となりのトトロのおばあちゃんの声優は？方言や名言・年齢設定まとめ

カンタのおばあちゃんの声優や方言についてまとめていく前に、『となりのトトロ』についての作品情報を紹介していきます。また、おばあちゃんはどんな人物であるのかも解説しますので、あらかじめ読んでおくと後述のまとめがより一層楽しめます。

『となりのトトロ』はスタジオジブリが制作して1988年に公開された長編アニメーション映画です。監督・脚本・原作は宮崎駿、音楽は久石譲が担当しています。時代設定は昭和30年代前半で、物語はトトロという子供にしか見る事が出来ない生き物と、田舎に引っ越してきたサツキとメイの姉妹の交流を描いています。序盤から中盤まではほのぼのとした展開で進みながらも、ラストは感動的なものとなっています。

公開終了後に評価されるようになり人気となっている『となりのトトロ』ですが映画の配給収入は5.9憶円、観客動員数は80万人という結果で大幅な赤字となってしまい、その資金回収として1989年に公開された『魔女の宅急便』が制作される事となりました。しかしスタジオジブリの最新作が公開される前夜に金曜ロードショーなどで放送される事が多く、毎回高視聴率を記録している事からファンに長年愛され続けている事が分かります。

草壁一家の長女・サツキと次女・メイは父と共に母の病気の療養のために田舎の農村へ引っ越してきました。新しく住む事になった家はボロで今にも壊れそうな雰囲気でしたが、となりの家の優しいおばあちゃんをはじめ良い人ばかりが住んでいるのどかな所であったため、サツキとメイは新しい生活にすぐに馴染みました。しかし新しい家に黒いおばけのまっくろくろすけが現れた事でサツキとメイは驚きます。

おばあちゃんによるとそれはススワタリという子供にしか見えない害の無い生き物で、人が住み始めるといつのまにかいなくなってしまうのだという事でした。自分の家がおばけ屋敷かもしれないという事に胸をときめかせていたサツキとメイはおばあちゃんの言葉を聞いてがっかりします。後日、サツキとメイは父と共に入院している母のお見舞いに向かい、新しい家がおばけ屋敷だという事を母に伝えます。

サツキとメイは母はおばけ嫌いなのではないかと心配しましたが、母が『早く退院しておばけに会いたいわ』と言ってくれた事で安心し、早く退院してくれる事を願うのでした。そんなある日、メイが庭で遊んでいると見た事も無い不思議な生き物と出会います。近づいてみるとその生き物は走り出して逃げたため、メイも走って森の中まで追いかけます。そしてメイは森の中で大きな生き物・トトロに出会います。

トトロのお腹の上でいつのまにか寝てしまったメイでしたが、気が付くとトトロはいなくなっていました。メイはトトロの事を父とサツキに伝えますが、2人は笑い出して信じてもらえません。しかしメイが泣きそうになりながら必死に伝えた事で父とサツキは信じる事にします。父はトトロとは森の主でなかなか姿を見せないのだとメイに伝え、サツキは自分もトトロに会ってみたいと願いながら母への手紙を書くのでした。

『となりのトトロ』に登場するおばあちゃんは、物語に欠かせない重要人物です。サツキの転校先のクラスメイトで隣の家に住んでいる大垣勘太(カンタ)の祖母で、同じく隣の家に住んでいます。草壁家が越してくるまで家の管理をしており、引っ越し作業も手伝っていました。穏やかで優しいおばあちゃんで、サツキとメイの面倒をよく見ていますが、カンタが粗相をした時などは大声で怒鳴りつけるなど恐い面もあります。

メイが迷子になった時には村の誰よりも心配して率先して捜索し、見つかった時に涙を流しながら抱きしめるシーンは涙を誘います。知識に関してはさすがおばあちゃんといったところで、メイが初めてまっくろくろすけを見つけた時にはどんな生き物なのかを教えるなど豊富な知識を持っています。言葉はおばあちゃんらしい田舎の方言で話しますが、どの地方の方言であるのかはこれから調査したものを後述で解説していきます。

おばあちゃんのフルネームは不明となっており、分かっている事は孫のカンタと同じく名字が大垣だという事です。スタジオジブリの公式でも名前は『カンタのおばあちゃん』とだけ書かれており、宮崎駿監督によるおばあちゃんの名前についての発言もないため、知る事は出来ない状態です。ちなみにおばあちゃんの娘の息子がカンタですが、カンタと名字が同じであるのはカンタの父が婿養子であるからです。

ここでは『となりのトトロ』の登場人物であるカンタのおばあちゃんの声を担当した声優について紹介していきます。田舎の方言で話す事が特徴で、身近に感じる事が出来る自然なおばあちゃんを演じた声優とはいったいどんな人物なのでしょうか?

『となりのトトロ』でカンタのおばあちゃんの声を担当している声優は北林谷栄です。東京都出身で1911年5月21日生まれで、2010年4月27日に肺炎のため98歳で亡くなりました。元々は女優として1936年にデビューし、舞台・映画・テレビドラマなどで活躍していました。声優としては主に海外映画の吹き替えを務める事が多く、ベティ・デイヴィスやヘレン・ヘイズの担当声優として知られています。

声優としての北林谷栄は海外映画での吹き替えが多く、ベティ・デイヴィスの担当声優として『イヴの総て』や『何がジェーンに起こったか?』、ヘレン・ヘイズの担当声優として『魔術の殺人』や『カリブ海の秘密』に出演しました。またディズニー映画への出演も多く、『白雪姫』の女王や『眠れる森の美女』のマレフィセント、『シンデレラ』の継母を演じた声優として知られています。

カンタのおばあちゃんの声優を担当した北林谷栄はデビューしてしばらくすると老け役ばかりを演じるようになり、30代後半になってくると『老女役は北林』と世間に言われるようになってきました。主に田舎の農村のおばあちゃんを演じる事が多く、衣装はすべて自分で用意していたという逸話もあります。2003年に行われた最後の舞台『北林谷栄の世界』に出演するまで多くのおばあちゃんを演じた『日本一のおばあちゃん』女優です。

『となりのトトロ』の舞台となっており、草壁家やおばあちゃんが住んでいる地域・松郷のモデルとされているのは、映画の監督を務めた宮崎駿の自宅もある埼玉県所沢市松郷と言われています。また、所沢は『所沢にいるとなりのオバケ』という事でトトロの名前の由来にもなっています。ちなみに、物語の終盤でねこバスの行き先として松郷に隣接している地区・牛沼も表示されます。

所沢市にも方言は存在し、『そんだんべえ』『そうすんべえ』など『べえ』が付く言葉が多い事が特徴です。ひと昔前には『べえ』という事が多い所沢市民をからかって、東京の都会人が『所沢のべえべえ言葉』と称する事も少なくなかったようです。

『となりのトトロ』のおばあちゃんの方言は、先述した所沢のものに近いようにも感じられますが、他にも『べえ』という言葉を使う地域は多く存在しています。公式でもおばあちゃんの方言について述べられてはいないため、おばあちゃんの方言は不明となっています。

先述したように、おばあちゃんの方言はどこの方言かは不明となっていますが、これは監督を務めた宮崎駿がおばあちゃんの方言を特定出来ないようにする事で、『もしかしたら自分の地域かも?』と視聴者に思わせて『となりのトトロ』を身近に感じてほしいという配慮がされているのです。

『となりのトトロ』には多くの木々や森が登場し、視聴者にどこか懐かしさを感じさせてくれるものとなっていますが、この背景も方言と同じように様々な種類の木を使う事で、どの地域ともとれるような配慮がされています。これは、もし自分の住んでいる家の近くにトトロがいたら嬉しいと視聴者に思ってもらうために宮崎駿が考えたアイデアです。

劇中で、サツキとメイは父の運転する自転車に乗って母のお見舞いに行きますが、この時にサツキが畑仕事をしているおばあちゃんにその事を伝えるシーンがあります。するとおばあちゃんは『そらえらいよな～、よろしく言っとくれー』と返します。この『えらい』という言葉は2つの意味があり、1つは褒める意味での『偉い』、もう1つは地方の方言で『えらい(大変)』という意味になります。

シーンの内容から言ってどちらの意味でも自然な言葉となっていますが、『となりのトトロ』は所沢を舞台にしているという事を考えると、『偉い』の方の意味であるのではないかと多くのファンは考察しています。

メイが迷子になったシーンで、サツキがねこバスに乗ってメイの元へと向かっている時におばあちゃんを見かけますが、おばあちゃんは『メイちゃーん』と大声でメイの事を必死に探していました。おばあちゃんがメイの事を本当の孫のようにかわいがっている事が分かる名セリフです。

おばあちゃんが畑で作った野菜の収穫をサツキとメイが手伝い、その後みんなで食べるシーンがありますが、この時のおばあちゃんは『お天道様いっぱいあびてっから…』という名セリフを発言します。その言葉を聞いたサツキは『おばあちゃんの作った野菜を食べたらどんな病気でも治っちゃう』と言って笑顔で野菜を食べていました。

『はい、こんにちは。賢そうな子だよぉ…』は、おばあちゃんが初めてサツキの挨拶を受けた時に発言した名セリフです。おばあちゃんの初登場シーンでのセリフで、方言が強く出ている事が特徴です。

『ほぉほぉ。イヤイヤイヤ…』は、メイがまっくろくろすけを捕まえた時におばあちゃんが発言した名セリフです。おばあちゃんはまっくろくろすけの事をススワタリと呼んでおり、子供の頃には自分も見えていたという事でした。

『そろそろ洗濯物をしまわねぇと…』は、サツキとメイの母の容体が悪くなって退院の日が伸びた時に、最悪の事態を思い浮かべてしまったサツキを慰めるために言ったおばあちゃんの名セリフです。

『となりのトトロ』の主人公の1人・草壁さつきの年齢は12歳で、小学6年生です。『となりのトトロ』の制作当初は10歳という設定でしたが、サツキがあまりにしっかりしすぎているために12歳に変更されたという裏話があります。

『となりのトトロ』のもう1人の主人公・草壁メイの年齢は4歳です。年相応に無邪気な元気さがあり、わがままな部分も目立ちます。また、『トウモロコシ』の事を『トンモコロシ』と言ってしまうシーンは4歳という年齢の可愛さを感じられます。

サツキとメイの父・草壁タツオの年齢は32歳です。サツキが12歳なので20歳の時にサツキが生まれた事が分かります。少し頼りない印象を受けますが、落ち着きがあって優しい父です。

サツキとメイの母・草壁靖子の年齢は草壁タツオと同じく32歳です。若いお母さんですが病気のため入院中となっているため、一刻も早く治して家族全員で暮らせる事を願っています。

カンタのおばあちゃんの年齢は公式で発表されていないため不明となっています。しかしファンによって様々な考察がされており、時代設定が昭和30年代という事と孫のカンタが12歳という事を考えると50代前半だという意見が有力です。

サツキとメイが住む家の近くにある森の主である大トトロの年齢は1302歳です。普通の生き物では考えられない年齢となっていますが、精霊というわけではなく動物であるという事です。

メイよりも小柄な身体と、大トトロと同じ模様な事が特徴の中トトロの年齢は679歳です。後述する小トトロと一緒にいるところをメイに発見されたシーンで初登場し、走って森の中に逃げて行っていました。

身体が小さくて毛が白い事が特徴の小トトロの年齢は109歳です。身体を透明にして姿を消す事ができ、普段は半透明で過ごしています。作中で初めて登場したトトロでもあります。

カンタのおばあちゃんが好きすぎる事で、『となりのトトロ』を見ると毎回真似してしまうという視聴者の感想があります。おばあちゃんは方言も含めて個性の強い人物なので、真似がしやすいという意見も多くあります。

今回のまとめでおばあちゃんの名セリフ集を紹介しましたが、おばあちゃんには他にも多くの名セリフが存在します。『となりのトトロ』のファン達は心に残る名セリフの数々をTwitterにアップして楽しんでいます。

おばあちゃんが『メイちゃーん』と叫びながらメイを探している場面は名シーンの1つとなっているため、非常に多くのファンがTwitterでこの言葉をアップしています。ファン達は、特に何かを探している時にこの名セリフを使う事が多いようです。

スタジオジブリのアニメ映画『となりのトトロ』に登場するカンタのおばあちゃんについて、方言や声優などを含めて紹介してきましたがいかがだったでしょうか?存在感抜群のおばあちゃんは、『となりのトトロ』にいなくてはならない重要な人物である事が分かります。