幽遊白書の躯は強くてかわいい！強さや生い立ち・飛影との関係について考察

強くてかわいいという評判を聞きますが、読者の皆さんの中には、躯の性別すら知らない幽遊白書ファンもいるかもしれません。そんな幽遊白書の初心者からコアファンの方まで楽しんていただけるように、幽遊白書に魔界トーナメント編から出てくる躯の大考察を行います。ぜひ一緒に考察してみてください。

幽遊白書にでてくるキャラクターの中でもトップクラスに壮絶な生い立ちと過去をもっている躯。また女性としてもトップクラスの強さを持ち、魔界3強にまで上り詰めながらも一方で、非常にかわいい一面も持っています。あれだけプライドの高い飛影が躯に気を許すのは、躯の人間臭さや彼女の壮絶な生い立ちに触れたからではないでしょうか。ここでは時系列で躯について追っていくことにします。

実の父親は魔界で奴隷商人をしている『痴皇』という名のおじ様です。人間でありながら魔界の住人なのか、妖怪なのかはっきり描写されていませんが、比較的言葉に正確な幽遊白書で奴隷商賊と書かれていないところから見れば人間である可能性もあります。つまり母親が妖怪であることになりますが、一方で躯が生まれてから何百年も経っていても生きていることを考えれば妖怪に転身したか、そもそも妖怪だったのでしょう。

生まれてすぐ腹を改造され、誕生日を迎えるたびに新しいキズをつけられた躯ですが、痴皇の動機は、「遊びやすいように」だそうです。サイコパス度合いがとどまるところを知りません。非常に見た目がかわいい躯は、非道な行為を7年間受け続けます。そんな痴皇から逃れるためでしょうか。興味を殺ぐために自ら酸をかぶり、美しさを失った躯は肥溜めに捨てられます。新たな人生を作っていくことになります。

最初から魔界統一を考えていたとは考えにくい躯ですが、黄泉や雷禅とともに魔界の三大妖怪にまで上り詰めます。黄泉が力をつける以前から魔界のトップクラスにいた躯は相当数の戦いを繰り広げてきたのではないでしょうか。

また、奴隷商人に抗う術を持たずして育った幼少期から考えると躯の強さは7歳から飛躍的に伸びたわけですが、黄泉の魔界統一のいう野望から自身でも魔界統一に乗り出し、3大妖怪の拮抗状態が数百年続きます。

そもそも躯は女性であり、決してフィジカル的な強さが感じられない奴隷商人の父親に支配されるほどの躯が、なぜ魔界三大勢力にまで上り詰めたのか。また過去を断ち切るために手にした強さの生い立ちを追います。

躯は女性らしく攻撃力（OP）と体力（HP）は黄泉、雷禅に比べ低いです。守備力に至ってはトップに立ち、数字だけを見ると、カウンター型のタイプに当てはまるかもしれません。アニメでは次元を切る能力が披露されましたが、特質能力が伺えます。

そして特筆すべきはその特殊能力（SP）にあります。強さにムラがあるとされている躯は、本気を出すと無敵と思わせる節がありました。「あの方は精神状態に大きく左右される。あんな和やかな大会では最高時の半分くらいの力がせきの山だろう。」つまり、黄泉側が躯の妖力値を測ったときも、本気を出していないと考えれられるので、単純に倍計算とまではいかなくても十分に黄泉を子ども扱いする力は持っているということです。

飛影が躯の元へ来て筆頭戦士になるまで250年ほどNo.2を務めていた麒麟。忠誠心は強く、77人の直属戦士の中で躯の理解に努めた戦士です。戦闘値こそ躯とは比べるまでもありませんが、もちろんS級妖怪であり、躯との付き合いの長さは250年以上連れ添う熟年夫婦級です。麒麟もかわいい躯の虜になった一人かもしれません。

幽遊白書の中で、躯の強さはフィジカルはもちろんですが、戦士を惹きつける躯にしか出せない魅力があったからこそ、魔界三大勢力にまで上り詰めることが出来たのではないでしょうか。

さて躯が本気を出すと、どの程度の強さなのでしょうか。飛影が全く反応できないほどの一撃を喰らわせる躯。飛影は、魔界トーナメントが終わるころにはかなりの力を身につけていたはずです。戦うほど強さが増していく飛影。

トーナメント前ですでに躯の軍隊の筆頭戦士にまでなり、トーナメント中にも限界ギリギリの戦いをした飛影は、下手をすると雷禅の昔の仲間といい勝負ができる程度の強さを持っていたかもしれません。その飛影が全く反応できないレベルの一撃を座った状態から放つ躯の強さは底が見えません。

幽遊白書の中で度々出てくる氷泪石。躯が上り詰めていく背景にその存在は欠かせません。蔵馬が現役のA級妖怪で黄泉と盗賊をやっていた魔界は、今よりも遥かに混沌としていたはずの魔界ですが、躯はすでに相当の強さを持っていたと思わせる描写があります。

そのレベルの妖怪をなぎ倒していくには非情にならざるを得ない状況も多く、躯の心のよりどころになった氷泪石があったからこそ、フィジカルの強さだけでなく飛影が慕い、飛影を含む77名の親衛隊を率いる器やリーダー性を身につけたのでしょう。

まず、再度確認になりますが躯は女性です。そして躯はかわいいのです！生い立ちの中で酸を自らかぶり、半身がただれてしまう前も7歳とは思えない美しさをもっています。見た目だけでも非常にかわいい躯ですが、幽遊白書きってのツンデレキャラが躯ファンを作る最大の要素ともなっています。

敢えてこの右半身を治す気がないという躯ですが、筋肉が見え隠れするほどの酸を被ったことがわかります。しかも被った当初から多少なりとも回復した姿がこれだとすれば、その回復力や耐久力は異常です。目つきは優しく、儚さを感じさせますが誇りを持って生きていることも伺わせます。

また同時に闇を持った目にも見え、儚さと優しさの両面を持った躯のこの姿こそ、躯の素顔なのでしょう。幽遊白書では、ここまでの過去や生い立ちを持ったキャラクターはいません。彼女だけが持つ唯一無二の個性なのです。

躯の性格で人のような温かい場面は飛影以外の直属の戦士には見せることはあまりありません。今までもそうだったのでしょう。では躯はいったいどんな性格をしているのでしょうか。何個か挙げていきます。

饒舌に話しをしたり、高いコミュニケーション能力をもっています。策略家でリーダー性に長ける一面も持っており、冷静沈着かつ残酷な面も持つキャラクターです。そんな躯ですが、かわいい一面もあり、ツンデレとファンから愛されていたり、男らしい性格を持ち合わす一面もある、女性的というよりは繊細な部分があります。

黄泉ほどではありませんが、比較的コミュニケーション力や交渉力に長ける躯。幽遊白書の中に出てくる妖怪のなかでもかなりの策略家です。その交渉の仕方は比較的ストレートでありながら、飛影の性格をよく掴みスカウトも成功させます。

飛影だけでなく、麒麟や時雨などとも積極的にコミュニケーションをはかっていた躯。非情に優秀な戦士たちを束ねていくために必要だったのではないかと考えられます。説得力があり裏表がないであろうその言葉は、躯のコミュニケーション能力の高さを感じさせます。

気難しい時雨や飛影といった戦士を従え、慕われる躯のリーダー性は黄泉のものとは違います。そういったところは雷禅と似たところもあるかもしれませんが、戦士が勝手に忠誠人を持つような雰囲気を漂わせる躯です。また、幽助が魔界トーナメントを提案したときの意思決定も早いところから、迷わない、突き進む強さを持つといったリーダーに必要な要素も覗かせます。

目に入るものすべてを見境なく殺した時期もある躯。非情で残酷な性格も見え隠れしますが、情緒不安定になると一気にそれが強くなります。特に飛影が「躯を利用してやる」と蔵馬の会話で言うと、蔵馬は「躯の恐ろしさを知らない」と唾をのむ瞬間もあることから、残忍さも持ち合わせるあの妖狐蔵馬が恐れをなすほどの、幽遊白書では描かれていない残酷な一面も持っているのでしょう。

もともと飛影が付き合うとしたらどんな女性か。をテーマに描かれた躯。ツンデレマスター飛影とお似合いの躯は、幽助が初めて黄泉のところへ行った時に飛影に「ちょっとそいつが羨ましい」と洩らし、かわいいツンデレ具合を少し見せてくれました。飛影と躯は幽遊白書のベストカップルという声もよく聞きますが、納得する方が多いようです。

幽遊白書で初めて飛影と出会ったのは言霊のスカウトでした。ここでは、飛影は一方的に躯からメッセージを聞くだけなので、全くコミュニケーションは取っていませんが、このスカウトで飛影は魔界に戻ることを決意します。

何度か触れていますが、二人の関係は氷泪石にあります。幽遊白書の中でこれだけ重要な役割も担うアイテムはほかに無いかもしれません。飛影も躯もそんな氷泪石に心を救われるという共通点を持っています。氷女という妖怪が涙を流すとそれが氷泪石になりますが、子供を産んだ時に流す涙は特別で生まれた子供に与えられるのです。

魔界トーナメント後も、躯はその過去からの呪縛で苦しみます。躯の実の父親である痴皇は、自分にその強大な力で復讐されないために洗脳という形で保険をかけていましたが、飛影がその過去の呪縛から解き放とうと躯を訪れ過去に触れます。そして飛影は蔵馬のところへ行き、ヒトモドキという植物を調達してもらいますが、このころは既に飛影と躯の関係は単なる部下と上司の関係ではないことが伺えます。

この直後、飛影は過去に深く触れ、逆鱗にふれた飛影は一撃で沈められてしまいます。本気の一撃を喰らった飛影は躯の強さを改めて認識することになりました。このころは飛影にとって躯はすでに特別な存在だったのでしょうか。

幽遊白書では敵同士だったものが新たに絆ができる。といったパターンはよくありますが、躯と飛影も部下と上司という垣根を越えた関係になっていきます。飛影は本当に気に入ったものにしか優しくしないですし、ましてや女性にアプローチのようなことは簡単にはしない性格であることは読者の方であればわかるようです。

敢えて生い立ちに触れ、その過去からの呪縛を解くために真相を調べ上げ、元凶を誕生日にリボンをつけて共にプレゼントした飛影。そして躯の表情からは今までに無かった超かわいい表情を浮かべます。これは飛影じゃなくとも心を奪われてしまう方が多いようです。

お気づきの方がいるかも知れませんが、飛影が過去からの呪縛を解き放った姿と過去に囚われていた時の姿では酸を被り筋肉が丸裸で見えていたその右半身のただれ方に違いがあります。

自ら酸をかぶってできたキズは左半身にまで広がっていてなんとも痛々しく、その壮絶だった生い立ちがうかがえます。過去をうらむころで強くなり、過去を断ち切れないでいます。

なんと首筋や顔の左にまで広がっていたキズが治っています。心なしかその目線も優しく見え、その表情ですら躯登場から初めてかもしれません。女性っぽさがにじみ出ています。

ここまでのキズの治り方を見ていると明らかに治しにかかっているではないかと思うかもしれません。先ほども触れましたが、元々に治癒能力の高いキャラクターであり、戦闘能力で防御の面では相当なものがある躯ではあるものの、何百年も前に酸を被った右半身があれだけ治っていなかったにも関わらず、この短期間でここまでの回復を見せているのは明らかに不自然です。

飛影に姿を見せた際に、「今ではオレの誇りだから治す気もない」といっていたことから、自ら治療を行ったとは考えにくいのではないでしょうか。となれば治癒能力が飛躍的に上がり、何百年も治らなかったキズが自然治癒していったのです。

幽遊白書のアニメでは、麒麟も言っていました。「これから躯様の真の強さを見ることはもうないだろう。あの方は今まで見たことがない優しい目になった。何があったかまではわからないが。」と、飛影が来てから変わっていったのです。

すっかり女性らしく、かわいい躯様になったと言いたげな麒麟ですが、飛影の影響は言わずもがなです。躯ファンとしては、ここから飛影と仲睦まじく、時には殺し合いレベルの痴話ケンカをしながら仲良くやっていってほしいところです。

幽遊白書の中でも出てくる回数はそれほど多くないですが、なんといっても人気キャラクターNo.1飛影の恋人にもなり得る可能性を秘め、魔界でもトップクラスの強さを誇る躯。魔界の3大妖怪のうち雷禅は死に、黄泉は旅にでます。

幽遊白書のストーリーの人間臭く何かを乗り越えていくのは、躯だけではないですが、目も覆いたくなるほどの生い立ちから最終的には目を背けずに乗り越えていくその姿から、幽遊白書のなかでも強いメッセージ性を持たせたキャラクターだったのでは、と言われています。

過去と今を絶妙につなげ、生い立ちとその後を綺麗に見せ、最後はキズまで治りつつあるというサプライズもあった躯のファンにならざるを得ないようです。皆さんも躯の半生を見るためにもう一度幽遊白書を見てはいかがでしょうか。また、時を同じくした黄泉や雷禅の過去や生い立ちもさらいながら見ると、より幽遊白書を一層理解できるかもしれません。