【スパイファミリー】ビリー・スクワイアは赤いサーカス幹部！バスジャック事件の結末は？

「スパイファミリー（SPY×FAMILY）」は、2023年夏に公開されたスパイシリーズの大先輩ともいえるトム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」とコラボし話題となりました。本家のポスターを見事にパロったポスターで「スパイファミリー（SPY×FAMILY）」は、同年12月に公開予定の完全オリジナルストーリーとなる劇場版をしっかりと宣伝しています。

遠藤達哉氏原作の漫画「スパイファミリー（SPY×FAMILY）」のアニメ版は、2022年にseason1が放映されましたが、本作はテレビ放映だけでなくNetflix等で世界配信されているため海外でも人気沸騰中です。「スパイファミリー（SPY×FAMILY）」は原作が終わっていないため、「続きはいつごろ放映されるのか」とファンがヤキモキする中、2023年10月からseason2が放映開始となりました。

敏腕スパイ黄昏の新たな任務は、疑似家族を作ることでした。任務のために黄昏は、精神科医ロイド・フォージャーとして孤児のアーニャを実子と偽り、裏の顔は凄腕の殺し屋でもある公務員ヨル・ブライアと結婚します。互いを精神科医と公務員と信じているロイドとヨルに対し、人の思考が読める能力を隠しているアーニャは、その能力で2人の素性を知ってしまうのでした。そして、秘密だらけの3人の生活がスタートします。

東国出身のビリー・スクワイアが所属する東国極左組織「赤いサーカス」は、ヨルによって崩壊されたものの殲滅とまではいきませんでした。海外に潜伏中していた「赤いサーカス」の幹部ビリー・スクワイアは、同志たちの惨状を知り、同じく海外に潜伏していた部下たちを引き連れ東国に戻ってくるのでした。

かつての勢いが無くなった「赤いサーカス」ですが、政府に捕まった同志の釈放を要求するため、特権階級の子供たちが通う名門イーデン校の1年生が乗るバスを制圧し生徒たちを人質にします。テロリストにありがちな過激な行動を取らないビリー・スクワイアは、手際よく犯行を進めていきます。

「赤いサーカス」の幹部まで上り詰めたビリー・スクワイアには、東国で妻子と共に平凡ながらも幸せな人生を送っていた過去がありました。東国と西国の戦争が続く中、この惨状を危惧するようになってきた娘ビディは、自由と平等を志す学生グループ「赤いサーカス」に傾倒していくのでした。父親の心配をよそに理想を貫いたビディは、志半ばで命を落としてしまいます。

最愛の娘を失ったビリー・スクワイアは、いつしか東国の体制に憎悪を抱くようになります。憎悪しか残っていないビリー・スクワイアは、娘が参加していた「赤いサーカス」に加入することとなります。「赤いサーカス」が自由と平等を信条とする組織から極左組織と変化していく中で、ビリー・スクワイアは憎悪を心に秘めたまま、ここで生きていくしかなかったのでした。

極左組織「赤いサーカス」は弱体化してしまったものの、東国に帰還した幹部ビリー・スクワイアとその部下たちは、社会科見学中の名門イーデン校1年生が乗るバスをジャックします。生徒を人質にしたビリー・スクワイアらは、逮捕された同志の釈放を政府に要求するのでした。このバスには「赤いサーカス」を崩壊させたヨルの義理の娘アーニャが乗っていましたが、ビリー・スクワイアはそんな背景は知りませんでした。

ビリー・スクワイアらの犯行計画の一部を特殊能力で知ったアーニャは、SOSを求めるため友達と連携プレーで情報を記したメモをバスの窓から投げ捨てるのに成功します。ところが運悪くビリー・スクワイアに見つかってしまい、アーニャの首に小型爆弾が着けられてしまいます。この出来事によってビリー・スクワイアは子供たちを完全支配するのですが、アーニャだけは特殊能力のお陰で爆弾がダミーだと知るのでした。

爆弾がダミーだと知らないデスモンドは正義感から、アーニャに着けられた爆弾を自分に付け替えるように言いますが、ビリー・スクワイアはダミアンの首にも小型爆弾を着けてしまいます。恐怖に支配されるバスは、警察が仕込んだ車止めのスパイクでタイヤがパンクしてしまった隙に警備隊に包囲されてしまいます。状況が不利になってきたビリー・スクワイアらは、人質を解放することなくバスに立て籠もるのでした。

イーデン校の教師ヘンリー・アンダーソンは、大切な生徒と犯人グループに水と食料を差し入れるためバスに乗り込み、体調不良になった同僚の代わりとして人質になります。生徒たちを解放するように懇願するヘンリーに、ビリー・スクワイアは自由と平等を願う活動をして亡くなった娘ビディと、自身がテロリストになった過去を語り始めるのでした。

東国の国家保安局の迅速な動きもあり、他のバスのジャックした犯人らは制圧され人質は無事解放されます。それを知ったビリー・スクワイアは計画が失敗したと悟ったのですが、後に引けない部下たちはバスに警察が踏み込んできたら爆弾で自爆するつもりでした。特殊能力で事の経緯を知ったアーニャは、子供なりにビリー・スクワイアを説得しようと試みます。

アーニャの右斜めを行く説得に周囲は驚きますが、亡きビディを彷彿させるアーニャの真摯な姿はビリー・スクワイアの心に沁み込んでいきます。ビディの心に導かれたビリー・スクワイアは警察に投降し、無駄な抵抗をした部下も制圧されアーニャたちは無事に解放されるのでした。

ロイドの妻でアーニャの義母であるヨルは公務員ですが、裏では国家のためにコードネーム・いばら姫として殺し屋稼業に精を出しています。ヨルはフリーの殺し屋ではなく、東国で都市伝説的として語り継がれる暗殺組織「ガーデン」所属の凄腕の暗殺者です。ヨルはガーデンの指令で「赤いサーカス」を崩壊させていますが、ビリー・スクワイアはヨルによって組織が崩壊させられたとは知りません。

バスジャック事件はマスコミに漏れていなかったことから、ヨルは過去に自分が崩壊した「赤いサーカス」が関わっているとは夢にも思っていませんでした。ヨルは帰ってこないアーニャを心配し街中を捜しまわっている際に、バスジャック事件を知ることとなります。現場に到着したころには事件が解決しており、ヨルは無事に戻ってきたアーニャ抱きしめるのでした。

任務でロイドが、疑似家族を作るために孤児院で引き取ったアーニャは、人が思考が読める特殊能力があるものの能力をフル活用することはできません。それでもアーニャは、ロイドの真意を子供なりに読み取り婚活するロイドにヨルを引き合わせるなど意外な面でこの能力が役立っています。過去と出自不明のアーニャは行く当てもないことから、疑似家族フォージャー家の娘として人生を歩むことになります。

バスジャック事件に巻き込まれたアーニャは、大好きなアニメ「ボンドマン」で得た情報でバスジャック事件を解決しようとするのですが上手くはいきません。ビリー・スクワイアに目を付けられてしまったアーニャは、首に小型爆弾を着けられてしまいます。しかし、ビリー・スクワイアの思考を読み取ったアーニャは、爆弾がダミーだと知り、バスジャック事件を解決しようと奮闘するのでした。

特権階級の子供たちが通う名門イーデン校の超絶ベテラン教師ヘンリー・アンダーソンは、厳格・公正・高潔が服を着ている人物です。エレガントであることをモットーとしているヘンリーは、厳しく生徒に接しながらも愛情を持って指導しています。

籠城するバスに、警察が先生に扮して水と食料を差し入れしようとしますが、ヘンリーはその案を拒否し生徒を安心させるため自らバスに乗り込みます。体調不良の同僚を病院に行かせるため、自身が人質となったヘンリーは、長年培った教員スキルでビリー・スクワイアに生徒を解放するように説得しますが上手くはいきませんでした。

相手を電気ショックで気絶させる殺傷能力のない電撃銃スタンガンは、暴漢から身を護るための防犯グッズとして重宝されています。その反面、犯罪に使用されることも多く、バスジャックの際にビリー・スクワイアは、イーデン校の職員を制御不能にするためにスタンガンを使用しています。

ショットガンは、クレー射撃や狩猟・有害鳥獣捕獲・軍隊や法執行機関など活用範囲が限定されています。ショットガンからバラバラと発射される弾は、至近距離であれば命中することから、ビリー・スクワイアはバスの警護している車をいとも簡単に銃撃しています。

今回はロイド（凄腕スパイ）とヨル（凄腕の殺し屋）の出番はありませんでしたが、ビリー・スクワイアを通じて、いつもはお笑い路線の「スパイファミリー（SPY×FAMILY）」のシビアな面が描かれたエピソードだったのかもしれません。

特殊能力のお陰でアーニャは、人質救出のために犯人との交渉するネゴシエーターとして奮闘していたようです。しかし、張りつめたバス内でのアーニャの予想外過ぎるな言動は、多くの読者を笑わせてくれました。

一足早く投降したビリー・スクワイアは、警察に「バスジャックは、自分が計画したから仲間には減刑を望む」と言っています。アーニャから感じ取った亡きビディの想いが、彼にそう言わせたのでしょう。

みんなを助けたいと立ち向かうアーニャと、平和を願いながらも命を落としてしまったビディの姿がリンクしたことで、ビリー・スクワイアは憎悪を抱え続けた過去と決別します。数々のテロを起こしたビリー・スクワイアは、ようやく過去の呪縛から解放されるのでした。