【もののけ姫】タタラ場とはどんな所?場所・モデルの有無や子供がいない理由を調査

「もののけ姫」の舞台の1つであるタタラ場は、アシタカが旅の途中で出会ったたたら製鉄所です。劇中では、女性たちによるタタラ踏みのシーンや、彼女たちが歌う歌が有名でしょう。タタラ場とは、どのような場所なのでしょうか。以下では、ジブリ映画「もののけ姫」から、タタラ場の概要やモデルになった場所をネタバレ紹介します。その他、タタラ場に暮らすハンセン病らしき人々の正体や、子供がいない理由なども調査しました。

【もののけ姫】タタラ場とはどんな所?場所・モデルの有無や子供がいない理由を調査のイメージ

目次

  1. もののけ姫のタタラ場はどんな所?
  2. もののけ姫のタタラ場は実在する?場所はどこ?
  3. もののけ姫のタタラ場に子供がいない理由や謎を考察
  4. もののけ姫のタタラ場のシーンで流れる曲や歌
  5. もののけ姫のタタラ場に関する感想や評価
  6. もののけ姫のタタラ場のネタバレまとめ

もののけ姫のタタラ場はどんな所?

もののけ姫のタタラ場をネタバレ考察・イメージ画像

ジブリ映画「もののけ姫」のテーマである人間と神の対立にて、人間側を象徴する場所として登場したタタラ場。遠目では要塞に見えるも、内部ではたたら製鉄が営まれています。以下では、「もののけ姫」のタタラ場の概要やモデルとなった場所などをネタバレ紹介します。その他、タタラ場で働く女性陣の歌や、ハンセン病患者とみられる人々の病、タタラ場に子供がいない理由などもネタバレ考察しました。

ジブリ映画「もののけ姫」の作品情報

ジブリ映画「もののけ姫」は、宮崎駿監督・スタジオジブリ制作による長編アニメーション映画で、1997年に公開されました。自然を巡る神と人々の戦いを壮大なスケールで描いた作品で、日本の歴代興行収入記録を塗り替える大ヒットを記録しました。

ジブリ映画「もののけ姫」の概要

声優キャストには、アシタカ役の松田洋治さんやサン役の石田ゆり子さんなど、過去のジブリ作品の出演者が多く起用されたことも注目された「もののけ姫」。「神殺し」のモチーフの他、自然破壊やハンセン病など社会問題が盛り込まれた作風も特徴です。

ジブリ映画「もののけ姫」のあらすじ

エミシの村を襲うタタリ神を退治したアシタカは、代償として右腕に呪いを受けてしまいます。その後、追われるように村を出ていき、呪いを解く方法を探す旅に出ました。その道中、谷川の岸にて山犬と少女・サンを見たアシタカ。後にタタラ場に行きついた彼は、それぞれの正義のために刃を振るう神と人間の争いに巻き込まれていきます。

タタラ場とは?

「もののけ姫」の主要舞台の1つであるタタラ場は、エボシ御前が率いる製鉄所及び集団であり、要塞のような外観が特徴です。製鉄は主に女性陣が行い、鉄などの物資の運搬は牛飼いの男性陣が担当しています。一方、タタラ場には行き場を失った病人も働き手として受け入れ、彼らの手で石火矢も製造されています。作中では、アシタカがシシ神の森を抜けた先にあり、人里からかなり離れた場所にありました。

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もののけ姫のタタラ場は実在する?場所はどこ?

タタラ場の実在モデルや場所の紹介・イメージ画像

「もののけ姫」の舞台の1つであるタタラ場は、エボシ御前を筆頭にタタラ製鉄が営まれている集落です。ここでは、日本古来の方法で製鉄が行われ、女性陣によるタタラ踏みのシーンが印象的でしょう。一方、タタラ場には、モデルになった場所があると言われています。以下では、ジブリ映画「もののけ姫」から、タタラ場の実在モデルや場所について紹介します。

タタラ場の実在モデルの場所はどこ?

「もののけ姫」でも登場したタタラ場には、モデルになった場所があると言われています。それは、島根県雲南市吉田町の「菅谷高殿」で、国の重要文化財にも指定されています。菅谷高殿は「菅谷たたら」とも呼ばれ、1751年から1921年まで稼働していた製鉄所です。敷地内には、当時の作業場がきれいに保管されており、貴重な資料となっています。

菅谷高殿がモデルだと言われる理由

日本で唯一、生産施設が保存されている菅谷高殿ですが、「もののけ姫」の実在モデルと言われる理由は何でしょうか。まず、製鉄には多くの木材を必要とし、深い森に製鉄所を作ることが望ましいとされています。また、中国地方は石見銀山のように鉱物資源にも恵まれ、高品質な鉄を採取することが出来ました。一方、製鉄に必要な鉱物や環境に恵まれた中国地方では、製鉄の神「金屋子神」の伝承も残されています。

しかし、製鉄業が盛んなことは、作業のために多くの森林を伐採しなければなりません。その影響で、近世以前の中国山地では環境破壊が深刻だったとも考えられています。この史実は、「もののけ姫」のタタラ場とも重なり、周辺の山には木々が全くありません。製鉄そのものだけでなく、それによって生じた環境問題も、タタラ場のモデルになったでしょう。

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もののけ姫のタタラ場に子供がいない理由や謎を考察

もののけ姫のタタラ場の謎を考察・イメージ画像

タタラ場は、男女平等の生活が営まれているだけでなく、ハンセン病患者に対しても救いの手を差し伸べる理想的な村と言われています。しかし、タタラ場には子供の姿が1人も見えず、疑問に思った方も多いでしょう。以下では、「もののけ姫」のタタラ場に子供がいない理由についてネタバレ考察しました。その他、ハンセン病患者と推測される人々の正体や、アシタカの最後のセリフの意味などを、ネタバレを交えながらまとめました。

考察①タタラ場に子供がいない理由

タタラ場といえば、甲六・トキ夫妻が有名ですが、2人にはまだ子供がいません。また、作中のセリフから、夫を山犬に殺された女性が登場するも、子供の姿は見当たりません。タタラ場に子供がいない理由は、劇場用パンフレットの宮崎駿監督へのインタビューにて明かされています。劇中のタタラ場の女性は、自ら仕事を持つだけでなく、時には男たちに代わってタタラ場を守らなくてはならない存在です。

彼女たちの姿は、宮崎監督が思い描いた従来の型にはまらない女性像であり、子供がいるとややこしくなるとの理由から、子供を登場させませんでした。また、「もののけ姫」は各地で争いの絶えない時代であり、タタラ場も例外ではありません。地侍の襲撃はもちろん、森林破壊を止めるべく、山の神々の脅威にも晒されていました。

そのため、タタラ場は子供を産んで育てられるような安全な場所とは言い難く、子供をあえて登場させなかったでしょう。しかし、もう少し時代が経って世の中が平和になれば、タタラ場にも子供が生まれるとも言われています。

考察②包帯人間はハンセン病患者?

タタラ場には、製鉄に携わる男女だけでなく、病人たちも引き取られていました。彼らは、タタラ場の一角に住まい、石火矢の開発や製造を担っていました。それぞれが仕事に精を出す一方、彼らは全員、顔と体に包帯を巻いた奇妙な格好をしています。また、彼らの長である男性は、肌が見えないほど包帯を巻かれ、寝たきり生活を送っていました。

包帯を巻いた患者の病気は作中では明言されていませんが、症状からハンセン病と考察されています。ハンセン病は、らい菌の感染によって皮膚と末梢神経に症状が現れる病気です。まだ、病気が解明されていなかった時代は、人に感染するという誤った情報が信じられていました。そのような背景から、ハンセン病患者は人里離れた場所に隔離され、不当な差別を受けていた過去がありました。

一方、宮崎駿監督自身も、「ハンセン病らしき人」としてタタラ場の患者を描いたことを明かしています。周囲から業病と言われても、懸命に生きようとした人々の姿として描かれたハンセン病の患者たち。病と闘いながら石火矢の製作に携わる、力強い人々でしょう。

考察③アシタカがタタラ場に残ろうと言った理由

本来、タタラ場は神聖な場所と考えられ、穢れに触れるとの理由から女人禁制の場でした。しかし、エボシ御前が率いるタタラ場では、身売りされた女性たちが働く、異様な光景が広がっています。また、敷地内には、世間で差別されたハンセン病患者たちも身を寄せています。タタラ場は製鉄所であり、社会で居場所を失った人々を受け入れて、仕事を与える場所ともいえるでしょう。

また、エミシの村を去ったアシタカも、居場所を失った1人であり、タタリ神の呪いを解く旅の途中でタタラ場に行きつきました。「もののけ姫」では、自分から村を出て行ったように描かれたアシタカ。実際は、呪いを理由に村から追いやられたことが明かされています。帰る場所のないアシタカにとって、タタラ場は自分を受け入れてくれる唯一の場所だったかもしれません。

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もののけ姫のタタラ場のシーンで流れる曲や歌

タタラ場のシーンで流れる曲や歌の紹介・イメージ画像

タタラ場のシーンといえば曲や歌も外せない要素であり、タタラ踏みの女性たちの歌は、誰もが1度は聞いたことがあるでしょう。ストーリーだけでなく、劇中曲も魅力的なジブリ作品。その中でも、「もののけ姫」の劇中曲・歌は、どこか懐かしさを感じさせる名曲でしょう。以下では、「もののけ姫」から、タタラ場のシーンで流れる曲や歌についてネタバレ紹介します。

曲①夕暮れのタタラ場

タタラ場のシーンといえば、小さな村のような構図はもちろん、タタラ場の閉門と同時に流れるあの曲も外せないでしょう。この楽曲は「夕暮れのタタラ場」といい、作曲者は数多くのジブリ音楽を手がけてきた久石譲さんです。劇中では、「カン、カン」とタタラ場の閉門を告げる音を合図に曲が流れ始め、人々の賑わいが映し出されました。

曲②タタラ踏む女達~エボシ タタラうた

タタラ場の曲といえば、たたら踏みを担う女性たちの歌「エボシ タタラうた」も有名でしょう。たたら踏みは、ふいごを交互に踏んで炉に空気を送り込む作業を意味します。一見すると簡単な作業に思えるも、実は男性でもかなりの重労働だったと言われています。トキのセリフ「四日五晩踏み抜くんだ」の通り、炉に火を入れたら、温度を下げないために休まずたたら(ふいご)を踏み続けなければなりません。

そのため、タタラ場がサンの襲撃を受けた際も、炉のある作業場では女性たちのたたら踏みは継続されていました。男性でも過酷な作業を、女性だけで踏み切るタタラ場の女性たち。世間的にも見ても、かなりの重労働に携わりながら、彼女たちは生き生きしています。タタラ場の女性たちの歌には、仕事を与えてくれたエボシ御前への感謝や、重労働を歌で乗り切ろうとするひたむきさが感じられるでしょう。

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もののけ姫のタタラ場に関する感想や評価

もののけ姫のタタラ場に関する感想や評価・イメージ画像

人々の生きる希望でもあったタタラ場は、首を打ち落とされたシシ神の暴走により、火事で焼失しました。しかし、タタラ場の人々は生き延びることができ、再びエボシ御前の元へ集まりました。再起を誓ったタタラ場や、合流が示唆されたアシタカのその後も気になるでしょう。以下では、「もののけ姫」のタタラ場に関する感想や評価をネタバレを交えながら紹介します。

感想1:楽しそうな場所

「もののけ姫」では、断片的にしか描かれなかったものの、タタラ場の仕事は重労働であり、女性たちが担うたたら踏みも過酷な作業と推測されています。しかし、女性たちは仕事は大変でも、前の生活に比べからずっと良い場所だと評しています。また、タタラ場で働く人々の関係も非常に良く、現代人にとってもタタラ場は理想的な場所であり、仕事はきついけど楽しそうとの声も見られます。

感想2:想像以上に過酷な仕事とも

タタラ場といえば、女性陣によるたたら踏みが有名であり、歌を歌いながらたたらを踏み続ける女性たちの姿はたくましく見えるでしょう。ネタバレ考察のように、たたら踏みは四日五晩踏み続けるという過酷な作業であり、鬼も嫌がる仕事に例えられています。SNSでは、女性たちのたたら踏みについて、大変なんてものじゃないとも評されています。

感想3:女性たちの精神的な強さに憧れと尊敬を抱く

タタラ場といえば、女人禁制と言われた製鉄作業に女性たちを取り入れた、エボシ御前の判断が凄いでしょう。同時に、エボシ御前に救われ、たたら製鉄に携わる女性陣の働きぶりも注目されています。男でも過酷なたたら踏みに従事する女性たち。決して弱音を吐かず、ひたすら仕事に打ち込む姿からは、精神的な強さを感じさせるでしょう。SNSでは彼女たちの強さに憧れた、尊敬するとの声も寄せられています。

感想4:子供を持つことが難しい環境

ネタバレ考察のように、タタラ場は外部からの襲撃もあり、安全が確保された場所とは言い切れません。普段は製鉄に携わる女性陣も、タタラ場を守るために戦う姿勢を見せています。一方で、子供がいない理由は、タタラ場の生活にもあるとも考察されています。男たちは行商でタタラ場を空ける期間が長く、女性たちもタタラ踏みという過酷な労働に携わっているゆえ、子供を持つことが難しいとの考えられています。

感想5:社会から取り残された人々の受け皿

もののけ姫のタタラ場は、端からみれば異色の集落のように思える一方、そこで暮らす人々は皆、社会から取り残された人々でした。その中には、ハンセン病患者とみられる人物もおり、彼らは病気を理由に差別を受けていました。そんな彼らに救いの手を差し伸べたのがエボシ御前でした。タタラ場は、エボシ御前の弱者への慈愛だけでなく、世間から追いやられた人々の受け皿だったとも解釈されています。

感想6:タタラ場がある限り、自然破壊は止まらない

ネタバレ考察のように、タタラ場は社会的弱者を受け入れ、必要に応じて彼らに仕事を与える理想的な社会とも呼べるでしょう。しかし、タタラ場で製鉄が行われる限り、大量の木材を消費するために森は削れていくとの意見も見られます。モデルとなった菅谷高殿の周辺でも、製鉄による環境破壊が問題視された過去があり、タタラ場は製鉄によって生じた負の側面も表してるでしょう。

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もののけ姫のタタラ場のネタバレまとめ

もののけ姫のタタラ場のネタバレまとめ・イメージ画像

ジブリの「もののけ姫」のタタラ場のモデルや謎などをネタバレ考察しました。人間側の象徴として描かれ、人々の活気ある生活が営まれているタタラ場。そこには、ハンセン病と思われる人々も身を寄せており、差別のない平和な社会が営まれています。しかし、タタラ場の外は森林を伐採しつくした山々が広がっています。この光景からは、自然と人間が共存することの難しさも読み取れるでしょう。

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