【うしおととら】獣の槍の誕生と秘密に迫る!槍の製作者や伝承者候補も解説

獣の槍とは「うしおととら」という原作コミックスの中で登場する武器のことです。本作は2015年にアニメ化した「うしおととら」に登場する獣の槍の誕生と槍の製作者・ギリョウ、その妹ジエメイがストーリーにどう関わってくるのかもまとめていきます。うしおは獣の槍に選ばれた伝承者ですが、獣の槍には伝承候補者が4人います。また、獣の槍は2000年前に作られ、その長い年月のため刻まれた文字は削れて読めなくなっています。槍に刻まれた文字についても解説していきます。

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目次

  1. 獣の槍とは?
  2. 獣の槍の誕生の秘密・製作者に迫る
  3. 獣の槍の伝承候補者
  4. 獣の槍は破壊された?
  5. 獣の槍に関する感想や評価は?
  6. 獣の槍の誕生と秘密まとめ

獣の槍とは?

コミックス「うしおととら」に登場する武器で、使用者の魂を糧にあらゆる妖怪を討ち滅ぼす退魔の霊槍です。「白面(はくめん)の者」を唯一倒せる武器とされ、物語でも重要な位置を占めています。本編のストーリーと同等に、獣の槍誕生についても隠されたストーリーがあります。獣の槍は単なるアイテムではないのです。

うしおととらの作品情報

「うしおととら」は1992年にOVA(全10話)が発売されました。1993年に劇場版が公開、当時は連載中であったため完結はしていません。その後2015年に再びアニメ化され、第2シーズン全39話がテレビ放送されました。連載から25週年経って完結までの放送になりますが、その間の技術の進歩により薄型テレビやスマートフォンなど時代に沿ったアイテムが作中に取り入れられています。

うしおととらの原作

「うしおととら」は、少年サンデーにて1990年から1996年まで連載されていた妖怪バトルアクションで、著者は藤田和日朗です。本作の主人公・獣の槍を持つ少年「蒼月潮(あおつきうしお)」と妖怪「とら」が、反発しながらも息の合ったコンビを組み"掛け合い漫才"のようなコミカルな手法は後にヒットする作品に大いに影響を与えています。このコンビが人に仇なす妖怪を打破する様子を描いた作品です。

90年代の古き良き少年漫画を代表する名作として魅力的なキャラクター、人情味や哀愁溢れたエピソード、そしてクライマックスに向けての盛り上がり(大きく広げた風呂敷)を伏線をうまく回収した名作として、今でもその名を挙げる1作品です。第37回小学館漫画賞少年部門受賞、1997年星雲賞コミック部門賞受賞、日本のメディア芸術100選マンガ部門選出(周間少年サンデー連載作品で唯一の受賞)などを受賞しています。

うしおととらのあらすじ

うしおの父は獣の槍を代々祀る寺の住職であり、事あるごとに槍の逸話を聞かせていました。父の留守中に蔵で槍に縫い留められていた妖怪と出会います。うしおは槍を引き抜かざる得ない状況に陥り、封印されていた大妖怪は約束を反故にしたり人間を「食い物」とみなす凶暴さ故に、長い間うしおに槍で殴られ戦わされる関係になります。

うしおは母の秘密を探るため日本中を旅し、様々な出会いと別れを体験します。大昔に起きた大妖怪「白面の者」と日本妖怪たちの戦い、そこに関わる母やとらたちの因縁、獣の槍の重要さを知ります。「白面の者」は封印されてもなお恐怖を与え続け、人間と妖怪も意見が一致せずそれぞれの思惑によって動いていました。うしおが己の意思を曲げることなく抗い続け、人間・妖怪がまとまり始めます。

「白面の者」もそれを黙って見ているわけもなく、婢妖を用いて己の力の源である「恐怖」を復活させるべく始動し始めます。しかし、うしおが敗れ獣の槍は粉々に砕け散り、「白面の者」が飛び立って日本が沈没するとの恐怖が蔓延します。また、彼らに救われた者たちの目に「銀に光る槍を振るう人間と金色の妖怪、二体で一体の妖(バケモノ)」と映り、どんな強敵にも負けない希望の象徴として記憶に刻まれました。

砕け散った槍の欠片はうしおに関わった者たちに憑いた婢妖を粉砕していきます。「希望」を思い出した者たちによって人々は鼓舞され、「白面の者」の力が弱まると同時に人間・妖怪両者がうしおととらを中心に力を合わせて戦う最終決戦に突入しました。

獣の槍の概要

獣の槍とは「うしおととら」に登場する武器で、使用者の魂を糧にあらゆる妖怪を討ち滅ぼす退魔の霊槍です。「白面の者」を唯一貫ける妖器物とされ、妖怪たちの間で恐れられています。獣の槍は意思を持ち使用者を選びます。選ばれた者は槍が囁きかけ、魂と引き換えに強大な戦闘力を得ます。頭から空中の妖気を吸収して髪の毛が伸びた外見になり、妖怪と同質の存在になります。

獣の槍の元ネタは干将と莫邪

干将は王に命じられ2振りの剣を作って献上します。なかなか剣が作れず、かつて師が炉中に身を投じて鉄を溶かしたことから妻の髪や爪を入れ、童子300人にふいごを吹かせてようやく完成した名剣のうち干将を隠して手元に置き、莫邪を献上しました。王は魯の使者に莫邪を与えようとします。魯が剣を鞘から抜くと刃こぼれがあり、いずれこの国が滅亡すると予測し辞退しました。

日本に伝わるのは上の話と違い復讐譚です。剣の制作に3年かかったため王は怒り、しかも献上されたのは2振りのうち1つであったため干将は殺害され、莫邪の子赤は父の遺言から干将を手にし日夜復讐の機会を狙います。しかし懸賞金がかけられ王に近づくこともできず泣いていました。理由を知った旅人が「干将とあなたの首が必要だ」と言ったため、喜んで差し出します。旅人が首をもって王の元へ訪れます。

旅人が王に「勇士の首だから湯で煮溶かさねばならない」と進言します。しかし首は一向に溶ける様子がありません。旅人が「王が覗けば溶けるでしょう」と言ったため、覗き込むと王の首を刎ね、自分の首も刎ねました。こうして3つの首が溶け合って選別できなくなり、仕方なく一緒に埋葬することになりました。この墓は山王墓といい、今も汝南県和孝鎮の宜春城にあります。

TVアニメ「うしおととら」公式サイト

獣の槍の誕生の秘密・製作者に迫る

ここでは獣の槍にスポットを当ててまとめていきます。獣の槍誕生の秘話を探ってみましょう。時逆という名の妖怪により、うしおととらは獣の槍誕生の時代に連れてこられます。とら曰く"獣の槍はバケモノを殺すための槍"だと言われており、アニメや原作マンガでも人間の体を突き抜け、その先にいる妖怪を退治するなどの描写が描かれていました。その獣の槍の誕生の秘密や製作者について詳しく説明します。

時逆によって連れてこられたうしおは古代中国(今から2300年前の春秋戦国時代)で、ジエメイという少女と出会います。妖怪かと驚く彼女の前で地面に蒼月と文字を書くと「ツァンユエ」と呼ばれます。ここでは日常的に妖怪が人を襲っており、蒼月は彼女を助けたことで家まで案内されます。

誕生の秘密①白面を倒せる武器

王が「白面の者」を見たと恐怖のあまり、「白面の者」を倒せる武器を作れと命じました。国中のものが皆武器を作ります。そのうちの1人にギリョウの父親もいました。元は有名な鍛冶職人でしたが先祖が王の怒りに触れたため、貧しい生活を強いられていました。返り咲こうとする父にギリョウは禁忌の技(妻の髪を炉に入れる)を教えます。

自信作を手に父とギリョウも宮廷に出向くと、「白面の者」が武器を簡単に破壊し人々を絶望に追いやります。虐殺された中にギリョウのと父と母もいました。ギリョウは「父が作った以上のものはもう作れない」と絶望します。実は作る方法が1つ残されていたのです。ギリョウはうしおにその逸話を話聞かせました。

誕生の秘密②ジエメイの死

ジエメイはギリョウとうしおの会話を聞いていました。その方法は「人身御供」、人が飛び込んだ炉からできた鉄で作ることでした。それを聞いたジエメイは兄ギリョウに「良い剣を作ってください」と言い残し、自ら炉に飛び込みます。しばらくして妹が飛び込んだ炉から一握りの鉄がとれます。茫然自失だったギリョウは、妹の死を無駄にしないため一心に剣を作り始めました。

誕生の秘密③製作者・ギリョウの魂が宿る

絶望と悲しみの中、ギリョウは内省し鉄を鍛え始めます。ギリョウの姿は「白面の者」に対する恨みで鬼と化していきました。うしおは見ていることしかできません。ギリョウの姿はうしおがバケモノと化した時に心の中にいた鬼とそっくりでした。ギリョウの肉体も槍の柄に变化し、「白面の者」への怨念と憎悪から神剣となるはずだった槍が「白面の者」をはじめ、妖怪を討ち滅ぼす呪いの槍となりました。

誕生の秘密④刻まれた文字の意味

槍へと变化したギリョウは人の心を失う前に、全てを見ていた蒼月に「自分たちのことを忘れないでほしい」と願います。その証として「我らは、白面の者を倒すまで蒼月(ツァンユエ)の心のうちに在る」と一部始終を見ていた蒼月の名を槍に刻んだのです。こうして誕生した槍こそが「獣の槍」でした。槍の柄の部分に文字が刻まれていましたが、長い年月のため文字がかすれて見えなくなってしまいました。

獣の槍とは、刃はジエメイ柄がギリョウという2人の犠牲によって作られたものでした。ギリョウの刻んだ文字は蒼月のような強さ・優しさ・勇気を持つ人と戦いたいという願いを文字にしたものです。その願いは2000年後に叶います。うしおが自宅の蔵で偶然槍を発見しましたが、その文字を刻まれたときから彼はギリョウと共に「白面の者」と戦う運命にあったということなのでしょう。

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獣の槍の伝承候補者

獣の槍の伝承候補者とは?

光覇明宗は獣の槍の伝承者を確保するため、厳しい修行に耐え能力の強い者を4人選出しました。ここでは伝承者の名前・得意技などを紹介します。伝承者はそれぞれが力の強い能力者で、うしおが伝承者として認められた後、4人とも姿を消しました。作中でうしおが伝承者としてふさわしいかどうかを自分の目で確認しに行ったのだろうと推測されています。

獣の槍の伝承候補者①関守日輪

物に念を刻み武器へと変える「奇薙(くしなぎ)」という法術を得意としており、櫛を武器として使う女性の伝承候補者です。優れた力を持ちながら父親に「お前が男だったら」と言われていた為に自分が女であることにコンプレックスを抱き、それを克服するために獣の槍の伝承者になることに執着していました。

何の苦労も使命感もなく、成行きで獣の槍の伝承者になったうしおに強い怒りを抱き、それまでの戦い方を糾弾したあげく獣の槍を取り上げました。しかし、直後に槍を狙う大量の婢妖と対峙するが、槍は力を発揮せず駆けつけたうしおに助けられます。彼女はうしおが槍に選ばれたことを受け入れ、しばらくは槍を預けると言って引き下がります。

獣の槍の伝承候補者②秋葉流

彼は獣の槍の伝承候補者でありながら、伝承者っぽくなく、凶悪な大妖怪だったとらに固執します。独鈷(どっこ)を使った結界術でとらの動きを封じ、結界を張りとらを問い詰めます。法術も強力な技を使いこなし、頭の回転も早い彼が知り得た答えは「コイツといると退屈しない」でした。意外な答えにあんぐりする流でしたが、その後、しばらくうしおと行動を共にします。

飄々とした態度なのは、幼少の頃から努力せずに何でもできてしまう天才だったからです。作者曰く、秋葉流は「うしおの光に照らされて滅んで行く存在」とのことで、純粋な光のようなうしおでは決して救えない者として描かれているそうです。

獣の槍の伝承候補者③杜綱悟

人格・能力ともに最も伝承者に近いと言われた人物です。人望も厚く法力に加え陰陽道に長けており、式神(蛭子)を使役します。しかし幼少時、強い潜在能力を持っていたが感情のブレでコントロールできず、妹を襲った妖怪を惨殺します。彼は血まみれの姿を晒し妹を怯えさせ、二度とそんな思いはさせまいと自分を鍛えた結果、若い法力僧の中でトップクラスの実力者になりました。

うしおが槍の伝承者と認められた時、無自覚のまま嫉妬の気持ちを抱いてしまいます。その隙きを突かれ婢妖に精神を乗っ取られました。妹・純とうしおに救い出され、過去に妖怪から守ってくれたときに言えなかった感謝の気持ちを伝えます。それ以来、うしおに対して好意的に接します。

獣の槍の伝承候補者④引狭霧雄

少年ながら優れた法力を持ち強力な武器「エレザールの鎌」、ホムンクルス「九印」を従えています。彼は引狭と斗和子によって作られた法力人間「マテリア」です。引狭の死後、斗和子に育てられ「ママ」と呼んで慕っています。その性格は自分の強さに対する自信から他者を見下し、情に流されるうしおを弱い人間と切り捨てる冷酷さがありました。

獣の槍の伝承者でありながら、槍の存在に否定的です。引狭が「白面の者」に対抗するため強力な力を追い求めたため、西洋の「魔道」を研究し、光覇明宗から破門された影響を強く受けているからです。

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獣の槍は破壊された?

獣の槍は「白面の者」を倒せる唯一の武器です。それが世に出たということは「白面の者」の復活が近いという印です。そのため、白面は邪魔な槍を破壊したいと望みます。しかし、自分は海底から動けないので、「白面の者」の尾の化身に槍を破壊させようと企てました。

斗和子とキリオが登場

斗和子とは引狭の研究を手伝った白面の者の尾の化身です。引狭の死後はキリオを偽りの愛情で育てて手懐けさせ、同じく白面の者の尾の化身である「くらぎ」に光覇明宗の本山を襲わせました。この戦いで二代目お役目様は死亡し、キリオが白面の者を倒します。獣の槍に不信感を抱かせ、1本しかない槍よりも強いエレザールの鎌が量産できると吹聴し、賛同した僧侶たちを使って獣の槍の未練を断つために槍を破壊しました。

獣の槍は破壊されたが復活!

槍の破壊後、斗和子が真相を語ります。僧侶は「白面の者」に騙されたと知って絶望し、キリオに対し槍破壊のためだけに作り出し、親切にしたと嘲笑いました。その時、冥界から槍が呼びかけます。うしおは「みんなを守る力が欲しい、ギリョウとジエメイのような悲劇を繰り返したくない」今までよりもひとまわり強くなったうしおが叫びました。「俺が戦うために、俺が俺であるために。獣の槍よ、来い!」

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獣の槍に関する感想や評価は?

伝承者とされていたが、実は人間ですらなかったことや、キリオを利用して獣の槍を破壊するためだけに手間暇かけていたと知った視聴者も、やはりキリオに同情する声が多かったです。

ゲームのコラボで「うしおととら」をゲットした人の「獣の槍を持ったうしお」がカッコイイと評判です。この槍、よく見ると傷が無いので刻まれた文字も再現されていそうです。獣の槍の誕生秘話(ギリョウとその刻んだ文字)について知らない人が多いようです。しかし、槍を持ってケモノ化したうしおがカッコイイとおっしゃる方は大勢いらっしゃいます。

親世代は青春のバイブル的な思い入れがあるようです。男気・友情・人との繋がり(ギリョウが獣の槍に刻んだ文字の経緯も、託された想いも全部)、良いものだから子供と共有できて嬉しいとの意見がありました。

獣の槍の誕生と秘密まとめ

ここでは獣の槍の誕生と秘密をまとめて紹介してきましたが、「白面の者」に唯一傷をつける事ができると言われた理由が槍の誕生から納得できたのではないでしょうか。獣の槍にまつわる秘密から伏線を全て回収し、うまくまとめた少年漫画として本作が上げられることが多いです。蒼月と槍に文字が刻まれた時に、うしおが「白面の者」と戦う運命にあり、過去2000年前に遡ります。

連載25週年も経っているのに色あせない人情味溢れたストーリーは、今尚人々の心に強く訴えかけるものがあります。伝承者や槍に刻まれた文字などもまとめて紹介しましたが、心に響くものがあるからこそ根強い人気のある作品だと言えます。ここでは獣の槍に重点をおいてきましたが、本作「うしおととら」に興味を持たれた方はぜひ、アニメや漫画も読んでみてください。

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