【天官賜福】郎千秋は永安国の皇子！太子殿下との関係とその後をネタバレ

天官賜福は、アジア全土で大ヒットを巻き起こした作品『魔道祖師』の作者で知られる墨香銅臭が描く、中国のBLファンタジー小説です。中国のウェブ小説サイト・晋江文学城にて2017年6月16日より連載が開始され、2018年6月20日に完結しました。小説は書籍化され、中国では全6巻がすでに刊行済みです。ダリアシリーズユニより刊行されている日本語翻訳版小説は刊行途中で、2023年1月時点で2巻までが発売されています。

天官賜福は2020年10月より中国の動画配信サイト「bilibili」にてアニメ化され、日本では2021年7月より日本語吹替版が放送されました。アニメは人気を博し、2023年10月には第2期が制作され配信されています。第2期も日本語吹替版が制作されており、2024年1月より放送が開始されました。主人公の謝憐と花城の声は、大人気声優の神谷浩史と福山潤が担当しています。

才能溢れる仙楽国の太子・謝憐は、17歳という若さで飛昇し、神官の1人に名を連ねました。しかし彼は禁を破ったことをきっかけに、二度も天界を追放されます。それから800年後、謝憐は三度目となる飛昇を果たし、天界に戻ってきました。かつては武神として崇められた謝憐でしたが、今の彼は三界の笑い者と呼ばれており、もはや信徒はどこにもいません。謝憐は神官として出直すため、人界に降りて活動を始めます。

天官賜福に登場するキャラクター・郎千秋のプロフィールや過去、芳心国師との関係をネタバレ紹介していきます。郎千秋は過去、ある事件に巻き込まれています。事件には、芳心国師（謝憐）も関わっており、その後、天官賜福の中で有名な棺桶ごとめった刺し事件に繋がりました。ここでは、その後の棺桶ごとめった刺し事件に繋がった大殺戮事件についてもネタバレ紹介していきます。

郎千秋（ラン・チエンチウ）は天官賜福に登場するキャラクターの1人です。東方を守護する武神である彼は、かつては永安国の太子でした。周囲からは泰華殿下（タイホワでんか）と呼ばれています。郎千秋は太くきりりとした眉と輝く目を持つ美男子で、武神らしく軍服を身にまとっています。武神ではあるものの戦場を彷彿とさせる獰猛さはなく、むしろ皇族らしい気品が漂っているところが特徴的です。

郎千秋は幼い頃より、純粋で正義感の強い性格でした。その性格は飛昇して神となったあとも変わっていません。彼は自身の義侠心を軸に生きており、それを決して曲げないため、しばしば無謀な行動を取ることがあります。

郎千秋は基本的に朗らかで親しみやすい性格をしていますが、一方で元太子であるためにプライドが高い一面も覗かせます。また、後述の事件が起こったあとは憎悪と復讐心に囚われ、残酷な行いをしたこともあります。

ここからは、郎千秋と芳心国師の関係についてネタバレ紹介していきます。郎千秋の祖国である永安国は、元々は謝憐の祖国・仙楽国の一都市でした。永安は仙楽国で反乱を起こし、仙楽国を滅ぼします。そうして建国されたのが永安国です。永安国の太子であった郎千秋は、12歳のときに悪党たちに捕まりました。その現場に現れて郎千秋を救ったのが、仮面をつけた謎の男・芳心です。

彼は木の棒1本で悪党と太子の護衛が持っていた剣を弾き、危うく怪我をするところであった郎千秋を救いました。我が子が救われたことを知った永安国の王と王妃は、芳心に深く感謝しました。そして彼の能力を見込んで、永安国の国師となり、息子の師匠となってくれるよう説得したのです。こうして永安国の芳心国師が誕生し、彼は郎千秋の師匠となりました。

芳心国師は銀色の仮面を常に着用し、誰にも素顔を明かさない冷淡な人物でした。しかし郎千秋は、自分を救い師匠になってくれた芳心国師のことを強く慕っていたようです。実は、芳心国師の正体は元仙楽国太子の謝憐でしたが、素顔が隠されていたため、誰もその事実に気づいていませんでした。その後、ある事件が起こったことをきっかけに、郎千秋の芳心国師への思いは尊敬から憎悪へと変わります。

ここからは、天官賜福に登場する郎千秋の家族が皆殺しにされた事件についてネタバレ紹介していきます。郎千秋の17歳の誕生日、永安国の皇居内では鎏金宴が催されていました。そこで、悲劇が起こります。その場にいた永安国の皇族が皆殺しにされたのです。郎千秋は宴に遅れ、惨劇の場にいなかったため無事でした。

現場に駆けつけた郎千秋は、尊敬する芳心国師が父王を殺害している瞬間を目撃しました。当然、郎千秋の目には芳心国師がこの惨状を作り出した犯人であるようにしか映りません。郎千秋は芳心国師を捕らえ、彼を問い詰めました。

芳心国師が永安国の皇族を皆殺しにしたことを認めたため、郎千秋は彼に凄惨な罰を与えることになります。この一連の出来事が、のちの世に伝わる鎏金宴大殺戮です。鎏金宴大殺戮が起こったことで、郎千秋は永安国の最後の太子となりました。彼は永安国の民と元仙楽国民を1つにして争いを失くしたいと考えていた両親の意志を継ぎ、永安国の安寧に貢献します。その後、その高潔さが認められて飛昇し、神官になりました。

ここからは、天官賜福に登場する郎千秋と主人公の謝憐（太子殿下）の関係についてネタバレ紹介していきます。郎千秋と謝憐の関係は、天官賜福のストーリーにおいて非常に重要なものです。作品をより深く楽しむためにも、詳しくチェックしておきましょう。

ここからは、謝憐（太子殿下）が郎千秋にめった刺しにされた理由をネタバレ紹介していきます。天官賜福の主人公である謝憐は、かつて郎千秋の手によってめった刺しにされました。郎千秋が謝憐をめった刺しにした理由は、芳心国師の正体が謝憐であり、彼が郎千秋に鎏金宴大殺戮の犯人は自分であると誤解させたためです。確かに、郎千秋の父王にとどめを刺したのは芳心国師（謝憐）です。

しかし、大殺戮を行った犯人は別におり、芳心国師が郎千秋の父王にとどめを刺したのにも理由がありました。芳心国師が罪をかぶった理由に触れる前に、鎏金宴大殺戮の真相について確認しておきましょう。鎏金宴大殺戮の犯人は、郎千秋の親友であった安楽王でした。安楽王は、元々は仙楽国の皇族でした。永安国からすれば、元敵国の人間です。

彼が永安国の中で「王」を名乗れたのは、国王夫妻がそう取り計らったためでした。国王夫妻は、永安国の民と仙楽国の末裔が争うことなく共存していくことを望んでいました。仙楽国の元皇族である安楽王を尊重することで、差別をなくそうとしていたのです。しかし実際のところ、安楽王と仙楽国民を尊重する永安国の皇族はほとんどいませんでした。

永安国への恨みを募らせた安楽王は、鎏金宴大殺戮を起こします。安楽王が国王夫妻を刺したその後、芳心国師がやってきました。まだ息のあった国王は芳心国師に対し、安楽王と仙楽国民を葬るよう命令します。仙楽国民と仲良くしようと頑張ってきたのにこのような形で裏切られた国王は、仙楽国民への情を捨て去りました。

芳心国師が仙楽国の元太子であるなど、国王は知る由もありません。国王からの命令を聞いた芳心国師は、国王にとどめを刺すことにしました。罪のない仙楽国民を守るためです。そこにタイミング悪く、宴に遅れていた郎千秋が現れました。親友が大殺戮を起こした犯人だと知れば、郎千秋は大きなショックを受けます。

彼の憎しみが親友にだけではなく、父王と同じように仙楽国民に向かう可能性もありました。そこで芳心国師は、大殺戮を起こした犯人は自分であると誤解させるようにしたのです。こうして、郎千秋の憎しみは芳心国師にのみ向かい、芳心国師をめった刺しにするという事件が起こりました。

ここからは、天官賜福の中でも特に残酷であると有名な事件の1つである棺桶ごとめった刺し事件についてネタバレ紹介していきます。郎千秋は逃走した芳心国師を速やかに捕らえました。その後、彼を三重の棺桶に葬り、棺桶ごと心臓をめった刺しにします。そうして棺桶を地中深くに埋葬し、封印しました。

謝憐が芳心として永安国の国師になったのは、二度目の天界追放のあとでした。本来は神官といえども不死ではなく、致命傷を負えば死亡します。しかし謝憐は天帝によって不老不死にされていました。そのため、棺桶ごと心臓をめった刺しにされても、地中深くに封印されて飲まず食わずになっても死ぬことはありません。

ただし、痛みや苦しみは感じます。心臓をめった刺しにされて動きを封じられた謝憐は、長い時を棺桶の中で苦しみながら過ごしました。その苦しみは、棺桶が朽ち果てるまで続きました。郎千秋の憎しみの深さと謝憐辛さが詰まったエピソードです。

天官賜福の謝憐（太子殿下）がめった刺しという惨たらしい目に遭ったのは一度ではありません。ここからは、もう1つのめった刺し事件についてネタバレ紹介していきます。謝憐が永安国の国師になる以前のことです。17歳で飛昇して神官となり天界で暮らしていた謝憐は、仙楽国と仙楽国の一都市であった永安が争いを始めたため、禁を破り地上へと向かいました。

民衆は、自分たちが信仰する太子殿下がいれば勝利は確実だと喜びます。しかし、仙楽国は滅亡してしまいました。その後、神官の身でありながら人間の争いに手を出してしまった謝憐は、天界より追放されます。人界に降りた謝憐を待っていたのは、民衆からの恨みと不満でした。

謝憐への信仰を失くした人々は、彼を祀るために作られた像や廟を燃やします。最終的に謝憐は捕らえられ、守ろうとした民たちに剣を1本1本突き立てられるという地獄を経験しました。民衆が残酷な行動を取ったのは、仙楽国を滅亡に導いた鬼・白無相がそうするよう仕向けたためです。

ここからは、天官賜福に登場する郎千秋のその後についてネタバレ紹介していきます。両親の仇である芳心国師を棺桶に入れて葬り、永安国の安寧に尽力した郎千秋がその後どうなったのか、いつ真実を知ることになったのか、チェックしていきましょう。

芳心国師は常に仮面をつけている謎めいた人物でした。弟子である郎千秋も彼の正体を知ることなく、芳心国師を棺桶に入れて葬っています。そのため郎千秋は、三度目の飛昇を果たした三界の笑い者・謝憐がかつての自分の師であることを知りませんでした。

ある日、謝憐は風師・師青玄とともに神官が行方不明になった事件を調査するため鬼市へ向かい、そこで郎千秋と合流しました。その後、行方不明であった神官を発見した一同は、鬼市を離れようとします。その際、郎千秋は鬼市の主である血雨探花・花城と戦いかけました。それぞれの得物を相手へと向けた2人の間に割って入り、それを止めたのが謝憐です。

謝憐は1本の剣を取り、郎千秋と花城の得物を同時に弾き返しました。その動きは、悪党に捕まった12歳の郎千秋を救ったときの動きと同じでした。謝憐の身のこなしを見たことで、郎千秋は謝憐が芳心国師であったということに気がつきました。

芳心国師の正体が謝憐（太子殿下）だと気づいた郎千秋は、当然ながら激怒しました。天界に戻った郎千秋は帝君を前に謝憐の罪を告発し、彼に決闘を申し込みます。しかし謝憐は、剣で人を殺めないという誓いを立てたことを理由に応じませんでした。また、帝君も決闘の許可を出しませんでした。謝憐は謹慎処分となり、郎千秋は一度引き下がります。

その後、天界で謹慎中の謝憐が花城にさらわれるという事件が起こりました。謝憐が花城と行動を共にしていたところ、突如天から剣が降ってきます。その剣はかつて謝憐が使っていた剣・芳心で、剣を投げつけたのは郎千秋でした。郎千秋は謝憐との決闘を諦めていなかったのです。

今度は、謝憐も郎千秋の申し出を受け入れますが、実は謝憐は最初から郎千秋とまともに決闘をする気はありませんでした。謝憐は意思を持つ包帯状の法器・若邪を使って郎千秋を無力化します。結局、郎千秋が思い描いていたものとは全く違う形で、決闘は終了しました。郎千秋は花城によって人形の姿にされ、2人とともに青鬼・戚容の棲み家へと運ばれます。

郎千秋が鎏金宴大殺戮の真相を知ったのは、謝憐・花城とともに戚容の棲み家へとやってきたときのことです。郎千秋は花城の意向で連れてこられましたが、実はこれは郎千秋に真実を突きつけたい花城の策略でした。謝憐のことを大切に思っている花城は、謝憐の汚名をそそぎたかったのです。そのためには、鎏金宴大殺戮に関わっている戚容の証言が必要でした。

郎千秋は花城の狙い通り、戚容から鎏金宴大殺戮の真相を聞かされます。激怒した郎千秋は、その場で戚容の体を真っ二つにしました。戚容は鬼であるため、骨灰を壊さない限り消滅しません。郎千秋は戚容の骨灰を手に入れ、亡き両親に捧げることを誓います。

そして骨灰を破壊して仇を討ったあかつきには、謝憐とも決着をつけることを告げ、その場を去りました。どんな事情であれ、謝憐が父王にとどめを刺したことは事実であるため、簡単に和解とはいきません。謝憐は隠し通すつもりであった真実が明るみに出たことで、ひどく動揺していました。

ここからは、天官賜福のアニメで郎千秋の声を担当した声優について紹介していきます。郎千秋を演じた声優がどのような経歴を持っているのか、天官賜福以外にどのような作品に出演してどのような役を演じたのか、まとめて見ていきましょう。天官賜福の郎千秋を見て演じている声優にも興味を持った人は、下記の情報を参考に彼の他出演作品もチェックしてみると良いでしょう。

天官賜福のアニメで郎千秋の声を担当したのは、声優・ナレーター・歌手の山下大輝です。山下大輝は1989年9月7日生まれで、静岡県出身。所属事務所はアーツビジョンです。2012年より声優活動を開始しており、2021年には音楽活動を開始しています。レコードレーベルはAstro Voiceです。当初、ミュージカルが好きで歌の勉強をしたかった山下大輝は、音楽専門学校ミューズ音楽院のボーカル専攻科に通っていました。

その後、芝居への興味が強くなった彼は、音楽院卒業と同時に日本ナレーション演技研究所に入所します。2012年にアーツビジョン預かりとなり、同年に声優としてデビュー。2014年に行われた第8回声優アワードにて、新人男優賞を獲得しました。ハイトーンボイスが特徴的である山下大輝は少年役を演じることが多く、その演技は多くのファンから高く評価されています。

天官賜福のアニメで郎千秋を演じる山下大輝の主な出演作品は『ガイストクラッシャー』（白銀レッカ）、『弱虫ペダル』（小野田坂道）、『ログ・ホライズン』（トウヤ）、『僕のヒーローアカデミア』（緑谷出久）、『TSUKIPRO THE ANIMATION』（桜庭涼太）、『あんさんぶるスターズ！』（朔間凛月）、『ポケットモンスター』（ゴウ）、『ホリミヤ』（井浦秀）、『うたの☆プリンスさまっ♪』（天草シオン）などです。

『グラスリップ』（白崎祐）、『少年ハリウッド』（佐伯希星）、『ダイヤのA』（瀬戸拓馬）、『なないろ革命』（詩丘望）、『ランス・アンド・マスクス』（花房葉太郎）、『乱歩奇譚 Game of Laplace』（ハシバ）、『私立らいよん学園』（舞洲らいや）、『TRICKSTER-江戸川乱歩「少年探偵団」より-』（小林芳雄）、『Re:CREATORS』（水篠颯太）、『覆面系ノイズ』（杠花奏）などにも出演しています。

郎千秋は、天官賜福の主人公である謝憐をめった刺しにした過去を持つキャラクターです。郎千秋は好きだけれども謝憐にしたことを考えると複雑な気持ちになる、というファンは少なくないようです。それだけ、作中で描かれためった刺し事件は衝撃的でした。

永安国の皇族を皆殺しにしたと思われていた芳心国師は、公開処刑されてもおかしくない状況でした。しかし生き残った郎千秋はそれをせず、密かに芳心国師を棺桶に入れて自らの手で葬っています。心の底から芳心国師を慕っていたからこそ憎しみは深くなり、慕っていたからこそ自分の手で芳心国師を終わらせたいと考えたのでしょう。自らの手で棺桶ごと師をめった刺しにするという行動に、郎千秋の苦しみが表れています。

天官賜福のアニメ2期に期待するコメントです。天官賜福のアニメ2期では、芳心国師こと謝憐と郎千秋の過去が描かれます。過去の2人のやり取りが、動きと音のついたアニメで見られることを楽しみにしているファンは多くいるようです。

天官賜福のアニメで郎千秋の声を担当したのは、数々の有名アニメに出演している人気声優の山下大輝でした。郎千秋のビジュアルと山下大輝の声がピッタリだと感じたファンは多かったようです。

ここでは、天官賜福に登場する郎千秋の謝憐（太子殿下）との関係や、その後についてネタバレ紹介してきました。郎千秋は天官賜福の主人公・謝憐と因縁のあるキャラクターです。彼と謝憐の過去が明らかになるエピソードは、苦しい展開が多いものの同時に見応えのある重要なエピソードとなっているため、チェックしておきましょう。

このエピソードは、2024年1月より放送されている天官賜福のアニメ第2期で描かれます。小説版だけでなくアニメにも触れると、よりストーリーがわかりやすくなります。以上、天官賜福のキャラクター・郎千秋についてのまとめでした。