【天国大魔境】マルの正体はトキオとコナの子どもでクローン？過去や能力を考察

マルは『天国大魔境』の魔境編における主要登場人物の1人です。マルはヒルコという人食いの怪物を殺す能力「マルタッチ」を持っていたり、トキオとコナの子ども説やクローン説が囁かれていたりと、多くの謎を抱えています。

ここでは、そのマルについて紹介していきます。マルの正体や過去、持っている能力やトキオたちとの関係を詳しくチェックしていきましょう。マルについて詳しく見ていく前に、まずは『天国大魔境』の基本情報から見ていきます。

『天国大魔境』は、石黒正数による漫画作品です。2018年1月より『月刊アフタヌーン』で連載が開始されました。2023年6月時点で、単行本が9巻まで刊行されています。独特の世界観が人気を博し「このマンガがすごい！2019」ではオトコ編第1位にランクインしました。2023年4月にはテレビアニメ化もされています。

未曾有の大災害が起こり、世界が崩壊して15年。荒廃した日本には「ヒルコ」と呼ばれる人食いの怪物が現れるようになっており、生き残った人々はヒルコに怯えながら細々と日々を生きていました。その日本で便利屋を営む女戦士キルコは、ある女性の依頼で、マルという少年を「天国」まで護衛し送り届けることになります。

マルは『天国大魔境』の魔境編における主要キャラクターの1人です。年齢は15歳。彼は謎の病気で死亡した保護者ミクラの紹介でキルコと出会い、彼女に護衛をしてもらいながら荒廃した日本を旅しています。旅をしている理由は、ミクラから「天国」へ向かい自分と同じ顔をした人間に会うよう言われたためです。マルは「天国」に行くよう言われただけで、そこがどこにあるどのような場所なのかはわかっていません。

マルの特徴は、ヒルコという人食いの怪物を殺す能力を有している点です。キルコはマルの持つこの能力に「マルタッチ」という名前をつけています。マルの特殊能力である「マルタッチ」についての詳細は後述します。特殊能力を持ち、高い身体能力と戦闘能力を持つマルですが、サバイバル能力は高くありません。荒廃した日本で生き延びるには知識が足りないため、その点は旅慣れしているキルコに頼っています。

マルは非常に整った容姿をしており、キルコいわく「黙っていれば驚くほどの美形」であるとのこと。純粋で正義感が強く、少々のんきなところがあります。マルは年上であるキルコのことを「おねえちゃん」と呼んで慕っています。

その呼び方のせいで姉弟だと誤解されがちですが、当然ながら血の繋がりはありません。サバイバルスキルがないため、基本的に旅の方向性はキルコに決めてもらっていますが、思考力が全くないわけではありません。キルコが冷静さを欠くような場面では、マルが冷静に物事を考えることもあります。

ここからは、漫画『天国大魔境』に登場するマルの正体に関する考察を紹介していきます。マルは『天国大魔境』の天国編に登場するトキオとコナの子どもであり、またクローンである可能性もあると囁かれています。それらの説がなぜ浮上したのか、信憑性はどの程度あるのかなどをチェックしていきましょう。

『天国大魔境』は、外界から隔絶された施設の中で暮らす子どもたちにスポットを当てた天国編と、文明崩壊後の日本を旅するマルとキルコにスポットを当てた魔境編が同時に進行します。天国編と魔境編には時系列的にズレがあり、天国編は魔境編より過去の物語となっています。

天国編の主要キャラクターであるトキオはマルと瓜二つの顔をしており、連載開始当初から「マルとトキオには何かしらの関係があるのではないか」と考えられていました。物語が進むにつれて様々な謎が明らかになり、マルの正体がトキオの子どもであることがほぼ確定となっています。

魔境編の約15年前のことです。外界から隔絶された施設「高原学園」に、マルとそっくりな顔をしたトキオという少女がいました。トキオはそこで同年代の子どもたちと共に日々を過ごしていました。その中でトキオは、少し年上の少年・コナと想いを通わせます。高原学園では、男女の概念を教えません。子どもたちは性差を知らず、恋愛や子どもの作り方も知らないまま成長します。

にもかかわらず、トキオとコナは性交渉を行い、やがてトキオは妊娠しました。マルが15歳で、魔境編が15年前の物語であること、マルとトキオが似ていることなどから、マルの正体はトキオとコナの子どもであると考えられるようになりました。

マルの正体はトキオとコナの子どもである可能性が高いと先述しました。ここからは、マルの正体がクローンなのか、それともオリジナルなのかという考察について紹介していきます。15年前、トキオは出産しました。生まれた子どもは高原学園の保険医である猿渡が引き取り、施設内で面倒を見ることになるのですが、そこには2人の赤ん坊がいました。

この赤ん坊のうち1人はトキオが出産した子ども。もう1人は、その子どもをもとに作られたクローンです。高原学園の園長である上仲は、自身の脳をトキオとコナの子どもに移植しようと考えていました。猿渡はトキオとコナの子どもが園長に利用されることを防ぐため、クローンを生み出してクローンのほうを園長に差し出すつもりでいたのです。

片方がクローンであることは一部の人間しか知らず、部外者には「双子のようなものである」と説明されていました。ある日、高原学園が外部から襲撃を受けます。衝撃で建物が大きく揺れ、赤ん坊たちは床に投げ出されてしまいました。この出来事が原因で、猿渡はどちらがトキオとコナの子どもで、どちらがクローンなのかわからなくなります。

猿渡はあとでどちらがどちらかを調べることにし、ひとまず片方の赤ん坊の足に◯印を描きました。◯印を描かれたほうがマルで、名前の由来になったのではないかと考えられています。

高原学園が襲撃されたあとすぐに、猿渡はトキオに子どもを返すことになりました。どちらがクローンなのか、調べる時間も術もありません。どちらの赤ん坊をトキオに返すのか問われた猿渡は、◯がついていないほうの赤ん坊をトキオに返すと答えました。この時点で、猿渡はどちらがクローンでどちらがオリジナルなのか把握していません。適当に答えてしまっています。

オリジナルとクローンの判別ができなくなっているという事実を知らない人たちは、◯がついているほうがクローンで、◯がついていないほうがオリジナルであると認識しました。こうして、オリジナルであるとされた◯がついていないほうの赤ん坊は、トキオのもとへと連れていかれます。◯が描かれたほうの赤ん坊がどうなったのかは、謎となっています。

◯が描かれていない赤ん坊がトキオに渡され、◯が描かれた赤ん坊のその後は不明です。ここで浮上する問題は、どちらがトキオの本当の子どもで、どちらがクローンなのかということです。猿渡の判断が当たっており、さらにマルの名前の由来が足に描かれた◯印であった場合、マルの正体はトキオとコナの子どものクローンであるということになります。現状、マルの正体については明かされていません。

しかし、多くの読者は、マルがクローンである説を推しているようです。マルがクローンなのではないか、と考えられている理由の1つは、マルが両親の特殊能力を受け継いでいないということです。トキオには身体を硬化させる能力があり、コナには未来予知の能力がありました。今のところ、マルにはどちらの能力も発現していません。

マルが持っている特殊能力は、ヒルコを殺すことができる「マルタッチ」のみです。そしてこの「マルタッチ」が、マルがクローンであると考えられているもう1つの理由になっています。トキオやコナなど、高原学園にいた子どもたちは皆、特殊能力を持っていました。それは彼らが、学園のテクノロジーで生み出された存在であるからです。

マルも学園のテクノロジーによって生み出されたクローンであるため、「マルタッチ」のような特殊能力を持っているのではないかと考えられています。これらはあくまで考察であり、確定ではありません。特殊能力を持つトキオとコナの間に生まれたことが原因で、両親とは違うもののマルも特殊能力を持って生まれた、という可能性もあります。

ここからは、漫画『天国大魔境』に登場するマルの過去について紹介していきます。本編ではキルコと共に荒廃した日本を旅しているマルですが、かつてはミクラという女性と行動を共にしていました。マルとミクラはどのような関係だったのか、どのような経緯でマルはミクラと別れキルコと行動を共にするようになったのか、詳しく見ていきましょう。

マルとミクラの出会いについての考察を見ていく前に、まずはミクラというキャラクターについてわかっていることを確認しておきましょう。ミクラは本名を三倉まなかといいます。彼女の正体は、高原学園の生徒であったナタの身体に脳を移植することで生きながらえていた上仲園長でした。

上仲園長は、地球上で大災害が起こって人類に壊滅的な被害が出ることを知っており、文明が滅んだあとの世界に天国を作るという野望を抱いていました。しかし目的を果たすには高齢であったため、彼女はトキオとコナの子どもに脳を移植して生き延びようと考えます。それは失敗し、結果として上仲園長はナタの身体を利用しました。

ナタの身体を手に入れミクラとして生きるようになった上仲園長ですが、彼女とマルがどのように出会ったのかは明らかになっていません。自身の目的を達成するためならどんなことでもする上仲園長のことなので、マルを利用するためにマルのことを探し、発見して行動を共にしていたのではないかと考えられています。

幼い頃、マルは孤児院のような場所で暮らしていたようです。周囲にマルの出生について知る人間はいなかったらしく、マルは周囲の大人たちから「大災害の年に生まれた」という情報だけを聞かされて育ちます。7歳頃まで同年代の子どもたちと一緒に過ごし、孤児院のような場所が解散になって以降は、複数の集団を転々としていたようでした。やがてミクラと出会って彼女に引き取られ、ミクラからキルコに預けられたようです。

マルの目的は、ミクラから頼まれたことを実行することです。ミクラから頼まれたことというのは「天国へ行き、マルと同じ顔をした人間を見つけて注射を打つ」ことです。ミクラは天国の場所や、注射がどのような効果を持つものなのかなどの重要な情報は一切明かさぬまま亡くなりました。しばらく行動を共にしていたマルも、ミクラから詳しいことは聞かされていなかったようです。

そのため、マルはキルコと共にまずはミクラの言っていた天国を見つけるべく、旅をすることになります。多くの読者が疑問に思っているのは、なぜマルと同じ顔をした人間に注射を打つ必要があるのか、という点です。考察をする前に押さえておきたいのは、荒廃した日本に存在している人食いの怪物「ヒルコ」は、高原学園の生徒たちが死亡したあとの姿であるということです。

高原学園の生徒たちはとある病気に罹る可能性が高く、この病気に罹って死亡するとその遺体がヒルコへと変わります。この事実を頭に入れたうえで、注射についての考察を見ていきましょう。ミクラは「マルと同じ顔をした人間に注射を打て」とマルに指示しました。マルと同じ顔の人間というのは、マルの母親であるトキオ、もしくはマルの片割れでしょう。注射を打つということは、何かしらの薬物を投与することです。

ファンの多くは、この薬物が「ヒルコになることを防ぐ薬」もしくは「ヒルコを殺す薬」であると考えています。注射の効果が明らかになったとき、ミクラがなぜマルに注射を持たせたのか、その理由が明らかになるでしょう。

ここからは、漫画『天国大魔境』に登場するマルの能力「マルタッチ」について紹介していきます。「マルタッチ」は、現状マルだけが持っている特別な能力です。『天国大魔境』の謎にも関わってくる能力なので、詳細をチェックしておきましょう。またここでは、マルとキルコの関係についても見ていきます。

『天国大魔境』の世界には、人食いの怪物「ヒルコ」が存在しています。ヒルコは武器を使って一時的に退けることはできますが、完全に殺すことはできません。ですがマルは、自身の特殊能力を使ってヒルコを完全に殺せます。それが「マルタッチ」です。「マルタッチ」は、ヒルコに触れることでヒルコの体内に入り込み、体内にある核を破壊する能力です。

現状、ヒルコを完全に殺せるのは「マルタッチ」を使えるマルのみです。人々はヒルコの脅威に怯えています。マルの「マルタッチ」がどれだけ重要であるかわかるでしょう。物語当初から、マルの「マルタッチ」は重要視されていました。物語が進むにつれて、マルの「マルタッチ」の重要性は上がっていきます。ヒルコの正体が、高原学園の生徒たちであることが明らかになったためです。

高原学園の生徒たちの一部は、ヒルコになる病気を発症し亡くなりました。病気の進行を抑える術はなく、人間として死ぬにはマルに触れてもらうしかありません。今後も、マルが高原学園の生徒たちを救うために「マルタッチ」を救う展開が描かれるのではないかと考察されています。

マルはキルコのことを「おねえちゃん」と呼んで慕っていますが、その関係は姉弟ではなく、雇い主とボディーガードです。マルはキルコの力を借りながら、天国を探す旅をしています。キルコはボディーガードとして雇われていますが、マル自身が高い戦闘能力を有しているため、実際は互いに背中を守り合う相棒のような関係になっています。

行動を共にする中で、マルはキルコに対して恋愛感情を抱くようになりました。マルは自身の気持ちをキルコに告げましたが、キルコは女性の身体に男性の脳を移植された改造人間であるため、それを理由にフラレています。キルコの正体について知ったあとも、マルはキルコを想い続けているようです。

ここからは、アニメ『天国大魔境』でマルの声を担当した声優について紹介していきます。アニメ『天国大魔境』の重要なキャラクターであるマルを演じた声優が、どのような作品でどのようなキャラクターを演じているのか、チェックしていきましょう。

アニメ『天国大魔境』でマルの声を担当したのは、声優の佐藤元です。佐藤元は1997年3月22日生まれで、2023年7月時点で26歳です。神奈川県出身で、所属事務所はアイムエンタープライズです。中学2年生の頃にあるアニメを見たことがきっかけで声優業を知り、高校生の頃に声優を目指すようになりました。大学に通いながら日本ナレーション演技研究所に通い、2017年度よりアイムエンタープライズに正式に所属しています。

2021年にテレビアニメ初主演を果たし、2022年に行われた第16回声優アワードでは新人男優賞を受賞しました。佐藤元は格闘技観戦と音楽鑑賞などを趣味としており、特技は剣道とマッサージであるようです。剣道3段、英検3級、漢検3級など、数々の資格を有しています。好きなテレビ番組は「水曜どうでしょう」。2020年6月9日より、ユーチューブチャンネル『ストイッカーGEN』を開始しました。

アニメ『天国大魔境』でマルを演じた声優・佐藤元の主な出演作品と演じたキャラは『ワンパンマン』（雷光ゲンジ）、『Dr.STONE』（クロム）、『星合の空』（布津凜太朗）、『カードファイト!! ヴァンガード』（クロノタイガー・リベリオン、スイコファン、ダイナマイト・ジャグラー、モヒカンC）、『A3！』（皆木馨）、『弱キャラ友崎くん』（友崎文也）、『蜘蛛ですが、なにか？』（大島叶多）などです。

また『スケートリーディング☆スターズ』（窪田智之）、『灼熱カバディ』（畦道相馬）、『美少年探偵団』（指輪創作）、『海賊王女』（槐）、『境界戦機』（椎葉アモウ）、『ブッチギレ！』（一番星）、『よふかしのうた』（夜守コウ）、『惑星のさみだれ』（東雲三日月）、『虫かぶり姫』（アラン・フェレーラ）、『HIGH CARD』（フィン・オールドマン）、『六道の悪女たち』（六道桃助）にも出演しています。

マルはトキオの本当の子どもであると思っている人の考察です。マルはヒルコを殺す「マルタッチ」という能力を持っていますが、この「マルタッチ」はトキオとコナの子どもであるゆえに得た能力である、と考えている人が一定数いるようです。

「マルタッチ」についてのコメントです。ヒルコを殺すことができる「マルタッチ」の重要性は、物語序盤から多くの人が感じていました。ヒルコの正体が明らかになり、その重要性はさらに高まったようです。

『天国大魔境』の魅力の1つは、マルとキルコの関係性です。2人が互いを支え合いながら旅をしていく様子に心を掴まれたというファンは少なくありません。ヘビーな展開が続く『天国大魔境』において、マルとキルコのやり取りは多くの読者の救いになっています。

ここでは『天国大魔境』に登場するマルの正体や過去、能力に関する考察を紹介してきました。マルは作品の重要キャラクターです。彼にまつわる謎や彼の行動が、今後の物語に大きく影響してくることは間違いありません。『天国大魔境』に登場するマルの活躍に注目しながら、ストーリーを楽しみましょう。