バナナフィッシュが面白い・名作と言われる理由は？アニメの評価や感想も紹介

面白いと評価されている「バナナフィッシュ（BANANA FISH）」は、人気漫画家の吉田秋生先生による作品です。本作は1985年5月号～1994年4月号の「別冊少女コミック」にて、連載されていました。サスペンスとアクション、ハードロマンの要素を盛り込んだ、青少年向けの内容となっています。連載当初は、少女漫画では珍しいジャンルであると話題になったようです。

2005年と2009年に、アクサル（Axle）によって舞台化が実現しました。2012年には磯村洋祐（劇団EXILE）と竹内寿のW主演で舞台公演されています。また、2018年に迎えた吉田秋生先生の40周年記念では、プロジェクトの一環として、フジテレビの「ノイタミナ枠」でアニメ化されました。コミックスは絶版となっていましたが、アニメ化に伴い2018年に番外編1巻を含む全20巻が、復刻版として発売されています。

主人公のアッシュ・リンクスは、麻薬や武力が横行する影のニューヨークで、必死に生きる17歳の若者です。ストリートギャングたちを束ね、多くの若者たちから尊敬されていました。ある日、アッシュは路地裏で、今にも死にそうな男を発見します。その男はアッシュに謎のアクセサリーを渡し、「BANANA FISH」という言葉を言い残し息絶えました。BANANA FISHをきっかけに、アッシュは闇の世界へと巻き込まれていきます。

バナナフィッシュ（BANANA FISH）のアニメと漫画は、過激な内容も含まれているため、好き嫌いがわかれる作品となっています。一度読み始めると止まらなくなるという声も見られました。ここでは、本作が面白いという感想や評価に注目して、名作と言われる理由も解説していきます。

バナナフィッシュに登場するキャラは、一人ひとり個性が溢れており魅力的なため、面白いという評価があります。本作が面白いと言われる最も大きな理由かもしれません。中でも、特に個性的な主要キャラを紹介します。主人公のアッシュ・リンクスは、頭脳明晰で銃の腕も優れており、ストリートギャングを束ねるボスです。人情味があり、仲間のためなら危険を顧みない逞しさを持っています。

しかも、顔も超イケメンで、まさにパーフェクトといえる人物なのです。しかし、一方では何度も命の危機を経験するような、危なっかしい一面もあります。完璧といわれているアッシュが、さまざなま葛藤をする姿が見どころです。

次の魅力的なキャラは奥村英二です。アッシュたちを取材するため、カメラマンアシスタントとして、ニューヨークへやってきました。棒高跳が抜群に上手く、有名選手だった過去があります。最初は英二のことを舐めていたアッシュですが、徐々に心を開き親友となっていくのです。彼はアッシュの闇の部分を受け入れて支えていく、重要キャラのため、ぜひ注目しておきましょう。

もう一人の魅力的なキャラは、ディノ・F・ゴルツィネです。マフィアのボスで、アッシュを育てた人物でもあります。アッシュに対して歪んだ愛情を見せ、異常な執着心を持っています。アッシュが受け取ったBANANA FISHの鍵を握っており、目が離せないキャラです。これらの魅力的なキャラを中心に繰り広げるストーリーが、面白いといわれています。

バナナフィッシュは、キャラクターの心情描写が繊細に表現されており、読者や視聴者が感情移入しやすいことが、面白い魅力の一つです。なぜそのような行動に至ったのか、経過もあらすじで描かれているため、世界観に入り込みやすいのでしょう。

また、バナナフィッシュのアニメ版はストーリーの展開が早く、テンポ良く進んでいくため、飽きが来なくて良いという評価もありました。一気に観たい人は、2クール全24話構成のアニメ版もおすすめです。

バナナフィッシュには、アッシュの数々の戦闘シーンが描かれています。彼は卓越した戦闘能力を兼ね備えており、銃の腕前は一流です。アッシュに恨みのあるフレデリック・オーサーでさえも、彼の戦闘能力を高く評価していました。また、手に汗握る戦闘シーンが、面白いという感想が非常に多いです。そして、それはアッシュのカッコいい姿が見れることにも、繋がっているからだと考察します。

バナナフィッシュの漫画やアニメを通して、普段は知ることのできないマフィアたちの裏の世界を、垣間見れるところが面白いという感想もあります。銃や麻薬、闘争などのマフィア要素が登場するのも面白いですが、暴力以外でも相手を貶めるシーンも見どころです。また、非常にリアルな「性」が描かれており、心にズンとくるシーンも多いです。残酷な裏の世界を見ることができるのも、バナナフィッシュの面白い魅力でしょう。

バナナフィッシュは、次々と裏切りの展開があるため面白いと評価されています。味方だと思っていたキャラから突然に裏切られたり、敵だと思っていたら最後に命を助けてくれたりと、先の読めないあらすじが面白いようです。本作は敵と味方が入れ替わることも頻繁にあるため、目が離せません。予想を裏切る展開が、ファンの心を惹きつけるのでしょう。

バナナフィッシュの面白い魅力の一つは、衝撃的なラストシーンです。ネタバレになりますが、アッシュの人生が残酷な形で終わってしまったのが、非常に衝撃的でした。あらすじの最後に、胸が締め付けられた人も多いでしょう。アッシュの最後を通して、人の命や幸せの価値観、正義についても、考えさせられる作品だったという評価を得ています。

面白いという感想がほとんどですが、一部では面白くないという評価もあります。主人公のアッシュは少年の頃、少年野球チームに所属していました。そのときに、監督からレイプされるという悲しい出来事があります。

他にも少年売春を斡旋する店へ、売り飛ばされた過去もありました。これらの出来事が、アッシュの中で大きなトラウマとなり、あらすじが進んでいきます。あまりにも重い過去で面白いと思えない、見るのが辛いという感想もありました。

バナナフィッシュのあらすじは、人の命についても深く考えさせられるシーンが多くあります。また、数々の戦闘シーンで、多くのキャラが死亡しました。特にあらすじの序盤では、先が読めたり腑に落ちない死に方をするキャラもいて、面白いと感じられなかったという評価もありました。また、登場してすぐに死亡したため、キャラにも感情移入できず、ピンと来なかったという感想も上がっています。

学生時代の奥村英二は棒高跳びの選手でしたが、怪我をして続けられなくなり引退します。あらすじの中で、敵から逃走するシーンがありました。英二は高い壁に阻まれた場所へ来てしまい、ピンチに陥ります。すると、彼は得意の棒高跳びを活かして、壁を飛び越えたのです。このときがきっかけで、アッシュは英二に対して一目置くようになりました。

普通の日本のお坊ちゃんと思っていたのが、勇気のある青年へと見方が変わったのです。アッシュは優れた才能に恵まれたゆえに、自身の置かれた運命に奔走されていました。英二が棒高跳びで空へ向かって飛ぶ姿は、アッシュが思い描いている「自由」と重なって見えたのです。アッシュの瞳に英二の姿が映っている様子は、非常に美しく印象的な名シーンでした。

アニメ3話のあらすじの中で、アッシュと英二がキスをする衝撃のシーンが登場します。漫画よりもアニメ版のほうが、リアルに描写されていて良かったという評価が多く上がりました。二人がキスをしたのは、理由がありました。罠にはまって刑務所に収監されたアッシュが、バレないようにメッセージを英二に渡すためです。

薬のカプセルにメモを仕込んで、親愛のキスをしながら英二に託しました。バナナフィッシュを初めて観た人は、BL作品だと思ったかもしれません。しかし、本作はアッシュと英二の深い絆を描く物語で、表面的な接触が描かれたのは、このシーンだけでした。

アッシュの魅力が伝わってくるのは、やはり銃を撃つシーンでしょう。数ある銃撃シーンの中でも、特にカッコよかったのは、トラックの上からディノを撃ったアッシュです。アニメ版では、アッシュの顔を影が流れるように覆っていく描写が、最高だったという感想も上がっています。彼の表情には、必ずディノを倒すという強い意志が表れていたようです。確実に敵を狙っていくアッシュの手腕に、魅了された人も多くいます。

バナナフィッシュのあらすじで、アッシュが因縁のあるオーサと決闘したあとの名シーンがありました。暴力的な闇の世界で生きているアッシュは、英二といることに罪悪感を覚えます。理想の反対を行く自分の姿を見られたくないと、アッシュが英二に言い放ちました。英二が大切な存在だからこそ、「おまえに見ていられたくない」と言ったのだと考察します。アッシュの心の葛藤が伝わってくるような、切なくなるシーンです。

敵から攻撃を受け痛めつけられたアッシュが、隙を見て逃げ出したあとの名シーンです。かなり傷ついていたのにも関わらず、彼は何事もなかったかのように、ボスらしく振舞っていました。しかし、彼の心は相当傷ついていると英二は知っており、アッシュを抱きしめます。英二はアッシュにとってかけがえのない存在で、心の支えになっていることがわかる感動シーンでした。

バナナフィッシュ（BANANA FISH）のOP主題歌は、Survive Said The Prophetの「found & lost」が起用されました。Survive Said The ProphetのYosh（Vo）さんは、「この曲を書くことをきっかけに、どんな未来が待っていても、それを左右する鍵は感情であると気がつきました」とコメントしています。ちなみに、カップリングには、廃盤となり入手困難とされていた「Uplifted」の再録バージョンも収録されています。

バナナフィッシュ（BANANA FISH）のED主題歌は、King Gnu(キング ヌー)の「Prayer X」です。メンバーの井口理さん（Vo・Key）は、幼い頃にバナナフィッシュを夢中になって読んでいたそうです。「Prayer X」は、「誰しもが持つ葛藤と祈りの歌なんだと僕は思います」とコメントしていました。

バナナフィッシュが面白いと話題のため見てみたら、精神が不安になるほど辛すぎたという感想がありました。これは、物語の流れ方や描写が素晴らしく、登場キャラについ感情移入してしまうため、過酷な人生を生きるアッシュの辛さに共感しているのでしょう。登場キャラが男ばかりで、絵の描写や襲撃戦のシーンもカッコよかったという評価もあります。

バナナフィッシュの絵がなんとなくカッコいいと思って読み始めたら、ドンピシャでハマってしまったという感想がありました。また、こんなに多くの人が死んでしまう少女漫画は、初めて見たという声も上がっています。絵が良いだけでなくストーリーも引き込まれて、最高の漫画だと評価されていました。バナナフィッシュのアニメに衝撃を受けて、箱入りの復刻版を全巻購入したというファンもいます。

バナナフィッシュの最終回を見て、気持ちを昇華しきれないという感想があります。ネタバレになりますが、最後は悲しい結末です。BLではなくとも、「愛」とはさまざまな形があると実感したという声も上がっていました。他にも、物語の終わり方が素晴らしく、最高に切ない2人の関係の描写、有無を言わせぬ説得力があったという評価もあります。

バナナフィッシュ（BANANA FISH）は、一度読み始めたらハマるほど面白いと言われています。登場キャラが魅力的で、主人公のアッシュがカッコよくなっていく様子も、人気の理由の一つです。戦闘シーンやラストシーンも好評で、面白いだけでなく涙を誘うような感動もあります。本作に興味を持った人はこれを機会に、ぜひ漫画またはアニメを見てみてください。