根絶を祈っていました。しかし、戦場での彼の行動はまるでその内面の心とは正反対のものとなってしまったのです。それゆえに、彼は戦いで人を殺すたびに罪の意識に苛まれ、苦しんでいきました。戦争では、多数の命を救うために、自分にとって大切な少数の命である家族や友人を犠牲にすることもあったのです。
一見、冷徹で戦いの勝利のためであれば、手段を選ばないように見えますが、彼が聖杯戦争で戦う理由はただ一つ恒久的な平和でした。その願いを叶えてくれるのが、聖杯でしかないと認識した彼は平和のために心を蝕む戦いに臨むことになります。
戦いの度に涙を流し苦しむ衛宮切嗣からは、テレビアニメでも多くの名言や、心に突き刺さるようなセリフが飛び出していました。そこで、心優しい衛宮切嗣の考えや心情をよく表しているかっこいいセリフや素敵な名言をご紹介します。
名言・セリフ集①「僕はね、正義…」
家族や友人をとても愛していた衛宮切嗣は、魔術師の家系に誕生します。衛宮家の5代目の継承者となった彼は、恒久的な平和を常に願っていました。それゆえに、自分が息を引き取る間際に、瓦礫の中から救い出し義理の息子として育てた衛宮士郎(えみやしろう)に向かって下記の名言を放っています。彼は、ただ多くの命を救いたかっただけだったのですが、その考えが負のループを生んでいくことになりました。
「僕はね、正義の味方になりたかったんだ」
父親である衛宮矩賢(えみやのりかた)が、4代目として天才的な能力を発揮して魔術を昇華させてしまったために、逆に魔術協会からは危険な人物とされ、封印指定されることになります。それにより、息子である衛宮切嗣と共に世界を逃げ回ることになりました。その際に出会ったシャーレイが持ち出した試薬によって死徒化した際に止めることができずその村は壊滅してしまったのです。それ以降彼の考えは多数重視になっていきました。
名言・セリフ集②「誰かを助ける…」
戦場ではきれいごとは一切通用しないことを理解している衛宮切嗣は、テレビアニメで下記のような名言も残していました。彼は、代々魔術師の家系に生まれ育ったゆえに、常に選択を迫られてきたのです。家族や友人を大切にしていた心優しい彼ですが、初恋の相手が死徒化してしまい、殺してほしいと頼まれた時に殺すことができずにいました。それによって、彼が住んでいた村は壊滅してしまいます。
出典: https://fgo.news
「誰かを助けるという事は、誰かを助けないという事。」
かつて初恋だった一人の命を尊重したことで、その他多くの村の人の命を犠牲にしてしまったのです。その衝撃的な事実は彼のその後の人生を大きく左右することになります。そのため、彼は多くの命を救うためであればたとえ身内でさえも手にかけるようになってしまったのです。テレビアニメでの上記の名言は彼の苦悩がにじみ出ている心からの言葉だということができるでしょう。
名言・セリフ集③「なのに人類は…」
恒久的な平和を願っていた衛宮切嗣は、どんなに努力しても戦いが終わらないことについて下記のような名言をアニメで残していました。多くの人の命が犠牲になったとしても、たった一人の英雄の活躍によって、それは帳消しになってしまうという惨い時代を嫌というほど見てきた彼は、真実に気付かない多くの人や時代について、冷静に状況を観察していました。それゆえに、下記のような名言が飛び出したのでしょう。
「なのに人類はどれだけ死体の山を積み上げようと、その真実に気付かない。いつの時代も、勇猛果敢な英雄サマが、華やかな武勇譚で人々の目を眩ませてきたからだ。」
たった一人の英雄の登場や活躍によって、それまでその英雄によって引き起こされてきた多くの犠牲となった命にはたちまち目がいかなくなるという惨い現実に胸を痛めていたのです。それと同時に戦争を憎み、戦いの根絶を強く願うようになります。しかし、平和を願っていた彼の行動はいつしか、平和とはかけ離れた状況に突き進むことになり、彼をより一層苦しめることになりました。
名言・セリフ集④「血を流す…」
誰もが自分の願いを叶えたいと思うがゆえに聖杯を求めて戦うことになります。戦争をするということは多くの血が流れ、その状況は昔も今も変わらないことを痛感した衛宮切嗣は、下記のような名言をアニメでも語っていました。自分本位な考えによって戦い続け、人を傷つける姿は石器時代から一向に進化していないことを話しているのです。しかし、戦いの根絶を願ってやまない衛宮切嗣も例外ではありませんでした。
「血を流すことの邪悪さを認めようともしない馬鹿どもが余計な意地を張るせいで、人間の本質は、石器時代から一歩も前に進んじゃいない!」
彼は、恒久的な平和を手に入れるためには自分だけの努力では不可能だと感じます。唯一の方法は聖杯によって願いを叶えることだと信じて戦い続けました。多くの命を救うためであれば、その犠牲が自分の父親だとしても仕方がないと考えた彼は、父親でさえも多くの命を救うためという理由で自らの手で殺してしまいます。人の命の重さを多数か少数かで判断するようになった彼は負のスパイラルから抜け出せなくなりました。
名言・セリフ集⑤「正義の味方って…」
正義の味方になりたくて多くの人を殺してきた衛宮切嗣は、実は正義の味方という解釈は人によって異なり、絶対的なものはなく、主観的な判断ゆえにエゴイストだということをアニメでも下記の名言によって語っています。魔術師を専門に殺害していたナタリア・カミンスキーとの出会いによって、彼は、次第に父親の存在を放っておけば多くの命を犠牲にすることになると考えるようになりました。
「正義の味方っていうのは、とんでもないエゴイストなんだ」
そのため、彼は自らの手で自分の父親を多くの人のために、平和のためという名目で殺害しています。その後は、魔術師を専門に殺すことを仕事としている彼女の弟子となり、一緒に行動を共にしますが、師匠の命と多数の命のどちらかを選ばなければならない状況に追い込まれました。この時も多数の命を選び、師匠の命を犠牲にした彼は、正義の味方という考えが徐々に歪み、彼にとって呪いのような存在となっていきます。
衛宮切嗣のかっこいい名シーン
多数の命を重視するがゆえに心優しい衛宮切嗣は、自分の大切な家族や師匠などを次々と殺さなければならなくなります。そのため、彼は次第に喪失感や罪の意識を感じるようになりました。多くの殺し合いや犠牲を目の当たりにしてきた彼は、アニメでも多くの名言を残していると同時にかっこいい名シーンも残していました。
そこで、温かい心を持った切嗣ですが、多くの命と引き替えに自分の大切な人を自らの手で殺していくことになった彼の悲しみや心情がよく表れているテレビアニメでの名シーンをご紹介します。世の中には多くの命を救うためにはその犠牲にならなければならない、死ぬしかない人がいると信じ込んでいる彼は、少数を犠牲にすることで正義の味方となっていると感じようとしていたのです。
かっこいい名シーン①「当然だろう…」
アニメや漫画でも数々の名シーンを残してきた衛宮切嗣は、戦争では自分の本当の気持ちとは裏腹に真逆の行動を取らなければならない状況に追い込まれていきます。そんな彼にはアニメや漫画で下記のような名シーンもありました。そもそも、騎士道とは時代によってその核心が少しずつ異なっていきます。
「当然だろう。およそ僕ぐらい騎士道なんてものと程遠いところにいる男はいないぜ」
中世盛期においては「神への献身や弱者の守護、異教徒との戦い」などを意味し、近世になってくると「主君への忠誠や貴婦人への愛、名誉と礼節」などが重んじられるようになりました。確かに、魔術師として裏からサーヴァントに指示したり、命令したりする立場のマスターである彼には正々堂々と戦う騎士道が程遠いところにあるということは、確かなものだったのでしょう。
かっこいい名シーン②「ありがとう…」
戦争によって自分の生き方にジレンマを感じるようになっていく衛宮切嗣でしたが、かつて放浪の末に辿り着いたアインツベルン家と関りを持つことによって、戦争に参加する前の9年間はとても幸せな時間を過ごしています。下記の名言はその幸せな時期でのアニメや漫画での名シーンとなっています。彼はこの9年間に最愛の妻と出会い、娘であるイリヤも誕生しました。
「ありがとう…父さんもイリヤが大好きだ。それだけは、誓って本当だ…」
娘のイリヤと過ごす時間は彼に潤いを与え、天真爛漫で無邪気な彼女を見ているだけで心が清められていく思いを感じたのです。正義の味方になるためによかれと思って行動してきたすべてが負のスパイラルに陥っていた彼には、娘から寄せられる信頼と愛情は彼を勇気づけることになりました。親子で過ごしている時の衛宮切嗣の顔は非常に穏やかでとても素敵な名シーンとして多くの人を感動させています。
かっこいい名シーン③「一番大事な…」
自分の選択によって招いてしまった大惨事の犠牲者の一人である士郎を助け出し、自分の養子として育てた衛宮切嗣は、息子である彼にはさまざまなことを語っています。親が子に語る心からの言葉は、名シーンとして多くの人の記憶に残ることになりました。下記の言葉も息子の士郎に自分が犯してきた過ちを繰り返してほしくないという親心がにじみ出ている名シーンとなったのです。
「一番大事な事はね、魔術は自分の為じゃなくて他人の為だけに使う、という事だよ。そうすれば士郎は魔術使いではあるけど、魔術師ではなくなるからね」
ここでは、魔術師と魔法使いは全くの別の存在として衛宮切嗣は説明しています。一見同じ者であるように感じる魔術師と魔法使いですが、彼には魔法使いは自分のためではなく他人の幸せのためだけに魔法を使うもので、魔術師とは自分の欲を満たすためにサーヴァントを使い魔的に扱う存在だという風に認識しているのを確認することができるでしょう。
かっこいい名シーン④「聖杯(おまえ)は…」
恒久的な平和を願いその願いを叶えるために聖杯戦争に臨んだ衛宮切嗣は、第四次聖杯戦争では大活躍し、最終的に聖杯を手に入れる直前まで生き残ることができました。しかし、手を伸ばせば聖杯が手に入るという時に初めて、聖杯の本当の姿を認識することになります。全ての願いを叶えてくれる万能の光だと思い、それを手に入れるために、多くの自分の大切な人を殺してきた彼はその過ちに気付くのです。
「聖杯(おまえ)は、在ってはならないモノだった…」
人々が望んでいる全ての願いを叶えてくれるはずの聖杯は、歪んだ方法でしか願いを叶えることができない、また、願いを叶えるためには必ず人的な被害が伴うということを知った彼は、恐ろしいものであることを認識し、この世に聖杯の存在がある限り平和は訪れないと悟ります。それゆえに、彼が思い切った決断をした名シーンが上記のセリフを放った時です。これによって彼は最愛の娘と会うことができなくなります。
かっこいい名シーン⑤「第三の令呪…」
かつての冷酷な戦歴をアインツベルンに高く評価されていた衛宮切嗣でしたが、彼の望みを叶えてくれるはずだった聖杯が、望みを叶えてくれるどころか、永遠に平和を手に入れることができない存在だと知り愕然とします。しかし、彼は、この危険な存在をこのままこの世に残してはいけないという使命にかられ、セイバーに命令して聖杯を破壊させました。このシーンは名シーンとして多くの人の心を打つ場面となります。
「第三の令呪を以て、重ねて命ず…セイバー、聖杯を破壊しろ!」
しかし、この名シーンのせいで彼は信頼を寄せられていたアインツベルンを裏切った形となり、大きな怒りをかってしまったのです。そのため、幼い娘とは生涯会わせてもらうことを許されず、彼の娘のイリヤも父親は娘を捨てて、他で違う子供と幸せに暮らしていると嘘の情報を伝えられ、憎しみを抱くようになります。彼の選択はいつも自分を含め周囲に多くの悲しみを与えることになりました。
衛宮切嗣のアニメ声優
恒久的な平和を追い求めていた切嗣は、多数の命を尊重し少数を犠牲にすることで戦争において負のスパイラルに落ちていくことになります。常に罪悪感を抱き、喪失感に苦しめられてきた彼の声を担当したのは、声優の小山力也さんです。そこで、アニメ作品に声という彩りを与えている声優の小山力也さんのプロフィールや、主な出演作品をご紹介します。
声優・小山力也のプロフィール
ロボットのフリをしている人間と呼ばれている衛宮切嗣のアニメの声を担当したのは、声優の小山力也さんです。彼は、声優の他にも俳優やナレーターとして大活躍されています。現在は声優をはじめ俳優やナレーターとして活躍されている小山力也さんですが、劇団俳優座に入団した後初めに受けたのは、声優の仕事ではなく、「仮面ライダーBLACK RX」での俳優としての仕事でした。
- 名前:小山力也(こやまりきや)
- 愛称:りきちゃん、リッキー、リキ
- 血液型:O型
- 生年月日:1963年12月18日
- 出身地:京都府京都市
- 所属事務所:劇団俳優座
- 職業:声優、俳優、ナレーター
- 声優デビュー:1996年から
- 俳優デビュー:1987年から
声優としてのデビューはその9年後の1996年にアメリカのテレビドラマシリーズである「ER緊急救命室」の吹き替えでした。吹き替えの声優としての仕事が多かった彼は、声優デビュー以降は、ほぼ専属でジョージ・クルーニーの吹き替えを担当しています。その他にも、ガイ・ピアースや、ドウェイン・ジョンソン、デンゼル・ワシントン、アーロン・クオック、キアヌ・リーブスなど吹き替えの声優として大活躍されているのです。
声優・小山力也の出演作品
声優の小山力也さんのテレビアニメでの主な出演作品には、はじめの一歩の鷹村守役や、名探偵コナンの佐久法史役、木山智則役、桜田泰造役、イーサン・本堂役、毛利小五郎役など1作品で多くの声を使いわけていました。その他にも、獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇の牙神獣兵衛役や、攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIGのクゼ・ヒデオ役、アイシールド21の武蔵厳役、闘牌伝説アカギ 〜闇に舞い降りた天才〜の南郷役があります。
その他のテレビアニメ作品としては、ウィッチブレイドの鷹山澪士役や、恋する天使アンジェリーク〜かがやきの明日〜の聖獣の光の守護聖レオナード役、獣神演武 -HERO TALES-の虎楊蒙骸役、仮面のメイドガイのコガラシ役、ソウルイーターの死神様役、RIDEBACK -ライドバック-の岡倉天司郎役、ブラック・ブレットの蛭子影胤役、DOUBLE DECKER!ダグ&キリルのトラヴィス・マーフィー役などがありました。
衛宮切嗣はクズ?
他者を不幸にする
本来は心優しい家族や友人思いの切嗣でしたが、戦争によって彼は自分の身勝手な願いの為に家族を不幸に陥れ、さらには多くの人の命まで奪ったクズだと言われるようになります。さらに、自ら大惨事を招いておきながら、その生き残りである他人の子供を救い出し、自分の養子にしてさらに自分の身勝手な正義感を彼に呪いのようにかけ、彼を人間のフリをするロボットに変えてしまった張本人として批判を浴びていました。
確かに、結果的には彼の考えや行動によって彼の実の父親や師匠は命を落とすことになります。彼は、非常に冷酷で多数を救うためであれば、自分の大切な身内でさえも自ら殺してしまうという考えに他者を不幸にする者と言われても仕方がないところもあるでしょう。しかし、彼にはしっかりとした目標がありました。その目標、目的のために彼なりに行動した結果が、他者を不幸にしてしまう行動になってしまったのです。
代々魔術師の家系に生まれた彼は、5代目として魔術師の継承者となります。しかし、4代目である父親があまりにも素晴らしい能力を持っていたために、逆に周囲から危険人物として扱われ、世界中を逃げ回りながら生活をすることになりました。逃げ回った先の村で出会ったシャーレイに初恋をします。しかし、彼女によって村が壊滅したことによって価値観が崩れ去り、彼の平和の実現の根底の考えが出来上がったのです。
実はかわいそう?
自分の父親をはじめ、自分の相棒であり、師匠であり、時に義理の親同然であったナタリアまで殺してしまったことで、彼は常に罪の意識に苛まれ、苦しみや喪失感によって涙を流すことになります。彼は、心優しい性格ゆえに、恒久的な平和を心の底から望んでしました。魔術師の彼は戦いの根絶を心から目指して行動していたのです。
しかし、試薬によって死徒化してしまった初恋のシャーレイを殺すことができなかった彼は、彼女によって村が壊滅してしまうという悲劇を生んでしまいます。その時の教訓が彼を冷酷にしていきました。彼はそれ以降、多数の命を救うためであれば、例え大事な人であろうと家族であろうと切り捨てる考えを持つようになります。そのため、危険な研究を繰り返す父もゆくゆくは多くの犠牲者を出す危険人物になると判断したのです。
そのため、多くの人の命を救うために自分の父親を手にかけてしまいます。混乱の中で出会った師匠となるナタリアと行動を共にしていた彼ですが、ある時多くの命と彼女の命を天秤にかけなければならない事態に陥りました。かつてのトラウマを回避するべく、彼は多くの命のために大切な師匠であるナタリアを殺害します。これによって、彼の心は壊れ、自分の非道を止めることができなくなってしまいました。
衛宮切嗣の技や能力
固有時制御
5代目の継承者である切嗣には、魔術師としての技や能力がありました。そこで、彼の技や能力をご紹介していきましょう。魔術師の家系である衛宮家には家伝となっている「時間操作」という魔術が代々受け継がれていました。その魔術を戦闘用に彼が応用したのが、固有時制御(Time Alter)です。この技は、儀式が非常に複雑で大掛かりな魔術となっていますが、固有結界の範囲を自らの体内に限定することで使用しやすくしました。
魔術師として優秀な能力を持っていた彼は、自分の体内の時間経過速度のみを操作すればいいように、固有結界の範囲を自らの体内に限定することにします。それによって、二小節の詠唱によって魔術の発動を可能としてしまったのです。それゆえに、戦闘時においてもスムーズに攻撃を仕掛けることが可能となりました。また、「time alter◯◯accel(加速)またはstagnate(停滞)」という問言によって発動することができます。
上記の○○という部分にはその状況に応じて、倍率を示す単語を入れることで威力を自由にコントロールすることができるのです。しかし、この技を使用した場合、修正力が働いてしまうため、修正力の反動によって相当な負担が身体にかかることになります。これらの弱点も踏まえた上で倍率を設定することが重要になりました。通常は2倍速が基本となっており、時に3倍速、最高でも4倍速までの使用しかされていません。
起源弾
魔術師でありマスターである切嗣は、自らの肋骨を利用して弾丸である起源弾を作り出しています。自らの肋骨の骨を粉状にすりつぶした物質を弾丸に使用することで、彼の名前である切嗣より、切って、嗣(つな)ぐという起源が発動することになりました。これによって、不可逆的な破壊と変質をもたらすことになるため、傷口はすぐにふさぐことはできても、完全に修復されることはありません。
起源弾は、撃ち抜かれてしまうと、二度と元通りにはならないという恐ろしい弾丸だったのです。また、この起源弾によって魔術を打ち抜くこともできました。魔術を打ち抜くことで魔術回路に影響を与えます。その魔術を行った者は、魔術回路が全て切断され機能しなくなると同時に、滅茶苦茶に再び繋げられてしまうため、魔術回路はショートしたり、破壊のフィードバックによって再起不能というダメージを受けることになりました。
それゆえに、起源弾は、皮膚や魔術回路を切って、滅茶苦茶に繋ぎ合わせて再起不能にしてしまう魔術師殺しの能力を秘めた技だったのです。そのため、完全に起源弾を防ぐ方法は、物理的に防ぐという方法しか残されていませんが、トンプソン・コンテンダーから発射されることによって、防ぐことが事実上不可能となっていまいます。そのため、凶悪極まりない能力や技として周囲から恐れられていました。
衛宮切嗣に関する感想や評価
正義の味方…。
— 遊王子・UOG (@UOG_Syaro) February 25, 2020
衛宮切嗣の話出てくるとFate/Zeroもっかい見たくなるなぁ。
セイバー可愛いw pic.twitter.com/CA3jp7ipEr
正義の味方になることが夢だった切嗣は、Fate/Zeroでは主人公として大活躍しています。恒久的な平和を望んでいる彼は、より多くの命を救う道を選んだゆえに、自分の大切な父親や師匠を自らに手に掛けることになり、常に罪の意識や喪失感に苛まれて生きていくことになりました。
そんな彼のキャラクターをよく理解している人は多く、彼の話が出てくると再び彼が主人公として姿を現しているFate/Zeroを見直したくなるという声もありました。暗殺者であり魔術師である彼とは正反対の騎士道を重んじるセイバーがかわいいという感想も多く寄せられています。
Fate/Zero 最終話見て描きたくなった衛宮切嗣
— 蝶番 in March (@Lionheart_type0) February 23, 2020
このおじさん色々不憫すぎるだろ… pic.twitter.com/FRrbOjWZZ3
本来は心優しく家族や友人思いの切嗣でしたが、戦争によって彼の正義の味方という考え方も次第に歪んでいきます。Fate/Zeroでは主人公として大活躍している彼ですが、最終話を見て彼の顔を描きたくなったという人も意外と多くいました。彼の人生が不憫すぎるという同情する声も多く寄せられています。
彼はただ純粋に平和を望んでいただけなのに、1人の命をを大切にすることで多くの命が犠牲になるという現実を突きつけられた彼はそれ以降、自分にとってかけがえのない家族や友人、師匠であっても多くの命のためであれば犠牲にしてしまう考えによって、負のスパイラルに陥ってしまったのでした。
衛宮切嗣ももう少し自分に向けられた愛を受け止める体勢があればよかったのに
— La+ (@LeopaldV) March 2, 2020
正義の味方になることを追い求めた切嗣は、最終的には悲しい人生を送り死んでいくことになります。その状況について、もう少し自分に向けられた愛を受け止めることができれば良かったのにという感想もありました。自分をストイックに追い詰めてしまいがちな彼は、自分が幸せになることに負い目を感じていたのかもしれません。戦争はより多くの命が犠牲になるゆえ、さまざまな感覚が正常でいられなくなるのでしょう。
衛宮切嗣の名言・セリフ集まとめ
正義の味方になることを望んだ衛宮切嗣は、自分にとってかけがえのない1人の命よりも多数の命を救うことを重視したため、次第に目が死んだようになっていきます。恒久的な平和を願い、戦争の根絶を願って戦いをしていた彼からは心に突き刺さるような名言やかっこいいセリフ、名シーンなどがたくさんありました。彼の言葉や行動によってさまざま考えさせられることは多かったようです。
それと同時に、戦争によって引き起こされる犠牲が負のスパイラルに陥っていくという現実も彼の人生を通して垣間見ることができたのではないでしょうか?彼は、多くの人の平和のために戦う人生を選びますが、それによって自分の大切な家族や師匠を失うことになります。苦悩の多い人生でしたが、彼にも最愛の妻や娘と過ごした9年間という穏やかで幸せな日々も確かに存在していました。