【もののけ姫】師匠連とはどんな組織？唐傘連・石火矢衆との関係やジコ坊についても解説

もののけ姫で謎の組織として登場するのが師匠連です。今回はそんなもののけ姫の師匠連についてまとめて紹介していきます。

師匠連が登場するもののけ姫は1997年に公開されたスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画です。スタジオジブリ作品としてはデジタル体制への移行、作画枚数などその後の作品への転換期となった作品であり、公開当時の日本の歴代興行収入記録を更新した作品になっています。

エミシの村に住む少年、アシタカは村を襲ったタタリ神を退治しますが、右腕に呪いを受けてしまいます。村の掟で村を出ることになったアシタカはタタリ神がやってきたと思われる西の方角を目指して旅をする事になります。そんな旅の最中出会う事になったジコ坊の話を聞いたアシタカはシシ神の住む深い森を目指す事になります。

もののけ姫作中には実は多くの組織が登場していますが、その中でも最も謎の組織とされているのが師匠連です。師匠連とはアシタカをシシ神の森に導いたジコ坊が所属する組織ですが、ジコ坊以外に登場人物はいません。ただもののけ姫作中のキャラクターのセリフなどからかなりの権力を持った組織である事が明らかになっています。その権力構造は一員であるはずのジコ坊ですら全容を把握していない程です。

そんな師匠連ですが、もののけ姫作中で暗躍した目的は明らかになっています。それは不老不死の力を持つと言われるシシ神の首を手に入れる事です。師匠連は天皇の直下で動く組織でもある事、もののけ姫の舞台になっている室町時代は後に戦国時代に突入するように朝廷、天皇の権力が低迷していた時期でもある為、権威をより高める為、不老不死の力であるシシ神の首を求めていたと考察されています。

同時に師匠連がこのシシ神の首を求める作戦に唐傘連や石火矢衆を投入したのは、戦力の誇示というのもあったと考察されています。

唐傘連とはジコ坊の指示で行動していたその名の通り、唐傘と呼ばれる赤い傘を常にさし、白い服と赤い頭巾を身に纏っている集団の事です。ジコ坊は師匠連の一員であると同時に唐傘連の頭でもあり、唐傘連は実質的に師匠連の実行部隊とも言える組織になっています。

もののけ姫作中では目的の為なら手段を選ばない非常な集団として描かれており、爆弾を使用するなどその戦力も確かなものを有しています。

唐傘連が師匠連の目的達成の為にジコ坊指揮の元で動いているのに対し、別のアプローチで動いているのがタタラ場の石火矢衆です。石火矢衆とは明から輸入した石火矢を扱う40名の傭兵集団で、エボシはこの石火矢衆を「シシ神退治」という条件の元に貸し出されているという状態です。つまりは石火矢衆もまた師匠連配下の実行部隊の1つとも言える組織になっています。

石火矢衆はタタラ場での普段の生活でも鉄や米の輸送などでタタラ場に貢献しており、タタラ場自体の生活を支えていた側面もありました。この石火矢衆の存在がエボシがシシ神退治を強硬した理由の1つになっているとも言われています。

師匠連のいち員であるジコ坊はもののけ姫作中、序盤から登場し、主な舞台となるシシ神の森にアシタカを導いた存在でもあります。小柄な中年の男性で、唐傘連の頭であることもあって同様に赤い唐傘をさし、赤い頭巾と白い服に身を包んでいます。普段は飄々とした性格をしていますが、師匠連の目的達成の為には非常にもなれるしたたかさを持ち合わせたキャラクターです。

また明らかに走りにくそうな一本歯の高下駄を履きながらヤックルと並走する、岩から岩に飛び移るなど高い身体能力を持ち、呪いを持ったアシタカとも台頭に渡り合える程の戦闘能力も持ち合わせています。ただ普段は極力それらを見せないようにもしています。

そんなジコ坊ですが、もののけ姫ファンの間では好き嫌いが露骨に分かれるキャラクターになっています。元々どことなく胡散臭い見た目をしているジコ坊ですが、もののけ姫作中の行動も元々暗躍している師匠連を体現するように自ら積極的に動くよりも周囲や部下を利用して目的を達成しようとしている様子が目立ちます。そんなジコ坊のずる賢さが嫌いと言われる要因になっています。

もののけ姫序盤はアシタカを中心に描きまだ主要な登場人物が少ない中で物語が進みますがそんな中最初に出会った主要なキャラクターといえるのがジコ坊です。お互いに助け合った事で食事を共にする事になるアシタカとジコ坊ですが、アシタカは米を、ジコ坊は当時貴重だった味噌を使って雑炊を作ります。この時の雑炊の食べっぷりに一部のファンから驚きの声が上がっているのです。

ジコ坊は味噌を提供し雑炊を作ってはいますが、元々メインであるお米はアシタカのものです。ジコ坊もそれを理解しているように「そなたの米だ、食え食え」と言いますが、話を優先して雑炊を食べ進めないアシタカを横目にまだアシタカが食べてないにも関わらずおかわり、さらにアシタカも食べ始めてからもう1度おかわりと3回も食べ、演出上はアシタカより多くの雑炊を食べているのでした。

そんなアシタカとジコ坊の出会いですが、アシタカがエミシの村を出て最初に立ち寄った村で出会っています。アシタカが銭の代わりに砂金で米を買おうとした所、店の女将はそれを許さずにアシタカを追っ払おうとします。そこで助け舟を出したのがジコ坊でした。店の前で大勢に聞こえるようにそれが砂金である事、銭にすればいくらになるかを喧伝しアシタカがお米を買えるようにしてくれたのです。

ちなみにこの時ジコ坊がアシタカを助けた理由はその前にアシタカが地侍との戦いで助けたからだとしています。しかしファンの間ではその地侍との戦いでアシタカが見せた呪いの一端を見て、シシ神退治の目的達成の為、利用できると考えたからではないかとも考察されています。実際にジコ坊はアシタカに近づく事に成功し、アシタカをシシ神の森に導く事に成功したのでした。

映画もののけ姫にて師匠連に所属するジコ坊の声優を担当したのは俳優の小林薫さんです。1970年代から活躍する俳優さんで、様々なタイプの映画やドラマで活躍している俳優です。ジブリ作品への出演はもののけ姫でのジコ坊役が初でしたがその後、「ゲド戦記」にて国王役でも出演するなどしています。

小林薫さんがこれまでに出演した作品としては「深夜食堂」のマスター役、「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」のオトン役、映画「ギブリーズepisode2」のトシちゃん役、ドラマ「おんな城主直虎」の南渓和尚役、「ナニワ金融道」シリーズの桑田澄男役、ドラマ「Dr.コトー診療所」の星野正一役、ドラマ「白い巨塔」の財前又一役などで出演しています。

ここからは既にもののけ姫を視聴した人の師匠連についての感想をネタバレありで考察していきます。師匠連はもののけ姫作中でも特に謎の多い組織であり、もののけ姫ファンの間でも様々な考察がされている組織になっています。

また師匠連と唐傘連、石火矢衆の繋がりが気になるという声も多くなっています。特に唐傘連はジコ坊が師匠連での役割を果たす為に独自に組織したものなのか、ジコ坊がいなくなっても機能する師匠連が組織したものなのか気になるなどという声も見られます。

師匠連に直接繋がりを持つジコ坊については嫌いという声もある一方で理解できてしまうという声も多く見られます。現代に置き換えればいわば現地に派遣された中間管理職のようなポジションであるジコ坊は当時の時代背景と合わせてもジコ坊なりに必死だったのだろうと共感してしまうという声もある程になっているのです。

もののけ姫の師匠連とは天皇や朝廷の勅命で動く組織で、作中に組織自体が登場したわけではないものの一員であるジコ坊を通してその存在を垣間見る事ができる組織です。ある意味でもののけ姫の物語を裏で動かしていた存在であるともいえ、ファンの間でも様々な考察が行われる組織になっています。師匠連の情報は様々な所にあるのでもののけ姫を視聴する際はその情報にも注目しながら視聴してみてはいかがでしょうか？