【天官賜福】花城（ホワチョン）の過去とは？右目・刺青や鬼になった理由は？

花城（ホワチョン）は、天官賜福に登場する主要キャラクターの1人。主人公・謝憐（シエ・リェン）の相手役であり、もう1人の主人公と言っても過言ではない存在です。彼は多くの謎を持ったキャラクターで、はっきりしていることは、謝憐を大切に思っておりそれは過去の出来事に由来しているということです。

ここでは、花城の過去や彼にまつわる謎の真相について紹介していきます。花城が謝憐を想うようになった理由や右目がない理由、腕にある刺青の意味など、花城の気になる点をまとめてチェックしていきましょう。花城について触れていく前に、まずは天官賜福の基本情報を紹介していきます。

天官賜福は『魔道祖師』の作者として知られる墨香銅臭によって書かれたウェブ小説作品です。中国のウェブ小説サイト「晋江文学城」にて、2017年6月16日から2018年6月20日まで連載されました。天官賜福は書籍化され、中国では全6巻が刊行されています。日本では日本語翻訳版が刊行されており、2024年1月時点で2巻まで発売されています。

2020年10月には、中国の動画配信サービスである「bilibili」にてアニメ版が配信されました。日本では2021年7月より日本語吹替版が放送されています。アニメ・天官賜福は第2期まで制作されており、日本では2024年1月より第2期の吹替版の放送が始まりました。天官賜福のアニメは作画クオリティーが高いことで知られており、日本のファンからも高い評価を得ています。

仙楽国の太子・謝憐（シエ・リェン）は修行して飛昇し、武神となりました。しかし彼はある理由で、2度も天界から追放されてしまいます。それから800年後、3度目の飛昇を果たした謝憐でしたが、彼を神として崇める者は今やどこにもいませんでした。謝憐は功徳を積み信徒を得るべく、人間たちが暮らす下界に降りて活動を始めます。ある日、謝憐は三郎（サンラン）という不思議な美少年と出会いました。

花城（ホワチョン）は天官賜福における主役カップリングの片割れです。鮮やかな紅い衣と右目を覆う眼帯、背を覆う長い黒髪が特徴的な美しい鬼で、鬼市を支配領域としています。身長は190センチで、誕生日は6月10日（中国暦5月6日）。鬼の中でも一番上の等級である「絶」に位置づけられており、絶境鬼王という称号を持っています。

天界の神官たちすら恐れる四大害の1人で、通称は血雨探花（けつうたんか）。鬼市の者たちからは城主と呼ばれていますが、謝憐だけは彼を三郎（サンラン）と呼びます。人間に化けることができる彼は、謝憐の前に美しい少年の姿で現れました。謝憐のことは主に「哥哥（兄さん）」「殿下」と呼びます。

非常に強い力を持っている花城（ホワチョン）の武器は、死霊蝶と呼ばれる銀色の蝶と湾刀・厄命（オーミン）です。厄命は柄に紅い眼球がはめ込まれた刀で、自我を持っています。厄命を操る花城の刀術は凄まじく、瞬きの間に数万の妖魔を切り刻めるほどだといわれています。

彼は数百年前、無数の鬼たちによる殺し合いが行われる銅炉山にて戦いに参加し、最後まで勝ち残りました。銅炉山での殺し合いは、基本的に誰1人生き残らないとされています。その中で生き残った花城は、相当な強さを誇っていたことがわかります。

また彼は、銅炉山を出たあと33人の神官に戦いを挑み、全勝しました。神官の中には武芸に長けた武神もいましたが、花城の敵ではなかったようです。花城は神官たちに、自分に負けたら天界から飛び降りて人間に戻ることを約束させていましたが、神官たちは約束を守りませんでした。そこで花城は、人界にあった神官たちを祀る神殿を一夜にして全て焼き払っています。

天官賜福に登場する花城（ホワチョン）は800年以上前、人間の子供として生まれました。幼い頃の呼び名は紅紅児（ホンホンアール）です。他者に不幸をもたらす大凶の兆し「天殺孤星」のもとに生まれた彼は、周囲に虐げられる過酷な生活を送っていました。包帯で隠された右目が、左目とは違う不吉な紅い色をしていたことも、彼が虐げられる理由の1つであったようです。紅紅児はやせ細り、常に汚れた身なりをしていました。

花城（ホワチョン）が紅紅児として生きていた頃のことです。当時、10際であった彼は、仙楽国で行われていた上元祭天遊の儀式中に城楼から落下しました。それを助けたのが、当時17歳であった謝憐です。謝憐は小汚い身なりの花城に優しく接しました。花城が天殺孤星の凶相であるとわかり、周囲が彼を遠ざけようとした際も、謝憐だけは優しい態度を変えませんでした。この出会いが、花城の人生を大きく変えることになります。

花城（ホワチョン）が謝憐に救われてから3年後のことです。孤独な子供である花城は、神官となった謝憐の像・仙楽太子像がある粗末な寺院で寝泊まりしていました。彼は毎日、仙楽太子像に花を捧げ、熱心に祈っていました。花城の目には映っていませんでしたが、謝憐はその場にいて、彼が祈る様子を見ていました。

見えていないながらも謝憐の存在を感じた花城は、自分の苦しみを訴え、生きていくことに何の意味があるのか問いかけます。花城の切実な訴えを聞いた謝憐は像を通して「生きている意味がわからないのならば私のために生きなさい」ということを伝えました。以来、花城の生きる意味は謝憐になります。

800年前、謝憐の故郷である仙楽国で内乱が起きました。花城（ホワチョン）は謝憐のため、仙楽国側の少年兵として戦場に立ちます。しかし、その戦いで彼は命を落としてしまいました。花城の魂は鬼火となり、やがて人型の鬼・無名になりました。無名の特徴は、黒い兵服と顔につけた笑い顔の白い仮面です。無名という呼び名は、謝憐がつけました。

古代中国には、蠱毒という呪術がありました。これは、無数の動物を1つの空間に閉じ込めて共食いさせ、勝ち残ったものを神霊として祀り、人に害を与えたり福を呼び込んだりする呪術です。数百年前、花城（ホワチョン）は銅炉山の蠱城という都市で鬼たちの殺し合いに参加しました。

蠱城は蠱毒の役割を果たしており、ここで生き残った1人が鬼の頂点である絶の等級に達した鬼王となります。先述の通り、花城は数百年前に蠱城での戦いを制し1人勝ち残ったため、絶の境地に至った鬼の王・絶境鬼王になりました。

人間であったときから、花城（ホワチョン）の右目は特殊です。紅紅児時代、彼の右目は左目とは違う紅い目でした。花城はオッドアイだったのです。当時、彼は包帯で右目を隠していました。鬼王として君臨している現在、花城は右目に眼帯をつけていますが、これはオッドアイを隠すためではありません。

花城の右目はないのです。銅炉山で鬼たちの殺し合いに参加した際、花城はそこに迷い込んでしまった人間たちを救うため、自身の右目を抉って刀を作りました。これが後の愛刀・厄命です。厄命の柄にはめ込まれた紅い眼球は、元は花城の右目でした。

花城（ホワチョン）の腕には刺青があります。この刺青は文字なのですが、一瞥しただけでは何と刻まれているのかわかりません。謝憐も、最初に刺青を見た際はその意味に気づきませんでした。後に、この刺青は「謝憐」という文字であることが明らかになります。

自分の名前の刺青であったにもかかわらず謝憐が気づかなかったのは、花城の字が崩れすぎていたためです。花城は字を書くのが苦手であるため、彼の文字を一瞬で解読することはできません。この刺青は、花城が子供の頃に自分で彫りました。自身が信仰する唯一の神・謝憐への深い忠誠心を示すためです。謝憐が花城の刺青の意味を知るのは、物語の最後になります。

花城（ホワチョン）は髪の一部を三つ編みにしており、そこには紅い玉の髪飾りがついています。実はこの髪飾りも、謝憐に由来するものです。紅紅児と呼ばれていた子供の頃、城楼から落ちた彼は謝憐に救われました。

この際、謝憐は神武大帝に扮しており、その衣装の一部として紅珊瑚の耳飾りをつけています。祭典のあと、謝憐が無くしたと思っていた耳飾りは、花城の手に渡っていました。花城を謝憐の耳飾りを、ずっと大切に持ち続けていたのです。

天官賜福のクライマックスにて、花城（ホワチョン）は謝憐に自身の法力を全て渡しました。その結果、彼の体は徐々に透けていき、最後には無数の蝶になって消えてしまいます。しかし、死亡したわけではありません。それから1年後、花城は元通りの姿で謝憐のもとへ帰ってきました。2人は互いに駆け寄り、天官賜福の物語は大団円を迎えます。

天官賜福劇中、花城（ホワチョン）は謝憐に自身の骨灰を託しています。骨灰とは、鬼の弱点です。骨灰が破壊されると、鬼は消滅してしまいます。そのため、鬼が他者に骨灰を託すことは非常に稀です。骨灰を受け取った者が、それを大切に扱ってくれるとは限りません。

花城が謝憐に骨灰を託したのは、謝憐にならば消滅させられても構わないという深い忠誠心があったためです。また、謝憐にもしものことがあれば骨灰も壊れるため、一緒に死ぬことができるという考えもありました。謝憐は自身が託されたものが花城の骨灰であるとは教えられていませんでしたが、それを粗末に扱うことはしませんでした。全てが終わったあとも、骨灰は謝憐のもとにあり続けます。

天官賜福のアニメ第1期12話にて、花城（ホワチョン）は謝憐の前から姿を消しました。残された謝憐は、自分の首に指輪が通ったネックレスがかけられていることに気づきます。この指輪こそ、花城の骨灰でした。謝憐は当初、指輪の正体を知りませんでしたが、花城から預かったものであるということで、大切に持ち続けます。

天官賜福のアニメで花城（ホワチョン）の声を担当したのは、声優・ナレーター・歌手の福山潤です。福山潤は1978年11月26日生まれで、大阪府出身。所属事務所はBLACK SHIPで、代表取締役CEOを務めています。1997年に声優活動を開始した彼は、2006年に日本アニカン大賞・男性声優賞を受賞しました。2007年には、初代声優アワード主演男優賞を受賞しています。

2008年にはアニメージュ第30回アニメグランプリ声優部門でグランプリを受賞し、2009年には東京国際アニメフェア2009にて声優賞を受賞しました。また、同年に行われた第3回声優アワードでは、設立されたばかりであった海外ファン賞を受賞しています。福山潤は国外での人気も高い声優で、2013年には台湾の年明けイベントに参加しました。

天官賜福のアニメで花城（ホワチョン）の声を担当した声優・福山潤の主な出演作品は『コードギアス 反逆のルルーシュ』（ルルーシュ・ランペルージ）、『武装錬金』（武藤カズキ）、『xxxHOLiC』（四月一日君尋）、『おおきく振りかぶって』（泉孝介）、『黒執事』（グレル・サトクリフ）、『S・A～スペシャル・エー～』（滝島彗）、『デュラララ!!』（岸谷新羅）、『ぬらりひょんの孫』（奴良リクオ）などです。

また『青の祓魔師』（奥村雪男）、『キングダム』（嬴政、漂）、『K』（八田美咲）、『しろくまカフェ』（パンダ）、『七つの大罪』（キング）、『ワールドトリガー』（烏丸京介）、『暗殺教室』（殺せんせー/死神）、『おそ松さん』（松野一松）、『文豪ストレイドッグス』（坂口安吾）、『ホリミヤ』（柳明音）、『組長娘と世話係』（速水雅也）、『鴨乃橋ロンの禁断推理』（翡翠臣疾）などにも出演しています。

花城は謝憐の前では優しく紳士的です。しかし彼は、鬼の王らしい凶暴性も兼ね備えています。謝憐の前で見せる優しさや可愛らしさと、戦闘中の格好良さ、興味のない者への無関心具合や凶暴性が絶妙に織り合わさり、花城というキャラクターの魅力になっています。

アニメ・天官賜福の第9話を見た人のコメントです。天官賜福のアニメ第9話では、花城が謝憐を抱きかかえたまま戦うシーンが描かれます。踊っているかのような軽やかな動きで敵をいなす花城の姿に心を奪われたファンは多かったようです。

800年という長い時間を、花城は謝憐を思って過ごしてきました。その一途さが、花城というキャラクターの大きな魅力の1つです。また、天官賜福という物語の見所の1つにもなっています。

ここでは、天官賜福の主要キャラクター・花城（ホワチョン）について紹介してきました。花城の過去を知れば、花城がなぜ謝憐を大切にしているのかがよくわかります。花城について詳しく知ったあとにアニメを見ると、彼の言動から受ける印象がまた違ってくるでしょう。