寄生獣に登場する「母親」を紹介!泉信子や田宮良子について考察

寄生獣は原作漫画完結後も、テレビアニメ化や実写映画化される程注目度の高い作品で、そのストーリーの奥深さとメッセージ性の強さで人気を博している作品です。ここでは、そんな寄生獣に登場した「母親」を紹介していきます。寄生獣には泉信子や田宮良子など、母親としての登場人物が描かれていました。寄生獣に登場した母親やその死について考察し、ミギーや新一などの登場人物との関わりについても掘り下げて紹介していきます。

寄生獣に登場する「母親」を紹介!泉信子や田宮良子について考察のイメージ

目次

  1. 寄生獣とは?
  2. 寄生獣で登場した母親を紹介
  3. 寄生獣が母親を通して伝えたメッセージを考察
  4. 寄生獣の漫画の面白い魅力
  5. 寄生獣の母親に関する感想や評価
  6. 寄生獣の母親まとめ

寄生獣とは?

寄生獣の概要

寄生獣に登場した母親について掘り下げていく前に、寄生獣の作品概要を紹介します。寄生獣とは、日本の漫画家・岩明均による漫画作品で、月刊アフタヌーンで連載されていました。1988年~1995年まで連載されていた寄生獣は、テレビアニメ化や実写映画化も果たしている注目度の高い漫画作品です。

寄生獣のあらすじ

寄生獣のあらすじを紹介していきます。寄生獣の主人公・泉新一は平凡な高校生でした。ある時、地球へとやってきた謎の寄生生物に右腕に寄生されてしまった新一。この寄生生物は人間の脳を奪ってしまう生物で、人間の姿を借りて社会に溶け込んでいきます。新一は、人間社会に溶け込みながらひっそりと人間を襲っていく寄生獣と、人間との戦いに巻き込まれていきます。

寄生獣の登場人物

泉新一

寄生獣の登場人物を紹介していきます。まず、泉新一は寄生獣の主人公の高校生男子です。ごく普通の平凡な高校生だった新一でしたが、寄生獣の世界でパラサイトが地球へ飛来した際、一匹の寄生生物とめぐり合います。この時、新一はヘッドホンを着用して音楽を聴いていました。耳の穴から脳へと到達したかった寄生生物はこのルートを諦め、鼻の穴からの侵入を試みます。

しかし、違和感から新一が目を覚ましてしまった為、右腕に潜りこんで侵入する事となります。しかし、驚いた新一はコードで右腕を縛り、寄生生物は右腕に留まってしまいます。そのような経緯で、右腕に寄生生物である「ミギー」を宿す事になった新一。その後、人類と寄生生物の間で巻き起こる戦いに、「寄生生物に脳を奪われず、共生している」という特殊な立場から関わっていく事となります。

泉新一は平凡な高校生としての穏やかな生活から、一転して激しい戦いに巻き込まれる事となってしまいます。寄生生物ミギーと共生し影響を受ける事で、異常な身体能力を獲得していきます。また、情緒面でも変化が起こり、冷淡な感情を持つようにもなりますが、元来穏やかで心の優しい青年です。ミギーとも奇妙な友情を結び、共に人間の為に戦っていく事となります。

ミギー

ミギーは宇宙から地球へ飛来した寄生生物で、作中でパラサイトと呼ばれている生物の一人です。上記の経緯で新一の右腕を喰らって寄生する事となります。その為、普段は新一の右腕に擬態しています。新一に寄生した直後は、片言の言葉しか話せず「脳を奪えなくて残念だ」という原始的な思考しか出来ませんでした。しかし、貪欲に人間社会の情報や言語を吸収していった結果、あっという間に一般的な常識や言語能力を獲得しました。

元々は人間の脳を奪って、「人間を喰い殺す」という本能に従うはずでしたが、新一と友情を結んでいった結果、人間のような考え方もするようになっていきます。新一と利害が一致した結果、人間を襲って殺してしまうパラサイトと戦うようになります。性格は落ち着いていて理知的です。パラサイト相手での戦闘でも新一に的確に指示を出したり、冷静な振る舞いを見せています。

村野里美

寄生獣の登場人物で、ヒロインとしての立ち位置のキャラクターが、村野里美です。里美は新一のガールフレンドで、お互いに惹かれあっているという関係でした。中学生の頃から新一とは面識があり、高校生になってから更に接近し、新一と交際するようになっていきます。ミギーに寄生され、複雑な立場となって戦いに身を投じていく新一の変化を、誰よりも敏感に察知していきます。

アニメ『寄生獣 セイの格率』公式サイト

寄生獣で登場した母親を紹介

母親①泉信子

寄生獣では宇宙からやってきた謎の生命体「パラサイト」と、人間との戦いを軸に、様々な深いテーマが描かれていきます。その中で、特に重要なキーワードとして挙げられるのが「母親」です。寄生獣に登場する母親は何人かいますが、その内特に印象深いエピソードが描かれた母親である泉信子と田宮良子について考察していきます。

泉信子とは?

まず、寄生獣に登場した母親①泉信子は、主人公泉新一の母親です。泉信子はまさに良妻賢母といった優しい母親で、主人公の新一と夫一之とを支えていました。泉信子は平凡な家庭の母親として、寄生獣のストーリーの1話から登場しています。泉信子はまだ新一が幼いころ、火傷をしそうになった新一をかばって、とっさに素手でてんぷら油が熱させた鍋を掴むほどの息子想いの母親です。

このとき母親・信子の腕に残ったひどい火傷の跡は、新一の心に後悔の念を残しています。この火傷は、新一と母親・信子の関係を象徴するかのような描かれ方をしていました。身を呈して子供を守る深い母親の愛情が伝わってくるエピソードでした。

泉信子の死

新一の母親である泉信子は、ごく普通の平凡な主婦だったのですが、作中で死亡してしまいます。旅行に行った先で不運にもパラサイトに襲われて死亡してしまったのです。夫・一之と夫婦で旅行をしていた泉信子ですが、そこで寄生する先を探していた手負いのパラサイトに襲われます。このパラサイトは元々は女性の体に寄生していたのですが、車の事故にあって深手を追ってしまいます。

すぐに手に入る人間の身体は男性のものであり、拒絶反応を起こしてしまいます。あせったパラサイトは異動した先にいた泉信子の首を切り落として体を奪ったのでした。このような残酷な死を迎えてしまった泉信子。その後、新一は寄生生物に乗っ取られた母親・信子と再会する事となりましたが、ミギーの「もう君の母親じゃない」という忠告にも耳を貸さず、母親の死を受け入れられない状態となってしまいます。

新一は母親の姿をしたパラサイトに対しどうしても戦う事が出来ず、心臓を一突きされてしまいます。本来ならば死亡してしまう怪我でしたが、ミギーの応急処置で一命を取り留めました。母親の姿をしたパラサイトに指される前、新一は母親の体に残っている火傷の跡を見て、謝りたかったと口にするのでした。このシーンでは、新一の母親に対しての想いが描かれていました。

母親②田宮良子

寄生獣に登場する母親②は田宮良子です。田宮良子は、寄生生物・パラサイトの中でも特に知能が高い個体で、人間社会にも非常に上手く潜り込んでいました。ただやみくもに人間を襲って食べるのではなく、奪った人間の体の持ち主・田宮良子として社会生活も送るようになります。田宮良子として新一の通い高校に教師として赴任しています。

田宮良子は母親と遭遇

田宮良子として生活するようになった寄生生物。自宅もそのまま田宮良子のものを使用していました。そんな田宮良子の元に、母親が尋ねてきます。完璧に見た目は擬態しており、声も全く同じです。他の人間はみんな騙せていましたが、実の母親だけは、彼女が「本物の田宮良子」ではないと気付きます。上手く人間社会に溶け込む事が出来ていた田宮良子は、なぜ母親には正体がばれたのか?不思議に思います。

田宮良子の母親は、自分の娘が別の者になってしまったと気付いてしまった為、田宮良子に攻撃されて死亡してしまいます。田宮良子は何故正体がばれてしまったのか?母親の持つ不思議な感覚とは何だったのか?をこれ以降考え続けていく事になります。

田宮良子は子供を守った

寄生獣に登場する田宮良子は、自身も母親になっています。ただ人間を食べる寄生生物としてではなく、人間社会に溶け込み、知的好奇心も旺盛だった田宮良子。そんな彼女は実験的に男性の体を奪った寄生生物と交尾をし、妊娠していたのです。田宮良子は自身のお腹に宿った命は、「何者か?」と新一に問いかけていました。田宮良子は出産し、人間の赤ちゃんを育てていきます。

寄生生物の生態は謎に包まれていますが、人間が持つような愛情や愛着は持っていないと考えられます。田宮良子もそのような性質だったはずですが、赤ちゃんを育てていくうちに不思議な変化が訪れます。田宮良子は家族を殺され田宮良子を恨んでいる探偵に赤ちゃんを誘拐され、赤ちゃんを取り戻しに行きます。赤ちゃんを叩きつけようとした探偵を即座に攻撃し、子供を守った田宮良子。完全に母性を獲得していたと考えられます。

無事赤ちゃんを取り戻した田宮良子でしたが、寄生生物という正体がばれて包囲されてしまいます。田宮良子は子供を守り抜くため、自分の体を犠牲にして盾になります。本来の寄生生物としてはあり得ない行動を取った田宮良子。彼女は子供の母親として自分の命を犠牲にしたという事になります。全身に銃弾を受けた田宮良子は、新一に自分の子供を託して死亡しました。

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寄生獣が母親を通して伝えたメッセージを考察

考察①田宮が得た答え

最後は子供を守って死亡した田宮良子。寄生獣では、母親と通して伝えたかったメッセージが描かれていました。そのメッセージは田宮良子が死ぬ間際に話していた、彼女がたどり着いた答えからも考察出来ます。田宮良子は「人間と寄生生物は一つの家族」だと話していました。自身も母親となり赤ちゃんを育てた経験や、新一との関わりの中で、田宮良子は通常の寄生生物では持ち合わせない感情を芽生えさせたと考えられます。

考察②寄生獣のラストシーン

漫画・寄生獣のラストシーンでは、「何かに寄り添い」という言葉が出てきます。この言葉は主人公新一自身も話していた言葉でした。人間を殺して食べる寄生生物ですが、彼らは彼らなりに生きていくために食事をしています。このような「命」についての深いメッセージは、寄生獣のストーリーの中で、様々な親子の形を通して伝えられているのです。

寄生獣の漫画の面白い魅力

面白い魅力①深いテーマ

漫画・寄生獣にて描かれた様々な面白い魅力を紹介していきます。まずは、漫画・寄生獣には非常にたくさんのメッセージが込められており、深いテーマを扱っている考えさせられる作品として評価されています。寄生生物達が人間を襲うという、パニックホラーの要素も含んでいる漫画・寄生獣。しかし、ただ化け物と戦うホラー作品というだけではなく、敵となる寄生生物・パラサイト側の行動も掘り下げられています。

作中で主人公新一に寄生したミギーが話した内容に、「人間が最も悪魔に近い存在」だと思うと言うセリフがあります。人間から見れば、自分たちを殺して食べる寄生生物こそ悪魔でしたが、そんな人間達は地球上のあらゆる生物を殺して食します。ミギーからすれば、パラサイトたちが食べるのは人間や犬などほんの数種類のみであり、人間の方が恐ろしい生物に思えるのでした。

面白い魅力②ミギーのかわいさ

漫画・寄生獣に登場するもうひとりの主人公はミギーです。主人公・新一の右腕に宿っているミギーですが、作中の激しい戦いを新一と生き抜きながら、友情を築いていきます。当初はまだ寄生生物という性質を強く持っており、非常に冷徹な印象を与えていたミギーも、非常に人間らしくかわいくなっていきます。ミギーは見た目にも奇妙なかわいさがあるキャラクターでしたが、コミカルな行動も多くマスコット的な存在でもあります。

面白い魅力③タイトルの意味

漫画・寄生獣にて描かれた深く考えさせられるテーマが良く表れているのが、タイトルである「寄生獣」です。物語を読み始めてすぐは寄生獣とは、人間に寄生するミギー達パラサイトの事だと思わされます。しかし、ストーリーが進むと、寄生獣とは人間の事なのかも知れないと考えられるシーンが登場します。「人間は地球の寄生獣」だというシーンが登場し、タイトルに込められた意味がわかるようになっています。

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寄生獣の母親に関する感想や評価

寄生獣に登場する母親に関しての感想や評価を紹介していきます。寄生獣に登場した母親で、新一の母親・泉信子が脳を乗っ取られてしまい、寄生生物として新一と対峙するシーンがとても泣けるという感想が多くなっています。

寄生獣の母親のエピソードでは、泉信子が死亡して寄生生物となって新一の前に現れた時、新一は現実を受け入れられず、戦いに負けてしまいました。このシーンでは、過去に描かれた火傷のエピソードも伏線のように登場しており、読者の心をえぐる展開となっています。

寄生獣の母親に関しての感想では、壮大なテーマと一緒に描かれた母親という存在がとても深く心に残っているという感想も多くなっています。特に、愛情という感情が芽生えないはずの寄生生物・田宮良子が、子供を育て守ったシーンがとても感動的だと評価されていました。

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寄生獣の母親まとめ

ここでは、人気漫画作品・寄生獣の母親についてまとめています。寄生獣には複数の親子の姿が描かれ、母親を通して読者にメッセージが投げかけられていました。作中で感動を呼ぶ死亡シーンが描かれた田宮良子のエピソードは、特に読者からの人気が高くなっています。是非、寄生獣をチェックして、様々なメッセージが込められた母親のエピソードに注目して見てください。

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