無限の住人の映画の評価が低い理由は?漫画との違いや評判・あらすじまとめ

映画『無限の住人』のあらすじ・評価についてまとめています。映画版『無限の住人』は、2017年、三池崇史監督による実写映画として公開されました。人気原作漫画の映画化、しかも木村拓哉さんなどの豪華俳優陣を集めた作品ながら、最終興行収入は9.6億円と不発、口コミレビューでの評価もあまり良くない様です。なぜ評価が低くなってしまったのでしょうか?映画版『無限の住人』のあらすじ及びキャスト、ストーリーの漫画との違いや、映画版の低評価の理由についてまとめました。

無限の住人の映画の評価が低い理由は?漫画との違いや評判・あらすじまとめのイメージ

目次

  1. 漫画『無限の住人』とは?その評価は?
  2. 実写映画版『無限の住人』のあらすじ
  3. 映画版『無限の住人』には主演の木村拓哉を筆頭に豪華俳優陣が集結
  4. 『無限の住人』は三池崇史監督による実写映画化
  5. 実写映画版『無限の住人』の原作漫画との違い
  6. 実写映画版『無限の住人』の全体の評価や評判
  7. 実写映画版『無限の住人』の評価まとめ

漫画『無限の住人』とは?その評価は?

『無限の住人』は、沙村広明さんによる漫画作品です。掲載誌は講談社の『月刊アフタヌーン』。1993年6月〜2012年12月まで、19年以上に渡って連載されました。全30巻(新装版は全15巻)で完結済みです。作者の沙村さんにとって、この『無限の住人』がデビュー作でありながら、いきなりの長期連載作品となりました。

原作漫画『無限の住人』の評価

『無限の住人』の漫画自体、評価が高い作品で、1997年の第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞の受賞作でもあります。具体的には、「不死」であるが故の痛みの描写、剣士達の壮絶な戦場、その緊張感の中で生きる魅力的なキャラクター、彼らが放つメッセージ、そしてそれらをしっかりと描き出す画力、といった部分で評価が高い様です。2008年にはテレビアニメ化もされている人気作品です。

映画『無限の住人』オフィシャルサイト

実写映画版『無限の住人』のあらすじ

それではここから、映画版『無限の住人』のあらすじを紹介します。『無限の住人』の主人公は隻眼の剣士、万次(木村拓哉)。彼は、かつて追っ手100人を切り伏せたことから、「百人斬り」との異名で呼ばれるようになった伝説の剣豪です。

しかしその戦いの最中、最愛の妹を失い、また自身も瀕死となり生死の境を彷徨っていました。そこに謎の老人が現れ、「血仙蟲(けっせんちゅう)」とよばれるものを万次の体内に宿します。これにより万次は、不死の体を手に入れることとなってしまいました。それから50年もの時が過ぎ、不死の存在として孤独な日々を送る万次はある日、あだ討ちを頼みたいという少女・浅野凛(杉咲花)と出会います。

凛に妹の面影を重ねた万次は、彼女の依頼を引き受けることに。凛とともに、逸刀流(いっとうりゅう)という剣客集団の首領・天津影久(福士蒼汰)との戦いに向かっていきます。以上が映画版『無限の住人』のあらすじになります。

映画版『無限の住人』には主演の木村拓哉を筆頭に豪華俳優陣が集結

映画版『無限の住人』では、豪華俳優陣が揃っています。主人公・万次(まんじ)役の木村拓哉さんに始まり、ヒロインの浅野凛(あさの りん)役に杉咲花さん、そして宿敵となる天津影久(あのつ かげひさ)役は福士蒼汰さんです。

他にも、市川海老蔵さん、北村一輝さん、戸田恵梨香さん、市川隼人さん、栗山千明さん、山崎努さんなど、話題の若手から中堅、ベテラン俳優まで、豪華俳優陣が出演する映画となっています。

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『無限の住人』は三池崇史監督による実写映画化

映画版『無限の住人』において上述の豪華俳優陣を束ねるのが、人気映画監督の三池崇史監督です。『クローズ』シリーズのような派手なアクション作品から、『風に立つライオン』(2015)などの様なしっとりとした人情物語まで、ジャンルを問わずありとあらゆる作品を映像化することに定評がある三池監督です。

特に、ド派手な大立ち回りも評判となった時代劇映画『十三人の刺客』(2010)を手がけていたこともあり、今回の映画版『無限の住人』でもその手腕が期待されていました。また、三池監督にとってこの『無限の住人』が、俳優・木村拓哉さんとの初タッグとなる映画作品ということで、その意味でも注目が集まっていました。

実写映画版『無限の住人』の原作漫画との違い

漫画の実写化ということで、気になるのはどれだけ原作に忠実に作られているかですが、映画『無限の住人』の場合、あらすじとしては、ほぼ原作通りに作られています。ただし、コミックスで30巻にもなる物語を、1本の映画作品にするため、原作のストーリーから抜粋・省略、一部改変などが行われています。

具体的には、原作13巻前後までの内容を、話の流れがわかる範囲で重要な部分だけかいつまみつつ、中盤の展開はバッサリとカット、結末の「万次vs天津」の決闘の部分などは再び原作最終巻の流れを踏襲する、という形で構成されています。

その代わり、予告編にもある様に、映画版『無限の住人』のクライマックスでは原作にはなかった「万次vs300人」の大立ち回りが追加されているなど、映画ならではの派手なエンターテイメントを意識した場面が追加されていたりもします。

実写映画版『無限の住人』の全体の評価や評判

そんな映画版『無限の住人』ですが、見た人の評判はというと、あまり良いとは言えない状況です。某映画レビューサイトでは平均して5点満点中3.2点と、平均点数だけ見ればそれほど悪くありませんが、実際のレビューコメントの内容を見るとダメ出しが目立ちます。「エピソード1つ1つが淡白すぎる」「感情移入する暇がない」など、映画としてはあまり面白いと思えなかった人も多い様です。

実写映画版『無限の住人』の評価①ストーリーについて

映画版『無限の住人』の評判の悪さの中でも、特に目立つのがストーリーについての評判です。中には「面白い場面が1つもなかった」との酷評も。大部分が原作からの抜粋のため、「原作と異なる」という様な理由での悪評はあまり多くはありません。しかし、長い原作に忠実にストーリーをなぞったからこそ、全体的に物語が薄まってしまい、映画として面白くない印象になってしまった様です。

原作に忠実にストーリーを構成すること自体は、本来、原作ファンにとっては喜ばしいことのはずですが、今回の映画化ではその取捨選択があまり良くなかった模様。『無限の住人』原作未読の人からは「全体的に単調で感情移入できなかった」という声が上がり、かと思えば、原作ファンからも「もっとエピソードを絞って膨らませた方が良かったのでは」という声が上がっていました。

この様に映画版『無限の住人』は、原作に忠実にしようとして構成された作品です。しかしその結果、一本の映画としては「表面をなぞるだけのストーリー」になってしまったのが、評判の悪さの原因の様です。

実写映画版『無限の住人』の評価②木村拓哉や共演陣の演技について

主演を務めた木村拓哉さんと言えば、日本を代表するスター俳優の一人ですが、時に「木村節」とも呼ばれる、良くも悪くも個性の強い演技が有名です。今回の『無限の住人』でも、「いつもの木村拓哉だった」「頑張ってはいたけど万次ではなかった」との声があり、やはり木村節は健在だった様です。

ただしこれについては「自分が想像していた万次とは違ったけど、これはこれでアリ」という意見もあり、『無限の住人』原作ファンからも否定一辺倒ではなく、肯定的な意見も見られました。また他の役者に対しても、概ね肯定的な意見が多く見られているため、役者・演技が低評価に繋がっているとも限らない様です。

実写映画版『無限の住人』の評価③キャラクターの再現性について

対して、演技云々ではなく、そもそものキャラクターの描き方については原作ファンから疑問の声も。これに関してはストーリーの構成の仕方の影響もあるのですが、原作の『無限の住人』ではそれぞれが色々なものを背負って戦っていたはずのキャラクターたちが、映画向けにストーリーを省略する都合で薄っぺらいキャラクター造形になってしまい、そのことを残念に思う原作ファンは多かった様です。

実写映画版『無限の住人』の評価④演出やカメラワークについて

時代劇ということで気になるのはやはり「殺陣」の出来栄えですが、映画版『無限の住人』では殺陣シーンの評判もあまり良くありません。「カメラワークやカット割りが悪くて殺人の凄さが伝わりにくかった」など、演出面でのダメ出しの声が見られました。

また、「単調に感じた」という声も。「木村拓哉がかっこよく立ち回れていた」「斬って斬って斬りまくるのが爽快」などの様に、殺陣シーンの要所要所については良い印象を持った人もいた様ですが、全体を通して見ると緩急があまりなく似た様な場面が続くため、「だれてしまった」という印象に繋がった様です。

さらに、同じく漫画原作を実写映画化した『るろうに剣心』シリーズと比較する声も見られました。『るろうに剣心』にも主人公・剣心が1人で大勢の敵を倒していく殺陣シーンがありますが、それと比べた場合に『無限の住人』はインパクトに欠けてしまった様です。

実は原作の『無限の住人』の万次には、「不死の体で50年生きているため、剣術の腕自体は鈍ってしまっている」という設定があるのですが、映画版ではそのことの明確な説明がありませんでした。結果として、その設定を踏まえずに見た場合に「殺陣シーンがだれている」という印象を持たれてしまうことになった、という面もあった様です。

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実写映画版『無限の住人』の評価まとめ

以上、映画版『無限の住人』のあらすじ、キャストや監督、評価についてまとめました。全体評としては、原作を踏襲しようとした結果、ストーリーが単調になってしまったこと。また同時にキャラクター造形も薄くなってしまい、原作ファンの思い入れに見合うレベルでキャラクターを再現できなかったこと。この2点が、映画の構成部分として低評価につながった様です。

そして演出面で低評価につながったのが、漫画原作のエンタメ時代劇でありながら、殺陣シーンのインパクトに欠けた印象になってしまったこと。観客も『るろうに剣心』のような比較対象となる前例を見ていたこともあり、今作『無限の住人』の演出・カメラワークでは、ストーリー構成上の欠点を補えるほどのインパクトは残せなかった様です。

ただし、全てが不評だったわけではなく、木村拓哉さんの演技、オープニングの演出方法、クライマックスの大立ち回りなど、要所要所については好意的な意見も見られました。木村拓哉さんのファン、三池監督のファン、原作ファンの方で、少しでも気になっている場合は、低評価を踏まえた上で見てみると、楽しめる部分が見つけられるかもしれません。

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