【ハンターハンター】ナニカの念能力とは？おねだり・お願いのルールを徹底考察

「ハンターハンター」は、冨樫義博による大人気コミックです。「ハンターハンター」は週間少年ジャンプで連載中ですが、休載が多く、不定期での連載となっています。この記事では、連載開始から根強い人気を誇る、「ハンターハンター」に登場する「ナニカ」について、念能力のルールや「アイ」との関係性を考察していきます。

「ハンターハンター」は、主人公のゴンが偉大なハンターである父親を探す物語です。「ハンターハンター」は、1998年に週間少年ジャンプで連載が始まり、1999年にはテレビアニメ化もされています。また2011年には、アニメ「ハンターハンター」の第二作目が放送され、他にもゲーム化や小説化もされており、若者を中心に人気の高い作品となっています。

「ハンターハンター」のあらすじをご紹介します。主人公のゴンは、「くじら島」という大自然に囲まれた島で育った少年です。ゴンには両親がおらず、育ての親であるミトからは、父親は亡くなったと聞かされていました。ある日、ゴンは森の中で獣に襲われます。その時、ゴンはカイトというハンターに助けられました。カイトは、ゴンの父親であるジンの知り合いで、ジンは生きているということを話します。

父親が生きているということを知ったゴンは、父親に会うために、自分もハンターになることを目指します。ハンターになるためには「ハンター試験」と呼ばれる試験に合格しなければなりません。ハンター試験は年に一度だけ行われ、毎年死傷者が出るほど過酷なものでした。

ハンター試験へ向かう道中、ゴンはクラピカやレオリオと出会います。また、試験会場ではキルアとも出会い、4人は協力してハンター試験合格を目指します。数多くの難題を乗り越え、ゴン、クラピカ、レオリオの3人は合格しましたが、キルアはある理由から不合格となりました。

プロのハンターとなったゴンと仲間たちは、念能力と呼ばれる生命エネルギーを操る力を習得し、「天空闘技場編」や「ヨークシン編」、「グリードアイランド編」で強敵との戦いを乗り越え、成長していきます。ゴンとキルアは二つ星ハンターの称号を持つビスケから修行をつけてもらい、また難敵との戦いを繰り返して力をつけていきました。

しかし、「キメラアント編」では、これまで以上に強大な力を持つ敵との戦いになりました。キメラアントは人間をも食らう非常に危険な生物で、ゴンと再会したカイトは、キメラアントの調査をしていました。キメラアントの中でも、護衛軍と呼ばれる上位の存在は桁違いの強さを持っており、ゴンとキルアを引き連れたカイトは、その中のピトーというキメラアントに遭遇してしまいます。

カイトは一瞬の隙を突かれ、片腕を切断されてしまいます。キルアは咄嗟の判断でゴンをつれて逃げることを選択しますが、片腕を失ったカイトはピトーに敗れてしまいます。やがてカイトの死を知ったゴンは、全てを捨ててピトーと戦えるだけの力を手にし、ピトーを倒します。しかし、その代償はあまりにも大きく、ゴンが再び目を覚ますのは絶望的と思われました。

そこで、キルアは瀕死の重傷を負ったゴンを助けるため、妹の「アルカ」に会いにいきます。アルカの中には、「ナニカ」と呼ばれる存在があり、そのあまりに人知を超えた能力から、ゾルディック家では監禁生活を強いられていました。キルアは、アルカを狙う兄イルミの追手から逃れ、アルカの念能力でゴンを助け出すことに成功しました。

「ハンターハンター」の「アルカ編」で登場したナニカは、ハンターハンターに登場するキャラクターの中でも非常に謎の多いキャラクターです。ナニカは、アルカの中に存在するもう一つの人格であり、アルカはゾルディック家の第四子になります。ここからは、難解と言われるナニカの念能力のルールについて、考察していきます。

「ハンターハンター」に登場する能力の中でも、ナニカの念能力が難解だと言われる理由は、ナニカの持つ念能力のルールにあります。ナニカの念能力には、「お願い」と「おねだり」という二つのルールがあります。「お願い」は、第三者がナニカにお願いをすると、その願いが叶うというものです。しかし、その代償として「おねだり」があり、おねだりをされた人物は、ナニカの要求に応えなければなりません。

「おねだり」の要求を4回連続で叶えられなかった場合、死を伴うペナルティがあります。ナニカに叶えてもらう「お願い」には限界がありません。ただし、ナニカにお願いした「お願い」の大きさに比例して「おねだり」の難易度も変化します。「お願い」が大きければ大きいほど、「おねだり」で要求されるものも大きくなり、さらに「おねだり」を失敗したときのペナルティも大きくなります。

ナニカに「お願い」をした後、ナニカが「おねだり」をするのは、「お願い」をした人物とは別の人物になります。つまり、ナニカの念能力を使うと、願いを叶えて貰った人とは別の誰かが「おねだり」を聞かなければなりません。また、ナニカが「おねだり」をするタイミングは誰にもわかりません。

ナニカの念能力のルールを簡潔にまとめると、１つの「お願い」をすると、他の誰かが３つの「おねだり」を聞かなければならず、要求を叶えられなかった場合は死を伴うペナルティを受ける、というものです。

ナニカの「おねだり」を４回連続で断った（ナニカの要求を叶えることに失敗した）場合、最低でも「失敗した人物」と「失敗した人物の最愛の人」が死亡します。さらに、「お願い」が大きいものであった場合は、この二名の他、「失敗した人物と長い時間を共に過ごした人物」から順番に死亡します。

犠牲となる人数は「お願い」の大きさに比例します。ゾルディック家の執事が「私を億万長者にして」という「お願い」をしたときのケースでは、「肝臓ちょうだい」などの「おねだり」が別の執事にされましたが、当然執事はこれらの要求に応えられませんでした。その際のペナルティは、執事と最愛の人はもちろん、長く時間を共にした人順に犠牲者となり、わかっているだけでも、67人が死亡しました。

ナニカの念能力は、「ハンターハンター」に登場する能力の中でも非常に複雑な部類で、ルールを理解することが難しい能力と言われています。作中のゾルディック家の面々ですら、ナニカの念能力を完全には理解出来ておらず、そのルールを完全に把握していたのはキルアだけです。さらに、ナニカの念能力には、キルアにしか適応されないルールがありました。

ナニカの念能力には、キルアしか知らなかったルールがあります。その中でも最も重要なものとして、「お願い」ではなく「命令」が出来るというルールがあります。これはキルアにしか出来ないルールですが、「～しろ」と命令系の口調でナニカに要求した場合、この命令の内容は「おねだり」には反映されません。つまり、この「命令」を使えば、キルアはノーリスクで「お願い」を叶えてもらうことが出来ます。

もう一つ、キルアしか知らなかったルールとして、ナニカは壊すことは得意だが、直すことは苦手で、何かを直す「お願い」をするときは、ナニカが直接対象者に触れる必要がある、というものがあります。このルールがあったため、キルアはアルカを連れてゴンのもとへ向かいました。

さらに、ナニカに直す「お願い」をした後に来る「おねだり」は、残酷なものにはならないというルールもあります。キルアはナニカの念能力を使い、瀕死のゴンを助け出しました。これは、前例のないくらい大きな規模であるはずの「お願い」ですが、何かを直す「お願い」であるため、リスクは無いようです。

「ハンターハンター」キメラアント編でピトーとの戦いにより瀕死になったゴンを救うため、キルアはアルカを連れ出します。しかし、アルカの中にはナニカという別の人格があり、ナニカの念能力を使用するには、相当なリスクがあると考えられていました。そのため、アルカはゾルディック家の家族でありながら、長い間ずっと幽閉されていました。

アルカを連れ出し、ナニカの念能力を使用してゴンを助けようとするキルアを、シルバやイルミは止めようとします。その理由は、キルアはゴンを助ける「お願い」を別の誰かにさせ、その後の「おねだり」を自分ですると考えられたからです。

もし、キルアが「おねだり」の要求を叶えられず、失敗した場合、規模の大きさから考えて、少なくともゾルディック家の全員が死亡すると考えられました。しかし、ナニカの念能力について、キルアがまだ家族に隠しているルールがありました。

キルアがナニカの能力を使い、イルミたちから逃亡を続けたことで、イルミはナニカの念能力について、キルアしか知らなかったルールがあるということを知ります。しかしその全貌は判明せず、イルミはゾルディック家が全滅するリスクを回避するため、ヒソカの協力を得ながらキルアを追い続けます。

キルアを追い詰めたイルミでしたが、キルアに味方していたツボネが「おねだり」を叶えたことで、ナニカに新しい「お願い」が出来る状態になり、逆に追い込まれる形になります。しかし、イルミを殺す「お願い」をした場合、ツボネたちがその尻拭いである「おねだり」を受けることになり、「お願い」の大きさから考えて、ツボネたちが無事ではすまないというのは明らかでした。

キルアの決断に緊迫する場面でしたが、キルアがした「お願い」は、「おねだり」で損傷したツボネの爪を直すことでした。ここでキルアは、ナニカが何かを直す「お願い」をされたときには、残酷な「おねだり」がくることはないという事実を明かしました。それを知ったイルミは、ゾルディック家にリスクがないのならと、キルアがゴンを助けにいくことを許諾しました。

その後、イルミはキルアが隠している「命令」のルールに気付きます。キルアごとナニカの念能力を管理しようとしたイルミでしたが、キルアの「命令」によって家まで飛ばされてしまいます。キルアがナニカを使えば、まさに無敵といった事実を目の当たりにしたイルミは、ますますナニカの念能力を欲し、その力を掌握しようと考えているようです。

ナニカの念能力を狙うイルミですが、イルミはナニカの力をどのように利用するつもりなのでしょうか。イルミは、キルアがナニカに自分を殺す「お願い」をしたとしても、ゾルディック家が無事ならばそれでいいと考えていました。このことからも、イルミの目的はゾルディック家の繁栄にあると考えられ、ナニカの力も暗殺家業に利用しようとしていると見られます。

キルアの「命令」を使えば、暗殺の仕事は楽にこなすことが出来るでしょう。自分で手を下すことなく、間接的に暗殺が可能であれば、効率も飛躍的に上がります。確実にターゲットを暗殺出来る上に、暗殺における負傷などのリスクも回避出来ます。「ハンターハンター」に登場する能力の中でも、最上級に規模の大きい能力です。

もう一つ、イルミの狙いはナニカの直す能力にあるのかもしれません。キルアの話では、直す能力を「お願い」したときの見返りには、残酷な「おねだり」は求められないということでした。このルールを知ったイルミは、ナニカの直す力を利用したいのではないでしょうか。

「ハンターハンター」では念による戦いが基本ということもあり、暗殺家業においてもリスクは付き纏うものだと考えられます。危険が及ぶ任務を行う場合、ナニカの直す能力があれば心強いはずです。また、壊れたものを修復したり、能力の使い方によっては任務で大いに役立ちそうです。イルミの念能力で作った針人間を修復して、針人間を使い回すなどということも考えているかもしれません。

ナニカは、「ハンターハンター」暗黒大陸編で明らかになった、アイと呼ばれる暗黒大陸の厄災と関係しているようです。ナニカの真っ黒な目は穴があいているようにも見え、とても不気味ですが、キルアを慕うナニカの姿からは、兄に心を寄せる可愛らしさも感じられます。ここからは、ナニカの魅力や「ハンターハンター」暗黒大陸編で明らかになった、アイという厄災との関係性について考察していきます。

「ハンターハンター」でアルカが初登場したのは、「キメラアント編」が終わり、キルアがゴンを助けるためにゾルディック家へと向かう、「アルカ編」がスタートした時です。アルカはごく一般的な可愛らしい子供で、キルアを「お兄ちゃん」と慕う愛らしさを見せます。

アルカの中に潜むナニカが起きると、目が真っ黒になるという異様な見た目にはなるものの、話が進むにつれ、ナニカもキルアに対して大きな信頼を寄せていることが明らかになります。キルアがナニカのためを思い、「もう出てくるな」と命令したときには、キルアと会えなくなる寂しさから、ナニカは涙を流し、アルカの中で酷く落ち込んでいました。

目を覚ましたアルカは、ナニカも一緒に守ってほしいと、泣きながらキルアに訴えかけました。ナニカもアルカと同じ大切な家族だと気付いたキルアは、ナニカをもう一度呼び出し、謝ります。人知を遥かに超えた力を持ち、異様な存在として扱われるナニカですが、キルアとのやり取りを見て、その愛らしさに、胸が締め付けられるような気持ちになったという人も多いのではないでしょうか。

ナニカは、アルカの中に潜むもう一つの人格と言えます。そのため、ナニカとアルカは同一人物と言っても問題ないでしょう。ただ、アルカは普通の子供と同じ様に戦闘力はほぼ無く、対してナニカは類を見ないほど超常的な念能力を持っています。同一人物ではあるものの、ナニカはアルカの中にある別の存在ということになるでしょう。

キルアはアルカのことを妹と言っていましたが、「ハンターハンター」作中ではアルカやナニカの性別は明らかになっていません。妹というキルアに対し、イルミやミルキはアルカのことを弟と呼んでいました。そもそもイルミなどはキルアとは違い、アルカのことを家族とは思っていなかったようなので、キルアのいう妹というのが正しいのかもしれません。

また、アルカは女の子ですが、アルカの中にいるナニカという存在が男の子である可能性もあります。ナニカは、暗黒大陸の厄災の一つであるアイに関係しているということもあり、まだ明らかになっていないことも多いです。同一の身体とはいえ人格の違う二人なので、性別が異なる、という考え方もあるかもしれません。

アイとは、「ハンターハンター」暗黒大陸編で明らかになった、暗黒大陸の五大厄災の一つです。アイについて詳しいことは明らかになっていませんが、アイはガス生命体であるため、実態がなく、他の生物に寄生して生きる生命体という可能性があります。ナニカの「あい」という言葉や、ナニカの目を彷彿とさせるアイの見た目、また欲望の共依存というワードから、ナニカとの関連性が議論されてきました。

そんな中、「ハンターハンター」コミック３３巻の挿絵にて、思いがけない答え合わせが行われました。挿絵のナニカの隣に、「暗黒大陸出身です」の文字が書かれていたのです。「ハンターハンター」作中ではなく、挿絵で答え合わせが行われるとは驚きですが、はっきりと暗黒大陸出身と書かれているため、ナニカの正体が五大厄災のアイであることは確定と言えるでしょう。

ここまで、「ハンターハンター」に登場するナニカについて、難解と言われる念能力のルールを中心に、考察してきました。ここからは、不気味だけど可愛らしくもある、ナニカの名言や名場面をご紹介していきます。

こちらはナニカというよりアルカのセリフですが、キルアを慕うアルカの気持ちが伝わってくる一場面での言葉です。アルカは、キルアに会うとすぐに飛びつき、幽閉されていたことも気にならないほど、キルアに会えることが嬉しい様子でした。これだけ慕ってくれる兄妹がいるというのは、羨ましいものです。

ゾルディック家の執事が、億万長者になりたいという「お願い」をしたときの「おねだり」のセリフです。この後、「おねだり」は十二指腸、背骨、脳みそと続きます。惨たらしい描写も少なくない「ハンターハンター」ですが、この言葉を聞くだけでもゾッとするような場面です。

キルアが、もう誰からの「お願い」もされずに済むように、ナニカをアルカの中に閉じ込めようとしたときに、ナニカが言った言葉です。基本的に「あい」としか言わないナニカですが、この時は精一杯自分の気持ちを伝えようとしていたようです。ナニカの表情に思わず切なくなる、「ハンターハンター」の中でも上位に入るであろう名シーンです。

その正体は暗黒大陸の五大厄災アイ、「ハンターハンター」の中でも群を抜いて脅威的な存在として注目されるナニカですが、読者はナニカをどう評価しているのでしょうか。ここからは、「ハンターハンター」屈指の異色な能力を持つナニカについて、読者の感想や評価をご紹介していきます。

ナニカの正体がアイであるならば、アイはどのようにアルカの中に入ったのでしょうか。暗黒大陸より持ち帰られたアイが、何らかの理由でアルカの人格に住み着いたのかもしれません。謎の多いアイですが、アルカの中にいるナニカは可愛いという声も多く、厄災といえど、ナニカを愛おしく思う人は多いようです。

ゴンを助けた後のキルアとナニカのやり取りには、多くの読者が心を打たれたようです。ナニカのことを想うキルアの気持ちと、キルアと一緒にいたいと願うナニカの想いが切なく、印象的なシーンです。この感動的な二人のやり取りは、「ハンターハンター」屈指の名場面と言えるでしょう。

不気味だけど可愛らしいと評判のナニカですが、「ハンターハンター」で一番好きなキャラクターという人もいるようです。個性的なキャラクターが多い「ハンターハンター」ですが、ナニカもかなりの人気者であるようです。

この記事では、「ハンターハンター」に登場するナニカの念能力について、考察してきました。「ハンターハンター」の中でも難解と言われるナニカの能力は、どんな「お願い」でも叶えるかわりに、別の人間がその「お願い」と同等の「おねだり」に応えなければならず、失敗した場合は厄災とも言える恐ろしい現象が起きてしまうという、超常的な能力です。

ナニカの能力には、キルアにしか使えないルールもあり、少し複雑なところが難解と言われている理由のようです。比較的内容が難しいアルカ編ですが、見所も多く、ファンの間でも人気の話となっています。すでにアルカ編を読んだという人も、この機会にもう一度、コミックやアニメを見返してみてはいかがでしょうか。