【呪術廻戦】疱瘡神の強さと術式・領域展開は？冥冥＆憂憂戦の結果は？

呪術廻戦において、呪霊として登場したのが疱瘡神です。この記事では、そのような疱瘡神について、ネタバレありでまとめて紹介していきます。

疱瘡神が登場する呪術廻戦は、2018年から芥見下々先生が週刊少年ジャンプにて連載している、バトル漫画です。『呪術』『呪い』をテーマにした作品で、連載開始当初こそ、その重い雰囲気から不人気から始まったものの、テンポの良さと、個性豊かなキャラクターなどからで、高い人気を集めた作品になっています。さらに2020年にアニメ化が行われるとその人気を爆発させ、高い人気を獲得した作品になっているのです。

呪術廻戦は高い人気と共に評価も得ている作品です。『全国書店員が選んだおすすめコミック2019』では1位、『みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2019』では大賞を、それぞれ受賞するなどしています。メディアミックス展開も積極的に行われ、呪術廻戦の連載前、ジャンプGIGAで連載された公式前日譚が、映画化されていたりします。これらのメディアミックス展開もあり、2020年前半を代表する、漫画の1つになっています。

2018年10月31日、渋谷駅を中心とした帳が降ろされ、一般人がその中に閉じ込められるという事件が起こります。渋谷事変と呼ばれることになるこの事件に、五条悟単独による平定が決定されます。しかし、渋谷駅で待っていた夏油一派の策略により、五条悟が封印されることになってしまうのです。この大事件の中で偽夏油の前に現れた冥冥と対峙させるべく呼び出されたのが、この記事で紹介する疱瘡神（疱瘡婆）です。

疱瘡神とは、偽夏油が呪霊操術によって使役されていた、『特級特定疾病呪霊』です。現在でいうウイルス性感染症天然痘への、人々の恐れから生じた呪霊になっています。人々の恐れから生まれる呪霊の中でも、大流行した病気が原因という漠然とした恐怖が根源にある呪霊になっています。感染した人は思いもちろん、身近な人や、非感染者でもその症状を知る人々からの恐れも相まって、非常に力の強い呪霊になっているのです。

日本では、実際に平安時代には、伝承が残る疫病神の一種として、伝えられるほどになっています。疱瘡神を祀る寺社も、複数現存しているほどです。呪術廻戦の疱瘡神もこの疱瘡神がモチーフとなっています。その見た目は、どことなく天然痘を連想させるデザインになっており、独自の言語を喋ることも出来ます。しかし、漏瑚らと同じ特級でも知能は低いのか、人間の言葉を話すことは、出来ない呪霊になっています。

長い時代を経て特級になるほどの、恐れを集める疱瘡神ですが、その強さは特級に相応しい強さを誇っています。ただし、本人が人間の言葉を喋れないこともあり、その術式の詳細は不明になっています。冥冥達との戦いが始まって、比較的早い段階で、領域展開を使用したこともあり、具体的な効果は不明です。しかし、疱瘡神らしく、相手を病死させる能力を持っている、と考察されています。

或いは、領域展開の術式から、棺桶を召喚するような能力なのではないか、とも考察されています。術式の時点で、相手を病死させてしまえるのは、あまりにも強すぎるとも考察されているのです。逆に、領域展開を早々にしたことから、術式としては使いにくい術式なのではないか、とも考察されています。

疱瘡神の領域展開は、名前は不明です。ただし、その効果は詳細に描かれています。疱瘡神を使役した偽夏油が術式を開示したのです。疱瘡神の領域展開は、3つの段階を経て、相手を病死させるという術式になっています。領域展開を発動すると、暗闇に墓石が立ち並ぶ空間が形成されます。そして、その領域展開の中で、1番呪力量の多い者を1人を対象に発動するのです。まず、1段階目は相手を棺桶の中に閉じ込めます。

2段階目には、墓石を出現させて落下させ、土中に棺桶を埋葬させます。そして3段階目、3カウントの後、棺桶から脱出できなければ、天然痘に罹患してしまい、相手は死亡する、という術式になっています。ちなみにそれぞれの段階の進行には、疱瘡神が左手を右手に打ち付けるという、独自の動作が必要になっています。

そもそも、疱瘡神は渋谷事変において、偽夏油に召喚される形で登場します。偽夏油が、冥冥と憂憂の相手をさせるために、呪霊操術で呼び出したのです。突如現れた特級の疱瘡神に対しても、冥冥は慌てる様子を見せず、冷静に対応します。出現して、すぐに領域展開を行った疱瘡神に対し、棺桶に閉じ込められこそしますが、1メートルほどのある斧を用いて、棺桶と墓石を破壊して脱出するのです。

しかし、領域展開の必中効果により、何度破壊されても、疱瘡神は領域展開をし続け、冥冥は何度も棺桶に閉じ込められることになります。その度に、破壊して脱出する冥冥ですが、冥冥も強いとは言っても人間なので、体力の限界はあるのです。しかも、冥冥達は、疱瘡神を祓った後には、偽夏油と戦わなければなりません。ここで全力を出し切るわけにもいかない状況に、追い込まれるのです。

そこで冥冥は、憂憂を囮に使う命懸けの戦術を取ります。疱瘡神の術式は、呪力量の多い相手を対象とするので、憂憂が呪力を解放し、逆に冥冥は呪力を抑えることで、術式の対象を憂憂に移し替えます。ネタバレすると、普段は呪術を使用しない憂憂ですが、冥冥の『命懸け』という合言葉は、呪術の使用許可になっているのです。棺桶に閉じ込められた憂憂は、シン陰流・簡易領域を使用し、疱瘡神の術式を中和します。

その時間稼ぎを利用し、冥冥は、領域展開の中に居た鳥を、冥冥の術式である『黒鳥操術』で操ります。鳥に自死を強いる代わりに、本来微弱の鳥の呪力を解放して相手に突撃させる『神風（バードストライク）』を用いるのです。疱瘡神に大穴を開けてるほどの威力を発揮し、これにより、冥冥と憂憂が勝利を納める形になるのです。余談ですが、この神風はこれまでに、五条悟以外に防げた敵がいない、と言われるほど強力な技になっています。

疱瘡神とよく似た名前をした存在として、疱瘡婆がいます。疱瘡神が神様であるのに対して、疱瘡婆は妖怪です。江戸時代の女流文学者、只野真葛の著書『奥州波奈志』にて描かれました。1810年前後、七ヶ浜村大須（現在の宮城県宮城郡に相当する）と呼ばれた地区で、疱瘡が大流行します。問題になったのが、この疱瘡で死んだ者達の墓を荒らし、遺体を盗み出したり、食い散らかされたような状態になってしまったことです。

そして疱瘡と墓荒らしから生まれた噂が『疱瘡婆という化け物がおり、死人を食べるために、人々を病死させている』と呼ばれるものでした。ちなみにこの時描かれた疱瘡婆の見た目の特徴は、身長が一丈（およそ3メートル）もあるような老婆で、髪が白髪で覆われていたとされていました。

呪術廻戦で偽夏油が使用した疱瘡神ですが、実は、この呪霊が疱瘡神であるというのは、偽夏油の嘘であったことが、明らかになっています。実は、偽夏油が冥冥と憂憂の前に登場したのは、疱瘡神ではなく、疱瘡婆だったのです。実際、領域展開を使用した際に使用された術式は、墓荒らしのエピソードを持つ、疱瘡婆に近いものになっているとも言われています。

偽夏油が嘘をついた理由については不明ですが、このことから、偽夏油の行動が浮き彫りになりました。百鬼夜行以降に夏油の身体を手に入れてから、渋谷事変を起こすまでの、およそ10ヶ月の間に、宮城県を訪れていることが、確定的となったのです。宮城県といえば、主人公である虎杖悠仁の出身地なので、或いは、偽夏油が虎杖悠仁が、宿儺の指を取り込むように、動いていたとする考察が生まれる結果になっているのです。

渋谷事変において疱瘡神（疱瘡婆）を呼び出した偽夏油とは、公式前日譚『東京都立呪術高等専門学校』において、百鬼夜行を起こした夏油傑の身体を乗っ取った存在です。ネタバレすると、夏油傑は、この前日譚において、乙骨と戦い、最終的には五条悟によって、トドメを刺されたことで死亡しています。つまり、偽夏油は、夏油傑がなんらかの方法で復活したか、何者かに操られている存在でした。

いずれにしても、呪術廻戦において、偽夏油と呼ばれる存在は、比較的早い段階から登場していました。特級呪霊の集団である真人らと、手を組んで暗躍していたのです。自らが表立って行動することは、ありませんでしたが、渋谷事変において、ついに自ら動き出すことになります。そしてその正体として明らかになったのが、羂索です。羂索の正体は、自らの術式を用いて1000年以上も生き続ける呪詛師でした。

羂索が用いる術式とは、他者の死体に自らの脳を移植することで、その肉体を乗っ取るという術式です。元の肉体の生得術式を使用することもでき、記憶も継承することができる能力になっています。しかも、別の身体に移る際には、条件はあるものの、術式を持ったまま移動することが可能になっており、羂索はこの方法を用いて、呪術廻戦作中で、唯一、複数の術式を持っている呪術師になっています。

2023年6月現在、羂索が使用している術式としては、羂索自身の術式に加えて、現在乗っ取っている身体である夏油傑の持っていた呪霊操術、虎杖香織が所有していた反重力機構（アンチグラビティシステム）と呼ばれる術式です。また、反転術式による治療も行うことが出来ます。加えて、呪霊の持っていた術式に関しては、呪霊操術で取り込んだ上でうずまきを使用することで、抽出することでも使用しています。

現代においても、様々な行動を起こしている羂索ですが、明らかになっているだけでもその所業は、多岐にわたっています。同時に、それらの行動は『不幸の源』と呼ばれるほどで、呪術廻戦においても、羂索が関わっていると思われるキャラクターは非常に多いです。2023年6月現在、語られている最古の事件は、1006年頃のことで、天元と星漿体の同化を阻止しようとして、失敗するという事件を起こしています。

また、この頃から死滅回游の構想があったのか、契約を交わし始めており、烏鷺亨子と契約をしていました。その後も1000年をかけて多くの呪術師と契約をしている他、明治時代になる1868年には、加茂家の当主加茂憲倫の身体を乗っ取り、呪胎九相図を作成したりもしています。さらには、詳細は不明ながら、呪術廻戦の主人公である虎杖悠仁の出生にも、関わっているであろう描写もあります。

ここからは既に、呪術廻戦を読んだ人の、疱瘡神に関しての感想を、ネタバレありでまとめて紹介していきます。疱瘡神に関してはモチーフがモチーフだけに、その強さには納得感があったとする感想が非常に多くなっています。最終的には冥冥と憂憂に敗れることになってしまいますが、冥冥の本気の戦闘を見れたということもあり、それだけの敵だったとして認識されるほどになっています。

実際に、冥冥と憂憂も、2人だったからこそ勝利できた形であり、単独で破るのは非常に難しかったと考察されています。ある意味相性の悪い戦いだったとも言われ、疱瘡神は出番こそ短いものの、インパクトは非常に強かった、と言われることが多くなっています。

特に、疱瘡神のバトルは、疱瘡神が戦闘開始から即領域展開を行うスタイルであり、冥冥が領域展開を打ち破るという戦いになっています。領域展開を破る戦い自体は、それまでも呪術廻戦の中で描かれてきましたが、どちらかといえば、領域展開同士の戦いになることも多くなっていました。この冥冥の戦いは、領域展開を使わずに領域展開を破った戦い、ということも注目を集めるポイントになっています。

また、冥冥の術式はどちらかといえば弱い部類であり、基本的には近接戦闘で対応する形式を取っています。疱瘡神との戦いはそのような冥冥が、1級呪術師としての実力を120%発揮しなければ、勝てない戦いだったと言われるほどになっているのです。冥冥の強さを描く意味でも疱瘡神は重要なキャラクターだったと考察されています。

疱瘡神の術式は、呪術廻戦では、領域展開を使用した上で使用しています。そのため、領域展開を使用しない場合の術式が、どうなるのかが気になるという声も多いです。疱瘡神自身、そこまで知能が高いようには見えないため、あの術式を上手く活かせるのか気になるとも言われています。逆にいえば、それが出来ないために戦闘になったら、即領域展開をするようにしているのではないか、とも考察されています。

疱瘡神の領域展開は最終的には、病死させるという非常に強力な効果を持っています。しかし、術式の時点では、棺桶に閉じ込める効果が必中ではないため、或いは、棺桶を無数に生み出して打撃に利用するのではないかとも考察されています。いずれにしても、病死させる最終的な効果は、あまりにも強すぎるため、領域展開しなければ使えない、或いは、使えたとしてもかなり条件が厳しいのではないか、と考察される事が多いです。

また、疱瘡神は、疱瘡婆だったという事実に関しては、その術式や疱瘡婆のエピソードなどから、納得感があるとする声が多くなっています。疱瘡神の時点では、病死させる条件に棺桶が登場することに違和感を覚えるとする声もあったためです。もちろん、疱瘡婆の場合、順序が違うという問題こそあるものの、棺桶というワードはやはり、疱瘡婆のエピソードの方がしっくり来ると言われることが多いです。

疱瘡婆に関しては、等級が気になるという声も多くなっています。領域展開を使用していることから、疱瘡婆自身も特級であっても不思議ではありません。しかし、呪術廻戦で描かれてきた特級とは知能などの面で異なっており、限りなく特級に近い1級とされても、不思議ではないと考察されているのです。実際、疱瘡婆を倒した冥冥は1級であり、そのことからも1級相当なのではないか、とも考察されています。

また、疱瘡神に関しては、偽夏油の行動も色々謎が多いと考察されています。そもそも何故、疱瘡婆を疱瘡神と偽ったのか。敢えて、領域展開の内容を開示した理由は、なんなのかが気になるとされているのです。確かに冥冥の相手をするのに、優れた呪霊を用いる必要があったのは間違いありません。しかし、わざわざ嘘を付く理由が、分からないと言われているのです。

或いは、特級ということを知らせることで、冥冥を警戒させるのが目的だったのではないか、とする考察もあります。しかし、その場合、領域展開の術式を開示することはしないのではないか、と考察されるのです。もちろん、術式を開示することで疱瘡婆が強くなるということも考えられます。結果的に、様々なパターンが考察される結果になっているのです。

偽夏油が呼んだ疱瘡神が、実は疱瘡婆であり、本物ではないことが明らかにされています。しかし、逆説的にいえば、これは本物の疱瘡神がいるということにも繋がります。特級特定疾病呪霊と指定されていることからも、呪術界にもその存在は知られているはずです。このことからどこかのタイミングで、疱瘡婆ではなく、本物の疱瘡神が登場する可能性もあるのではないか、と考察されています。

仮に登場するとしたら、疱瘡婆も十分に強かったものの、やはり1級の冥冥に敗れていることもあり、特級呪霊として相応の強さを発揮してほしいという声も見られます。先々、虎杖悠仁らが倒す存在として、立ちはだかっても面白いのではないか、とも言われる結果になっているのです。

呪術廻戦に登場した疱瘡神は、特級特定疾病呪霊に分類されている呪霊です。天然痘への恐怖を元に生まれた呪霊ということもあり、相応の強さを誇っていると思われます。しかし、実際に、偽夏油が操った疱瘡神は、宮城県に伝わる疱瘡婆という妖怪だったことも明らかになっています。それでも相応の強さを誇っており、1級術師である冥冥でも、憂憂がいたからこそ、なんとか勝利を納めることができたくらいには苦戦しました。

残念ながら、知性は低く、人間の言葉を話すことはなかったため、疱瘡婆に関しての謎は非常に多くなっています。しかし、実際に既に登録されている呪霊ということもあって、今後、呪術廻戦の作中に本物の疱瘡神が登場する可能性も残されています。相応の強さになることが予想されるので、今後呪術廻戦を読む際は、本物の疱瘡神の登場にも注目しながら、読んでみてましょう。