【風の谷のナウシカ】ナウシカがラステルの服を閉じたのはなぜ？似てる理由は？

こちらの記事では、『風の谷のナウシカ』の作中で、なぜナウシカがラステルの服を閉じたのか、考察を交えて紹介しています。なぜナウシカがラステルの服を閉じたのか、その理由が気になっている人はこちらの記事に目を通してみてください。

他にも、ナウシカとラステルが似てる理由や、ナウシカにラステルが言った「積み荷を燃やして」の意味についても考察を交えて紹介します。まずは、下記の項目で風の谷のナウシカの作品概要と物語のあらすじを紹介しています。風の谷のナウシカがどのような作品なのかおさらいしたい人は、そちらの項目から目を通してみてください。

風の谷のナウシカは、作家の宮崎駿監督が1982年に発表した漫画作品および、原作を元に制作されたアニメ映画です。原作漫画である風の谷のナウシカは、アニメ情報雑誌『アニメージュ』にて、1982年から1994年まで連載されました。単行本は全7巻となっており、映画版風の谷のナウシカのその後も描かれています。多くの人が知っている映画版風の谷のナウシカは、原作漫画の2巻までの内容のストーリーとなっています。

映画の風の谷のナウシカは、宮崎駿監督が手がけたこともあり、スタジオジブリのアニメーション作品だと思っている人も多いのではないでしょうか？しかし実際には、スタジオジブリの前身となるトップクラフトというアニメーション会社が制作した作品となっています。風の谷のナウシカの映画は1984年3月11日に公開され、文化庁優秀映画製作奨励賞など、栄えある映画賞をいくつも受賞しました。

1000年前に起こった大規模戦争により、理由は汚染され、人々の害となる巨大な虫や森が誕生しました。風の谷の族長の娘・ナウシカは、そのような森に訪れ、森に住む生き物たちと心を通わせていました。そのようなある日、森に1隻の飛行船が墜落します。ナウシカが落下した飛行船に近づくと、そこには自分と似てる少女・ラステルが倒れていました。ラステルは「積み荷を燃やして」とナウシカに言い残し、息絶えます。

こちらの記事では、風の谷のナウシカの作中で、なぜナウシカがラステルの服を閉じたのかといった疑問や、ナウシカとラステルが似てる理由を考察していきます。その前に、まずは風の谷のナウシカの主人公・ナウシカのプロフィールを紹介します。ナウシカは風の谷の族長・ジルの娘で、人にも腐海に住む蟲たちにも優しい、清らかな心を持った16歳の少女です。

風の谷のナウシカの作中では、蟲と心を通わせたり、大気の流れを読む能力を見せています。優しい心の持ち主である一方、勇敢さも持ち合わせており、ラステルが乗っていた飛行船が森に墜落した際には、真っ先に確認しに行きました。ラステルとよく似てる容姿をしており、ラステルの国・ペジテの兵士にラステルと見間違われたこともあります。

ラステルは、ナウシカによく似てる容姿をした、ペジテという都市の王女です。作中でナウシカが助けた、アスベルの双子の妹でもあります。ペジテから旧世界の遺産である巨神兵が発掘されたことでトルメキアと戦争になり、ペジテが敗れたことでトルメキアの捕虜となっていました。

作中でラステルの服を着たナウシカを見て、ペジテの兵士が砲撃を躊躇したことから、自国の民たちから大切に思われていたと考察されます。飛行船が森に墜落した際にナウシカに発見されますが、そのまま死亡してしまいます。

風の谷のナウシカの作中で、森に飛行船が墜落したのを目撃したナウシカは、飛行船が落ちた場所へと向かいます。そこでナウシカは、自分とよく似てる容姿の少女・ラステルを発見しました。その後、ナウシカはラステルの服を開け、服の中を確認するとなぜかすぐに閉じてしまいます。こちらの項目では、ラステルの服を開けたシーンで、なぜナウシカが服をすぐに閉じてしまったのか、考察を交えて紹介します。

まずは、なぜナウシカがラステルの服を開けたのか考察します。なぜナウシカがラステルの服を開けたのかというと、その理由はラステルの容体を確かめるためではないでしょうか？飛行船が森に墜落したのを見たナウシカは、その場所へ駆けつけました。飛行船の近くには、ナウシカによく似てる少女・ラステルが倒れていました。ラステルの姿を確認したナウシカは、ラステルに近づき、彼女の服を開けます。

しかし、ナウシカはなぜかラステルの服をすぐに閉じてしまいました。このシーンの前後では、なぜナウシカが突然ラステルの服を開けたのか、明確なセリフがありません。そのため「なぜナウシカはラステルの服を開けたの？」と疑問に思う人も多かったようです。

ナウシカは、飛行船から放り出された自分によく似てる少女・ラステルの容体を確認するため、彼女の服を開けました。しかし、すぐに服を閉じてしまいます。なぜナウシカはそのような行動をとったのでしょうか？その理由は、ラステルの胸に、致命傷ともなる深い傷があったからだと考察されます。

村に帰れば、ナウシカよりも医療の知識に優れた人物もいたと予想されますが、村に帰るまでの時間も待てないほどの深い傷だったのでしょう。そのため、ナウシカはラステルを助けることができないととっさに判断し、彼女の服を閉じたのだと考えられます。

ナウシカがラステルの服をすぐに閉じた理由として考えられる、2つ目の理由は「死ぬときの服装を整えてあげたい」と思ったからです。ナウシカは、誰にでも親切で優しい人物です。ラステルの服の中を見て、彼女の命が長くないと判断したナウシカは、ラステルに少しでも安らかな最後を迎えて欲しいと考えたことでしょう。

ナウシカが「この場でラステルにしてあげられることは何か？」と考えた結果が、装いを整えてあげることだったのではないでしょうか？そのため、致命傷の傷を確認した後、すぐに服を閉じてあげたのだと予想されます。

上記の項目では、作中のシーンからナウシカの行動を考察しました。しかし、ナウシカのこの行動についての真意は、宮崎駿監督がコメントによって判明しています。宮崎駿監督によると、ナウシカがラステルの服をすぐに閉じた理由は「鉄骨で胸が押しつぶされていたから」だとコメントされています。そのため、上記の項目で予想した通り、傷の程度からラステルが助からないと判断したため、ナウシカはすぐに服を閉じたようです。

宮崎駿監督は「子どものためのアニメ」をモットーに作品を作っているため、このシーンにおいても、流血や大きな怪我の描写はありませんでした。ラステルの怪我がどれほど酷いものなのか描かれていなかったことで、ナウシカの行動の意味を鑑賞者たちに上手く伝えることができず、映画を見た人たちに疑問を残すことになってしまったようです。

ナウシカがラステルの服を閉じた理由について、宮崎駿監督は「鉄骨で胸が押しつぶされていたから」と説明しています。そのような状況を考えると、ラステルの死因は「失血死」「窒息死」だと予想されます。また、腐海にマスクをつけずに侵入しているため、腐海の毒を吸い込んでいることも予想されます。そのため、胸が押しつぶされたまま毒を吸い込んだことによる「中毒死」の可能性もあるでしょう。

ラステルの死亡シーンは、原作漫画と映画で若干の違いがあります。こちらの記事では、ナウシカがラステルの服を閉じた意味について紹介しましたが、服を閉じたシーンは映画のみで描かれているものとなっています。他にも、映画でのラステルは、最後に「積荷を燃やして」というセリフを口にして息絶えましたが、原作漫画ではナウシカに巨神兵を動かすための秘石を渡しています。

また、映画ではトルメキアの飛行船にとらわれていたラステルですが、原作漫画では自国のペジテの飛行船に乗っています。原作漫画では、ペジテにトルメキアが襲撃してきたことで、ペジテの民は大型の商船で避難を行っていました。その際に蟲たちによって飛行船が襲われ、墜落したという設定になっています。

ナウシカがラステルの服を着ている姿を見て、ペジテの兵士がナウシカにラステルを重ねるシーンがあります。それほどまでに、2人の容姿は似てるようです。目や髪の色、背格好も同じで、年齢も16歳と共通しています。また2人は見た目だけではなく、内面も見ていたのではないかと予想されます。どちらも民衆の長の娘として慕われており、その気持ちに応えようとする気兼ねも同じだったのではないでしょうか？

そのような環境によって、見ている風景や気持ちのあり方も似ていたのではないかと考えられます。「内面は外見に表れる」ともいうため、2人が似てるのは、育った環境に共通するところがあったからだとも考えられます。

ペジテの兵士に、ラステルの面影を重ねられるほどに似てると評価されたナウシカとラステルですが、作中には、そっくりな容姿だと描写されている人物がもう1組います。それは、ナウシカの母親とラステルの母親です。ナウシカはペジテの市長に捕まった際に、収容所でラステルの母親に出会います。そこで、ナウシカはラステルの母親に「お母さま」と呟いて抱きつきました。

ナウシカの母親は、ナウシカが幼い頃に死亡しています。そのため、このシーンは、自分の母親にそっくりなラステルの母親を見て、思わず昔のことを思い出したナウシカが感極まってそのような行動を起こしたのではないかと予想されます。作中では、ナウシカの母親とラステルの母親の関係については深く語られていませんが、宮崎駿監督は作品を作る際に「無駄なシーンを入れない」ことで有名な作家です。

そのため、このシーンにはキャラクターに関する重要な設定が含まれていると予想されます。考えられる設定の1つとして、ナウシカとラステル、そしてナウシカの母親とラステルの母親がそっくりなことから、ナウシカの母親とラステルの母親が姉妹や双子の可能性もあるのではないでしょうか？

風の谷のナウシカを見た人の中には「ナウシカとラステルが似てる」と感じた人も多かったのではないでしょうか？その感覚は、作中の登場キャラも同様だったようです。ナウシカがラステルの服を着て、ペジテの兵士の目の前に姿を現すと、ペジテの兵士は「嫌だ、ラステルさん」と言います。兵士は、ナウシカを狙撃するよう命令されていましたが、ナウシカにラステルの面影を重ねてしまったことで、狙撃することはできませんでした。

ラステルは、死ぬ間際にナウシカに「積み荷を燃やして」とお願いします。この発言を聞いて「積み荷には何が入っているのだろう？」と気になった人もいたのではないでしょうか？作中では、ラステルが言っていた積み荷の正体が巨神兵の卵だったことが判明しています。巨神兵は、1000年前に世界滅ぼした巨人とされている兵器です。ラステルは、そのような過ちを繰り返さないため、巨神兵の卵を破壊してほしいと頼んだのでした。

ナウシカは、間もなく命が終わろうとしているラステルから「積み荷を燃やして」とお願いされます。その願いに対して、ナウシカは「積み荷は全て燃えた」と答えました。それを聞いたラステルは、安心したような表情を浮かべて事切れます。しかし、ラステルが心配していた巨神兵の卵は燃えておらず、トルメキアの軍の手に渡ってしまうのでした。

ナウシカの声を演じたのは、『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリス・ド・カリオストロ、『めぞん一刻』の音無響子、『銀魂』の沖田ミツバなどの役でも知名度のある、島本須美さんです。1980年代アニメのヒロイン役を、いくつも演じた声優として知られている人物です。宮崎駿監督にも演技を評価されている声優で、いくつもの宮崎駿の作品に出演されています。

ラステル役の冨永みーなさんは、『地獄先生ぬ～べ～』の細川美樹、1997年版『るろうに剣心』の明神弥彦、2011年版『HUNTER×HUNTER』のセンリツなどの役でも活躍されています。ナウシカ役の島本須美さん同様に、1980年代アニメのヒロイン役に何度も抜擢された人気声優です。アニメだけではなく、『開運！なんでも鑑定団』『どうぶつ奇想天外！』などのナレーターとしても認知度の高い声優です。

風の谷のナウシカの主人公・ナウシカには様々な名シーンがあります。こちらの記事では、ラステルの服を閉じたシーンについて紹介しました。こちらの方のツイートでは「『おゆき』って言いながら虫を逃がすとナウシカのワンシーンっぽくなる」というコメントが投稿されています。

こちらの方のコメントで取り上げられている、「青き衣を纏って金色の野に降り立つ」というシーンも、ナウシカの名シーンの1つです。王蟲の血によって青く変色した服を着て、王蟲たちの触手の上を歩いて行くシーンは、風の谷のナウシカの名シーンとして人気です。

風の谷のナウシカを見た人からは「よく分からないシーンがあった」という声が上がることも少なくありません。こちらの記事では、ナウシカがラステルの服を閉じたシーンについて紹介しました。ネットの感想では「王蟲にはねられた後なぜ生き返ったの？」という疑問があがっています。

以上、ナウシカがラステルの服を閉じた理由について紹介してきました。ナウシカがラステルの服を閉じた理由については、作者である宮崎駿監督がコメントしており「鉄骨で胸が押しつぶされていたから」だと判明しています。

その怪我によって、間もなく死に至ることが明確だったため、ナウシカは応急処置をすることを諦めたのだと予想されます。風の谷のナウシカの映画は、原作漫画の2巻までの内容となっています。その後のナウシカの活躍や、作品の本当の結末を知りたい人は、原作漫画を手にとってみてはいかがでしょうか？