もののけ姫の舞台は屋久島と白神山地!モデルとなった場所や設定を紹介

映画「もののけ姫」の舞台に“大いに参考にした場所”として、スタジオジブリが公表している「屋久島」と「白神山地」。屋久島と白神山地といえば、1993年に揃って日本初のユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録されたことで知られている地域です。宮崎駿監督のジブリ映画「もののけ姫」のロケ地としても有名になった屋久島と白神山地には、どんな見所があるのでしょうか?本記事では映画「もののけ姫」の舞台のモデルとなった屋久島と白神山地について詳しくご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください!

もののけ姫の舞台は屋久島と白神山地!モデルとなった場所や設定を紹介のイメージ

目次

  1. もののけ姫の舞台となった屋久島と白神山地を紹介!
  2. もののけ姫とは?
  3. もののけ姫の舞台になった屋久島を紹介!
  4. もののけ姫の舞台になった白神山地を紹介!
  5. もののけ姫の舞台はとても自然あふれる土地だった!

もののけ姫の舞台となった屋久島と白神山地を紹介!

スタジオジブリの長編アニメーション映画「もののけ姫」(1997年公開/宮崎駿監督作品)のロケ地は、屋久島と白神山地だと公表されています。白神山地はエミシの村、屋久島はシシ神の森のモデルになっています。屋久島と白神山地のロケハンは、「もののけ姫」が製作に入った1995年に実施されました。今回は「もののけ姫」で描かれた、太古の森のモデルとされる屋久島と白神山地について詳しくご紹介します!

スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

もののけ姫とは?

宮崎駿監督作品「もののけ姫」は、1997年に公開されたスタジオジブリの長編アニメーション映画です。構想16年・製作期間3年・制作費20億円・作画枚数14万枚以上を費やした大作映画「もののけ姫」は、公開当時観客動員数1420万人、興行収入193億円の大ヒットを記録。映画「もののけ姫」は第1回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞や第21回日本アカデミー賞最優秀作品賞を始めとする、多数の映画賞を受賞しました。

「もののけ姫」は中世日本(室町時代)が舞台の物語です。ある日、エミシの少年アシタカの村を、西の方より現れたタタリ神と呼ばれるもののけが襲います。アシタカは村を守るためにタタリ神を退治しますが、タタリ神から死の呪いを貰ってしまったために村を出ることに。そしてタタリ神の正体は元はイノシシの神であり、人間に鉄のつぶてで撃たれた憎しみからタタリ神になったと知ったアシタカは、鉄のつぶてを手に西へ向かいます。

故郷を旅立ったアシタカは西の地で、鉄を精製するタタラ場の村を治めるエボシや村人達と出会います。イノシシの神をタタリ神にした原因の鉄のつぶては、エボシが撃ち込んだものだと知ります。エボシは差別されてきた村人達にとっては尊敬される恩人でしたが、鉄を精製するために神の住まう森を破壊している者でもありました。

アシタカは、“もののけ姫”と呼ばれる少女サンと出会い、心を通わせます。サンは人間に捨てられ山犬に育てられた少女でした。サンは森を破壊する人間を憎み、エボシの命を狙う者です。アシタカは対立して憎み合う人間ともののけの姿を見て、何とかできないのか考えますが、両者は互いに相容れない立場として争いの姿勢を崩しません。

やがてアシタカは、生と死を司るシシ神の住まう森に住むもののけ達と、生きるために森を切り開きもののけを追いやる人間との争いの巻き込まれていきます。そして神の住む太古の森を巡る人間ともののけとの争いは、天朝の思惑で動く者達も介入し、人間ともののけとの最終決戦に行き着くのでした。

「もののけ姫」が舞台となった時代の中世日本は、照葉樹林で形成された森が広がっていたとされます。「もののけ姫」で重要な舞台である太古の森を描くため、ロケ地として選んだ場所が、唯一日本で照葉樹林の原生林を有する屋久島でした。そしてエミシの村のモデルとなった白神山地の取材は、美術監督の男鹿和雄氏が実施しました。丹念な取材によって「もののけ姫」の太古の森は、壮大なスケールで巧みに表現されています。

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もののけ姫の舞台になった屋久島を紹介!

映画「もののけ姫」に登場する、シシ神の森の舞台モデルとなった屋久島。現代でも照葉樹林の原生林を有する屋久島に、宮崎監督率いるスタッフがロケに訪れたのは1995年のことでした。一般的な杉の寿命は500年ですが、屋久島には屋久杉と呼ばれる樹齢1000年以上の杉が山地に自生し、林立しています。「もののけ姫」に登場する深い緑に覆われた森林の姿そのものな屋久島の見所をご紹介します!

屋久島はどんなところ?

ジブリの映画「もののけ姫」のロケが実施された屋久島は、九州本土より南端に位置しています。約500㎢の面積の島には、九州一の標高を誇る宮之浦岳があります。樹齢1000年以上の屋久杉を始めとする針葉樹と、様々な広葉樹で形成された美しい自然林は島の9割に広がっています。また屋久島は、1993年に日本初の世界遺産(自然遺産)に登録されました。なんと島の2割(10,747ha)が登録地域!

屋久島は「人2万、シカ2万、サル2万」と言われる島です。屋久島を訪れると、島の林道や山中などで屋久島全域に生息する“ヤクザル”や“ヤクシカ”に遭遇することもあります。その他、天然記念物のアカヒゲやカラスバトを始めとする、約115種類の鳥類も屋久島で生息しています。また、屋久島の年間降水量は東京の2~3倍!屋久島は温暖多雨の島で、「ひと月に35日雨が降る」といわれています。

屋久島といえば、屋久杉が有名です。屋久杉とは、標高500m以上で自生しているスギを指しますが、樹齢1000年以上のスギを指していることも。一般的なスギの平均寿命は500年程度のところ、栄養が少ない花崗岩で育つ屋久杉は成長が遅く、樹齢2000年の巨木も多く見られます。屋久杉の中でもとくに有名な「縄文杉」は、推定樹齢3000年以上といわれる古木です。

白谷雲水峡はどんなところ?

白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)は、映画「もののけ姫」のシシ神の森の舞台モデルとされる場所です!白谷雲水峡は屋久島の北部に所在する、宮之浦川支流白谷川の上流にある渓谷です。屋久島を訪れた宮崎駿監督とジブリスタッフの一行は、白谷雲水峡のハイキングコースのロケハンを実施し、原生林を散策しました。

白谷雲水峡への分岐点となる「さつき吊り橋」。ちなみに白谷雲水峡には、映画「もののけ姫」の森そのものとして人気の「苔むす森」(旧もののけ姫の森)があります。「苔むす森」は、白谷雲水峡へ入ってから1時間半程歩いた地点にあります。また20分程の地点では、白谷雲水峡を代表する屋久杉「弥生杉」を見ることができます。

白谷雲水峡の観光人気スポット「苔むす森」(旧もののけ姫の森)は、巨岩や樹木が600種類の苔に覆われています。白谷雲水峡でも苔が多い場所であり、濃い緑に覆われた一帯は、神秘的な景観が広がっています。「もののけ姫」に登場する木の精霊コダマが姿を覗かせている森とイメージが重なる幽玄な場所として人気の観光スポットです。

太鼓岩・辻の岩屋はどんなところ?

「太鼓岩」と「辻の岩屋」は、白谷雲水峡の「苔むす森」から1時間程登った地点にあります。「太鼓岩」は、映画「もののけ姫」で主人公アシタカと山犬の長モロが対峙した際に立っていた場所に似ています。また「辻の岩屋」は、モロの岩屋と似ている場所です。

「太鼓岩」からは、九州最高峰の宮之浦岳や永田岳といった屋久島を代表する山々を見渡すことができます。そして眼下には屋久島の雄大な原生林が広がっています。その絶景の一言に尽きる眺望は、映画「もののけ姫」でアシタカが眺めていた景色とよく似ています。

「辻の岩屋」は、映画「もののけ姫」に登場するモロの岩屋のモデルといわれています。モロの岩屋のモデル「辻の岩屋」は、辻峠より小杉谷方面へ少し下った場所にあります。苔に覆われた巨岩が横たわる様は、「もののけ姫」で描かれたモロ達山犬の一族の住処を思わせます。

ヤクスギランドはどんなところ?

ヤクスギランドでは、様々な屋久杉を見ることができます。安房(あんぼう)より約16km、標高1000~1300mに位置する270.33haの広大な自然休養林であるヤクスギランドには、紀元杉や母子杉、千年杉、ひげ長老、くぐり杉など数多くの屋久杉があります。ジブリスタッフ一行は1995年にロケでヤクスギランドを訪れ、森林を観察しました。

ヤクスギランドには4つの散策コースがあります。気軽に散策することが可能な、歩道が整備されているコースの他、本格的な登山コースもあります。4つのコースから選べるため、体力に合わせた散策をすることができます。苔に覆われた森の中、多くの屋久杉を観賞することができる島内随一の場所であるヤクスギランドは、屋久島の自然を存分に味わえる観光スポットです。

屋久島 縄文杉はどんなところ?

屋久島の「縄文杉」とは、1996年に発見された推定樹齢3000年以上の古木であり、屋久杉を代表する存在として知られています。縄文杉の観賞は、片道11km(往復22km)のトレッキングコース。約10時間を要する本格的な登山であるため、体力がある方向けの観光スポットです。ジブリスタッフ一行もロケで、縄文杉を見るために往復10時間かけて登山をしています。

縄文杉の観賞スポットまでの道のりは、本格的な登山になります。荒川登山口から入山し、山道に変わる大株歩道入口までは緩やかなトロッコ道が続いており、縄文杉までのおよそ3分の2はトロッコ道。ちなみにトロッコは安房森林軌道(あんぼうしんりんきどう)という森林鉄道で、日本で唯一現役として、森林の維持管理・運搬に使用されています。

大株歩道入口から30分程歩いた地点で、「ウィルソン株」を見ることができます。ウィルソン株は推定樹齢3000年以上の屋久杉の切り株。調査に訪れたアメリカの植物学者ウィルソン博士が名前の由来です。切り株の内部には小さな祠があり、清水が湧き出ています。内部より上を見上げると、ハート型に見えることでも有名!その他、縄文杉が発見される以前は最大の屋久杉とされていた「大王杉」も、登山の途中で見ることができます。

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もののけ姫の舞台になった白神山地を紹介!

映画「もののけ姫」のエミシの里山の舞台モデルとなった、ブナの原生林に覆われた白神山地。1995年に作画監督の男鹿和雄氏は、ひとり白神山地の取材を実施。その際、岩手県の葛根田(かっこんだ)川の上流や青森県の鰺ヶ沢町(あじがさわまち)、津軽峠、天狗峠、一ツ森町(ひとつもりまち)を訪れています。秋田県と青森県にまたがる世界遺産(自然遺産)・白神山地の魅力をご紹介します!

白神山地はどんなところ?

映画「もののけ姫」の主人公アシタカのエミシの村のモデル舞台となった白神山地は、秋田県北西部と青森県南西部にまたがる約13万haの山岳地帯です。ほぼ人の影響を受けず原生的な世界最大級の規模でブナ天然林が分布しているという特徴があり、1993年に屋久島と並んで日本初の世界遺産(自然遺産)に登録されました。暗門の滝や十二湖などは、気軽に行ける観光スポットとして人気があります。

白神山地は、赤石川流域に住む人々に守られてきた場所です。その結果、今日でも豊なブナ林を保ち、特別天然記念物ニホンカモシカや天然記念物クマゲラ、ニホンツキノワグマ、ニホンザル、イヌワシなど約4000種の動物が自然のままに生息しています。

十二湖はどんなところ?

白神山地の中でも人気の観光スポット「十二湖」は、白神山地西部・青森県西津軽郡深浦町の標高150~250m、4k㎡に渡り点在する33の湖沼群です。江戸時代(1704年)に起こった能代地震による山崩れによって、33の湖沼群ができたと考えられています。名前の由来は、崩山の八合目の「大崩」から見える湖沼が12のためといわれています。透明度の高い美しい湖沼と併せて、ブナの自然林も楽しめるおすすめの観光地です。

十二湖に点在する33の湖沼群の中でも最も人気のある「青池」。透明度が高く、青いインクを流し込んだような色をした青池は、季節や時間帯によって異なる青色を見せてくれます。ちなみに青池の水はほぼ透明で、色のついた物質も存在していません。青池の神秘的な青色は、いまだ解明されていない謎なのです。

暗門の滝はどんなところ?

暗門の滝(あんもんのたき)は、青森県中津軽郡西目屋村・岩木川上流の白神山地内の暗門川にある3段の滝です。「一の滝」42m・「二の滝」37m・「三の滝」26mの3段からなる暗門の滝は見応えがあります。暗門の滝までは、足場の組まれた道や登りもあるトレッキングコースです。そのため、とくに上級者向けの第2の滝~第1の滝へ行く場合は、ガイドの同行が推奨されています。

世界遺産の径 ブナ林散策道はどんなところ?

青森県中津軽郡西目屋村にある「世界遺産の径 ブナ林散策道」は、世界自然遺産登録地域内にある約2㎞のハイキングコースです。白神山地のブナ林を気軽に観賞するには最適の場所です!また「世界遺産の径 ブナ林散策道」は、暗門の滝へ向かう暗門渓谷ルートと入口は同じであるため、「世界遺産の径 ブナ林散策道」から暗門渓谷ルートへ合流することもできます。

「世界遺産の径 ブナ林散策道」は、世界遺産(自然遺産)登録の緩衝地域です。登り下りも少ない散策コースのため、一般の方でも気軽に世界自然遺産である白神山地の魅力を観賞できます。春から秋にかけてブナ原生林と山野草を楽しむことができる「世界遺産の径 ブナ林散策道」は、家族連れにもおすすめの観光スポットです。

津軽峠 マザーツリーはどんなところ?

「マザーツリー」は白神ライン(青森県道28号岩崎西目屋弘前線)沿いの津軽峠にある、白神山地の代表的なブナの巨木です。津軽峠「ぶな巨木ふれあいの径」の駐車場から徒歩5分程で到着できます。ブナの平均的な寿命は200~250年といわれていますが、マザーツリーは推定樹齢400年!マザーツリーは地元で“白神の母”とも呼ばれ、親しまれてきました。白神山地へ行った際には、ぜひ訪れたい観光スポットのひとつです。

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もののけ姫の舞台はとても自然あふれる土地だった!

本記事では、映画「もののけ姫」のモデル舞台となった屋久島と白神山地についてご紹介しました。世界遺産(自然遺産)に登録されている屋久島と白神山地は、それぞれが太古のままの森林が残されている場所です。その美しい自然景観は「もののけ姫」で描かれた森林そのもの!「もののけ姫」の舞台モデルとなった場所に興味のある方はもちろんのこと、屋久島と白神山地は、豊な自然を体感したい方にも大変おすすめな場所です。

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