今際の路のアリスと今際の国のアリスの違いは？漫画のあらすじや評価・感想は？

「今際の国のアリス」のスピンオフにあたる「今際の路のアリス」。女子高生・小島亜里朱（アリス）を主人公に迎えた、新たな今際の国の物語です。本作品では、滞在者同士の人間関係に焦点を置き、サスペンス要素の強い作風となっています。以下では、漫画「今際の路のアリス」と「今際の国のアリス」との違いをネタバレ紹介します。その他、「今際の路のアリス」の漫画のあらすじネタバレ、面白い魅力、感想や評価をまとめました。

「今際の路のアリス」は、麻生羽呂原作、黒田高祥作画による作品です。漫画は、2015年～2018年にかけて「月刊サンデーDX」にて連載されました。単行本は全8巻で構成されています。本作品では、女子高生が主人公に起用され、別視点から捉えた今際の国を描いた作風が特徴です。

「今際の国のアリス」は、麻生羽呂原作・作画によるアクション漫画で、単行本は全18巻で構成されています。2010年～2015年にかけて「週刊少年サンデーS」で連載後、「週刊少年サンデー」に移籍して2016年に完結しました。また、2020年には続編「今際の国のアリス RETRY」が同誌で連載され、全2巻が刊行されています。

新たな視点で描かれた「今際の路のアリス」。ゲーム以外の方法で今際の国からの出国を目指す小島亜里朱（アリス）の奮闘が面白い魅力となっています。一方、本編にあたる「今際の国のアリス」とは、どのような違いがあるでしょうか。以下では、「今際の路のアリス」と「今際の国のアリス」の違いや漫画のあらすじをネタバレ紹介します。

生死の境目にある異世界を舞台にストーリーが共通点にあげられる両作品。しかし、物語を構成する要素は、作品ごとに異なっています。まず、スピンオフ「今際の路のアリス」は、サスペンス要素の強い点が特徴にあげられます。今際の国で起きた最初の射殺事件。犯人は一体誰なのか、東京へ向かうメッセージを残した12人目の滞在者の正体など、謎解き要素が描かれています。

また、事件をきっかけに疑心暗鬼にあるメンバー同士の心理戦も見ごたえがあります。本編の「ビーチ」の回を彷彿させる作風でしょう。一方、本編にあたる「今際の国のアリス」は、生存をかけたサバイバル要素やゲーム要素の多さが特徴です。トランプの名前を模した数々のゲーム。負ければ死が待っている過酷なゲームに突破口はあるのか、読者をハラハラさせる展開が見どころです。

「人生は強制参加のクソゲー」と表現し、未来に希望を持てずにいた佐野紀奈（キーナ）。気が付くと荒廃した京都の町におり、手には「クローバーのQ」のカードが握られていました。しばらく町を彷徨うと、自分と同じ境遇に遭った小島亜里朱（アリス）と出くわします。彼女は、「ハートのQ」のカードを持っていました。共に高校生で、人生を悲観的に捉える2人は意気投合し、行動を共にします。

しかし、夜を迎えて、元の世界に戻れないのではと不安を覚える2人。その時、巨大花火が打ち上げられ、その場に向かうと9人の男女がいました。彼らもこの世界に迷い込んだ人々で、トランプカードを持っています。また、キーナと同じく、東京に居たはずなのに、気が付いたら京都に来ていました。11人となった彼らは、元の世界に戻る方法を模索するも、足並みが揃わず不穏な空気を漂わせます。

この世界の謎を探るため、京都の町を探索する派と東京を目指す派に分かれ、意見を対立させる11人。話し合いは平行線となり、この続きは明日に持ち越すことにしました。しかし、翌朝に由良倫義（ユラ）が何者かに殺害される事件が発覚します。昨夜の話し合いで東京行きに反対していたユラ。遺体を調べると、元の世界に戻るためのアイテムと考えられたトランプカードも盗まれていました。

犯人は東京へ向かうグループの中に潜んでいるとの憶測から、疑心暗鬼に陥る一行。東京へ向かう道中で再び殺人事件が起き、極限状態に陥った人々は本性を顕わにしていきます。

思い通りにいかない人生に悩む有栖良平（アリス）。友達と遊びに出かけた夜、巨大花火のような閃光を目撃します。気が付くと、廃墟と化とした東京の町におり、一緒にいたカルベ・チョータの姿もありました。実は、3人が迷い込んだ世界は、生死の境目にある今際の国。元の世界に戻るためには、この世界で行われるゲームにクリアしなければなりません。

ゲームは2段階で構成され、トランプの名前が付けられていました。トランプのマークと数字のゲームが開催されるふぁあすとすてぇじ。このゲームでは、ディーラーと呼ばれる滞在者と対戦します。次のねくすとすてぇじでは、絵札の名前を持つ国民とのゲームが待ち構えていました。元の世界への帰還と今際の国の謎を解くべく、アリス達はプレイヤーとしてゲームに参加します。

しかし、この世界のゲームは、滞在者の生死を選別するための過酷な内容でした。ゲームに負けた滞在者はゲームオーバーとみなされ、この世界で死ぬ運命が待っています。死と隣り合わせの残酷なゲーム。それでもアリスは、仲間が生き残れる方法を模索しながら、ゲームクリアを目指します。

本編とは異なる帰還方法や、滞在者同士の心理戦が見どころの「今際の路のアリス」。女主人公・小島亜里朱の奮闘や、本編の主人公・有栖良平にはないキャラ要素も面白い魅力にあげられます。以下では、「今際の路のアリス」の漫画の面白い魅力について、あらすじネタバレ紹介します。

サスペンス路線で描かれた「今際の路のアリス」では、謎解き要素の多さも魅力にあげられます。ストーリーを追うごとに深まる謎。登場人物たちはなぜかトランプを持っており、カードのマークや数字の意味も気になるでしょう。11人の中に潜んでいる殺人鬼の正体や、東京に到達した時に何が起きるのか、アリス達は元の世界に戻れるのでしょうか。

また、「今際の路のアリス」は、「今際の国のアリス」とのつながりが強いことも特徴にあげられます。本編で語られることのなかった衝撃の事実や本編の伏線の回収など、物語を深く楽しむ要素が備わっています。

漫画「今際の路のアリス」の登場人物は、一見すると普通の人に思えるでしょう。しかし、内面では複雑な感情を抱えており、極限状態に陥ったことで本性を顕わにします。己の欲望をむき出しにする者、人生を悲観して自暴自棄になる者、彼らの姿はまさに「怪物」です。そんな怪物たちの暴れぶりは仲間を恐怖に陥れ、緊迫した状況を作り上げていきます。

果たして、怪物化した彼らには、どのような結末が待っているでしょうか。「今際の国のアリス」のテーマである「なぜ生きているのか」を考えさせられるでしょう。

人生に希望を持てずにいたアリス達。今際の国での体験が、生きることを前向きに捉える気力を与えたでしょう。以下では、漫画「今際の路のアリス」の主な登場人物を、あらすじネタバレを交えながら紹介します。

漫画「今際の路のアリス」の主人公で、「ハートのQ」を持つ女子高生です。ある事件に巻き込まれたことで今際の国迷い込み、キーナと出会いました。高校ではソフトボール部に所属し、事件の2日後には京都での試合が予定されていました。今際の国の謎を解明するべく、東京を目指す組に加わったアリス。その道中で、この世界の真実や自分が巻き込まれた事件について知ります。

危機的状況に何度も見舞われながら、東京・日本橋にたどり着いたアリス。キーナを巡って安食柊と戦い、最終的に元の世界へ帰還することが出来ました。病院で安静でいることを指示されるものの、こっそり病院を向けだしたアリス。ソフトボール部と合流し、京都へ向かう道中で今際の国の記憶が蘇ります。そして、キーナから教えてもらった爆発物の在処を知らせるべく、警視庁に連絡しました。

アリスと同様、ある事件に巻き込まれ、今際の国に迷い込んだ大学生です。通称「ミト」、「ハートのジャック」を所持しています。現実世界では、SNSでの注目を集めるための過激な投稿を繰り返した結果、大学から除籍処分を言い渡されました。今際の国でも不運に見舞われ、何に対してもどうでもよいと考えるようになります。

しかし、加納我文（ガモン）の死を目の当たりにしたことで生きたい欲望に目覚めます。元の世界へ戻ることを前向きに考えるようになり、アリスとキーナを助けるために奔走します。最後は、アリスと共に現実世界への生還を果たしました。

今際の国に迷い込んだ中年の男性で、通称「クキ」、トランプは「クローバのジャック」です。かつてはクレー射撃競技の選手であり、現在は管理職となっています。己の忍耐が報われず、周囲に振りまわれる人生を悲観し、欲望に忠実にな生き方へ切り替えたクキ。東京へ向かう道中でも、気に入らない人間を殺害するなど凶行に走ります。最終的に生き残るも現実世界への帰還を拒絶し、今際の国に残りました。

京都と東京を行き交いするトラック運転手で、通称「トミー」、トランプは「ハートのキング」です。仕事のため東京に来ていたところ、アジキの流れ弾が当たりました。その後、アリス、キーナ、ミト、クミを巻き込む暴走を起こし、今際の国へ到達しました。家族を探すため京都残ることを決意したトミー。東京へ向かうアリスたちにキャンピングカーと自身のカードを渡しました。

アリス達を見送った後、自身の出身地である宇治市に向かったトミー。結局、家族を見つけることができず、途方に暮れたまま京都市へ戻りました。人生に絶望する中でアジキと出会い、アリスへの伝言を残してアジキの介錯で命を絶ちました。

今際の国で最初に起きた事件の犯人で、通称「アジキ」、トランプは「スペードのジャック」です。元の世界では極道の組員であり、ユラとは因縁の関係です。ユラを襲撃した際、アリス達が今際の国へ迷い込む原因を誘発しました。終盤ではキーナを巡ってアリスと対峙し、乱戦の末、クキの銃弾に倒れました。

「今際の路のアリス」の本編にあたる「今際の国のアリス」。本作品では、ゲームをクリアにすることで、元の世界へ帰還するチャンスを掴む作風となっています。どうやってゲームを攻略していくかが、この作品の面白い魅力です。以下では、「今際の国のアリス」の主な登場人物を、あらすじネタバレ紹介します。

漫画「今際の国のアリス」の主人公で、名字から「アリス」と呼ばれています。エリート家庭に生まれるも優秀な弟に引け目を感じ、家庭に居づらさを感じていました。友達と遊びに出かけた夜に隕石衝突の衝撃に巻き込まれ、不可解な世界に迷い込みました。今際の国ではハートのゲームを得意としています。また、洞察力と観察力を駆使してゲームの突破口を見いだします。

自分の助けるために、命を落とした仲間の思いを胸に、今際の国の真実に迫ったアリス。挫折や仲間との別れを経験しながら、現実世界への帰還を目指してゲームクリアを目指します。続編「RETRY」では、公認心理士となったアリス。我が子の誕生を目前に事故に巻き込まれ、再び今際の国に迷い込んでゲームに挑みました。

「今際の国のアリス」のヒロインで、「ウサギ」と呼ばれているクライマーの女子高生です。父親もクライマーだったものの、濡れ衣を着せられたことで自殺しました。この出来事がきっかけで周囲に心を閉ざし、元の世界に戻ることを拒絶していたウサギ。しかし、「おにごっこ」でアリスと出会い、人生を前向きに考えるようになりました。得意なゲームは「スペード」です。

アリスの小学校時代の同級生で、通称は「カルベ」です。高校を中退しており、現在はオーストラリアで牧場を開くための資金集めとしてBARを営んでいます。身体能力に恵まれ、喧嘩も強いカルベ。今際の国では一行を主導しつつ、この世界の真相解明に挑みます。また、アリスの隠れた才能を見抜いており、「かくれんぼ」では、アリスを生かすために自ら犠牲になることを決断しました。

アリスの高校の同級生で、通称「チョータ」、家庭環境に悩む不良少年です。自身の育った環境にトラウマを抱え、同時にコンプレックスを抱いていました。表面ではお調子者をふるまうも、内心では精神的な不安定さを抱えていたチョータ。そのために仲間に助けられることの重みを誰よりも感じ、義理堅い一面も見せています。

「かくれんぼ」のゲームにて、カルベと共にアリスを生かすことを決断したチョータ。「友達のためなら命は惜しくない」と覚悟を決め、今際の国で壮絶な最後を迎えました。現実世界では、隕石落下による衝撃で亡くなったことが判明しています。

アリスより先に今際の国に迷い込んだ滞在者で、通称「シブキ」、アリス一行が最初に出会った人物です。「クローバーの3」のゲームをきっかけに一行に加わり、彼らのナビゲーターを担いました。アリス達にトランプの数字やマークの意味を教える一方、陰では彼らの仲を引き裂こうと画策します。そして、「かくれんぼ」のゲームでは、己が生き残るために、アリスを犠牲にすることを考えたシブキ。

しかし、カルベとチョータがアリスを生かすことを選択し、3人の友情がシブキの心情に変化を与えます。3人を犠牲にして生存できないとの思いから、アリスを生かすことを決意しました。

「今際の国のアリス」のスピンオフとして発表された「今際の路のアリス」。今際の国が舞台でありながら、ゲーム以外の方法での脱出が求められました。果たして、アリスたちは元の世界に戻れるのか、謎多き展開が読む者を惹きつけます。以下では、漫画「今際の路のアリス」と「今際の国のアリス」に関する感想や評価を紹介します。

漫画のあらすじネタバレのように、異なる作風で描かれた2つの作品。しかし、謎めいた世界や先の読めないストーリー展開はどちらもクオリティが高く、両作品共に面白いとの感想や評価が寄せられています。一部では、「今際の路のアリス」の面白さは本編より劣るとの評価も見られるも、別視点で捉えたスピンオフ作品を賞賛する声も見られます。本編と合わせて読むことでより面白いと感じられるでしょう。

本編とはまた別の今際の国を舞台にした「今際の路のアリス」。あらすじネタバレのように、謎を解明するべく東京を目指すアリスたちの奮闘が見どころです。しかし、アリス達の旅は決して順調ではありませんでした。極限状態で理性を失う仲間たち。新たなに浮上する謎やこの世界の真実。最後まで結末の見えない作風が面白いとも評価され、漫画を一気に読んでしまったとの声も寄せられています。

スピンオフ作品では、本編の謎であった伏線が回収されており、この点も「今際の路のアリス」の面白い魅力となっています。あらすじネタバレで紹介しきれなかった、「今際の国のアリス」とのつながりを探すこともこの作品の楽しみ方の1つです。SNSでは評価が大きく分かれている漫画「今際の路のアリス」ですが、本編の謎を解明する手がかりとして読むこともおすすめです。

あらすじネタバレのように、「今際の国のアリス」はデスゲーム要素の強い漫画とも評されています。しかし、ストーリーは細部にわたって作り込まれており、最後まで緊張感をただよわせる展開が人気に火をつけました。また、メッセージ性の強い作風も特徴にあげられ、「今際の国のアリス」の読破を機に、スピンオフの「今際の路のアリス」や新章「RETRY」も読みたいとの感想も寄せられています。

「今際の国のアリス」といえば、登場人物のキャラ設定も見どころであり、「今際の路のアリス」でも、魅力的なキャラクターが多く登場しました。極限状態に陥った末に豹変していく人々や、過酷な体験を通じて成長していくアリスの姿にも注目が集まりました。漫画の最終回は賛否両論が飛び交うも、感動の結末ラストに鳥肌が立ったとの感想も見られ、作品を高く評価する声も寄せられています。

読者の予想を上回る衝撃的な展開がファンを夢中にさせた「今際の路のアリス」と「今際の国のアリス」。どの作品も読みごたえがあり、未知なる世界への好奇心が読者の興味をそそりました。あらすじネタバレのように、緊迫した展開が続く両作品。一方、結末に関してはどちらも謎を残すラストとなっており、ファンの中には結末をどう解釈すればよいのか分からない、結末ラストの意味が難しいとの評価も見られます。

スピンオフを含めた計3作品が発表された「今際の国のアリス」。2020年からnetflixで実写ドラマ化され、原作漫画の人気に火が付きました。ドラマ版では、原作漫画の本編が映像化されましたが、ドラマ版の人気を受けて新シリーズの制作を期待する声も出ています。また、原作漫画でも、「今際の国のアリス」の新たな続編を望む声が寄せられており、ファンから根強い人気を誇っています。

「今際の路のアリス」と「今際の国のアリス」の違いや面白い魅力、感想や評価などを、あらすじネタバレ紹介しました。本編とは異なる作風と、サスペンス要素の多さが見どころの「今際の路のアリス」。もう1つの今際の国の存在や、謎多きストーリーが特徴にあげられます。また、「今際の路のアリス」は、麻生羽呂先生が原作を担当しており、本編と合わせて読むことがおすすめな作品です。