【進撃の巨人】座標の力とはなに?能力・発動条件とエレンの今後を考察

進撃の巨人に登場する座標の力とは、エレン・イェーガーが保有する始祖の巨人の能力です。座標の力は進撃の巨人の物語の根幹に関わる重大な能力であり、エレンは世界の命運を左右する能力を手に入れました。この記事ではエレンの保有する座標の力について、能力や発動条件、今後の展開の考察などを紹介します。原作漫画が最終章に入り、2020年秋にはテレビアニメ4期が放送される進撃の巨人が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

【進撃の巨人】座標の力とはなに?能力・発動条件とエレンの今後を考察のイメージ

目次

  1. 座標の力が登場する進撃の巨人とは?
  2. 座標の力とはなに?
  3. 座標の力の能力
  4. 座標の力の発動条件
  5. 座標の力とエレンやその他登場人物の今後を考察
  6. 座標の力は始祖の巨人以外も使える?
  7. 座標の力に関する感想や評価
  8. 座標の力についてまとめ

座標の力が登場する進撃の巨人とは?

座標の力とは、進撃の巨人の主人公エレン・イェーガーが保有する始祖の巨人の能力です。ライナーに「この世で一番それを持っちゃいけねぇのは エレン…お前だ」とまで言わせたこの座標の力は、世界の命運を左右する能力であることが明らかになりました。この記事ではエレンの保有する座標の力について、その能力や発動条件、今後の展開の考察などを紹介します。それではまずはじめに、進撃の巨人の作品について紹介します。

進撃の巨人の概要

進撃の巨人は、壁の中に囚われた人類と壁の外の巨人との戦いを描く、諫山創先生の漫画作品です。2009年から別冊少年マガジンで連載され、2019年11月時点で29巻が刊行されています。巨人に捕食される人間など、少年漫画の枠を超えた残虐な描写が話題となりました。巨人と人類との戦いを描きながら、人間の本質を抉り出すような心理描写や、緻密に練られた設定、張り巡らされた伏線が高い評価を得ている作品です。

進撃の巨人は2019年11月時点で3度テレビアニメ化されており、2020年秋にはテレビアニメ4期の放送が決定しています。アニメーションの制作を担当したのはWIT STUDIOであり、圧巻の迫力のアクションシーンが話題を呼びました。進撃の巨人アニメ1期は2013年4月から9月まで、2期は2017年4月から6月まで放送されました。

進撃の巨人3期はPART1、PART2に分けられて放送されました。 PART1は2018年7月から10月まで、PART2は2019年4月から7月まで放送されています。進撃の巨人のテレビアニメは非常にクオリティが高く、作者の諫山創先生が「原作はアニメの方」というコメントを出すほどの評価を得ています。

進撃の巨人のあらすじ

人間を捕食する巨人が突如現れ、人類が三重の城壁の内側で暮らすようになってから100年が経ちました。最も外側の壁、ウォール・マリアのすぐ内側に存在するシガンシナ区に住む少年エレン・イェーガーは壁の中に囚われた生活を嫌い、いつか本当の自由を手にしたいと願っていました。そんなある日、突如壁よりも巨大な超大型巨人が出現し、ウォール・マリアに穴を空けます。

穴からは数多くの巨人が侵入し、エレンの母親・カルラは巨人の一人に食われてしまいます。エレンは幼馴染のミカサやアルミンとともにウォール・ローゼの内側へ避難します。母親が食われるのを目撃してしまったエレンは、巨人に対する憎悪を燃やし、駆逐することを心に誓います。壁外調査に出る調査兵団を目指すエレンは、ミカサ、アルミンとともに訓練兵団に入団します。

進撃の巨人 作品公式サイト

座標の力とはなに?

進撃の巨人に登場する座標の力とは、エレンの持つ巨人の力であり、進撃の巨人の物語のキーポイントとなる力です。エレンが巨人の駆逐を心に誓うきっかけとなったウォール・マリアの破壊は、この座標の力を奪うためのものでした。この記事では、世界の命運がかかっている、この座標の力がどういうものなのか紹介します。進撃の巨人の核心部分に触れますので、ネタバレを避けたい方はご注意ください。

考察①エルディア人を結びつける

進撃の巨人に登場する座標の力は、エルディア人を結びつけるものです。エルディア人とは「ユミルの民」とも呼ばれ、かつて大地の巨人と契約して巨人の力を手に入れた少女、ユミル・フリッツを始祖に持つ者たちのことを指します。ユミルの死後、巨人の力は9つに分けられ、9つの巨人としてエルディア帝国の礎となりました。ユミルの子孫であるエルディア人は、目に見ることができない「道」で繋がっていると言われています。

9つの巨人はユミルの民に継承され、保有者が次に継承することなく死亡した場合、その後生まれてきたユミルの民に血筋や距離などは関係なしに継承されます。また、ユミルの民が巨人化する時、膨大な質量の巨人の体が現れます。これらは全て、ユミルの民が繋がっている「道」を通じて送られてきています。そして座標の力とは、ユミルの民が通じる全ての「道」が交わる、ある一点のことを指しています。

考察②始祖の巨人とレイス家

ユミルの民の「道」が全て交わる一点、つまり座標となるのが、始祖の巨人です。始祖の巨人は9つの巨人の中のうちの1つであり、9つの巨人と無垢の巨人を合わせた全ての巨人をコントロールすることができます。始祖の巨人を代々継承してきたのは、エルディア帝国のフリッツ王家でした。かつてフリッツ王家はこの始祖の巨人の座標の力を用いて無垢の巨人をコントロールし、巨人の武力をもって他国を脅かしてきました。

しかしエルディア帝国が内戦で崩壊すると、当時の145代目フリッツ王は始祖の巨人を持ったまま、一部のユミルの民を引き連れてパラディ島に引き上げます。145代目フリッツ王は過去のエルディア帝国による他国への侵略を悔い、始祖の巨人と不戦の契りを交わします。

内容は、始祖の巨人の力はフリッツ王家の者が継承しなければ使うことができず、またフリッツ王家の者が継承した場合、145代目フリッツ王の平和思想に支配されるというものでした。その上でフリッツ王はパラディ島に三重の城壁を建て、パラディ島に危害を及ぼせば壁中に眠る何千もの巨人が世界を平らにする「地ならし」を発動するという警告を世界に発します。

フリッツ王は始祖の力を用いてパラディ島にいるユミルの民の記憶を改ざんし、壁外の世界の記憶を忘れさせました。フリッツ王はエルディア人の存在そのものが世界の平和を脅かすと考え、パラディ島の壁の中でゆっくりと滅んでいくべきだと考えたのでした。フリッツ王家はそれからレイスの姓を名乗り、身分を隠して生きていきます。

エルディア人に一時の平穏をもたらしたかに思えたフリッツ王でしたが、その真意は異なりました。145代目フリッツ王は、自分たちエルディア人のことを罪人と考え、マーレからの報復や断罪を受け入れるべきだと考えていたのでした。地ならしも本当に実行する気はなく、始祖の巨人を奪還しようとするマーレ人が現れれば、差し出すべきだという思考でした。

その後、レイス家の中でその考えに反対する者が現れたこともありました。しかし始祖の巨人を継承すると不戦の契りが発動し、145代フリッツ王の平和思想に支配されてしまいます。そのため、エルディア人の滅亡という運命は変わることはありませんでした。しかし、エレンの父・グリシャ・イェーガーの登場でこのスパイラルが崩れることとなります。

考察③エレンに受け継がれた

エレンの父・グリシャ・イェーガーは壁外からきた人間であり、マーレで生まれたエルディア人でした。エルディア帝国崩壊後、マーレは9つの巨人のうち5つの巨人を手にし、圧倒的な軍事力で世界を支配しました。そしてパラディ島へ行かずマーレに残ったエルディア人は、虐殺を繰り返した加害者として虐げられ、巨人化能力を恐れられ、ひどく差別される身分となります。

エルディア人の復興を目指すグリシャは、ある時パラディ島に侵入します。目的は不戦の契りに支配されるレイス王家から始祖の巨人を奪還し、エルディア人を滅亡の運命から脱却させることでした。そしてライナーらマーレの戦士によってウォール・マリアが壊され、妻のカルラが巨人に食われた夜、グリシャは行動を起こします。

レイス家の前へ現れたグリシャはロッド・レイスを除く全員を虐殺し、フリーダ・レイスから始祖の巨人を奪います。そして幼いエレンを無理やり巨人化させ、自らを食わせることでエレンに始祖の巨人を継承させたのでした。

考察④エレンが座標の力を持つ意味

フリーダ・レイスからグリシャ・イェーガー、そしてエレンへと継承された座標の力。しかしエレンはフリッツ王家の血統ではないため、普通であればその力を行使することはできません。しかし、進撃の巨人第50話「叫び」にて、エレンが巨人を操る描写がされています。エレンがカルラを食った巨人の手のひらに拳を立てると、電撃が走ったようになり、エレンの意のままに巨人が動きました。

最悪だ… よりによって「座標」が… 最悪の奴の手に渡っちまった… 絶対に取り返さねぇと…! 間違いねぇ…断言できる この世で一番それを持っちゃいけねぇのは エレン…お前だ

これを目撃したライナーは上のような発言をします。この意味は、自由であることに並並ならぬ執念を持つエレンが座標の力を得た場合、地ならしを発動させて世界を滅亡させかねないと危機感を持ったのだと考えられます。

実際、2019年11月現在刊行されている進撃の巨人最新刊の29巻では、すでに地ならしを行う準備が整っています。後の項目で詳しく紹介しますが、エレンの兄弟ジーク・イェーガーが、王家の血筋でないエレンが座標の力を行使する方法を見出します。これによりエレンは不戦の契りに支配されることなく地ならしを行えるようになり、世界の存亡はエレンの意思にほとんど全て委ねられることとなります。

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座標の力の能力

進撃の巨人50話「叫び」でエレンが座標の力を発動した時、ライナーは戦慄し、絶対に取り返すことを決心しました。この場面からは、エレンが得た座標の力が相当な能力であるということが伝わってきます。座標の力の能力は2つ存在し、そのどちらもが進撃の巨人において重要な能力となっています。それでは、進撃の巨人のキーポイントでもあり壁の外から狙われる座標の力がどのような能力なのかを紹介します。

座標の力の能力①巨人コントロール

進撃の巨人に登場する、座標の力の能力を紹介します。座標の力の能力の1つは、巨人をコンロールする能力です。この能力が初めて発動したのは、進撃の巨人50話「叫び」でのことです。エレンがライナーとベルトルトに連れ去られ、追いかけてきた調査兵団、そして調査兵団団長のエルヴィンが引き連れてきた無垢の巨人の群れの三つ巴の戦いが行われていました。

ミカサがエレンを奪還しますが、負傷して動けなくなります。目の前にはエレンの母カルラを食った巨人が迫っており、エレンは巨人化することができず、もはやこれまでかと思われました。ミカサは最後に、エレンへのありったけの感謝の意を伝えます。ミカサの言葉を聞いたエレンは立ち上がり、手を伸ばしてきていた巨人の手の平にパチンと拳をぶつけました。

エレンのパンチと同時に、周囲の巨人に電撃のようなものが走ります。すると無垢の巨人たちがエレンたちを襲おうとしていた巨人に向かっていき、食べ始めました。それを見たライナーがエレンの元へ行こうとすると、エレンは「来るんじゃねぇ!ぶっ殺してやる」と叫び、無垢の巨人たちが今度はライナーたちを目指して駆け出します。

この時エレンが行使したのが、座標の力の一つである、巨人をコントロールする能力です。エレンがカルラを食った巨人を倒したいと思えば無垢の巨人にその巨人を襲わせ、ライナーたちを殺したいと思えば無垢の巨人をそちらに差し向けることが出来ました。

座標の力の能力②記憶操作

進撃の巨人に登場する、座標の力の能力を紹介します。座標の力の能力の2つ目は、記憶操作能力です。145代目フリッツ王は一部のエルディア人を率いてパラディ島に引き上げ、三重の城壁を築いて束の間の平穏を作り上げます。そしてフリッツ王は座標の力を行使してエルディア人の記憶を改ざんし、壁外の世界の記憶を隠蔽しました。

座標の力の一つであるこの記憶操作能力は、エルディア人にしか効力を持たず、また一部のエルディア人には効果がありません。記憶操作能力が効かない一族の一つがアッカーマン家であり、アッカーマンの姓を持つミカサにはエレンの持つ座標の力、記憶操作能力は効かないと考えられています。アッカーマン家はフリッツ王の記憶改ざん案に反対し、以降弾圧対象として虐げられてきた歴史を持ちます。

また、始祖の巨人を受け継いだ者は、同時に「世界の記憶」を受け継ぐことになっています。「世界の記憶」とはパラディ島に引き上げた145代目フリッツ王の思想であり、改ざんされる前の真の人類の歴史や、エルディア人の記憶が改ざんされているという事実であったりします。

しかし、王家の血筋でないエレンは始祖の巨人を継承しても「世界の記憶」を見ることは出来ませんでした。そのため、エレンが世界の記憶を知るには、保有しているもう一つの巨人「進撃の巨人」の能力を使うしかありませんでした。進撃の巨人の能力は「未来視」であり、エレンは未来から送られてくる今までの進撃の巨人の保有者たちの記憶を繋ぎ合わせ、歴史を明らかにしていきました。

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座標の力の発動条件

進撃の巨人50話「叫び」にて、初めてエレンが座標の力を発動させることに成功しました。しかし67話「オルブド区外壁」で、エレンが巨人化したロッド・レイスを座標の力で操作しようと試みますが、全く反応はありませんでした。つまり、50話でエレンが座標の力を自由自在に行使できるようになった訳ではなく、座標の力には何かしらの発動条件があると考えられます。それでは、座標の力の発動条件を考察して紹介します。

発動条件①ハンネスが目の前で食われる

座標の力の発動条件を考察して紹介します。発動条件を考察するため、進撃の巨人50話「叫び」でエレンが座標の力を発動させた時の状況を検証します。エレンとミカサの前に、エレンの母カルラを食った巨人が現れ、そこに駐屯兵団のハンネスが立ちふさがります。ハンネスはかつてウォール・マリアが陥落した時にエレンとミカサを連れて逃げた人物であり、力不足でカルラを救えなかったことをずっと悔いていました。

ハンネスは今度こそカルラの仇を討とうと巨人に挑みますが、力及ばず無残にも食われてしまいます。その光景を何も出来ずに見ていたエレンは、昔と何も変わらない無力な自分に激しい怒りと絶望を覚えます。ハンネスの死に打ちのめされていたエレンですが、ミカサにこれまでの感謝の気持ちを伝えられると気力を取り戻し、巨人への激しい怒りを込めて巨人の手の平にパンチをします。

そこで座標の力は発動します。また、ライナーが近寄って来ようとした時も激昂しながら「来るんじゃねぇ!ぶっ殺してやる」と叫び、ライナーたちに無垢の巨人を差し向けています。このように、エレンの感情が高ぶっていた時に座標の力は発動しており、怒りのような激しい感情が座標の力の発動条件になっているのではないかと考察できます。

発動条件②怒りと電流

座標の力の発動条件を考察して紹介します。また、このときの座標の力の発動条件として注目したいのは、エレンが激昂し、カルラを食った巨人にパンチをした瞬間に電撃が流れたということです。実はカルラを食ったこの巨人の正体は、マーレにいたフリッツ王家の末裔、ダイナ・フリッツであることが分かっています。ダイナはグリシャのかつての妻であり、マーレへの反逆が発覚した罪で無垢の巨人になっていました。

エレンは王家の血筋ではありませんが座標の力を有しており、ダイナは座標の力を有してはいませんが王家の血筋を引いています。この二人の接触により、「フリッツ王家の血統の者が始祖の巨人を継承した時にのみ、座標の力を発動することができる」という発動条件が偶然にも揃い、座標の力が発動したのでした。

本来ならフリッツ王家の者が継承した時にしか座標の力は発動できません。そして王家の者は始祖の巨人を継承した時点で145代フリッツ王の平和思想に支配されて座標の力を行使しようとしなります。この二段構えの不戦の契りにより、座標の力は発動することはないはずでした。しかし座標の力を持つエレンと王家の血統ダイナの偶発的な接触により発動条件が整ってしまい、不戦の契りの抜け道が露呈しました。

発動条件③ロッド・レイス超大型巨人を制止できなかった

座標の力の発動条件を考察して紹介します。進撃の巨人67話「オルブド区外壁」にて。巨人化したロッド・レイスを制止しようと、エレンは座標の力を発動させる試みをします。エレンはロッド・レイスに向かって拳を振り上げ、止まれと叫びますが座標の力は発動せず、ロッド・レイスはそのまま進み続けます。

この時のエレンがなぜ座標の力を発動できなかったかを考察します。この時のエレンは、上述で紹介した座標の力の発動条件を二つとも満たしていません。一つ目の発動条件、激しい感情に関しては、目の前で大切な人が奪われそうになっている訳でもなく、エレンはそこまでの怒りを覚えていない状態で、発動条件を満たしていません。

二つ目の発動条件、フリッツ王家の血族との接触に関しては、エレンは誰にも触れることなくロッド・レイスに叫んでおり、この発動条件を満たしていません。これらの理由により座標の力の発動条件は揃わず、エレンは巨人をコントロールすることができなかったと考えられます。

発動条件④危機的状況に陥る

座標の力の発動条件を考察して紹介します。進撃の巨人50話「叫び」を検証するに、座標の力の発動条件として危機的状況に陥ることが必要なのではないかと考えられます。巨人に囲まれたエレンは、自身の身の危険とともに、幼馴染であり大切な存在であるミカサも命の危機に瀕していました。その危機的状況が、エレンの座標の力を発動させる条件を満たしたのではないかと考えられます。

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座標の力とエレンやその他登場人物の今後を考察

エレンは座標の力を手に入れ、壁の中の数千の巨人を操り世界を平らにしてしまう地ならしを行えるようになりました。また、エレンの異母兄弟であり王家の血を引くジーク・イェーガーと協力体制にあり、座標の力の発動条件も揃っています。このように座標の力とエレンに世界の命運がかかっている状況で、今後エレンを含めたパラディ島の登場人物たちはどのようになってしまうのか考察します。

今後①ヒストリアの運命

エレンが座標の力を手に入れ、安泰かと思われたパラディ島ですが、その安全は不確実なものでした。145代フリッツ王によって壁外の記憶を全て隠蔽されたエルディア人は文明を発展させることがなく、壁外との技術的進歩の差は、100年の間に歴然たるものとなっていました。そのため、壁外に追いつくまでの50年の間は、エレンの持つ地ならしが壁外の国への脅威として存在し続ける必要がありました。

「地ならし」が壁外への抑止力として成り立つには、上述で紹介した座標の力の発動条件を、50年の間満たし続けなければなりません。つまり座標の力と王家の血を引く巨人が、存続し続けなければいけないということです。ダイナ・フリッツの息子であるジークは、獣の巨人を継承してもうすぐ13年で余命が尽きようとしています。そうなると残された王家の血筋は、調査兵団のエレンの同期、ヒストリア・レイスしか残っていません。

そうなると、必然的にヒストリアがジークの獣の巨人を継承することになります。また、王家の血筋を絶やすことはできないため、ヒストリアは13年の余命の間できる限り多くの子供を産むことが義務付けられます。しかしこれを拒否すればパラディ島は滅亡の運命を辿るしかなく、ヒストリアはこれを受け入れます。

実際、進撃の巨人107話「来客」では妊娠したヒストリアが描かれています。ヒストリアが妊娠したことでジークの獣の継承が後に回されており、出産したあとにジークの獣の巨人が継承されることになりそうです。しかしヒストリアのこの妊娠には色々と裏がありそうで、ヒストリアを犠牲にしたくないというエレンの意見を加味すると、今後ヒストリアが獣の巨人を継承しない展開も考えられます。

今後②エレンは座標の力を発動する?

エレンの座標の力による地ならしが世界への抑止力となり、パラディ島の一時の平穏は保たれるように思えましたが、進撃の巨人97話「手から手へ」で、エレンがマーレへ潜入していたことが明らかになります。さらにその後、エレンは単独でマーレを襲撃し、パラディ島の仲間がエレンを援護せざるを得ない状況を作り出します。

このエレンの行動が原因で、パラディ島とマーレは戦争状態へと突入します。エレンがこのような行動に出たのには何か理由がありそうですが、2019年11月現在刊行されている29巻まででは明らかになっていません。ミカサやアルミンなど、エレンの仲間たちはエレンの行動が理解できず、内輪揉めのような状態となっています。

ただ、このエレンの行動でジークが実はエレンと内通していたことが明らかになります。ジークはパラディ島の味方のような言動をし、エレンと協力体制にあるようです。このことから言えるのは、座標の力を持ったエレンと王家の血筋であるジークが協力する場合、座標の力の発動条件が揃い、いつでも地ならしを行うことができるということです。

エレンやジークの真意はわかりませんが、今後エレンが座標の力で世界を平らにしてしまう、という展開もあり得ます。その場合、エレンが地ならしを発動し、パラディ島の敵となるマーレを始めとした国家を根絶やしにして、エルディア人の真の自由が手に入るというエンディンングになると予想されます。

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座標の力は始祖の巨人以外も使える?

座標の力の一つに巨人をコントロールする能力がありますが、実はこの能力を使用したことがあるのは、始祖の巨人を保有するエレンだけではありません。始祖の巨人と全く同じ能力とは言えないものの、部分的に似ている巨人のコントロール能力が発揮されたことがありました。それでは、巨人のコントロール能力を披露した巨人を紹介します。

考察①第22話での女型の巨人

巨人をコントロールする能力を発揮したことがあるのは、アニ・レオンハートが保有する女型の巨人です。進撃の巨人27話「エルヴィン・スミス」にて、エレンを奪おうとする女型の巨人が調査兵団の罠にかかり、拘束されました。追い詰められたように見えた女型の巨人は、突然叫び声をあげました。するとその叫び声に引き寄せられるかのように無垢の巨人がワラワラと集まってき、女型の巨人を食い始めます。

女型の巨人の正体であるアニはそのまま巨人の体から上がる蒸気に紛れて逃げ、ことなきを得ます。このエピソードからわかるように、アニの保有する女型の巨人も、無垢の巨人を集めることができます。ただ、巨人を自由に操れるエレンの座標の力と同じように、女型の巨人が自分に引きつける以外の動きを巨人にさせられるかどうかはわかっていません。よって、女型の巨人の力が座標の力と同じであると判断することはできません。

考察②ジークの獣の巨人としての能力

巨人をコントロールする能力を発揮したことがあるもう一人は、ジーク・イェーガーが保有する獣の巨人です。ジークの獣の巨人は、自身の脊髄液を体内に入れて巨人化させた巨人であれば、意のままに操ることができます。この能力が示唆されたのは、進撃の巨人35話「獣の巨人」でのことです。

調査兵団分隊長のミケ・ザカリアスが時間稼ぎをするため、ジークの獣の巨人に相対しました。獣の巨人は人語を喋り知性があることを示し、無垢の巨人にミケを食べるなと命令しています。ミケはそんな獣の巨人の異質さに怯え、戦意を喪失していました。しかし獣の巨人がその場を去ろうとした時、勇気を取り戻して立ち向かおうとしますが、獣の巨人の「あ もう動いていいよ」の一言で無垢の巨人が再び動き出し、食べられてしまいます。

また、進撃の巨人92話「マーレの戦士」では、ジークは叫ぶだけでエルディア人を巨人化させています。これらの能力は獣の巨人に備わっていた能力ではなく、ジーク固有の能力であることが、進撃の巨人93話「闇夜の列車」で明らかになります。ジークは自身の脊髄液を注入したエルディア人を巨人化させてコントロールすることができ、その上ジークの巨人は夜も活動することができるということでした。

ジークの獣の巨人だけがこのような特別な能力を有している理由は、ジークが王家の血筋だからだということが明らかになっています。また、進撃の巨人110話「偽り者」ではジーク本人によってこの能力の仕組みが説明されています。

詳しい仕組みは教えられてないが… ほんの僅かでも俺の脊髄液が体内に侵入した「ユミルの民」は巨人の力の送り先となる座標が刻みこまれる 後は俺が命令を下すだけで「道」を通じて巨人の力が座標に送り込まれる

つまり、本来始祖の巨人を継承するフリッツ王家の血筋であるジークには、脊髄液を媒介してエルディア人に座標を刻み込むことができ、それを通じて巨人をコントロールすることができると考えられます。ジークが使うこの能力は座標の力そのものとは言えませんが、かなり近い能力であるということができます。

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座標の力に関する感想や評価

これはアニの所有する女型の巨人が叫びで無垢の巨人を引き寄せた事に対し、エレンの座標の力と同じものなのか考察するツイートです。女型の巨人は無垢の巨人を呼んで自身を捕食させましたが、座標の力のように自由に操れているとは判断できない、と言っています。未だ明らかにならない座標の力のミステリアスさが伝わってくるツイートです。

全ての巨人を支配し世界に向けて地ならしを発動できる座標の力を、自由に執着するエレンが手に入れてしまった事の重大さが伝わってくるツイートです。行動力があり仲間思いなエレンは、やるときは世界を壊滅させる地ならしさえも発動しかねないと感じる気持ちが伝わってきます。

エレンとミカサが母カルラを食った巨人に追い詰められ、エレンが座標の力を初めて発動したシーンが素晴らしいという感想のツイートです。エレンは自分の無力さに打ちひしがれていましたが、ミカサの言葉で力を取り戻し、座標の力を発動させて絶体絶命な局面を打開します。この場面はミカサがエレンへ感謝を伝える姿が胸を打つのと、エレンが新たな力を手に入れたことのワクワク感で名場面であるという意見が多く見られました。

座標の力の正体については、進撃の力50話「叫び」でその能力が示唆されてから、最新刊に至るまでに多くの伏線を張り巡らせています。ただの能力だと思っていると、思わぬ意味づけや設定があったりします。伏線が多くその全てが予想を裏切ってくる、進撃の巨人の素晴らしさが伝わってくるツイートです。

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座標の力についてまとめ

エレンが所有する座標の力について、能力や発動条件、今後の展開の考察などを紹介しました。物語が最終章に突入し勢いが増す進撃の巨人では、座標の力が非常に重要なキーポイントとして登場します。この記事で進撃の巨人や座標の力に興味を持った方は、最終回が見えてきた進撃の巨人をぜひ読んでみてはいかがでしょうか?

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