2019年11月03日公開
2019年11月03日更新
【からくりサーカス】才賀勝の成長と活躍!鳴海・しろがねとの出会いから最後まで
『うしおととら』を手掛けた藤田和日郎による漫画『からくりサーカス』。本作品は、強烈なバイオレンス描写と複雑なプロットによって人気を博しました。また、軟弱で泣き虫な主人公「才賀勝」が成長していく姿は特に魅力があり、さまざまな人との出会いと別れによって決意と覚悟を固め、「最古の四人(自動人形)」と言われる強敵と互角に戦うまでになりました。ここでは才賀勝のプロフィールをはじめ、勝の成長と活躍を最後まで紹介しています。また、勝の成長に影響を与えた加藤鳴海としろがねまで交えていますので、ぜひご覧ください。
目次
才賀勝はからくりサーカスの主人公
『からくりサーカス』に登場する才賀勝は主人公の1人です。彼の魅力はずばり出会いと同時に成長していく姿にあります。からくりサーカスの設定は複雑なのですが、才賀勝の成長を追うことで、ストーリの展開が掴めるといえるでしょう。ここでは、『からくりサーカス』の作品情報をはじめ、才賀勝のプロフィールを紹介していきます。
からくりサーカスの作品情報
からくりサーカスの概要
『うしろととら』を手掛けた藤田和日郎による漫画『からくりサーカス』。「週刊少年ジャンプ」にて1997年32号から2006年26号まで連載され、単行本は全43巻となっています。戦闘シーンではからくり人形の破片が細かく飛び散り、また全く異なる2つの物語が交錯しながら1つに収束していく展開が大きな特徴です、
前作『うしおととら』を上回る強烈なバイオレンス描写と複雑なプロット、そして前作ではあまり描かれなかった恋愛要素も盛り込んでいるようです。2018年3月14日に「週刊少年サンデー」から2018年16号にてテレビアニメ化されることが発表され、アニメ化決定後(2019年11月)には累計発行部数が1500万部を記録しました。
からくりサーカスのあらすじ
『からくりサーカス』のあらすじは、ストーリーの区切りが付くたびに主人公が交代で描かれていきます。ストーリーは「勝編」と「サーカス編」、「からくり編」「機械仕掛けの神編」と四つのストーリーで区切られており、勝編とサーカス編はそれぞれ才賀勝が主人公で、からくり編が加藤鳴海が主人公、最後にからくりサーカス編と機械仕掛けの神が才賀勝となっています。
才賀勝のプロフィール
才賀勝は『からくりサーカス』の主人公の1人です。小学6年生(物語当初は5年生)で小柄な体格をしており、学校の生徒からいじめを受けるなど弱気な性格をしています。大企業である『サイガグループ』の社長を務める「才賀貞義」と愛人の間に生まれた子供ですが、母がなくなった時に養子として才賀家に引き取られています。
しかし、才賀家の人間とは腹違いの兄弟ということで冷遇され、さらに弱気な性格と金持ちの子供ということで学校の生徒からいじめにあっていました。そんなある日、突如父親が亡くなり遺産の180億円をすべて相続したことがきっかけに生活が一変します。勝が相続した遺産目当てで何者かが「ぶっ殺し組み」と「誘拐組」という闇組織に依頼し、命を狙われることになったのです。
才賀勝の成長と活躍を最後まで紹介
成長と活躍①強くなることを決意
才賀勝の登場時は、学校のいじめに対抗せず命を狙われながらもただ逃げるだけでした。性格は弱虫であり、ただ守られているだけの貧弱な子供です。ある日、命を狙われているときに出会った「加藤鳴海(かとうなるみ)」とからくり人形「あるるかん」を操る人形使い「才賀しろがね」によって助けられ、それからは彼らに守られているだけの存在でした。しかし、鳴海と一緒に行動していくうちに彼は強くなる決意を徐々に固めていきます。
鳴海は中国の拳法を習得した格闘家で、勝は次第に「自分も強くなれるだろうか?」と思いを抱きはじめたのでした。そんな思いを鳴海に打ち明けると、彼は「オレより、強くなれるぜ」と言い、自分も勝と同じように学校でいじめを受け、運動も全くできなかった、ということを「思い出アルバム」と共に過去を話し、勝はその話を聞いて勇気を持ちます。
それからはからくり人形との戦いが始まりますが、勝は叔父の才賀善治の命令によって誘拐されからくり屋敷に連れていかれます。しろがねと鳴海は勝を助けるために屋敷に殴り込みをかけますが、からくり屋敷の強固な警備に圧倒され、二人とも重傷を負ってしまいます。そんな2人を助けるため、勝は驚異的な才覚と度胸を見せて当初ぶっ殺し組として命を狙っていた阿紫花を10億円で買収し、窮地から脱出し鳴海としろがねに合流しました。
人形遣いとの戦いを終えた勝一行は命からがら屋敷から脱出を図ろうとしますが、その屋敷にはぶっ殺し組が仕掛けた爆弾が仕掛けられていたのです。ついにその爆弾が爆発し、炎が屋敷中に燃え広がっていきます。
そんなとき命を懸けて守ってくれたのが鳴海でした。鳴海は大爆発の影響で片腕だけを残して死んでしまいます。しかし、鳴海は死ぬ前に「笑うべきだと分かったときは泣くべきじゃない」と言い残したことで、彼は自分も鳴海と同じように戦うことを決意したのでした。
成長と活躍②善治の養子となった才賀勝
鳴海が居なくなって二か月がたったころ、結局勝は善治の養子になることにしました。しかし、勝からこっぴどい仕打ちを受けた善治は勝に対してトラウマを抱え、誘拐の時のように傲慢な態度ではなく引き継いだ遺産も濫用する気にはなれませんでした。そして勝は再び学校へ通い始めますが、次は勝を守るためにしろがねも高校生として高校に通うことになります。
成長と活躍③いじめとの戦い
物語の当初は、いじめられながらも勝は無抵抗でした。しかし、鳴海としろがねと共に経験した修羅場のおかげで、勝は強くなっていました。はじめはいじめっ子たちに靴を隠されたり、殴られたりしていましたが、それでも勝は全て笑顔でいじめをもろともしていませんでした。いじめとの戦いを続ける勝でしたが、そこに人形遣いのぶっころし組が学校に乱入してきます。いじめっ子たちを人質に取られ、窮地に立たされた勝。
しかし、勝はしろがねとともに立ち向かい、何とか救出することに成功します。ただ、その時にみんなを危険にさらしてしまった自分を悔やみ、これから知り合いを巻き込まないために住んでいる町から出ていく決意をしました。
成長と活躍④リーゼロッテとの出会い
町から出たものの、行く当てのない勝としろがねは『仲町サーカス』というサーカス団に身を寄せることになりました。そこで、サーカスのメンバーとファンを獲得していきながら勝は徐々に成長していきます。そこで出会ったのがタランダ・リーゼロッテでした。彼女は大手サーカス団である『パリシャームサーカス』から逃亡してきた殺人虎のビーストを追って日本に来たようです。
彼女は亡くなった姉と同じ猛獣遣いであり、ライオンのドラムと共に日本に来ていましたが、実はかつて姉を殺したのが追ってきたビーストだったのです。そこでリーゼロッテは自らを犠牲にしてビーストに隙が出来たと同時にドラムが仕留める手はずを整え、ついに実行に移しますが、そんな時に間一髪で勝に助けられます。そして勝は自分を縛っていた姉への執着に終止符をうち、ビーストを倒すことに成功しました。
成長と活躍⑤サーカス団の立て直し
勝に恩があるリーゼロッテは勝が所属する『仲町サーカス』に自分も入りたいと言います。リーゼロッテは猛獣使いとして十分に活躍すると見込んだ団員たちは早速彼女を向かい入れ、それから講演できる場を探しに旅立つこととなりました。しかし、優秀な団員は取り揃えていても前途は多難、仲町サーカスには講演がおこなえないしがらみがあり…。果たしてサーカス団の立て直しはうまくいくのでしょうか?
旅を続けるある日のこと、勝はナイフ使いのヴィルマに命を狙われることとなりました。しかし、ヴィルマが勝の命を奪おうとしたとき、しろがねがヴィルマに応戦し間一髪でヴィルマを撃退します。勝の命を狙ったヴィルマを生かすわけにはいかないと、ヴィルマにとどめをさそうとするしろがねでしたが、勝はヴィルマを助けようと言います。
しぶしぶ了承したしろがねはヴィルマを助け、敵でありながらも命を助けられたヴィルマは自分も『仲町サーカス』に入団したいと言い出し、ヴォルマも団員に加わることとなりました。それからは、かつて『仲町サーカス』を散々こき下ろしたものの、今ではホームレス同然になった三牛兄弟、そして道具方の偏屈じいさんの生方法安とその孫の涼子らを次々と仲間に加え、仲町サーカスは再建の兆しを見せ始めました。
成長と活躍⑥事故と鳴海の影
サーカス団員も増えようやくサーカスの公演の目途が立った仲町サーカス。いよいよ公演が始まろうとしていました。しかし、そんなとき飛行機がサーカス場に不時着、というよりも爆発寸前の状態でした。当然公演も中止になりサーカス団の一同は救出活動を始めますが、飛行機から自動人形(オートマタ)が出てきました。
これまでに戦ってきた人形遣いの人形とは違い、自動人形は圧倒的な強さを誇っていたため勝としろがねは窮地に立たされます。しかし、謎の人物(煙で顔が見えない)が2人を救ったのでした。2人はその人物の姿を見た瞬間、かつて無感情で人形として育てられたしろがねの心を満たし、そして勝の命の恩人であり覚悟と決意を固めた加藤鳴海だということを感じたのでした。
2人は加藤鳴海の姿をはっきりとは確認できませんでしたが、もし鳴海が生きているのであれば…。その期待とかつて鳴海がサーカスのピエロになりたかったという言葉を信じ、サーカスの旅を続けていればきっと鳴海は帰ってくる、と2人は考え、これからも2人はサーカスを続けていくと再び心に誓うのでした。
成長と活躍⑦うそと秘密
才賀勝はこれまで一緒に行動してきたしろがねの過去や本当の名前は知りませんでしたが、旅を続けていくうちに彼女が自ら教えてくれるようになりました。しろがねとの信頼関係はもちろんのこと、サーカス団員たちと旅を続けていくうちに団員たちのことも家族のように思うようになります。
しかし、転校したはずの勝を追っていた人物によって平穏な生活も一変します。マスコミが勝の事情を嗅ぎ付け、サーカス団のみんなに莫大な財産を相続したことを暴露してしまったのです。
勝はこれをきっかけに、サーカス団員たちに嘘を付いていたと負い目を感じたこと、またマスコミが言っていた秘密を知るためにも行動を起こすことを決意しました。そして、飛行機の不時着で助けたギイ(鳴海と行動していた)からはじまりの場所のことを教えられ、そこに向かうことにします。
成長と活躍⑧はじまりの場所
「はじまりの場所」、そこはかつて勝が誘拐された場所であり、人形遣い同士の抗争によって鳴海を失ってしまった屋敷でした。跡地になってしまった屋敷を眺めていた勝は、屋敷の管理人と出会います。そこで管理人は「才賀勝」という名を聞き、慌てて鍵と手紙を渡しました。というのも、彼は勝の父親・才賀貞義があらかじめ「勝が屋敷に来るから、勝に会ったら渡してくれ」と言っていたからです。
さらに、それを託したのは勝が生まれる前のことだったのです。渡された手紙には「記憶の伝達に何らかの手違いがあった」と意味が分からない内容が書かれており、加えて鍵の暗号まで記されていました。
成長と活躍⑨過去
訳が分からない勝でしたが、とにかく手紙の指示通りとある部屋に向かい、渡された鍵を使って部屋に入りました。すると、入ったと同時に録音機に電源が入り、メッセージが流れ始めました。そのメッセージによって勝は自分の衝撃の過去を知ることとなります。メッセージには、才賀勝の正体が、実は才賀勝ではなく、才賀貞義の脳内データを移植した「才賀貞義」であるということが残されていたのです。
つまり、才賀勝の体はただの入れ物だというわけです。あまり衝撃的な内容にショックを受ける勝。しかし、ショックを受けている暇もなくぶっ殺し組である黒賀村の人形遣いが襲撃してきたのです。人形遣いたちは才賀勝の祖父・才賀正二から依頼されており、勝を葬り去るためにやってきました。
勝はそんな人形遣いと対抗するため、父親が生前に残しておいた人形を操ります。その人形はこれまでにないほどの強さを誇り、おかげで人形遣いたちを撃破することができました。そんな人形遣いたちから事情を聞き出そうとしますが、人形遣いたちは逃げ、そんな彼らを追いかけることになります。しかし、人形遣いが用意していた捕縛用の網で捕まってしまいました。
人形遣いに捕まった勝は、とある人物の前に突き出されました。その人物が祖父・才賀正二だったのです。正二は、かつて冷遇されていた勝に対し、唯一手を差し伸べてくれた優しい人物でした。しかし、今となっては体の半分がなくなり液体の中で生きながらている様子で、さらに勝の中身が貞義だと思い込み今にも勝を始末しようとしています。そこで、正二は自らの苦しみを体験させるため自分の記憶が解けた血液で記憶を共有しようとしました。
それによって勝は正二の過去をすべて知ることになります。フランシーヌの生き写しのアンジェリーナと出会い結婚したことや、ディーン・メーストルを養子にしたこと、アンジェリーナとの子供がエレオノールであることなど。そして勝を守り続けてくれているエレオノールが母・アンジェリーナを自動人形の襲撃によって失ったことを知りました。
成長と活躍⑩黒幕
そして、勝の父親である才賀貞義の正体は、正二が養子にしたディーン・メーストルだったのです。実は彼は正二がアンジェリーナと出会う前からアンジェリーナを愛していましたが、彼女は正二と結婚してしまいました。そこで貞義はアンジェリーナの娘であるエレオノールに標的を変更します。エレオノールを感情の人形として育てつつ勝を守らせることを教え込み、そして自身が勝になることでエレオノールを手に入れるということでした。
それからさらに物語は複雑になっていきます。実はディーン・メーストルが白銀の兄・白金だったのです(しろがねとは?で解説)。白金はフランシールという女性を愛していましたが、白銀によって奪われてしまった人物です。さらに、貞義はフェイスレスという顔まで持っていました。
というのも、勝がダウンロードされた記憶とは、フェイスレスの知識や経験をダウンロードされたものだったのです。つまり、白金(200年以上前に存在していた)=才賀貞義=ディーン・メーストル=フェイスレスということになります。
成長と活躍⑪才賀勝VSフェイスレス
フェイスレスの襲撃によって、才賀勝とフェイスレスとの戦いの火ぶたが切って落とされました。勝はフェイスレスこと白金の知識や経験(ダウンロードされたもの)を駆使して、ほぼ互角の戦いをしますが、それでも危機的な状況を打開できません。しかし、そんな勝に興味を持ったフェイスレス。フェイスレスは2年間エレオノールを狙い続け、それを勝が守り切るというゲームを持ちかけました。
提案を受け入れたあと、黒賀村に残って人形遣いとして瞬く間に成長していく勝。フェイレスの知識や経験によって勝は村を襲撃してくるフェイスレスの刺客を次々と撃破していきました。しかし、フェイスレスは勝とのゲームを最後までおこなわず、ある計画を発動させます。それはゾナハ病をまき散らし全ての人類を抹殺するというものでした。また、勝の人格を乗っ取るという計画も再び実行に移します。
そんな中、エレオノールは自動人形の中でも最強と言われる「最古の四人」の襲撃を受けてしまいます。急激な成長を遂げた勝は最古の四人とも互角に戦いますが、エレオノールを含めたサーカス団員は半ば人質に取られたような形で連れ去られていきます。
成長と活躍⑫救出
最古の四人との対決でエレオノールは連れ去られますが、彼女を救うべく勝は単身でフェイスレスが住むモン・サン・ミッシェルに乗り込みます。あとを追ってきた平馬、リーゼ、涼子の助けもあって、ようやくフェイスレスのもとにたどり着くことができました。しかし、勝はフェイスレスに捕まってしまいます。ダウンロードを施されてしまい、フェイスレスの人格が埋め込まれてしまったのです。
しかし、勝のダウンロードは失敗してしまいました。実は前にエレオノールの血液を飲んでおり、その血液がダウンロード処理を妨げていたのです。それからエレオノールを何とか救出し、フェイレスの計画はまたもや失敗に終わりました。
成長と活躍⑬最終決戦
ダウンロード計画の失敗を受け、最後に残されたのは人類滅亡計画でした。そこで、ゾナハ病の進行を早め、2週間以内で計画を完遂しようとします。フェイレスは宇宙にまで逃げてしまい、ゾナハ病の進行を止めるためには宇宙に向かいフェイスレスに直接聞き出すしか手はありません。そこで、蒸気機関に乗り込み、最終決戦へと向かいます。
フェイスレスとの最終決戦は苛烈を極めました。そして、決戦の最後にフェイスレスが勝に対して、なぜ自分と同じようにエレオノールを奪わなかったのかを問います。それは勝もフェイスレスと同じ立場に立っており、勝もフェイスレスと同じくエレオノールを愛していたのですが、そのエレオノールが鳴海を愛していたからです。
しかし、勝はフェイスレスが導きだした答えとは違っていました。エレオノールがはじめに好きになったのは鳴海であり、そんなエレオノールを奪ったところで自分は幸せになることができないというものでした。
成長と活躍⑭強くなった才賀勝
実は、勝が答えたのは白金が兄に向けた言葉だったのです。同じ立場に立っている勝が言ったからこそ、それを聞いたフェイレスの心は揺らぎました。最後の最後になってフェイスレスは兄の気持ちを理解し、勝にゾナハ病の治療法を話します。最後に勝を地上に送り出し、フェイレスは最初で最後になる懺悔の言葉を口に出して去っていきます。
ゾナハ病もなくなり全てを終えた勝。彼はその後異国の地で鳴海と出会ったころのように着ぐるみを着ていました。そこで助けた兄妹は、かつての弱虫だった才賀勝と似た境遇を持っていたのです。その兄に「僕も強くなれる?」と聞かれた勝は鳴海が言ったように「うん、きっと。僕よりずっとね!」と言いました。
才賀勝と鳴海・しろがねとの出会い
鳴海とは?
加藤鳴海とは『からくりサーカス(からくり編)』の主人公です。中国武術・形意拳の使い手で、すぐに感動して涙を流す熱血漢です。体格が大きく老けているので見た目は大人のようですが、実は18歳(作中で19歳を迎える)。初登場から相当な強さを持っていましたが、勝と同じく裕福な家庭で育っており、さらに些細な事でいじめられては泣く軟弱な少年でした。
しかし、母の出産を期に兄としての自覚を持ち、生まれ変わるために中国武術を習うことにしています。ただ、出産は流産となり、それに追い打ちをかけるように母も二度と出産ができない体になるという最悪の最後を迎えます。このことから、子供を守ることに執念を燃やし命を軽く扱うことを許せなくなりました。
この人格によって勝を守る決意を固めていますが、物語の当初は「ゾナハ病」といった人を笑わせなければ生きられない病気を患っていました。鳴海の最後は勝を守って片腕になった時かと思われましたが、実は才賀しろがねの師匠であるギイに体の処置を受けており、まだ生きていたのです。その後処置を受けた病院にてゾナハ病の実態を知り、しろがねと共に共闘することとなりました。
しろがねとは?
才賀勝を加藤鳴海と共に守るのが「才賀しろがね」です。『からくりサーカス』のヒロインであり、エレオノールとしての顔も持ち合わせています。目も髪も銀色で染められた彼女は登場キャラの目を引く美しい人物で、才賀勝を守るため人形遣いとなり、からくり人形「あるるかん」を操って戦います。
しろがねは複雑な設定で、7年前に11歳だとされていましたが、物語が展開していくにつれて「生命の水」を飲んだことで不死身となり、実質90歳だということが判明しています。本人はおそらく知らないようなのですが、乳母の娘というのは実はある人物がしろがねのために設定していました。そして、エレオノールとしての顔は、『からくりサーカス』に登場するからくり人形に深く関わっており、その関係は200年以上も前までさかのぼります。
それは200年以上前に中国に存在していた、白銀と白金という兄弟が錬金術の勉強に励んでいたころでした。2人は美しく温厚なフランシーヌと出会い、白銀と白金の兄弟そろって彼女に一目惚れしました。そして、白銀がフランシーヌに教会で求婚し、フランシーヌはそれを受け入れます。ところが、白金はそのとき協会にいて、この求婚を白銀の裏切りだと感じ、フランシーヌを連れてどこかに消えてしまいます。
残された白銀は9年もかけてようやくフランシーヌを見つけ出しますが、フランシーヌは病気にかかっており、その再会が最後となったのです。その時、フランシーヌの病気を治すために錬金術で開発した「やわらかい石」がからくりの元凶となっています。
というのも、フランシーヌをさらった白金は白銀がたどり着いたころ、すでに狂気となり果てており、フランシーヌを蘇らせるため自らが開発した「やわらかい石」を自動人形に与え「フランシーヌ人形」を作り出してしまったのです。そして、その人形を破壊する宿命を与えられたのがルシールでした。
ルシールは娘のアンジェリーナにある男から分け与えられた生命の水(原料がやわらかい石)を飲ませ、やわらかい石を与えられたアンジェリーナは自動人形から命を狙われる立場になります。しかし、その姿はフランシーヌそのものでした。実はその三人が血縁関係にあったのです。
2人に助けられた才賀勝
父親である才賀貞義に莫大な遺産を受け継いでからというもの、それからは命を狙われ続け逃亡生活をしていた才賀勝。そんな時に出会ったのが才賀しろがねと加藤鳴海でした。それは加藤鳴海がサーカスの告知を路上でおこなっているときでした。危険な目に遭っている勝を見過ごすことが出来なかった鳴海は逃げつつも自動人形と戦っていましたが、とうとう乗っていた電車が自動人形によって脱線してしまいます。
それによって離れ離れになった勝と鳴海。勝は一人になってしまい、そんな彼の前に自動人形が立ちはだかります。危機的状況にある彼は身動きが取れず、恐怖で身がすくんでいました。そんなとき祖母・正二が言っていた「何者かに命を狙われたときしろがねが助けてくれる」というのを思い出し、「しろがねー‼」と大声で叫びます。すると、目と髪が銀髪でサーカス団の恰好をした女性が現れます。その女性が才賀しろがねだったのです。
しろがねが自動人形と戦っているところで、ようやく鳴海が勝のもとに戻ってきました。こうして2人は自動人形の一味を撃退し、2人との出会いと同時に命を救われた勝でした。
加藤鳴海との別れ
加藤鳴海との別れは鳴海の最後でもありました。先に触れていますが、鳴海は勝を助けるために炎の中に身を投げ出し、建物の大爆発によって片腕だけとなってしまったのです。鳴海との最後によって勝は強くなる決意を固め、さまざまな人物たちと出会い成長していきます。
才賀勝の声優を紹介
声優①植田千尋
『からくりサーカス』の主人公・才賀勝の声優を担当したのが植田千尋です。才賀勝役が声優デビューであり初主演でもありました。キャストに起用された際に、「声優デビューとして大切な作品」だと述べており、また大迫力のアクションと数々の名場面がアニメ化することが楽しみだともいっており、同作に対する思い入れが強いことがうかがえます。
声優②観世智顕
『からくりサーカス』の主人公・才賀勝が成人期のころに担当したのが観世智顕です。これまでに2018年に公開されたテレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』の誠刃校受験者役を担当しており、同年に才賀勝役も担当しています。
才賀勝を舞台で演じた俳優は?
才賀勝を演じたのは深澤大河
『からくりサーカス』が2019年1月に舞台劇が上演されました。脚本を川尻恵太、演出を開幕ペナントレースの村井雄が手掛けており、そこで今回紹介した才賀勝のキャストに起用されたのが「深澤大河」です。ここでは、深澤大河のプロフィールや出演作、そして深澤も『からくりサーカス』の読者だったということなので、深澤の意気込みなどを紹介していきます。
深澤大河のプロフィール
- 生年月日:1994年12月8日
- 出生地:静岡県
- 血液型:B型
- 身長:162㎝
- 職業:俳優・タレント
- 所属事務所:トリプルエー
深澤大河は『HOLLYWOOD』のサブリーダーとしての活動をしており、舞台俳優としても活躍しています。『ダイヤのA』の小湊春市役やドラマ『弱虫ペダル』の鳴子章吉役を演じたことで一時期話題になりました。
深澤大河の主な出演作
【舞台】
- 2015年~:ダイヤのA(Zeppブルーシアター六本木)
- 2018年~:極上文學 第12弾『風の又三郎・よだかの星』(又三郎 役)
- 2019年~:家庭教師ヒットマン REBORN! the STAGE -vs VARIA part I
- 2010年~:相棒Season8 第11話
- 2011年~:高校生レストラン(五十鈴利基 役)
- 2016年~:弱虫ペダル(鳴子章吉 役)
- 2007年~:僕の彼女とその彼氏 Drop in Ghost(佐伯ひろむ 役)
- 2011年~:デッドボール
- 2018年~:9〜ナイン〜 (田山泰 役)
深澤大河はからくりサーカスの読者だった
『からくりサーカス』の出演に際し、深澤大河は同作の読者であることを明かしました。そこで、才賀勝を演じる際はさまざまな感情を抱いてもらうように演じ、最後に笑顔になってもらえるような作品する旨を述べていました。また、一読者であった自分が才賀勝役を演じることを誇りに感じているようで、「才賀勝がどのような成長を見せるのかを体現する」と意気込みを語っています。
才賀勝に関する感想や評価は?
からくりサーカスは
— ろく (@roku572) June 18, 2018
才賀勝の成長物語で感動的だよね
『からくりサーカス』は才賀勝の成長物語で感動すると言われています。特に勝の成長に大きな影響を与えた鳴海のセリフは重みがあり、また行動までもが心に突き刺さる内容となっていました。感想のように成長物語に感動を覚えた人は多いのかもしれません。
からくりサーカスがおすすめです。かなり長いですが濃い内容で無駄がありません。加藤鳴海のかっこよさ、才賀勝の成長、しろがねの変化など素晴らしいと思います。
— ジン (@jinxfils0110) March 22, 2019
古い漫画なら地獄先生ぬ・・・
続きは質問箱へ#peing #質問箱 https://t.co/vzpJGDgq53
才賀勝の成長していく姿だけでなく、勝に影響を与えた鳴海のカッコよさ、しろがねの心の変化などすべてに無駄がないと言われています。鳴海が勝の覚悟と決意を固めさせ、さらに鳴海の人間性が無感情の人形として育ったしろがねであっても心の変化を与えた人物でした。人間性が成長に強く結びつくものだと考えさせられる漫画だといえるでしょう。
次に好きなのは才賀勝。弱虫で泣き虫だったけど、鳴海にあってどんな時でも笑い続けてた姿に憧れ、弱虫な自分に決別しようと足掻く姿はかっこいい。
— jibie@ジンギスカン食べたい (@jibie_) June 17, 2015
弱虫で泣き虫の才賀勝が、そんな自分と決別しようと足掻く姿がカッコいいといわれています。どんな時であっても笑うというのは困難かもしれませんが、やはり困難な理想を抱いたからこそ、成長し続けることが出来たのかもしれません。
才賀勝の成長と活躍!まとめ
才賀勝の成長と活躍についてあらすじを通して紹介してきましたが、いかがでしたか?才賀勝が鳴海としろがねと出会ったときは、泣き虫で軟弱な性格をしていました。しかし、鳴海をはじめさまざまな人との出会いを通してみるみる成長していく様子が描かれ、肉体面や精神面でも見違えるような人物となり、守られる立場から守る立場へと変わっています。
最後に才賀勝は鳴海と肩を並べるほどの存在となり、人間であることを捨てた鳴海とは違って、その強さは逆のベクトルの強さだったとえいます。最後に世界を救うまでに強くなった才賀勝は物語当初から見返しても想像がつきません。それこそが才賀勝の魅力だといえるでしょう。