2019年06月10日公開
2019年06月10日更新
風の谷のナウシカの登場人物や声優キャストは?あらすじや魅力も紹介!
『風の谷のナウシカ』。このナウシカこそスタジオジブリ第1作のアニメーション作品であると多くの人が明言する事でしょう。しかし風の谷のナウシカは、スタジオジブリで製作したアニメ映画ではないというのはご存知でしょうか。またファンの方だけにしかわからない、登場人物や動物の名前や年齢の秘密など沢山あります。そこでこの記事では、『風の谷のナウシカ』の登場人物、動物や舞台を深掘りし作品に携わった声優さんやスタッフを画像を踏まえて紹介します。
ナウシカの登場人物の名前&画像
まずは『風の谷のナウシカ』の登場人物を画像も併せて紹介致します。映画のタイトルや宮崎駿監督が初めて手がけたオリジナル作品であることはわかっていても、キャラクターの設定や画像は知らないと物語を深く知ることは難しいです。これを読めばどういった人物が登場し劇中でどんな活躍をするのかが分かります。
登場人物の名前①ナウシカ
物語の主人公であるナウシカ。彼女は自治国風の谷で族長ジルの娘であり、風の谷の住人からは『姫姉さま』と呼ばれる事があります。度々腐海の森へ愛用のメーヴェを使って探索をするなど意外と行動派。また自己犠牲精神もとても強く、戦争に巻き込まれた時も自分の命を投げ打ったり、自ら人質になるなどもしています。
公式設定によるとナウシカの年齢は16歳。後にナウシカと同時に物語に関わるアスベルも同じ年齢となります。16歳という若さながらこれだけ風の谷の住人に愛されているということは、ナウシカがこれだけ信頼できる存在であると同時に風の谷に無くてはならない人物であるという事が伺えます。
登場人物の名前②ユパ・ミラルダ
ナウシカの父ジルの旧友で師匠とも呼べる存在であるユパ・ミラルダ。物語の冒頭で王蟲の襲撃に会い、ナウシカに助け出されるシーンにて登場します。風の谷ではナウシカだけでなく他の住人にも信頼が厚い人物です。腐海の謎を解くためにトリウマのカイとクイと共に旅を続けています。
その後、ナウシカがトルメキアの皇女クシャナと一緒に行動することとなり、トルメキアに復讐心を持っているアスベルと共に行動。エピローグではアスベルと共に再び旅を続けることとなります。なお原作ではトルメキアに復讐心を持つ士鬼の襲撃にあい命を落としてしまいます。
登場人物の名前③クシャナ
トルメキアの第4皇女であるクシャナ。軍の最高司令官であり容姿端麗。絶大な信頼を誇り敵対する軍政からは『トルメキアの白い魔女』とも評されている人物です。冷酷な正確なゆえ、感情起伏を表に出すことは少ないものの、母親への侮辱行為に対しては怒りを出してしまう事があるようです。
トルメキアは風の谷と敵対関係にあるものの、腐海排除のためにナウシカの父ジルに要請。しかしジルは病床で倒れていたため、ナウシカが代わりに出征することとなり、共に行動することとなります。鎧に包まれている姿をしていますが、これは身体の一部が失われた事を隠すためでもあります。
登場人物の名前④クロトワ
クシャナ軍の参謀であり側近でもあるクロトワ。風の谷のナウシカで数少ないコメディリリーフの立場でいます。船乗りから軍事学校を卒業した経歴を持っており、クシャナ軍に所属している兵士からはとても大きな信頼関係を築いています。口が悪く人の死も不幸も自明のものとして関与しない頑な性格もしています。
また原作では設定が異なっており、トルメキアの国王であるヴ王からクシャナを抹殺するよう命じられていました。しかしこのことは物語が進むにつれてクシャナにバレてしまい、最終的にはクシャナに寝返って行動。クシャナとは相互的な補佐役となり、信頼関係も厚くなっていきます。
登場人物の名前⑤アスベル
アスベルはトルメキアに滅ぼされたペジテの王子です。自国を滅ぼしてしまったトルメキアに敵対心を持っており、ガンシップと呼ばれる乗り物にのってクシャナの艦隊を襲撃します。しかし同時にガンシップも墜落し腐海に墜落。その時にクシャナの艦隊にいたナウシカと出会います。
ナウシカの行動に賛同することとなったアスベルは、妹ラスカルから預かっていた秘石をナウシカに託し、ユパと共に行動。一連の事件が終結した後はユパと共に旅をする事となります。宮崎監督は『ナウシカのお相手になると考えていたもののあえてはずした』という発言をしており、両想いになる事はありませんでした。
登場人物の名前⑥ミト
ミトは、風の谷にある城の兵士城オジと呼ばれる男性の一人です。ナウシカの忠臣でもあり、時と場合によってナウシカやユパと行動する事があります。城オジにはミト以外に、ゴル、ギックリ、ムズ、ニガがおり状況に応じて行動を起こし、トルメキア軍に反乱を起こそうと自走砲と呼ばれる砲撃を奪うなどの行動をしています。
登場人物の名前⑦大ババ
大ババは、風の谷の最長寿で知恵袋的存在の人物です。年齢は100歳。ナウシカやジル、ユパを呼び捨てにするほど立場の高い人物です。しかしナウシカとジルとは血縁関係がなく、親子ではありません。トルメキア兵やクシャナ達に対しても、穀然とした態度をとって存在感を見せつけております。
ナウシカの声優の名前&年齢
出典: https://ciatr.jp
続いて、風の谷のナウシカに出演した声優の方々を現在の年齢と合わせて紹介致します。年齢に付きましては2019年6月現在のものを紹介させて頂きます。また作品に参加されている声優の方は鬼籍に入られている方もいらっしゃいます。その場合は亡くなった時の年齢で記載をさせていただきます。
声優の名前&年齢①島本須美
島本須美さんは、主人公ナウシカ役としてご出演されました。2019年6月現在の島本さんの年齢は64歳。ナウシカ公開時は30歳であり、公開が35年以上経過した現在でも第一線で声優活動を行なっております。島本さんは1977年に俳優としてテレビデビューをしますが、1979年に声優としての活動を開始します。
宮崎監督のアニメ作品にはナウシカ以外にも、1979年宮崎監督初作品でもある『ルパン三世カリオストロの城』のヒロインであるクラリス役。1988年公開の『となりのトトロ』では草壁サツキと草壁メイの母靖子役。そして1997年公開の『もののけ姫』ではトキ役としてそれぞれご出演されています。
また、宮崎監督作品以外にも数多くのアニメ作品に出演。1985年には世界名作劇場『小公女セーラ』で主人公セーラ・クルー役として。また1988年からは『それいけ!アンパンマン』にてしょくぱんまん役として出演するなど、現在でも続く人気作品や後世に残るアニメ作品に主役端役問わず出演されております。
声優の名前&年齢②榊原良子
榊原良子さんはクシャナ役として風の谷のナウシカに出演されました。2019年6月現在の年齢は63歳。ナウシカ公開時には28歳の時に出演されました。榊原さんは現在ナレーターとしての活動が主となっており、ニュース番組をはじめ数多くのドキュメンタリー番組にて活躍をされております。
榊原さんはクシャナやナレーター以外にも、機動戦士Zガンダムシリーズのハマン・カーン役や機動警察パトレイバーの南雲しのぶ役といった勝気で強い女性役を多く熱演しております。2015年には劇場版『名探偵コナン業火の向日葵』にて圭子・アンダーソン役として出演しており、現在でも第一線で活躍されております。
声優の名前&年齢③松田洋治
松田洋治さんはアスベル役として出演。2019年6月現在の年齢は51歳であり劇場公開時には17歳の若さでした。松田さんは宮崎監督作品はナウシカの他、1997年公開の『もののけ姫』で主人公アシタカ役として出演されております。また1997年に大ヒットとなった『タイタニック』にてレオナルド・ディカプリオの吹き替えも担当されました。
1972年に児童劇団に入団し俳優としてデビュー。1974年の特撮番組『仮面ライダーアマゾン』にて岡村まさひこ役として出演して以降、数多くのドラマに子役として活躍し、現在は俳優活動の傍らで専門学校にて演技指導を行い、後世の育成にも取り組んでおられます。
声優の名前&年齢④富永みーな
富永みーなさんはアスベルの妹ラスカル役として出演されました。2019年6月現在の年齢は53歳であり、18歳の時に風の谷のナウシカに出演されておられました。富永さんも松田さんと同じく児童劇団の出身であり、1975年より海外ドラマ『大草原の小さな家』にて声優としてデビューをし、活動を開始します。
富永さんはこの他にも、『サザエさん』の磯野カツオ役。『それいけ!アンパンマン』のロールパンナ役とドキンちゃん役。またテレビのナレーションとしてテレビ東京系列で放送されている『開運!なんでも鑑定団』のナレーターも担当し、現在でも第一線にて声優活動を続けておられます。
声優の名前&年齢⑤納谷悟朗
納谷悟朗さんはユパ・ミラルダ役として風の谷のナウシカに出演されました。残念ながら2013年に83歳で他界してしまいましたが、ナウシカ公開時には51歳の時に参加されています。納谷さんはテアトル・エコーの劇団員としても数多くの舞台にご出演され、数多くのアニメや海外映画の吹き替えに出演されました。
納谷さんは『ルパン三世シリーズ』の銭形幸一警部を第1作から2010年のスペシャルシリーズまで、39年に渡って出演されました。また弟の納谷六朗さんも声優として活躍しており、『クレヨンしんちゃん』の園長先生役を長く勤めてました。残念ながら六朗さんも兄の後を追うように2014年に逝去されました。
ナウシカのあらすじ
風の谷のナウシカは原作者で映画の脚本・監督も勤められた宮崎駿さんが、アニメ雑誌『アニメージュ』にて掲載されていたSF作品です。原作執筆中に劇場版アニメとしての公開が決まったため、映画と原作とではあらすじも大きく異なっております。アニメ映画では原作の第1巻から第2巻あたりまでをアレンジして製作されました。
ここではあらすじを大まかに説明すると同時に、物語の舞台背景を画像を交え事細かに紹介してまいります。ナウシカをこれから見始める方も、何度も見返しているという方も、舞台背景や人物の設定を理解すれば、より深くナウシカの世界に触れる事が出来るでしょう。
1000年後の世界
高度産業文化が発展したにも関わらず『火の七日間』と呼ばれる戦争によって、なにもかもが崩壊した1000年後の地球が物語の舞台です。汚染されてしまった大地には『腐海』と呼ばれる森に巨大生物王蟲も生息しはじめており、荒れ果てた世界へと変貌してしまいました。
辺境地にある『風の谷』は、腐海から発する毒を酸の海から吹く風によって守られ、のどかな農耕生活を送る一帯。病床で伏せている族長ジルの代わりに国を納めているのが主人公のナウシカです。風の谷の住人からも深く敬愛されており、腐海に住む虫や動物たちにも心を通わせる優しい少女です。
巨神兵とトルメキア
そんなある日の事、風の谷の西方にある戦力国家トルメキアの輸送機が墜落する事故が発生。輸送機には1000年前に世界を焼き痛くしたという巨大兵器の『巨神兵』の胚が積まれていました。風の谷に撃墜されたと勘違いをしたトルメキア軍は侵攻を試みるも、ユパの説得により和解をしました。
しかし襲撃の際に、トルメキア軍はナウシカの父ジルを殺害。司令官の皇女クシャナは巨神兵を使って、腐海を焼き払うことを計画しており、トルメキア本国ではなく風の谷にて巨神兵を完成させ計画を実行することとなります。失意の念からナウシカは自らトルメキア軍に捕虜となってしまいます。
危機に陥る風の谷
風の谷の住人たちは、トルメキア軍の行動に半旗を掲げたのですが、そこに暴走してしまった王蟲が風の谷を襲ってくるという知らせが入ってきました。王蟲の暴走を巨神兵の力を使って止めようとクシャナは実行しようとしますが、巨神兵の力は完全ではなく、すぐに生き絶えてしまいました。
王蟲の暴走を止めようとナウシカは自らメーヴェに乗り込みますが、ナウシカは暴走する王蟲を止める事が出来ず跳ね飛ばされてしまいました。その時に風の谷に古くから伝わる救世主伝説が蘇るような出来事があり、風の谷も王蟲も平和を取り戻す事が出来たのです。
ナウシカの魅力
『風の谷のナウシカ』は魅力的な登場人物や動物、そして壮大なストーリーだけではありません。宮崎駿監督を初めとしたスタッフが作り上げた努力。広大な宣伝活動で大ヒットにつながりました。ここでは作品に関わったスタッフや主題歌や劇中音楽を担当した安田成美さんや久石譲さん。またアニメ版や原作との相違点を紹介します。
また劇中に出てくる腐海の設定、ナウシカが愛用する飛行装置メーヴェやメーヴェを実現したプロジェクト。そしてナウシカの影響を受けて作られた作品の数々も併せて紹介してまいります。宮崎監督がナウシカを通じて描きたかった事はなんだったのかもこちらで紹介していきます。
スタッフ&制作体制
1983年にアニメ映画として製作されることとなったナウシカ。宮崎監督と仕事関係での仲間だった高畑勲さんがプロデューサーとして参加する事となりました。ナウシカが映画としてヒット後、宮崎監督と高畑さんは、スタジオジブリ設立後『天空の城ラピュタ』を始め、双方共監督及びプロデューサーを担当する事となります。
また、のちに数多くの名作を作るアニメーターもナウシカに参加しております。『ふしぎの海のナディア』や『新世紀エヴァンゲリオン』などの監督を務める庵野秀明さんもその一人です。庵野さんは宮崎監督作品のアニメ作品にも数多く参加し、1997年の『もののけ姫』まで連続して参加し『風たちぬ』では声優としても参加しています。
制作した会社
皆さんは『風の谷のナウシカ』がスタジオジブリ第1作目のアニメーション作品と思われているのではないでしょうか。しかし実際はスタジオジブリではなくトップクラフトというアニメ制作会社がナウシカを製作しております。トップクラフトは1972年に東映動画(現:東映アニメーション)出身の原徹さんが設立したアニメ製作会社です。
主に海外向けのアニメ放送のために作られた会社であり、『海底2万マイル』、『フライト・オブ・ドラゴン』といった作品を製作。また日本のアニメ作品にも下請けとしてを数多く参加しております。ナウシカがヒットしたことにより協賛元の徳間書店が出資をして、トップクラフトを解散する形でスタジオジブリが誕生。現在に至ります。
画期的な邦画アニメ
風の谷のナウシカは映画化しても興行収入は見込めないのではと考えておりました。しかし漫画掲載を行なっていたアニメージュの出版元である徳間書店は、宮崎監督の特集を組むなどをして新しいアニメファンを獲得する事を行うようにしました。アニメージュ編集部ではいち早く宮崎監督の才能に見抜いていたのです。
徳間書店も配給元の東映も大々的に宣伝活動を敢行。結果として配給収入が7億4000万円という記録を達成。さらに1984年度毎日映画コンクール大藤信郎賞を受賞をはじめとした数多くの賞を受賞するなど、興行的にも作品的にも大成功をし、邦画アニメとして新しい分野を開拓し始めたのです。
魅力的な音楽
風の谷のナウシカは、アニメーターが丁寧に美しく描いた世界観を映し出しただけではありません。劇中で流れていく久石譲さんの音楽や、安田成美さんが歌唱されたイメージソングも高評価を得ております。特に久石さんは宮崎監督のアニメ作品には無くてはならない存在となり、以降スタジオジブリ作品のアニメ映画で音楽を担当する事となります。
主題歌を歌った安田成美
『風の谷のナウシカ』の主題歌を歌唱したのは、当時芸能界デビュー3年目であった女優の安田成美さんです。1981年にスカウトにて芸能界デビュー。1983年に風の谷のナウシカのイメージガールオーディションを受け見事合格し、イメージソングとして主題歌を担当。その後数多くのドラマに出演する等活躍をされております。
楽曲はオリコンシングルチャート10位にランクインされ、スタジオジブリ関連のアルバムにも収録されています。しかし残念なことにこの主題歌は映画内では使用されず、イメージソングとして使われるだけでした。原因は数多くありますが、宮崎監督の意向によるものと、映画のイメージが曲と違うというのが大きな理由のようです。
音楽担当は久石譲
劇中音楽を担当されたのは、のちに宮崎監督製作のアニメ作品でも劇中音楽を担当することになる久石譲さんです。久石さんは当初イメージアルバムのみ担当することになっていたものの、宮崎監督や高畑プロデューサーの推薦で、劇中音楽も担当する事になりました。
これまでも久石さんは本名の藤澤守名義で数多くのアニメやドラマで劇中音楽を担当していました。しかし『風の谷のナウシカ』のヒットにより久石さんの名も知れ渡るようになり、一躍脚光を浴びることとなります。久石さんはこの作品がきっかけで宮崎監督のアニメ作品のほか、様々な邦画の劇中音楽も手がけるようになりました。
原作との相違点
劇場版での公開が終了後、アニメージュでの漫画掲載は再開され『風の谷のナウシカ』は無事完結しました。アニメ映画では原作が掲載されている途中で、製作が開始されたので2時間の尺の中で、物語のエッセンスを詰め込むかが、宮崎監督も難しかったと後年語っておられます。
原作では登場していた土鬼諸侯連合は登場しておらず、トルメキアが軍事大国として登場するのみとなりました。またラストシーンで王蟲に飛び込むナウシカが飛び込んだ後、不死鳥のように蘇る場面も絵コンテの段階ではこれで終わりという案で考えていました。しかし高畑さんの指導で死んだ後蘇るという設定を付け加えたそうです。
腐海の存在
腐海の存在ものちに原作と同じ設定をつけることとなりました。宮崎監督は作中を通じて自然共存と科学技術の対立を『風の谷のナウシカ』を通じて描いたと発言しており、腐海についても科学が招いた遺産という設定でした。これは原作でも同であり、物語の冒頭でも語られております。
腐海の正体とは?
『火の七日間』終結後に誕生した新しい生態系の世界であり、王蟲を初めとした異形の動物たちはこの腐海に住んでいます。従来の生態系や人類を脅かす存在として恐れられているものの、自然発生したものではなく、科学技術によって作られた一種の浄化装置であり、数千年をかけて世界を浄化させる目的で存在し、徐々に面積を広げているのです。
ナウシカ愛用のメーヴェ
ナウシカが劇中でよく使う飛行用装置『メーヴェ』。ドイツ語でカモメを意味するこの飛行器具は、工業大国エフタフで使われていた一人用ないし二人用の軽量飛行装置です。モーターエンジンがついているものの、どちらかといえばグライダーのように滑空するのが基本的な使い方となっています。
架空の飛行装置ではあるものの、2016年に制作費1億円をかけて製作。北海道の滝川にて試験飛行にも成功しています。構想から製作まで16年もかかりましたが、実際ナウシカの世界と同じように空を飛ぶことができたのです。現在のメーヴェ開発事業については動きはありませんが、今後も新しい動きに注目したいところです。
ナウシカ達は造られた人間?
出典: https://prcm.jp
原作ではナウシカたちは1000年前に起きた『火の七日間』によって滅ぼされた世界をリスタートさせるために造られた人間である事が、物語の終盤で確認できます。しかし劇場版アニメではこのような設定を語る事はなく物語が勧められており、人造人間であるという設定もなかった事になっています。
劇場版の出来事は原作物語の一部分である事。また映画製作の際に宮崎監督は「原作だけでしか描けないものも描きたい」という理由で漫画掲載をスタートさせました。消化不良となってしまう部分があった劇場版も原作漫画を作ることによってその内容を深く掘り下げることにも成功したのです。
勢力図について
それぞれの舞台背景と勢力を、画像を加えてもう少し詳しく説明してまいります。SFファンタジーというと物語の舞台はどういう設定でどんな舞台がいるのかというのかが知りたいところです。物語の背景をある程度知れば、劇場版だけでなくても原作漫画も詳しく内容を知る事が出来るでしょう。
風の谷
人口500人程度の辺境地域。主人公のナウシカをはじめ父のジル、ユパはこの地域に住んでいます。酸の海から流れる風の力で回す風車を使って水を汲み上げ、生活水として使用するなどをして生活をしています。ナウシカはユパに師事を受けて剣術の能力が高く、ユパは『魔境辺境一の戦士』と評されるほどの戦力を持っています。
城オジ
城オジは風の谷にある城を守る兵士として、ナウシカやジル達の衛兵です。腐海の毒によって身体の一部分の能力を失われて農作業が出来なくなったものの、風の谷の戦士として活躍していました。しかしトルメキアとの件で反乱を起こしてしまい、風の谷の住人がトルメキアに反感を持ってしまう元凶を作ってしまいました。
トルメキア
風の谷の西方にある戦力国家。原作では風の谷と同盟を結んでいるものの、劇場版では武力侵攻へやってきた敵国として登場します。皇女のクシャナをはじめとした参謀で側近のクロトワはこの国の軍に所属しています。トルメキアは数多くの文明が発達したものの、いずれも廃墟化してしまっております。
巨神兵
巨神兵は『火の7日間』で世界を焼き払ったとされる人工的に造られた巨大生命体です。ベジテ市の地下の中で卵の姿で発見され、トルメキアが奪取後に大型船にて輸送をしていました。しかし王蟲の襲撃にあいさらに舵取りを間違えて風の谷に墜落。クシャナが風の谷で蘇生しようとしたのです。
ペジテ市
都市国家の一つであり、『火の七日間』以前の遺跡からセラミックやエンジンを発掘して加工供給をしている工房都市でした。物語の発端としてこのペジテ市があります。ペジテ市の地下深くに巨神兵の卵が見つかり、トルメキアの侵攻を受け街は破壊。残った住民も王蟲に襲われるなどし、アスベルを残して全滅してしまいました。
作品についての反響
風の谷のナウシカは1983年5月に初公開されると1984年3月までロングラン上映。上映中にWWF世界野生保護基金(現:世界自然保護基金)に推薦され、さらにはキネマ旬報賞読者選出日本監督賞、第16回星雲賞映画演劇部門・メディア部門にて大賞を受賞するなどの日本のみならず海外でも高評価を得られました。
また原作本についても、第26回星雲賞漫画部門で大賞に選出されたり、VHS、DVD、ブルーレイを合わせた映像ソフトも累計100万本を突破したり、日本テレビ系列の『金曜ロードショー』で2年に1度の割合でテレビ放送されるなど、現在でも人気の高い作品となっております。
スタジオジブリの原点的存在
『風の谷のナウシカ』公開から2年後、トップクラフトはスタジオジブリに改変する形をとって解散し、宮崎監督は『天空の城ラピュタ』を製作。以降、『となりのトトロ』『魔女の宅急便』の長編アニメをはじめ、短編も含め数多くのヒット作品を手がけられました。
またプロデューサーを務めた高畑勲さんも、2018年に逝去されるまでスタジオジブリのアニメ作品に参加。『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』といった長編アニメを製作し、スタジオジブリが世界に誇れる日本のアニメーション製作会社となり、風の谷のナウシカはジブリ発足の原点ともなった作品にもなったのです。
影響を受けた作品
『風の谷のナウシカ』や宮崎監督の作品作りに対するこだわりに共感をもち、後継者として活躍するアニメーターは多数いらっしゃいます。原画として参加した庵野秀明さんが監督を務めた『ふしぎの海のナディア』にもナウシカやジブリ作品のコンセプトを受けて製作されています。
また、数多くのアニメーターがジブリ作品に参加し独立後、宮崎監督や高畑さんの作品作りの姿勢を持って製作されたアニメ作品が現在公開されている事も多くなっております。ここでは現在発表されているジブリ作品に影響を受けたアニメーターの最新作をビジュアルなどの画像と合わせて紹介します。
きみと、波にのれたら
こちらは、『クレヨンしんちゃん』や『ちびまる子ちゃん』の原画マンとして活躍し、ジブリ作品では『ホーホケキョとなりの山田くん』に原画として参加した湯浅政明さんが監督を担当した最新作、『きみと、波にのれたら』のビジュアル画像です。どこかしらナウシカやアスベルの雰囲気を漂わせているイメージが出ています。
天気の子
続いては2016年に大ヒットをした『君の名は。』をはじめとしたオリジナルアニメ作品を手がける新海誠さんの最新作『天気の子』のビジュアル画像です。新海さんはもともと日本ファルコムというゲーム会社に勤務しており、イラストやアニメなどのパッケージを手がけその後独立し、2002年にアニメ監督としての活動を開始しました。
もともと日本ファルコムはイースというファンタジーRPGを中心に製作しているゲーム会社であり、少なからず宮崎監督が目指している伝記映画に影響し、ゲーム作りを行なっております。『君の名は。』で披露されたSF要素もこれまでの勤務経験で活かされたものが、アニメ作品として表しているのでしょう。
あした世界が終わるとしても
そしてこちらは、『あした世界が終わるとしても』の小説の表紙です。プロデューサーは『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』の製作に関わってきた石井朋彦さん。またジブリの短編アニメ『毛虫のポロ』にで3Dアニメーターとして参加した櫻木優平さんが監督、脚本として参加しています。
ナウシカの動物の名前&画像
ナウシカは登場人物だけではなく、物語に出てくる動物たちも魅力が溢れるものとなっています。ナウシカの相棒となるキツネリスのテトや、巨大生物王蟲。そしてロボットのような存在である巨神兵。架空の動物ながらも現実にいたら、楽しいし怖いだろうと感じる部分もあります。画像と一緒に合わせて一体ずつ紹介してまいります。
動物の名前&画像①テト
テトは物語の冒頭で、王蟲に襲われていたところをユパに助けられたキツネリスと呼ばれる架空の動物です。警戒心が強く人間に懐くことはなく気性の荒い生き物であるとユパに説明されましたが、ナウシカが平等に動物を愛する姿勢を感じたのか、すぐに懐いてしまい、以降ナウシカの肩の上や胸の中にいる事となります。
また宮崎監督の次作である『天空の城ラピュタ』でもキツネリスが作中内に登場。パズーとシータが浮遊城ラピュタに到着した時、庭師ロボットの周り群で戯れている姿が描かれています。作中ではラピュタやナウシカとの関連性は無いものの、こういった別世界で登場するということは他のジブリアニメでも描かれています。
動物の名前&画像②王蟲
腐海に生息する動物でありもっとも大きな存在であるのが王蟲です。昆虫類の『虫』と区別するため『蟲』という使われています。脱皮を繰り返しながら成長を続け、体調は約80mまで成長するという生き物。特徴的な14個の眼は怒りを表すと赤くなり怒りをあらわにするなど、高度な知性を持っております。
動物の名前&画像③巨神兵
ペジテ市に現れた王蟲の大群の怒りを食い止めるため、風の谷で羽化した巨神兵。登場するシーンは少ないものの、不完全な状態で登場した姿に圧倒された人も多いのではないでしょうか。ちなみにこの巨神兵が登場する姿を描いたのは庵野秀明さんが原画を担当しており、『新世紀エヴァンゲリオン』のエヴァ初号機は巨神兵をモデルにしたそうです。
ナウシカのジルとは誰?
さてナウシカの父親であるジルについても画像と一緒に紹介致します。ジルは風の谷の族長であるものの、腐海の毒によって動けない身体となり風の谷で療養を続けております。しかしトルメキアの襲撃により命を落としてしまいます。また原作では腐海の毒で寿命を尽きてこの世を去ります。
ナウシカの父・ジル
ジルは風の谷に名高い風使いとして活躍していました。しかし妻であるナウシカの母や、ナウシカ以外の10人の子供達に先立たれてしまっています。物語冒頭で自分自身の命の期限が迫っていることを感じ取っており、ナウシカやユパ達に後を頼むという事を伝えています。
ジルの声優は辻村真人
ジルの声優を務めたのは、辻村真人さんです。残念ながら2018年11月に88歳で逝去されています。辻村さんはジル以外にも城オジのムズ役も担当されました。代表作に『忍たま乱太郎』の学園長先生役。また特撮ドラマ『仮面ライダー』にてかまきり男をはじめとした怪人役などで声の出演をなさいました。
ナウシカに関する感想や評価
出典: https://festy.jp
公開から30年以上経った現在でも、今なお根強い人気を誇っている『風の谷のナウシカ』。ツイッター上でも様々な感想や意見を述べたつぶやきが公開されています。ナウシカがなければ宮崎監督の活躍が無かったのではという声もあれば、何故安田成美さんの主題歌を起用しなかったのかなど、様々意見があります。
風の谷のナウシカは映画版じゃなくて、漫画版の方が普及してほしいなー(´・ω・`)
— あや@漫画/バスケ好き (@aya_ono2000) June 4, 2019
映画は色々とカットしすぎな気がする!
ナウシカの哲学が明確にされている、漫画版こそ本家だと思う今日この頃(-_-)#風の谷のナウシカ pic.twitter.com/5PpjaIMZRP
こちらの方は原作版が大好きである方のツイートです。画像も添付してナウシカは原作漫画を読んだ方がいいという趣旨でコメントをされています。劇場版はどうしても尺を上手く調整しなくては行けなかった部分もあり、宮崎監督も心残りであったと語っておられます。ぜひ物語を深く知りたい場合には原作本も読むことも良いでしょう。
風の谷のナウシカ読了。
— mayu (@mayu1999425) May 1, 2019
感想は「ナウシカ全然風の谷に帰らんやん。」です。
テストは無理です。
だって話が難しすぎるし、テスト内容鬼畜やと思うからぁぁあ。 pic.twitter.com/UkyXPAtKvy
こちらの方は、原作漫画を全話拝読したものの内容がついていけなかったというツイートです。原作漫画は1983年から1994年までの長期連載であったのと同時に、劇場版で描ききれなかった物語をさらに深掘りしていくこととなります。そのため読むたびに連れて難しくなってきたという率直な感想を述べておられます。
『風の谷のナウシカ』シアタス調布のULTIRAスクリーンでの上映、一度では我慢できず再見。最高品質の大画面で見るナウシカは至上の幸福。感想は前回書いたものとさほど変わらない。ただし少し冷静な目で眺めると、脚本上の荒も目につく。
— ぼのぼの (@masato009) March 5, 2019
デジタルリマスターとして再上映されたナウシカを改めて見た方のツイートです。脚本の作り方が複雑過ぎてしまい、宮崎監督作品としては少し安定していないという声が挙げられています。宮崎監督がナウシカで伝えたいメッセージをどう感じ取れば良いのか難しいというものです。
風の谷のナウシカ/安田成美(1984)
— テクノポップ耳 (@technopop_mimi) May 3, 2019
細野マジックとも言うべき奇跡のコード進行が炸裂するテクノ歌謡の金字塔。編曲の萩田光雄は安田の歌を「可愛らしいではないか。今どきの歌い上げる女性歌手よりよほど好きだ」と高く評価。豊かなアレンジでスケール感ある作品に昇華させています。作詞は松本隆。(T) pic.twitter.com/6TXT6p2bI0
劇場版では主題歌として使用されなかった安田成美さん歌唱の『風の谷のナウシカ』。このツイートはレコードが販売された当時、アレンジを担当した荻田光雄さんが安田さんに対しての評価について記載されています。楽曲を改めて聞き直すと名曲であるということは今の時代でも変わりは無いようです。
ナウシカ歌舞伎が気になる。ナウシカ役に4名の役者さんのお名前あるけど、シーンごとなのか日替わりなのか…?西郷どんの美しすぎる月照様の尾上菊之助さんと個人的にホットすぎる尾上松也さんのナウシカ…観てみたい!昼夜通しって、演者の気力体力は相当なものだけど観る側の気力体力も要るね…!
— KEI-CO (@keico) June 7, 2019
ナウシカは、2019年12月に歌舞伎として公演される予定となっています。これは公演前に出演者がどんなナウシカになるのか気になっているツイートです。数多くのアニメ・漫画が、日本の古典芸能になったり、宝塚歌劇団のような女性だけのミュージカル舞台になったりとします。違う見方で楽しめるのもアレンジとして良い部分です。
ナウシカの登場人物や声優まとめ
魅力溢れる登場人物や動物達が登場し、宮崎監督が思い浮かぶ文明開化が起こしてしまった自然破壊による環境で生きていく人間模様を描いた風の谷のナウシカ。今回紹介した内容以外にもナウシカには私たちにはまだ知らない事や宮崎監督が伝えたかったものが多く出てきております。
またナウシカ以外にも、宮崎監督作品をはじめとしたスタジオジブリ製作のアニメ作品は、それぞれのメッセージを込められて製作されたり、架空としていても地球のどこかにいるかもしれない動物が多く出てきて、クローズアップされることもあります。ナウシカやジブリ作品を観て、自分だけのお気に入りシーンを探してみてください。