【寄生獣】ミギーの最後はどうなった？新一の右手から消えた理由や最終回を考察

この記事では、『寄生獣』の主人公・泉新一の右手に宿った寄生生物ミギーに焦点を当てます。ある時、新一の右手には口ができてしゃべるようになりました。時には変形して武器にもなるミギーは、人とは相いれない価値観を持つ知的生物でした。

これから、ミギーが新一の右手から消えた理由や最終回で最後に死んだのかどうかを考察するとともに名言についても紹介していきますが、まずはその前に『寄生獣』の作品情報をお届けしましょう。最初に作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと続きます。

『寄生獣』は岩明均によるSF漫画です。1988年に講談社「モーニングオープン増刊」にて3話まで掲載された後、第4話以降は「月刊アフタヌーン」にて1990年1月号から1995年2月号まで連載されました。

その間、20年以上にわたりメディア展開はされませんでしたが、2014年に映像化が実現します。テレビアニメ版は2014年10月から2015年3月まで日本テレビなどで放送され、さらに同年11月と翌年4月には山崎貴監督による2部構成の実写映画が公開されました。

単行本の累計部数は、テレビアニメ化および映画化が発表された2013年時点で1100万部を突破し、ベストセラーの仲間入りを果たします。そして、2020年時点での累計発行部数は2400万部を超え、さらに、講談社からは他の漫画家によるトリビュート作品集『ネオ寄生獣』『ネオ寄生獣ｆ』も刊行されています。

ある日、宇宙から正体不明の生物が多数やって来ました。彼らは鼻や耳から人の頭部に侵入し、頭全体と入れ替わる形で寄生し人間を支配していきました。寄生後の頭部は柔軟に変形し、様々な顔に変装できるだけでなく、鋭利な刃物や鞭のようにもなり、人間を瞬時に切り裂くことができます。さらに、これらの寄生生物・パラサイトは、高い学習能力を持ち、迅速に知識や言語を獲得すると人間社会に溶け込んでいきました。

『寄生獣』に登場するミギーは、主人公の新一に寄生したパラサイト（寄生生物）です。新一がベッドで横になり、ヘッドホンで音楽を聴いていた際、ミギーは彼の耳から侵入を試みますが失敗します。その後、新一が目を覚ますと、ミギーは彼の右手に突き刺さって体に侵入し脳に向かいます。しかし、新一が上腕をきつく縛り上げたためその試みも頓挫し、ミギーは右腕に寄生することになりました。

新一とミギーは、普通に口頭で会話することができます。当初はミギーもパラサイトらしく感情が乏しく、人が生きたり死んだりすることには極めて冷淡でした。敵との対戦では人間を盾にして戦う戦略を練るなど、人間社会の常識からは逸脱した思考をとっていたのです。しかし、新一との共存関係が進むにつれて、ミギーは感情を理解するようになり、信頼関係を築いていきました。

また、ミギーは、新一の身体から養分を摂取しているため、捕食活動は不要です。その代わり新一は二人分の栄養を補給しなければならず、次第に大食漢になっていきました。言葉遣いがきれいだと宇田から褒められますが、新一は図鑑などから言葉を学んだ結果と踏んでいます。右腕の主導権はミギーが握っていますが、その権限を新一に委譲することで、新一の意思で右腕を動かすこともできます。新一はそれを手動権と呼んでいます。

後藤に吸収されていた間、眠っている間でも情報が頭を駆け抜けるという体験をします。それにより体質はさらに変化し、一度に物事をいくつも考えられるようになりました。そして、持ち前の旺盛な好奇心から、別世界への旅立ちを決意します。新一に一方的に別れを告げた後、終わりのない「眠り」についたのです。

ここからは、最終回での「ミギーが消えた・死んだ」問題について考察します。ミギーが新一の右手から消えたのはなぜなのでしょうか？理由前述の通り、『寄生獣』に登場するミギーは、無期限の眠りにつきました。彼は泉新一に対して、「今度の眠りは少し長く、何年何十年、ひょっとしたら死んだあとまでかもしれない。つまり君にとっては右手が戻ってくると思っていい」と伝えました。これがミギーが消えた理由です。

ミギーは外部の活動を中止し、新一のいる世界からやや異なる方向に旅立つことを選択し消えたのです。新一に自分のことを忘れるように伝えた後、ミギーは、死んだのではなく消えたのでした。新一は、夢の中でこのミギーが消えた別れを体験しました。ミギーは消えたのですが、目を覚ました新一は消えたミギーのことを忘れてはいませんでした。

次に、最終回で消えたミギーが死んだのかどうか考察していきます。果たして彼は最終回で死んだのでしょうか？ミギーとの別れから１年後、新一のガールフレンド村野が殺人鬼の浦上に誘拐されてしまいます。その後、最終回で浦上はビルの屋上から拘束していた村野を突き落としたのです。

最終回で新一は浦上を一撃で倒した後、村野に右手を差し伸べますが間に合いませんでした。しかし、絶望の中、新一は右手がしっかりと村野を掴んでいることを感じました。最終回のこの瞬間、彼は消えたはずのミギーの存在を実感していたのです。この最終回を考察する限り、どうやらミギーは最終回で死んだということではなさそうです。

ここからは、『寄生獣』のミギーの能力や性格を考察します。最終回で死んだのではないミギーですが、寄生生物の特徴として宿主を自在に変形させる能力を持っています。人間の原型をとどめない姿にも変化させられます。手を刃に変形させ人間を真っ二つにすることも可能です。また、「肉体の潜在能力を限界まで引き出せる」ということなので、人間を超えた能力を発揮できると考察されます。

ミギーは、人目につくところでは新一の右手になっていますが、新一や他の寄生体だけのときは、ボーリングのピンのように拳部分を変形させます。そして先端部分に目、真ん中箇所に人間の唇を生やしたスタイルが基本のようです。まさしく異形と言ってよい形ですが、深海魚のようなかわいさがあると言う人もいます。

一方で、宿主の人間が活動を停止すると、それは寄生生物が死んだことを意味します。宿主が急所を狙われるとあっけなく敗北してしまいます。右手に寄生したミギーは、右手しか変形させることができません。それでも、新一を守りながら戦わなければなりません。他の寄生生物はミギーを異様な存在と考察していました。

ミギーは様々な戦術を駆使し、他の寄生生物を打ち倒していきます。当初のミギーは、単純な強さ比較では他の寄生生物に劣っていました。しかし、やがて大きな変化が訪れます。新一の命を救う過程で、ミギーの体の約30%が新一の体に取り込まれました。このため、ミギーは１日の内、数時間眠らなければならなくなったのです。これは大きな損失でした。

新一はと言うと、壁を数メートルも越えるなど、人間離れした能力を身につけました。ミギーが眠っている間、他の寄生生物と互角以上の戦いをするほどに成長しました。その後、右手のミギーと新一という二つの存在が協力して戦うことで、他の寄生生物を寄せ付けない強さを発揮するようになったと考察されます。

ミギーは人間ではなく、あくまで寄生生物です。知能や情緒面では人間と大きく異なります。ミギーの知能は非常に高く、人間の言葉を数日で覚えてしまうほどです。一方、人間から見ると、情緒的な部分が欠如しているように考察されます。例えば、襲ってきた他の寄生体を手にかけても悲しむような反応は見られません。それでも、生存本能は持っており、「死んだら困る」と発言しています。

他の寄生体との戦いの際、新一に大勢の人間を犠牲にする作戦を提案するなど、自らが死んだりしないよう新一の死を回避するためなら非人道的な行動も辞さないところがあります。また、ミギーには他の寄生体と比べても一つ大きな違いがあります。他の寄生体は本能的に「寄生した人間を喰い殺せ」という欲求を持っているのですが、ミギーにはそれがありません。ただ生存本能に従って行動していると考察されます。

しかし、物語が進むにつれてミギーにも変化が現れました。次第に人間の感情を理解するようになっていったのです。新一が「どうせ殺すことばかり考えてるんだろ！てめえは」と言うと、ミギーは「人間を殺すということに君がいかに拒絶反応を示すか、よく理解している。殺すというのはとりあえずおいておいてだな…」と答えました。この時点で、ミギーは新一の考えを受け入れる姿勢を見せていました。

物語が終盤に差し掛かると、ミギーはさらに進化します。彼は情緒を持つようになり、自己意識を持つ存在としての一歩を踏み出しました。ミギーは「わたしにとってみればこいつは同種なので、こいつを殺すということは人間でいうなら殺人にあたる」と述べ、寄生体が死んだりする行為に手を貸すことを拒否します。この変化により、ミギーは人間の言う「いいやつ」に近づいたのかもしれません。

次に、ミギーの放った名言の中から二つの名言を紹介します。一つ目の名言は、人間に関する名言で、もう一つは知識に関する名言です。それでは、最初の名言、人間に関する名言から紹介しましょう。

この名言で、ミギーは人間を「悪魔」に最も近い存在と位置付けています。あらゆる種類の生物を殺し食っている人間に比べれば、寄生生物は１〜2種類の生物を殺して食べるだけなので可愛いものだということでしょうか？意味深い名言と言えるでしょう。

二つ目の名言は、彼の知識に関する考え方を如実に伝えている名言になります。受験勉強は暗号のように当事者間だけで通用するもので、生きる上で役に立つ知識ではないと語っています。ミギーの旺盛な知的好奇心や知識欲を表している名言と言えるでしょう。

人間の脳への侵入を試みる一体のミミズのような寄生生物が現れました。耳からの侵入に失敗し、代わりに右手の手の平から脳へ向かいます。しかし、その人間はイヤホンのコードを右手に巻き付けることで侵入を防ぎました。結果として、寄生生物は右手に寄生することになりました。

翌日、泉新一は右手に奇妙な感覚を覚えました。彼は右手にナイフを突き立てようとしましたが、寄生生物がそれを阻みました。包丁を軽々とへし折りました。殺すことができない状況の中、奇妙な共生が始まりました。これがミギーと新一の出会いでした。

最初は片言の会話しかできませんでしたが、寄生生物ならではの驚異的な学習能力により、流暢な会話が可能となりました。やがて新一は寄生生物に名前を尋ねました。寄生生物は「ミギーと呼んでくれ」と答えました。

ミギーと新一は共生関係にあります。ミギーは宿主である新一が生き延びるためにあらゆる手段を尽くします。「これでよいだろう…これからは互いに協力し合って生きるしかない」とミギーが述べ、新一はミギーを除去できないため、やむを得ず「共生」を受け入れました。基本的には、ミギーと新一はこのような関係にあります。

しかし、その関係は徐々に変化していきます。人間の感情に理解を深めたミギーは、新一との間に友情を築きました。ミギーは「さようならシンイチ…これでお別れだ…シンイチ…最初に君に出会って君の脳を支配しなくてよかった…おかげで友達として…たくさんの楽しい思い出を共有できたね」と述べています。ミギーが友情や喜びといった感情を理解したことで、二人は単なる共生を超えて強い絆でつながりました。

ここで、アニメ『寄生獣』のミギー役の声優・平野綾（ひらの・あや）を紹介します。平野綾は、1987年10月8日生まれ・愛知県名古屋市出身の女性声優で、女優、歌手、アイドル、タレント、ラジオパーソナリティと幅広く活躍しています。

平野綾は、幼い頃、父親の仕事の都合でニューヨークに住んでいました。その経験がその後の人生に大きな影響を与えます。ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』を観てミュージカル・スターになることを夢見たのです。小学校に進学すると、最初は学校が苦手で友達もできずいじめにも遭いました。しかし、8歳の時にオーディションに合格し、アマチュアとして区民ミュージカルに出演し、将来に希望を見出しました。

小学校高学年の時には芸能界入りを決意し、両親との約束を胸に刻み、この仕事をライフワークにしようと決意したといいます。しかし、中学生時代に脳下垂体腺腫という難病が発症し、保健室通いの日々が始まります。そこから病気との戦いが続きますが、2014年、父親が逝去した年に腫瘍が消えたのです。これにより彼女は長年の苦難から解放されました。

2001年にテレビアニメ『おとぎストーリー 天使のしっぽ』で声優デビューします。2006年のテレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の主演で脚光を浴び、仕事は多忙を極めていきました。以降、アニメだけでなく舞台やテレビドラマなど様々な作品に出演するようになりました。2007年の第1回声優アワードでの新人女優賞をはじめ、東京国際アニメフェア第6回東京アニメアワードにて声優賞を受賞するなど高い評価を得ています。

次に、アニメ『寄生獣』で寄生生物のミギーの声を演じた声優・平野綾の主な出演作品や担当キャラを紹介していきます。

声優・平野綾の出世作となったのが、谷川流のライトノベルを原作とするテレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』です。平野は主人公の涼宮ハルヒを演じました。ハルヒは負けず嫌いで超常現象に惹かれるユニークなキャラです。容姿がどこか平野綾に似ているといった視聴者の感想もありました。

『DEATH NOTE』は、大場つぐみ原作・小畑健作画による漫画を原作としたアニメ作品です。ヒロインのミサミサこと女優の弥海砂は、名前を書かれた者が死ぬノート「デスノート」の所有者の一人でもあります。おどけた言動が多くアイドル的要素が強いので、平野綾にピッタリの役と言う声も多く聞かれました。

『FAIRY TAIL』は、真島ヒロによる漫画を原作としたアニメ作品で、魔導士ギルド「妖精の尻尾（フェアリーテイル）」に所属する主人公ナツの活躍を描いています。ルーシィ・ハートフィリアは本作のヒロインで、門の鍵を使って異界の星霊たちを召喚し、契約者しか使えない魔法を操ります。ルーシィの一つ一つの行動や表情が平野の演技により生き生きと描かれていたと好評でした。

『銀魂』は、空知英秋による漫画を原作とするテレビアニメで、江戸時代末期を舞台に、侍としての矜持を貫く坂田銀時とその仲間たちの生きざまを描いています。平野が演じる今井信女は、警察組織・見廻組の副長で、暗殺剣の達人です。無表情かつ無感情に人斬りを行う半面、ドーナツに目がなく、コミカルで可愛い一面もあります。視聴者の中には、平野の叫びの演技に心を揺さぶられ、涙した方も多数いたそうです 。

そのほかの出演作や担当キャラ

• NANA（芹澤レイラ）
• らき☆すた（泉こなた）
• それいけ！アンパンマン（コキンちゃん）
• ジュエルペット（ガーネット）
• 君に届け（胡桃沢梅）
• 絶対可憐チルドレン（明石薫）

ここまで『寄生獣』のミギー特集をお届けしてきましたが、最後にミギーに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、ミギーの特性に気づいた方の感想です。その特性とは、「窮地に陥っても怒らず、常にその場での最善策を考える」というもので、頭の中で飼っておきたいと思ったそうです。

こちらの投稿者も、人間の感情を持たないミギーに注目しています。むかついたことがあった時に、「心にミギーを飼う」ことで冷静さを取り戻そうとしていました。

最後に紹介する『寄生獣』のミギーに関するのは、ミギーのネーミングについてのツイートです。ミギーは主人公・新一の右手に寄生しています。”右”手だからミギーと言うのだそうです。ちなみに、ちなみに英語版では、絵が左右反転しているため「Lefty（左利き）」という名前になっているそうです。

この記事では、「寄生獣のミギーの最後はどうなった？」と題して、最終回に死んだのかどうかの真相や新一の右手から消えた理由を考察するとともに、ミギーの残した名言についても紹介してきました。

『寄生獣』の主人公・新一の右手に寄生する生命体のミギーは、ある日突然新一の右手から姿を消しました。自分のことを忘れないようにと釘を刺した上で、ミギーは活動を休止し無期限の眠りにつく選択をしました。しかし、最終回では、ビルの屋上から突き落とされた浦上の腕をつかんだ新一が、右手にミギーの存在を実感しています。このことから、ミギーは最後に死んだわけではないことが明らかになりました。