君の名は。の伏線一覧まとめ!回収や謎についてネタバレ考察・解説

映画「君の名は。」は、新海誠監督により2016年に公開された長編アニメーション映画です。新海監督の劇場アニメ6作目となる「君の名は。」は、公開されるや否や大ヒットとなり、国内での興行収入では歴代2位となる250億円を記録しました。記録的大ヒットの秘密、それは随所に散りばめられた伏線の数々にあったと言えます。2回、3回と鑑賞を重ねることで、隠された伏線を発見し、より楽しめる「君の名は。」の世界。ここでは、その伏線の一覧、そして伏線回収と考察を交えて解説します。

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目次

  1. 君の名は。の伏線一覧まとめ!回収や謎もネタバレ考察・解説
  2. 君の名は。の宮水家の巫女に関する伏線とは?
  3. 君の名は。の彗星に関する伏線とネタバレ解説!
  4. 主人公の立花瀧の名前に関する謎や伏線を考察!
  5. 君の名は。の「9月3日」に関する伏線とネタバレ解説!
  6. 三葉のお父さんに関する謎を考察・解説!
  7. 君の名は。はまだまだ多くの伏線と謎が隠されている!

君の名は。の伏線一覧まとめ!回収や謎もネタバレ考察・解説

2016年公開の「君の名は。」は、「秒速5センチメートル」で知られる新海誠監督の、劇場公開6作目となる長編アニメーション映画です。新海誠監督といえば美しい作画と切ないストーリーが大きな特徴でした。デビュー作「ほしのこえ」や代表作「秒速5センチメートル」でも、繊細なタッチと天門氏による切ない音楽によって「届かない想い」を中心とした世界を描き出してきました。

しかし「君の名は。」では「切なさ」「美しさ」だけでなく、さらにある工夫を凝らしました。それが功を奏し、全国規模の大規模興行によって新規のファンとリピーターを獲得し、邦画の国内興行収入ランキングではあの「千と千尋の神隠し」に次ぐ歴代2位を記録する大ヒットとなりました。その工夫というのが、「君の名は。」の各所に隠された伏線の数々です。

「君の名は。」分かりやすいものから、調べたり知識が無ければ気付けないような巧妙に隠されたものまで、数多くの伏線が張り巡らされています。そしてそれを回収しながら、新しくタッグを組んだRADWIMPSの音楽と共に、よりキメの細かい物語を紡ぎだすことに成功したのです。この記事では、その伏線の数々を一覧でご紹介します。これを読んだらきっと「君の名は。」をもう一度鑑賞したくなるでしょう。

映画『君の名は。』公式サイト

君の名は。の宮水家の巫女に関する伏線とは?

「君の名は。」伏線・回収一覧!宮水神社と舞・その意味は?

「君の名は。」の序盤で、主人公の一人である高校生の宮水三葉と、妹で小学生の四葉が舞を奉納するシーンがあります。実家である宮水神社の神楽舞台で、長いひもが付いた鈴を片手に持ち巫女装束と冠を身に着け、ふたりで一対となって舞を奉納するこの場面ですが、祖母・一葉によると「その意味は文献と共に失われてしまった」といいます。これはある事件が原因となっています。

約200年前、風呂屋の繭五郎宅から出火した「繭五郎の大火」によって、宮水神社や糸守町にまつわる全てが焼失してしまいました。舞の意味もこの時文献と共に失われましたが、ただ一か所、宮水神社のご神体だけは、町から離れた山の頂上のクレーター内にあったため難を逃れました。このことが後に糸守町の運命を大きく変えることになります。

そんな「繭五郎の大火」でも、代々伝えられてきた「舞」そのものは焼き消すことはできませんでした。「君の名は。」劇中では「意味は分からなくなってしまった」と語られていますが、その意味は2017年から全国で開催されている「新海誠展」の中で、次のように語られています。

「紐付きの鈴を持つふたり一対で踊られるこの舞は、二つに割れたティアマト彗星とその落下を表しており、糸守に住んだ先人たちが子孫に語り継ぐためのものである。」新海誠展内の「君の名は。」のコーナーではこのように説明されています。つまり、冒頭の「奉納の舞」から伏線が仕掛けられていて、しかもそれは意図して説明していません。開始早々大きな伏線を仕掛けながら説明はしない新海監督の構成力に驚かされます。

ちなみにこの舞は、歌舞伎役者で女形の若きホープである中村壱太郎氏によって生み出され、実際に舞っている映像から絵が起こされています。あの華麗で優美な舞の滑らかな動きは、この制作・作画方法に秘密があったのです。「新海誠展」では、壱太郎による解説と、本人が舞っている映像も公開されています。

「君の名は。」伏線・回収一覧!宮水家の言い伝え・ムスビとは?

「繭五郎の大火」によって全てを失った宮水家でしたが、ごく僅かな言い伝えだけは口伝で残されました。そのうちの一つは前述の舞です。そしてもうひとつが「ムスビ」という古い言葉。三葉の祖母一葉によると、「ムスビ」とは土地の氏神のことで、神様の力で結び付けられる物や現象を全て「ムスビ」と呼ぶと解説されています。これは単なる伏線にとどまらず、「君の名は。」の大きなテーマと言えます。

宮水家で重要視されるのがこの「ムスビ」で、その精神は「組紐」と「口噛み酒」の風習に保存されています。特に組紐は、その寄り集まり絡まって作り出されることから「神様の業」と「時間の流れ」を表しているとされています。ここではまず、この「時間」を司る「組紐」に注目して、伏線を考察していきます。

「君の名は。」伏線・回収一覧!組紐の謎に迫る!入れ替わった伏線

「寄り集まって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って途切れ、また繋がり。それがムスビ。それが時間。」一葉によってこう語られるとおり、組紐は「神様の業」と「時間の流れ」そのものを現しています。この組紐、あまり目立たない存在ですが、物語のある瞬間から大きな意味を持ち始めます。その意味を考察するため、冒頭から順に検証・解説していきましょう。

映画のポスターを見て分かる通り、瀧の手首には高校生の定番アイテムとして赤い「ミサンガ」、三葉の髪は赤い組紐で結われています。物語はふたりの入れ替わりを繰り返して進んでいきますが、ある時点を境に入れ替わりが途絶えます。それは彗星落下の日、ではなく、その1日前です。この日に一体何が起きたのでしょうか?時系列を整理して解説します。

一方の三葉は、映画終盤で彗星落下の前日にひとり上京し、瀧に会いに行きます。ふたりの時間は3年と3日ズレているので、この時瀧は中学生。ミサンガはまだ着けていません。瀧は何が何だか分からないまま、三葉から組紐を受け取り、以降ミサンガとして組紐を着用し始めます。そしてこの瞬間から、三葉と3年後の瀧との入れ替わりは途絶えます。

隕石の降る前日、瀧は三葉と入れ替わり、一葉・四葉と共に口噛み酒をご神体に奉納しに行きます。その帰り道、一葉に「夢を見ているね?」という言葉と共に、瀧は元の体へと戻り、日付は翌日になります。一方の三葉は、彗星落下の前日にひとり上京し、瀧に会いに行きます。この時瀧は中学生。ミサンガはまだ着けていません。瀧は何が何だか分からないまま、三葉から組紐を受け取り、以降ミサンガとして組紐を着用し始めます。

つまり、時を超えて身に着けていた同一の組紐が、「ムスビ」としてふたりの時間を繋げるトリガーになっていたのです。彗星落下の前日に瀧の入れ替わりが突然終わるのも、その瞬間に三葉の手から組紐が離れ、「ムスビ」が解けたと考えられます。途中までファッションとしての意味しか持っていなかった「組紐」「ミサンガ」こそ、大きな伏線だったのです。

「君の名は。」伏線・回収一覧!口噛み酒・カクリヨについて解説

「口噛み酒」もまた、「ムスビ」を司る重要なアイテムとして描かれています。宮水神社のご神体は、山頂の巨大なクレーターの中にある小さな洞窟の中にあります。周りは小川に囲まれており、ご神体側は「カクリヨ」(=幽世)、すなわち「あの世」であり、一度入ったら出るときに自分の半分を置いてこなければならない、とされています。また、「常世」とも呼ばれ、万葉集では時間の流れが全く違うところとされています。

「君の名は。」において、口噛み酒は組紐と並ぶ重要なアイテムとなっています。冒頭で「世界最古の酒」として描かれ、時を超えて言い伝えられた舞の奉納と共に作られ、カクリヨで時間をかけて発酵させる口噛み酒。それは3年後に飲んだ瀧と死んだ三葉とを再び引き合わせる「ムスビ」として、非常に重要な伏線を構築しています。

これを整理すると、『時間の流れが現実世界と異なる「カクリヨ」で、瀧は三葉の体の半分である口噛み酒を飲んだことで魂と繋がり、時間の逆行と「あの世」から三葉の魂を呼び戻すことに成功した。そしてふたりは「人ならざる物と出会う時間=カタワレ時」で邂逅を果たす。』ということになります。緻密に張り巡らされた伏線はこのように回収されたのです。

「君の名は。」伏線・回収一覧!宮水家女性たちの不思議な夢について解説!

宮水家に関して、たくさんの伏線が置かれていることはお分かりいただけたと思います。しかし、ここまでは三葉の身に起こった現象にまつわるもの。実は、他にも「入れ替わり」を体験している女性がいました。それは三葉の祖母・一葉と、亡き母・二葉です。一葉は物語終盤で「昔、夢を見ていた気がする」と自ら語り、二葉については三葉の父・俊樹が証言しています。そして、一葉によるともっと昔からそれは起こっていたようです。

このことは、宮水家の巫女=女系家族は代々入れ替わりを体験し、それは三葉が糸守の人々を救う未来のために起こってきたことだと言えます。つまり、宮水家の存在そのものが、前回の彗星落下があった1200年から続く伏線だった、ということなのです。三葉はクライマックスでその運命を悟り、そしてそれを原動力にして糸守の人々を救ったのでした。

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君の名は。の彗星に関する伏線とネタバレ解説!

「君の名は。」伏線・回収一覧!糸守湖が丸いのは彗星が関係していた!

三葉の故郷・糸守町は、山間の巨大な円形の湖「糸守湖」の周囲にあります。岐阜県の飛騨地方という設定はありますが、それ以外は完全に架空の町と湖です。この糸守湖が大きな伏線となっています。物語の途中まではただの背景であり、糸守町の象徴、田舎の美しい風景の象徴として描かれている他は特に触れられていませんが、あるところから、この湖は普通の湖ではないことが分かります。

入れ替わらなくなった三葉のことが気になって飛騨地方まで探しに来た瀧達は、そこで変わり果てた糸守町を発見します。廃墟と化した糸守町と、円形の糸守湖にもうひとつ円形の湖。新しい円形の湖は、彗星の落下によってできたクレーターでした。ほぼ同じ地点に、同じ形のクレーター。

糸守湖の成り立ちはこのシーンからも示唆されますが、はっきりと明らかになるのは物語ではもう少し先です。次の項でご紹介しましょう。

「君の名は。」伏線・回収一覧!ご神体の岩に描かれた彗星の絵について解説!

ご神体に納めた口噛酒のことを思い出した瀧は、三葉と会うため、ご神体の元へと行きました。「口から入って魂と結びつくこともムスビ。」一葉の言葉を胸に、陶器製の容器を開けて一口飲んだ瀧は、足を滑らせてその場で倒れてしまいます。その時瀧は、目前に広がる岩絵に気付きました。その時組紐の「ムスビ」の力で三葉の過去を見て、そして再び彗星落下当日の三葉の体に入れ替わります。

この彗星の絵は、実は1200年前に糸守湖を作った時の様子で、およそ1200年周期で同じところに落下する彗星の存在を、宮水家の先祖たちが子孫たちに伝えるべく残したものでした。ご神体があるクレーターも彗星が落ちて出来たものとされ、さらに1200年前のものです。ご神体と宮水神社、そしてそこに伝わるしきたりや儀式全てが過去から未来へのメッセージだったのです。

ちなみに、物語の重要なカギとなる彗星は「ティアマト」と呼ばれる架空の彗星です。ティアマトとは古代メソポタミア神話に登場する龍の姿の女神で、ティアマトの体がふたつに分かれることで世界の素材となり地上が生まれた、とされています。この「ティアマト彗星」の名前が、すでに彗星が割れることを示唆していたのです。

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主人公の立花瀧の名前に関する謎や伏線を考察!

「君の名は。」伏線・回収一覧!主人公・立花の名前は橘の花と関係していた?

「君の名は。」の主人公の苗字「立花」にも、何か意味が隠されている可能性があります。立花≒橘(タチバナ)といえば、ミカン科に属する日本固有種の植物です。柑橘類であることは、漢字からも分かるかと思います。このタチバナ、常緑樹であることから、昔から日本では「永遠」の象徴として扱われていました。古くは日本書紀や古事記にも「不老不死をもたらす霊薬」として記述されています。(諸説あります。)

冒頭の授業で取り扱われているの教材は万葉集で、同時に「糸守には古い言葉がたくさん保存されている」と説明されています。古事記も日本書紀も万葉集も、西暦700年代の成立です。万葉集成立の約50年後に、糸守湖を作った彗星落下が起こっています。「タチバナ」と、糸守の言葉に残る「万葉言葉」と、宮水神社の古いしきたり。まるで運命づけられているかのようですが、それだけでは瀧と三葉と糸守を繋げるにはまだ弱いです。

「君の名は。」伏線・回収一覧!主人公・瀧の名前に隠された伏線を解説!

苗字だけではなく、名「瀧」にも注目してみましょう。漢字の成り立ちを辞書で調べると、【「滝」の異字体で、もともとの意味は「激流」のこと。現在の意味は元々「たるみ(垂水)」だった】このように記載されています。言葉そのものには伏線はなさそうです。今一度、映画の場面に戻って考察してみましょう。

三葉と四葉が神社の神楽舞台で奉納した舞に注目してみましょう。「新海誠展」において「鈴と紐が彗星本体と分かれて落ちた隕石を表している」と説明されていますが、注目すべきは三葉の衣装です。彼女の頭には龍をあしらった冠が輝いています。つまり、この時間軸において、宮水の龍は三葉、すなわちサンズイに龍と書く「瀧」=三葉であることが示唆されています。これは瀧と入れ替わる理由として伏線になっていると考えられます。

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君の名は。の「9月3日」に関する伏線とネタバレ解説!

「君の名は。」伏線・回収一覧!黒板の隅にかかれた日付に関する謎とは?

「君の名は。」の冒頭、古文の授業で「カタワレ時」に関する板書をしている黒板には、「9月3日(火)」と書かれています。はっきりとこれより前の時間軸として日付と共に描かれている場面はありませんが、家族や教室内の様子から、前日の「9月2日(月)」に、三葉が変だった=瀧と入れ替わっていたと考えられます。

一方、三葉が瀧に入れ替わった最初の日、司からの朝のメールとカフェのシーンで、瀧のiPhoneに「9月5日月曜日」と表示されているのが分かります。一見すると違う日に入れ替わりが起こっていますが、曜日の曜日のズレを計算すると3年で3日分ズレます。周囲の人間の反応も勘案すると、、時間は3年と3日ズレているが曜日は一致していること、そして瀧と三葉の入れ替わりは同時であることが分かります。

「君の名は。」伏線・回収一覧!結局ふたりは何回入れ替わった?

RADWIMPSの音楽の中で入れ替わりの日々を見せる瀧と三葉ですが、ふたりは一体何回入れ替わったのでしょうか?その答えは10回+1回です。三葉が死亡するまでに10回、これはふたりが互いに残した日記から分かります。そして糸森町民を避難させた1回。この回数に意味があるかどうかは不明ですが、ちょうど1ヶ月間て10回限定の入れ替わりと考えると、何らかの意図を感じずにはいられません。

「君の名は。」伏線・回収一覧!教室のノートに描かれていた文字を解説!

物語冒頭、最初の入れ替わりが起こった次の日の9月3日。授業中にふと三葉はノートをめくり、そこに「お前は誰だ?」と書かれているのを見つけます。イタズラと勘違いする三葉ですが、これもまた伏線になっています。回収されるのは物語終盤。三葉に入れ替わった瀧が町長である三葉の父の元を訪れ、町民の避難を直談判する場面で、様子がおかしい娘を見た町長宮水俊樹は「お前は誰だ?」と問いかけています。

瀧と俊樹による「お前は誰だ?」という言葉には、言葉そのもの以上に共通点があります。それは、「入れ替わり」を理解できず受け入れられないこと。俊樹は宮水家のこうした体質をよく思っていません。瀧については描写されていませんが、突然のことで理解できず狼狽していることは間違いないでしょう。この言葉について、次の項でもう少し掘り下げてみます。

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三葉のお父さんに関する謎を考察・解説!

「君の名は。」伏線・回収一覧!三葉と瀧が入れ替わったのを見破った伏線を考察・解説!

前述のとおり、自分の娘に対し「お前は誰だ?」と言い放った町長・宮水俊樹。この言葉、いくら娘の様子がおかしくとも、そうそう出てくる言葉ではありません。なぜ俊樹は、「娘が娘ではない可能性」に気付いたのでしょうか?

考えられるのは、俊樹自身も入れ替わりの経験者だったことです。宮水家の入れ替わりの体質について知っていることは、この直談判のシーンからもわかります。しかし、入れ替わりについて本当に懐疑的であるとしたら、「娘が誰かと入れ替わっている可能性」は真っ先に除外することでしょう。しかし、俊樹は除外しきれません。「だんだん入れ替わりの記憶が薄れ」た状態ですが、三葉の様子から俊樹はその記憶の気配を感じたのかもしれません。

「君の名は。」伏線・回収一覧!お父さんを説得できたのはなぜ?

三葉に入れ替わった瀧は、一度町長である父・俊樹の説得・直談判に失敗します。この失敗があったから、カタワレ時に瀧と再会できたのですが、その後もう一度町長の元を訪れた三葉(本人)がどのように父を説得し、結果的に町民を避難させることに成功したのか、詳しく描写されていません。多くの観客が疑問を感じたというこの場面について、解説していきましょう。

この疑問を解決するカギは、ボロボロの三葉が町長室に再び入るシーンにあります。三葉が扉を開けると、その奥に町長である父がいますが、その手前側左手には一葉と四葉の姿も見えます。俊樹に勘当を言い渡した一葉が俊樹の元に現れた理由と、映画で描写されていない町長室での会話こそが、俊樹が避難指示を出す最大の要因となっていて、三葉の再登場は最後のひと押しに過ぎなかったということが考えられます。

小節版「君の名は。」によると、朝から続いてる異常事態(三葉の様子含む)について言葉を交わし、その中でかつて民俗学者だった俊樹が二葉と語り合った神話について思い出し、さらにボロボロの三葉が飛び込んできたことで俊樹は「町民を避難させ救うことができるのは自分しかない」と悟った、ということが描かれています。つまり、亡き二葉と、一度宮水と縁を切った俊樹こそが糸守を救う最後のピースだったのです。

Thumb君の名は。は矛盾点・おかしい所が多すぎ?意図や意味があるのか考察 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

君の名は。はまだまだ多くの伏線と謎が隠されている!

いかがでしたでしょうか?ここまでご紹介してきた伏線の数々は物語の根幹に関わる部分だけで、それ以外にもまだまだたくさんあります。冒頭の「ユキちゃん先生」は新海監督の前作「言の葉の庭」のヒロイン「雪野」であり声優も一緒であること、また主人公だったタカオも1カットだけ映っているなど、他作品からの転用もあります。

「君の名は。」劇場公開からちょうど2年が経ちましたが、まだまだ発見されていない伏線があるかもしれません。それは絵の中、台詞の中、あるいはRADWIMPSによる挿入歌の中にも隠されているでしょう。複数回鑑賞することで、それらはよりはっきり見えてくるはずです。今年の芸術の秋は「新しい芸術」とも呼ぶべき新海誠監督作品、そして「君の名は。」を鑑賞して、不思議な「ムスビ」の世界に触れてみてはいかがでしょうか。

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