【攻殻機動隊】笑い男事件をネタバレ解説!事件の発端から結末まで時系列で紹介

近未来のSFアニメ「攻殻機動隊」シリーズの中でも人気のストーリーである「笑い男事件」。アニメを見ていない方でも、笑い男のロゴマークは見たことがあるのではないでしょうか。面白いという評価が多い一方、分からなかったという声も多い「笑い男事件」。この記事では「笑い男事件」のあらすじを分かりやすくするため、事件の発端となった村井ワクチンについても説明し、時系列でネタバレ解説していきます。

【攻殻機動隊】笑い男事件をネタバレ解説!事件の発端から結末まで時系列で紹介のイメージ

目次

  1. 『攻殻機動隊』とは?
  2. 『攻殻機動隊』の笑い男事件の重要単語
  3. 『攻殻機動隊』の笑い男事件をネタバレ解説
  4. 『攻殻機動隊』の笑い男事件のモデル
  5. 『攻殻機動隊』の笑い男の声優や俳優
  6. 『攻殻機動隊』の笑い男事件に関する感想や評価
  7. 『攻殻機動隊』の笑い男事件についてまとめ

『攻殻機動隊』とは?

『攻殻機動隊』の基本情報

1989年ヤングマガジンの増刊号であるヤングマガジン海賊版に掲載された士郎正宗さんのSF青年漫画「攻殻機動隊」。1995年には劇場用アニメとして映画化され、2002年にはテレビアニメ化もされた人気作品です。21世紀のテクノロジーが高度化した近未来の日本を舞台に描かれた作品で、人間とロボット技術の融合や情報化社会で起きる犯罪に対処するために設立された、攻性公安警察組織公安9課の活躍を描いています。

「攻殻機動隊」の世界観は海外でも評価が高く、劇場映画1作目の押井守監督の「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」は日本よりもアメリカで高評価を得たほどです。その後、押井守監督で2004年に「イノセンス」、2008年に「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0」が公開。2011年以降は監督が変わり、神山健治監督の「攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D」が公開。

2013年と2015年には黄瀬和哉が総監督を務め、攻殻機動隊 ARISE」、「攻殻機動隊 新劇場版」が公開されました。2002年から放送されたテレビアニメは、S.A.C.(STAND ALONE COMPLEX )シリーズとも呼ばれ、2006年に放送された「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」は2011年に3D劇場版として全国公開され高い評価を得ました。

『攻殻機動隊』のあらすじ

1990年代に勃発した世界大戦以降、人類は飛躍的な科学技術の進歩により脳の神経にデバイスを直接接続する電脳化や体のサイボーグ化(義体化)が進みます。その反面犯罪も狂暴化し、テロや暗殺に対抗する手段が必要となり、2029年内務省直属の公安組織公安9課、通称攻殻機動隊が創設されます。公安9課は非公開の政府機関で、犯罪に対抗するためなら法に縛られない超法規的な活動も可能な戦う組織。

優れた政治的手腕を持つ荒巻課長を筆頭に、全身義体化した主人公でありリーダでもある草薙素子、元陸上自衛軍レンジャーのサイボーグであるパトー、情報収集担当のイシカワ、狙撃手のサイトー、元警視庁捜査一課の刑事だったトグサなど戦闘能力の高いメンバーで構成された9課は、テロ、暗殺、汚職など数々の凶悪犯罪と向き合い生死をかけた戦いに挑みます。

攻殻機動隊 Information Site

『攻殻機動隊』の笑い男事件の重要単語

ここからは、テレビアニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」のあらすじでもある「笑い男事件」に関わる重要単語について、説明と解説を行います。言葉の意味を押さえておくと、この後の「笑い男事件」のあらすじやネタバレ解説が分かりやすいのではないでしょうか。

重要単語解説①電脳硬化症

科学技術が飛躍的に高度化した世界では、マイクロマシン技術により脳とコンピューターネットワークを直接接続した電脳化が当たり前になっていました。その世界で不治の病と言われていたのが電脳硬化症です。電脳硬化症とは、電脳化した部分が硬化し少しずつ脳の機能が失われ最終的に脳死に至る病気であり、根本的な治療法が見つかっていないことから恐れられていた病気です。

重要単語解説②村井ワクチン

医学博士の村井千歳がサルの結核菌抗体から偶然発見された抗腫瘍抑制剤が、電脳硬化症に効果があることが判明。しかし効果があるにもかかわらず、マイクロマシン療法を推奨し利益を上げていた者や村井博士の功績を認めたくない者の嫉妬により、村井ワクチンは国からの認可が見送られてしまいます。

重要単語解説③笑い男

丸い白地に青で英字と笑顔の帽子をかぶったような絵が描かれているロゴマーク。企業脅迫、誘拐事件を引き起こした犯人がテレビに顔を出ないよう、映像をハッキングして顔に貼り付けたマークです。このマークを見た人から犯人は「笑い男」と呼ばれるようになり、一連の企業脅迫や誘拐事件を起こした犯人による事件を、「笑い男事件」と呼ぶようになりました。

重要単語解説④セラノゲノミクス社

電脳化硬化症治療への対策として、村井ワクチンの認可見送りの中マイクロマシン療法の認可を申請していた会社の中から選ばれたのが、アーネスト・瀬良野が社長を務めるセラノゲノミクス社。効果が無いにもかかわらず、セラノゲノミクス社は電脳硬化症治療の大手として発展します。

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『攻殻機動隊』の笑い男事件をネタバレ解説

あらすじ①2019年『笑い男事件の発端』のネタバレ解説

「笑い男事件」の発端は、2019年に明らかになった電脳障害についての報告からでした。電脳化した部位が硬化することで起きた電脳障害による死亡は医学界でも話題となり問題視され始めます。そんな中、2020年村井ワクチンが発見されます。しかし厚生労働省中央薬事審議会は、電脳硬化症に対し唯一有効な治療法である村井ワクチンを認可せず、効果が不明なセラノゲノミクス社のマイクロマシン治療法を認可します。

マイクロマシンによる電脳化の開発に支障が出ると危惧した多くの医師がマイクロマシン治療法を推奨していたことと、私利私欲を目論む人間によっての判断でした。薬事審議会の理事を務める今来栖尚が同じく理事を務めるマイクロマシンインダストリアル社のマイクロマシン治療法も認可されます。認可は異例の早さで行われたため、今来栖と懇意だった当時厚生労働大臣の薬島薫の力によるものではないかと言われていました。

あらすじ②2021年『村井ワクチンの再認可』のネタバレ解説

2021年、村井博士が村井ワクチンの認可を切望しながら亡くなります。その2ヵ月後、村井ワクチンは特定指定者有償実験薬として急に認可されました。しかし認可は非公開で行われ、村井ワクチンは一部の人にだけ接種されるようになり接種した人も非公開でした。脳硬化症に唯一効果のある村井ワクチンを私物化し、一部の人間が利益を得ていたのでした。

あらすじ③2024年『第1次笑い男事件』のネタバレ解説

事の発端は、天才ハッカーのアオイがネット上で見つけた3年前の送信エラーメールでした。そのメールの内容は、村井ワクチンとセラノゲノミクス社のマイクロマシンの効能比較と認可に関する顛末をまとめたものでした。私欲に満ちた社会に対し正義感にかられたアオイはこのことを世間に知らせようと決意し、瀬良野に情報公開を求める脅迫文を送り、更には電脳をハックし体の自由を奪った状態で瀬良野を誘拐します。

アオイは瀬良野に、自ら自社のマシンには電脳硬化症の効果がない、と発表するように迫ります。瀬良野も一時は了承しましたが、拘束が解けると約束を破りその場から立ち去ろうしたため、アオイは瀬良野に拳銃を向け再度脅迫。しかしその現場が丁度「おでかけ天気予報」の中継現場だったためテレビに映ってしまい、アオイは逃亡しました。

笑い男誕生のネタバレ解説

その時周囲にいた人間やテレビカメラはアオイの顔を捉えていたのですが、天才ハッカーのアオイの手により自分の顔を認識する全てのものがハッキングされ、笑い顔のロゴマークに上書きされました。目撃者がアオイの似顔絵を書こうとしても、認識操作の影響でロゴマークになってしまいます。この事件によりアオイのことを周囲は「笑い男」と呼ぶようになり、「笑い男事件」と言われるようになりました。

あらすじ④2030年『第2次笑い男事件』のネタバレ解説

インターセプター事件のネタバレ解説

「笑い男事件」から6年後、「笑い男事件」を追っていた特捜部捜査官の山口が事故死します。山口は元同僚の公安9課に所属するトグサに、警察上層部が秘密裏に行っている違法処置・インターセプターについて相談しようとしていました。これは護衛という名目で瀬良野の周囲にいた、警察官の目に仕込まれていました。山口が残した証拠によりトグサはインターセプターの存在に気づき、公安9課は警察上層部に真相を問いただします。

インターセプターとは視聴覚デバイスのことで、このマイクロ装置をつけられると、その人が見た情報を遠方で見ることができるという動く監視カメラのような状態になります。これはプライバシーの侵害にあたり、インターセプターを仕掛けることは法律で禁止されています。さらにこの装置がセラノゲノミクス社製ということもあり、セラノゲノミクス社との利害関係があるのではと示唆されます。

警視総監暗殺事件のネタバレ解説

しらを切ろうとする警察に対し、公安9課の草薙素子が情報がマスコミに渡したことで警視総監である大堂義一自らが釈明会見を開くことになりました。釈明会見を身ていたアオイは個人の問題だとする内容に腹を立て、同席していた警察幹部の電脳をハッキングし、真実を語らなければこの舞台から消去しなければならない、と脅迫めいた言葉を語らせます。世間は「笑い男」の再登場に盛り上がりました。

警視総監の暗殺予告容疑者として浮上したのが、ナナオ・Aというハッカーでした。9課がナナオの周辺を調べると「笑い男事件」に結びづくような証言が挙がりますが巧妙に作られた嘘だと分かります。しかし、ナナオは自分が「笑い男」として逮捕され歴史に残ることを望んでいたため、警視総監暗殺事件を起こすことにし、暗殺予告を実施。総監の護衛に遅効性のウィルスを仕込みます。

笑い男死亡報道のネタバレ解説

9課はナナオの監視と総監の護衛に別れ行動。予告通り行われた襲撃は素子達により抑えられ、護衛官にウィルスが仕込まれていることも判明します。しかし襲撃には「笑い男」に感化された模倣者が次々と現れ、パニックになります。一方ナナオは何者かに射殺され、「笑い男事件」の容疑者として死亡しました。しかし9課の荒巻は、この一連の出来事は警視庁の自作自演によるものだと判断していました。

村井ワクチン接種者リストのネタバレ解説

アオイは村井ワクチンを不認可にした今来栖に目を付け、村井ワクチン接種者リストを盗みだし、今来栖名義で「ひまわり会」という告発者を保護するNPO法人に届けます。アオイが本当の「笑い男」だと疑うトグサも「ひまわり会」にたどり着きリストを確認しますが、麻薬取締局の襲撃を受け職員は抹殺され、トグサ自身も重傷を負います。しかし9課はトグサの記憶から今来栖が関わっていることを知ります。

今来栖はアオイに真実を公表するよう脅迫されていました。連合与党の幹事長にまで出世した薬島に助けを求めますが、麻薬取締局局長の新美に殺害を依頼されてしまいます。そのため公安9課が今来栖の確保に向かった先で麻薬取締強制介入班の襲撃を受け、今来栖は殺され素子も義体を損傷。義体交換時にも麻取の残党に命を狙われた素子ですがそれを救ったのは、アオイでした。アオイは素子に「笑い男事件」の記憶を渡し後を託します。

笑い男事件の真相と9課壊滅のネタバレ解説

素子はアオイのやり方を真似、「笑い男」として瀬良野と接触。瀬良野から薬島との関係を聞き、今度こそ真相を明らかにするという約束をもらいます。しかしその様子を監視していた薬島たちがマスコミ沙汰にし、「笑い男」は素子だと報道されるとともに、公になっていない9課の存在も明るみになりました。そのため、公安9課課長の荒巻は総理大臣と秘密裏に相談。9課の解体を容認する見返りに薬島の身辺調査の許可をもらいます。

特殊部隊規制法案の施行により、9課は危険なテロ集団として軍の襲撃を受け壊滅。しかし、薬島の悪事も公になり、政界からの後退を余儀なくされました。荒巻の口利きにより、最初に拘留されていた荒巻とトグサ、逃げ切った素子以外の9課のメンバーは一時拘束されますがすぐに釈放されました。

あらすじ⑤『第2次笑い男事件から3ヶ月後』のネタバレ解説

素子が扮した「笑い男事件」と9課壊滅から3ヵ月後。何も知らされていないトグサは、テレビのニュースで検察による厚生疑惑の一斉捜査が行われている様子を見ますが、9課の手柄が横取りされたと憤りを感じ、薬島の居る党本部に乗り込もうとしていました。その考えこそアオイの模倣であり、トグサは笑い男に感化されていたことが分かります。トグサは党本部前で9課の同僚に止められ、新9課本部でメンバーと再会し真相を知ります。

その後、薬島の裁判が行われることとなり、瀬良野は約束通り証言者として裁判に立つ予定でしたが、初公判当日に瀬良野の車が爆発し瀬良野は死亡。犯人は元トグサの同僚で警察に所属する深見でした。深見はナナオを殺した人物でもありました。一方アオイは起こした事件はオリジナルの消失という意味から黙認され、荒巻から9課にスカウトされます。しかしアオイは、チームプレイが苦手という理由から申し出を断ります。

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『攻殻機動隊』の笑い男事件のモデル

モデル①J・D・サリンジャーの『The Laughing Man』

攻殻機動隊の「笑い男」は、J・D・サリンジャーの「The Laughing Man(笑い男)」という短編小説がモデルになっています。1949年に発表された小説で、「笑い男」は少年団の団長が作った物語に登場する人物です。その物語の主人公は、幼い頃に山賊に連れ去られ、笑っているような醜い顔にされてしまいます。その後芥子の花びらで作った仮面を付け、自らも山賊となり義賊として活躍するという物語です。

その後青年は恋をしますが、恋が破れると「笑い男」の物語も終わりを迎えます。この「笑い男」を通じて青年の絶望と少年の成長を描いた作品です。攻殻機動隊の中では、アオイが作った「笑い男」のロゴの中にJ・D・サリンジャーの長編小説「ライ麦畑で捕まえて」の文言が書かれています。

モデル②三億円事件

三億円事件とは、1968年東京で起こった窃盗事件で、時効が成立した未解決完全犯罪のことです。三億円を積んだ現金輸送車が偽の白バイ隊員に奪われたという有名な犯罪ですが、この時犯人を目撃したとされる銀行員からの証言でモンタージュ写真が作られました。しかしこの写真は警察による誘導と思い込みによって作られた写真であるにもかかわらず、犯人の実写と思い込んだ人が多く、結果的に捜査が混乱することにもなりました。

さらに時効が成立した後も、この事件は度々表に出てきます。それはこの事件を起こした犯人を自称する人たちが何人も現れるからです。このように、「笑い男」の顔を見た人が認識を操作されたことでロゴを書いたり、笑い男に感化された人たちが犯罪を起こしていく様子は、三億円事件をモデルにしていることが分かります。

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『攻殻機動隊』の笑い男の声優や俳優

笑い男の声優は山寺宏一

笑い男の声優は、七色の声を持つと言われている山寺宏一さんです。しかも、山寺さんはトグサの声も担当しています。さらに笑い男フリークが集うチャットルームの中で登場するベビー・ルースや、施設の少年なども演じており、幅広い役柄を演じることでも有名な声優です。

山寺宏一のプロフィール

1961年6月17日生まれで宮城県の出身。アクロスエンタテインメント所属の声優で、やまちゃんという愛称で呼ばれています。1985年に「メガゾーン23」の中川真二役でデビューし、2009年には第3回声優アワード富山敬賞を受賞、2015年には 第24回日本映画批評家大賞アニメーション声優賞を受賞した実力派声優です。1995年に死去した声優富山敬の持ち役を引き継いでいることでも有名です。

山寺宏一の主な出演作品

アニメの主な出演作としては、「それいけ!アンパンマン」ではめいけんチーズ役以外にも多くのキャラを務め、「らんま1/2」の響良牙 、「新世紀エヴァンゲリオン」の加持リョウジ、「かいけつゾロリ」のゾロリ、「ヤッターマン」のナレーションやヤッターワンなど多くのキャラを担当し、その他多くのアニメやアニメ映画の声優を務めています。

アニメ以外にも洋画の吹き替えも行っており、チャーリー・チャップリンやウィル・スミス、トム・クルーズやブラッド・ピットなど数多くの俳優の吹き替えを担当しています。ディズニー作品でも、ドナルドダックを始めナレーションやスティッチも担当しています。声優以外でも、「おはスタ」のメイン司会者を18年務めるなど、多才ぶりを発揮しています。

笑い男の俳優はマイケル・ピット

「攻殻機動隊」はハリウッドで実写映画化され、2017年3月には全米で、4月には日本で公開されました。、ルパート・サンダースが監督を務めた映画「ゴースト・イン・ザ・シェル(Ghost in the Shell)」で笑い男を演じたのは、若手実力派俳優のマイケル・ピットでした。

マイケル・ピットのプロフィール

1981年4月10日生まれで、ニュージャージー州出身。4人兄弟の末っ子として生まれ、18歳の時にマンハッタンのオフ・ブロードウェイで舞台デビューします。2000年の「ドーソンズ・クリーク」でヘンリー・パーカー役でテレビシリーズに出演、翌2001年にはロックミュージカル舞台を映画化した「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」で熱演し、端正な顔立ちと妖艶な存在感から注目が集まりました。

マイケル・ピットの主な出演作品

主な映画出演作は、「完全犯罪クラブ」のジャスティン・ペンデルトン役、「ラストデイズ」では主演のブレイク役、日本・カナダ・フランス・イタリア・イギリスの合作映画「シルク」の主役エルヴェ、「クリミナル 2人の記憶を持つ男」のヤン・ストローク役などを演じ、テレビドラマでは「ハンニバル」にも出演しています。

『攻殻機動隊』の笑い男事件に関する感想や評価

笑い男事件は劇場型犯罪として今回の記事で説明解説した三億円事件以外に、企業脅迫事件であるグリコ森永事件、薬害エイズ事件、そして感想にも書かれている丸山ワクチン問題をモデルに書かれています。実際に起きた事件をモデルにしているため、「笑い男事件」の物語にリアリティを感じる人が多いようです。

笑い男事件を扱ったハリウッド版実写映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」を見に行った人の感想です。原作を踏襲している個所があり、吹き替えにアニメの声優役を当てていることもあり、原作ファンから高い評価を得ています。原作を知らずに映画を観た人からも、面白いという意見が多く挙がっていました。

この感想は、攻殻機動隊の世界における重要な部分を示唆しています。アオイは天才凄腕ハッカーである一方、図書館司書の仕事に勤め名作を読み漁る生活を送っていました。そしてトグサが官僚の不正を暴くための証拠として探し求めたものも、紙に書かれたものでした。電子化された社会では、証拠や記憶の捏造が容易にできてしまうことから、日付の入った紙媒体は重要な位置づけになっています。

オリジナルは模倣された瞬間オリジナル性を失うという言葉通り、アオイが起こした「笑い男事件」に便乗した政府・警察関係者が虚像の「笑い男」を作り上げたことや、多くの民衆がアオイの考えに感化されたことで模倣され、オリジナルの個性は失われました。オリジナル無きコピーは物語の核であるスタンドアローンコンプレックスとも繋がっています。

『攻殻機動隊』の笑い男事件についてまとめ

「攻殻機動隊」シリーズの中でも特に人気のある「笑い男事件」について、物語の発端となった村井ワクチンと脳硬化症について触れながら、あらすじをネタバレ解説しながらまとめました。2020年には最新作がNetflixで世界独占配信される予定です。「笑い男事件」に興味を持たれた方は、ぜひ「攻殻機動隊」を視聴してみてはいかがでしょうか。

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