【キノの旅】電波の国(8話)の感想まとめ!電波のせいと言い訳する理由は?

小説『キノの旅』をご存知でしょうか?2003年にアニメ化され、2017年にはリメイク版のアニメ2作目も放映され、大人気となっています。主人公・キノと言葉を話すモトラド(二輪車)のエルメスが訪れた国を描いた短編集の『キノの旅』ですが、アニメ8話の「電波の国」ではシズという青年とシズの相棒・陸、さらには旅の同行者・ティーが主人公になっています。今回はそんなアニメ8話「電波の国」で人々がなぜ執拗に”電波のせい”と言い訳をしていたのかをあらすじや寄せられた感想も含めてご紹介していきます。

【キノの旅】電波の国(8話)の感想まとめ!電波のせいと言い訳する理由は?のイメージ

目次

  1. キノの旅とは?
  2. キノの旅の電波の国(8話)あらすじネタバレ
  3. キノの旅の電波の国の国民が電波のせいと言い訳する理由
  4. キノの旅の電波の国のティーの行動
  5. キノの旅の電波の国のサブタイトル「Not Guilty」
  6. キノの旅の電波の国の登場人物
  7. キノの旅の電波の国に関する感想や評価
  8. キノの旅の電波の国の感想まとめ

キノの旅とは?

キノの旅の原作情報

『キノの旅』の原作情報です。『キノの旅』は時雨沢恵一(しぐさわけいいち)先生によるライトノベル作品です。作中のイラストは黒星紅白(くろぼしこうはく)先生が担当しています。『キノの旅』は「第6回電撃小説大賞」に応募された作品で、惜しくも受賞は逃したものの2000年3月に「電撃hp」vol.6に全編が掲載され、好評となった為文庫本化されました。

『キノの旅』は2000年の刊行以後、2019年11月現在までに22巻まで発売されています。シリーズの累計発行部数は820万部を超えており、電撃文庫の作品の中でも人気のあるシリーズとなっています。『キノの旅』は文庫本の他にも、ラジオドラマやテレビアニメ、さらに長編劇場版アニメ、原作にないエピソードの絵本化など様々なジャンルで大ヒット作品となっています。

キノの旅のアニメ情報

『キノの旅』のアニメ情報です。『キノの旅』は2003年にテレビアニメ化され、「WOWOW」にて4月から7月にかけて全13話が放送されました。監督は中村隆太郎(なかむらりゅうたろう)さんが務め、脚本は村井さだゆき(むらいさだゆき)さんが務めています。

当初原作のイラストからはかけ離れたキャラクターデザインと、絵本のような作画が施された為、酷評の感想が寄せられましたが、回が続く毎に計算され尽くした作画と、BGMや構成などの素晴らしさから原作ファンにも受け入れられるアニメとなりました。その後、2017年にはキャストやスタッフも一新した『キノの旅』2作目が「AT-X」で放送され、大人気となりました。

キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series 公式サイト

キノの旅の電波の国(8話)あらすじネタバレ

あらすじネタバレ①殺人事件に遭遇

『キノの旅』アニメ8話「電波の国」のあらすじネタバレです。シズは移住先を探して旅をしながらとある国へ辿り着きました。その国は治安も良く、政権も選挙によって決められているとてもいい国でした。そして税金を納めれば移住する事もできると聞き、シズは喜びます。しかし宿で一泊し、翌朝街を歩いていると、殺人事件に遭遇してしまいます。

目を真っ赤にした初老の男性が、女の子の首を持ちふらふらと歩いてきました。その男性はとある学園の教師なようで、シズは彼の歩いてきた方向へ向かいます。そこには教室一面血の海が広がっており、大量虐殺があった事が分かりました。国の警察官達に話を聞くと、長年解決できない大きな問題を国が抱えていると話します。

あらすじネタバレ②電波基地を壊しに行くシズたち

『キノの旅』アニメ8話「電波の国」のあらすじネタバレです。殺人事件に遭遇してしまったシズはこの国が抱えているある問題を聞きました。この国は元々大陸に集められた奴隷達によって建国され、国の王は奴隷達の頭に機械を埋め込む事で彼らを支配していました。そしてその機械は国の外れにある電波塔から送られる電波によって支配されていました。

しかし、現代ではそのような電波による支配はないものの、時折電波塔から悪質な電波が送られ、その電波に当てられた人が悪事を働くのだそうです。今回の大量虐殺もその電波塔から送られた電波によるものだと、国の人達は言います。しかし電波塔を壊そうにも、近づくだけで気が狂ってしまう為近づけないと言われ、シズは自ら電波塔を壊しに行くと提案しました。

あらすじネタバレ③電波基地は壊れていた

『キノの旅』アニメ8話「電波の国」のあらすじネタバレです。シズ達は国の外れにあると言う電波塔へ向かいました。電波基地に着いたシズ達ですが、電波塔は真っ二つに折れ、随分と時間が経っているのか朽ちた状態になっていました。そして周りには代わりになるような電波塔もなく、国の人々へ電波を送れるような設備はありませんでした。

シズは折れて朽ちてしまった電波塔の事実を国民達へ伝える為、証拠として朽ちた電波塔の写真を撮り、国民達へ見せる事にしました。電波塔へ近付けないという国民達の為に、シズは写真を持ち帰ります。

あらすじネタバレ④真実を告げるシズを拒絶

『キノの旅』アニメ8話のあらすじネタバレです。電波を受診する事で悪事を働いていると信じ込んでいる国民達に電波塔がすでに朽ちて機能していない事をシズは写真を見せて告げました。しかし、国民は信じようとしません。電波塔の現状を見せてもなお、電波のせいであると言い張り、逆に「電波塔が壊れている」と話すシズ達が電波に当てられているのだと因縁をつけてきます。

あらすじネタバレ⑤国を脱出

『キノの旅』アニメ8話「電波の国」のあらすじネタバレです。電波塔の真実を告げるシズに対し、国民達はすごい剣幕で詰め寄ります。そんな中、ティーが見兼ねて付近にいた赤ん坊を人質に取りました。ティーとしてはシズを守りたいと言う思いから来る行動でしたが、国民達の熱気はより熱くなっていきます。

そこで仕方なく、シズは電波に当てられて狂人に成りかけている様子を演じて人質を取り、無傷で国から脱出する事に成功しました。そして人質となった警察署長に「実際は新しい電波塔が立っていて、電波の出力を最大に上げて戻ってきた」と告げました。これは真っ赤な嘘で、国に戻れば電波の影響がないと言う事が証明されるだろうと言うシズの考えによるものでした。

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キノの旅の電波の国の国民が電波のせいと言い訳する理由

『キノの旅』アニメ8話の「電波の国」では事件が起こると国民達は”電波のせい”だと口を揃えて言いました。しかしシズが確かめに行ったところ、電波塔は遥か昔に倒壊し、機能していませんでした。国民達に真実を伝えても信じようとせず、”電波のせい”だと言い訳をしています。次はなぜ「電波の国」の人々が事件が起こる度に”電波のせい”と言い訳をしているのか理由を考察していきます。

理由①現実逃避?

『キノの旅』アニメ8話「電波の国」で国民達が電波のせいと言い訳をする理由として考えられる1つ目は、現実逃避をしているからというものでした。この国では何か凄惨な事件などが起こる度、「電波のせい」と言って国民を咎める事はありませんでした。この国の人達は、電波という実体のない物を利用して、現実逃避をしているのではないかと視聴者からは多く感想が寄せられました。

今回は学校の教師による児童の大量虐殺という目を覆いたくなるような凄惨な事件が起こりましたが、これ以上に悲惨な事件が起きたとしても、国民は「電波のせい」「仕方ない」と言って現実から目を背け、人に罪を背負わせる事ができないのではないかと言われています。かつて奴隷であった事による仲間意識からなのか、自分達は電波による被害者だと言い聞かせる事で現実を見ようとしていませんでした。

理由②罪を犯した人間に復讐されるのが怖い?

『キノの旅』アニメ8話「電波の国」で国民達が電波のせいと言い訳をする理由として考えられる2つ目は罪を犯した人間に復讐されるのが怖いからというものでした。この国の人達は事件が起きても全て電波のせいにする事で、犯人を罰する事は行ってきませんでした。そうする事で自分達国民を守ってきました。しかし、これは犯人を守っているようで、実は自分達を守る術だったのではないかと感想が寄せられていました。

犯人を捕まえ、罰してしまえば当然の事ながらその犯人からは恨まれてしまう事になります。そこで憎悪の感情が生まれる事で自分達に危害が加わるような事はしたくないという自衛本能から罪を犯した人間を、”電波に当てられてしまった可哀想な人”と認識する事で罰した人間として復讐されないように防衛線を張っていたのではないかと言われています。

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キノの旅の電波の国のティーの行動

ティーの行動①赤ん坊を人質に取る

『キノの旅』アニメ8話「電波の国」でのティーの行動1つ目は「赤ん坊を人質に取る」です。シズは電波塔の真実を国民に告げた事で集中砲火を浴びる事になりました。そんなシズを守る為、ティーは付近にいた赤ん坊を人質に取り、「私たちの邪魔をするのは許さない」と怒りを露わにしました。ティーはシズの旅の目的が「移住先を探す」事だと言われており、シズが捕まってしまうとその目的が叶わなくなると感じました。

シズがこの国に住むつもりがない事はシズの行動から感じ取っていたティーはこの国の人々にシズが捕まってしまう事を避けなければならないと考えます。この国の人々は互いに思い合っており、誰かが人質に取られれば必ず従うはずだと踏んだティーは近くにいた赤ん坊を人質に取る事でシズを救いました。これはティーがシズを仲間と認識しているからだと言われています。

ティーの行動②自分の影を踏んで歩く

『キノの旅』アニメ8話「電波の国」でのティーの行動2つ目は「自分の影を踏んで歩く」です。ティーはかつてとある国で囚われて、育てられながら厳しい支配を受けていました。そこからシズによって救い出されましたが、この「自分の影を踏んで歩く」ティーの行動は、かつて自分を支配していた”黒い人達”がいなくなった事を再認識したかったからではないかと言われています。

厳しい支配下で育てられたティーは自分の意思で生きてはこれませんでした。しかし今はシズと共に旅をし、自分の意のままに行動を起こす事ができる生活を送っています。そんな現在の自分に対して、自分は生きていける、自由なんだという再認識をする行動であると言われています。

ティーの行動③陸にご飯をわける

『キノの旅』アニメ8話「電波の国」でのティーの行動3つ目は「陸にご飯をわける」です。ティーは朝食時には全て自分で食べてしまいました。しかし夕食では陸に分け与え、尚且つシズの分も残しました。この行動から、シズはティーが「仲間にきちんと分け与える」という行動を実行したのではないかと感じます。ティーの中で、シズだけでなく陸もきちんと仲間として認識された証拠となる行動だと言われています。

ティーは以前シズにを刺して殺そうとしました。この行動から陸は主人を危険な目に合わせたティーの事を快くは思っていません。陸にとってシズは何物にも代え難い存在です。そのシズを殺そうとしたとあれば、忠誠心の強い陸はティーを警戒するのも無理はありません。今回ティーが陸にご飯を分け与え、仲間と認識した事で2人の間にある深い溝が少しは軽くなったのではないかと感想が寄せられていました。

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キノの旅の電波の国のサブタイトル「Not Guilty」

サブタイトル「Not Guilty」の意味

『キノの旅』アニメ8話の「電波の国」にはサブタイトルが付けられています。「電波の国」のサブタイトルは「Not Guilty」です。日本語で”無罪”という意味の「Not Guilty」ですが、果たしてこの”無罪”とは誰に対する”無罪”なのか様々な憶測が立てられていました。

何に対して無罪なのか考察

『キノの旅』アニメ8話の「電波の国」のサブタイトルである「Not Guilty」は何に対しての”無罪”なのかの考察です。一番に考えられる仮説としては、「電波の国」の国民達が”無罪”という解釈です。「電波の国」の国民達は凄惨な事件を起こした犯罪者を”電波に当てられた”と言って咎める事をしませんでした。この行動こそが”無罪”であるという意味なのであれば、「電波の国」は国としての価値がないと言われています。

それでは何に対しての”無罪”であるのでしょうか?憶測の中で一番有力とされているのは、国民達が電波の存在を信じている事に対しての”無罪”ではないかという感想でした。「電波の国」の国民達は奴隷時代から続く電波の影響を心から信じていました。

そして信じるが故に、現実から目を逸らし、国民の犯した凄惨な事件も”電波のせい”と片付けてしまいました。側から見れば狂っている思想でも、国民の彼らにとっては純粋な信仰の心によるもので、この電波の存在を信じている思想自体は”無罪”であると言われています。

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キノの旅の電波の国の登場人物

登場人物①シズ

『キノの旅』アニメ8話の「電波の国」の登場人物・シズの紹介です。シズは移住先を求めて旅をしている青年です。緑色のタートルネックセーターを着ており、腰には日本刀を携えています。容姿は黒髪で長身なスラリとした体格をしています。性格はとても真面目で、人助けに尽力する姿も度々描かれています。しかし、温厚そうな見た目とは裏腹に一度戦闘に入ってしまえば、日本刀一本で何十人もの敵をなぎ倒す程の腕を持っています。

シズはかつてとある国の王子として生まれましたが、父親が当時の王を殺して王座を奪った事で、シズは国外へ追放されました。その後父は「コロシアム」という国民同士の殺し合いを行い、シズの母国は荒んだ国へと変貌していきます。シズはそんな父を討ち、祖国を守る為に再び母国へ戻った際にキノと出会いコロシアムで対決する事になりました。キノには敗北したものの、キノが王を殺した事で祖国は救われ、シズは再び旅に出ました。

登場人物②陸

『キノの旅』アニメ8話の「電波の国」の登場人物・陸の紹介です。陸はシズの旅に同行している白い犬です。シズと陸の出会いは『キノの旅』22巻の「届ける話」で描かれています。陸はシズに対して大きな恩を感じており、シズを主人と慕っています。その忠誠心は自分の事を「シズ様の忠実なる下僕」と表現する程強く、シズの為なら身を削る思いで旅に同行しています。

陸は常に笑ったような表情をしていますが、本人の意思とは関係なく生まれつきであると明かされています。そして言葉を話す事が出来、とても丁寧な口調で話をしますが、時に辛口なコメントをする事もあります。シズを助けてくれたキノに対しては好意的ですが、キノの相棒のエルメスに対しては敵対心を持っています。シズの旅の同行者であるティーに対しては一時期警戒心を抱いていましたが、徐々に心を開いていきました。

登場人物③ティー

『キノの旅』アニメ8話の「電波の国」の登場人物・ティーの紹介です。ティーの本名はティファナと言います。ティーは『キノの旅』8巻の「船の国」でシズと出会いました。白い髪に緑色の瞳をした少女で、口数は少なく物静かな性格をしています。ティーは船の国に乗船した夫婦が捨てた赤ん坊で、船の国を支配していた塔の主によって育てられました。塔の主は船の国の寿命が迫っていた事から、ティーをシズに託しました。

幼いながらも知能はとても高く驚異的な記憶力を見せたり、鋭い洞察力を見せる事も度々ありました。シズと共に移住する事を望んでおり、シズと離れる事は強く拒んでいます。戦闘には参加しませんが、手榴弾に興味を示し、よく手にしている姿が描かれています。ティーは肘当ての付いた長袖シャツと半ズボンに膝当てをしており、首に巻いているマフラーは長くなってカットした陸の毛と赤い毛糸を織り交ぜて編んだものになっています。

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キノの旅の電波の国に関する感想や評価

こちらは『キノの旅』アニメ8話の「電波の国」がまるで精神病患者を描いているように感じたという方の感想です。「電波の国」の国民は酔狂なまでに電波の存在を信じ、真実を拒絶しています。シズに電波塔の真実を告げられた際にはまるで発狂したように真実から目を逸らすシーンも描かれています。それはまるで精神病を患っている人の反応のようで、思わず苦笑いをしてしまったそうです。

こちらは何か事件が起こる度に『キノの旅』アニメ8話の「電波の国」を思い出してしまうという方の感想です。「電波の国」の国民は犯罪が起こる度に電波塔から発信される電波によるものだと信じています。しかし真実は電波塔は何年も前に壊れており、電波は発信されていませんでした。電波が発信されていると信じている事で盲目的になっている国民の姿が、現実世界での事件を彷彿とさせているようです。

こちらは『キノの旅』アニメ8話の「電波の国」が現代社会の偶像や犯罪に対し、一石を投じる内容になっているという感想です。「電波の国」には現代社会に対する皮肉めいた要素も含まれており、『キノの旅』のエピソードの中でもメッセージ性の高いエピソードとなっています。

そんな重苦しい内容のエピソードの中でもティーの存在感は際立っていると評価されており、「電波の国」の重苦しい雰囲気があった事によって、その後放送された「ティーの一日」というエピソードに癒されたという感想も多く寄せられていました。

キノの旅の電波の国の感想まとめ

『キノの旅』アニメ8話の「電波の国」の感想についてのまとめいかがだったでしょうか?『キノの旅』には数々のメッセージ性の高いエピソードがあります。その中でも「電波の国」は特に現代社会に対するメッセージが強く、盲目的になる事であらゆる事を見失い、また見ないフリをしている国民達の姿が狂気的に描かれています。そんな「電波の国」を見て、現実世界の事件を彷彿とする方も多いようです。

『キノの旅』は1つ1つのエピソードに現実と通ずる要素も含まれている事が多く考えさせられるという感想も多く寄せられています。さらに可愛らしい絵柄とは裏腹にディープな内容が描かれている事も多く、メッセージ性の高いエピソードの多い作品として評価されています。『キノの旅』をご覧になった事のない方はぜひこの機会に原作『キノの旅』と共にアニメ『キノの旅』もご覧になってみてはいかがでしょうか?

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