【不滅のあなたへ】観察者の正体は何者？目的や現世編でサトルになった理由を考察

『不滅のあなたへ』に登場する観察者は、ファイ(魂)や楽園(天国やあの世を意味していると思われる)など意味深な言葉を使っているため、人間ではなく超常的存在であることが予想されます。作中ではフシに助言を与える頼もしい存在となっていますが、未だに正体や目的が分からず謎の多いキャラクターとなっていました。果たして観察者とは何者なのか？ここからは観察者の正体をさまざまな要素をもとに考察していきます。

それではまず観察者(黒いの)が登場する『不滅のあなたへ』の作品情報から見ていきましょう。『不滅のあなたへ』は週刊少年マガジン(講談社)にて、2016年50号より連載中のファンタジー漫画です。

本作はフシと呼ばれる不死身の肉体と物体の性質を写し取る能力を持つ存在を主人公に据えたストーリーが展開されており、作者である大今良時先生にとってオリジナル長期連載作品として2作目となる大河ファンタジー漫画となっています。2022年2月時点で累計発行部数は300万部を突破し、第43回講談社漫画賞少年部門に受賞するなど高く評価されているようです。

ここでは『不滅のあなたへ』のニナンナ編のあらすじを簡単にまとめていきます。ニナンナ村に住む少女・マーチは、「大人になること」を夢見ていました。しかしある日、山に住む巨大なオニグマへ捧げられる生贄として選ばれたことで、あっさりとその夢が絶たれてしまいます。儀式の当日、マーチを大切に思う少女・パロナがマーチを儀式会場へと運ぶ一行を襲ったことで、マーチはその隙を狙って脱走。その途中で"それ"と遭遇し…

『不滅のあなたへ』に登場する観察者(黒いの)は、物語序盤で物語の不明瞭な部分を補完するナレーターとしての役割を担っていた存在です。ストーリーが進んでいくにつれて徐々にフシの前に姿を現すようになります。真っ黒なローブを着ており、ローブの隙間から見える肌の色は真っ白。フシを通じて観察者の存在は周囲の者にも知られていますが、フシ以外からは認識されないため「黒いの」「ミスターブラック」などと呼ばれています。

『不滅のあなたへ』の観察者(黒いの)は、肌が真っ白で全身黒いローブ姿という怪しい雰囲気を纏っています。さらに、正体や目的が分からないことも怪しさに拍車をかけています。そんな謎に包まれた観察者(黒いの)ですが、フシに助言を与える存在として重要な役割を担っていました。では観察者(黒いの)の正体や目的とは何か？ここからは観察者の正体や目的をさまざまな要素をもとに考察していきます。

始めに観察者の正体や目的を「球体(フシ)を作った」という要素をもとに考察します。冒頭では観察者によるナレーションでスタートするという独特な場面から始まりました。観察者は地上へ"球"を投げ込み、その球(刺激を受けた対象物へと変化する)が石、コケ、レッシオオカミ、少年と次々に姿を変えていく様子を語っていきます。

続いて観察者の正体や目的を「フシ以外から見えない存在」という要素をもとに考察します。前述の観察者が地上へ投げ込んだ球は本作の主人公・フシの最初の姿でした。そして理由は分からないものの、観察者はフシ以外の人間から見えません。

フシの周囲の人は見えず聞こえないながらもフシの様子から観察者が存在しているということを認識しています。ただ、『不滅のあなたへ』の10巻・93話では観察者がカイたちの前に姿を現していることから、観察者が意図的に姿を現そうと意識すれば周囲の人も観察者の姿を見れるようになると考えられます。

続いて観察者の正体や目的を「世界の保存」という要素をもとに考察します。観察者はノッカーと対峙したフシに助言を与えることを目的に、初めてフシの前に姿を現しました。

そしてそのタイミングで目的に触れており、フシを地上へ放った目的は「世界を保存するため」だと言っています。おそらく、観察者はフシの再現能力や情報収集能力を利用したいと考えたのでしょう。観察者がフシに「多くの刺激を受けなさい」と助言していることから、多くの刺激を受けて成長するフシの姿を通して「世界が保存される様子」を観察していると考えられます。

続いて観察者の正体や目的を「ノッカーとの関係」という要素をもとに考察します。本作はフシがノッカーと戦っている様子が印象的ですが、フシと同様に観察者にとってもノッカーという存在は天敵です。

ノッカーはフシの情報を奪い、新しい世界を創造しようとしている可能性があります。このノッカーの情報を奪うという特性はフシの情報収集能力や再現能力をあてにしている観察者にとって害でしかないため、観察者はフシにノッカーと戦うよう誘導しました。

続いて観察者の正体や目的を「後継者の存在」という要素をもとに考察します。観察者はフシに向かって「フシが成長すると自分は消える」と発言していました。この発言により観察者はもともとフシのような黒い球体だった可能性が浮上します。この可能性を踏まえて観察者の目的を考察すれば、観察者は成長したフシを後継者にしようと考えていたのだと推測できます。

続いて観察者の正体や目的を「メサ―ルの指摘に無言だった理由」という要素をもとに考察します。

『不滅のあなたへ』の10巻・93話「船の行く末」にてフシの仲間たちと観察者が議論する中で、メサールが観察者に「そのためにフシを作ったのか？」「消えてしまうから？」「それともお前が消えたいからか？」などと問いかけています。しかし観察者はその問いに対してだんまりを決め込んでいました。実はこの無言だった理由には、観察者の本当の目的が関係していると考えられます。

ここまで観察者の正体や目的をさまざまな要素をもとに考察してきましたが、メサールの指摘に無言だったということから、観察者には本当の目的がある可能性が浮上しました。ではその目的とは何か？結論から言うと自身の消滅です。というのも、無言は「同意」を示しているため、メサールの自分が消えるためにフシを作ったという内容の指摘は、観察者にとって図星だったということになります。

観察者は基本的にフシに干渉しません。フシに助言を与えることはありますが、フシが人を復活させれる能力を持つことをあえて伝えずにフシを困らせるような状況を作り出したこともあります。このことも観察者がフシを自分の後継者にすることを目的に行動していると推測される要因です。そして『不滅のあなたへ』の現世編にて観察者がサトルに姿を変えているのですが、この行動もまた観察者の目的に関係していると考えられます。

『不滅のあなたへ』の現世編はフシとノッカーとの戦いに終止符が打たれ、一時的に世界に平和が訪れたところからスタートしています。現世編の冒頭ではフシが目覚めたと当時に観察者も姿を現しました。そして観察者はフシに「世界と繋がり再接続できる能力」を譲ります。その後観察者はどこか満足そうな表情で姿を消し、再び姿を現した時は今までの黒いローブ姿とは違い11歳の「サトル」という名前の少年へと姿を変えていました。

サトルが初登場したのは『不滅のあなたへ』の126話「いなくなったひと」です。そしてサトルが観察者だと判明したのは130話「へいわのしょうめい」で、サトルに姿を変えた観察者とフシが再会を果たしています。

サトルと接触を果たしたフシは、彼の口から「地上の生物になり、お前たちを見守ることにした」「この体は15歳で私が何者だったか思い出せなくなるよう設定してある」「つまり、あと4年でただの人間になる」といった衝撃的な事実を聞かされることになります。この内容を踏まえれば、観察者は全知全能の存在から解放されてサトルとしてのただの人間になることを選んだのだということが分かります。

観察者はただの人間として生き、最後に死ぬという運命を選んだと思われますが、サトルの姿でも観察者(黒いの)だった頃の能力は健在です。観察者はサトルの姿で時間を止め、ノッカーからフシを守っていました。

平和になったと思われた『不滅のあなたへ』の現世編ですが、実はフシが感じ取れないほど小さくなり、密かに繁殖を続けたためにおびただしい数のノッカーが生息していました。そもそもノッカーは人を亡き者にすることで人の体に囚われているファイ(現実でいう魂や幽体に相当するもの)の解放を目指しているため、観察者やフシをファイの解放を邪魔する存在だと主張しています。

そして作中ではノッカーにとっての邪魔者であるフシが眠りについています。そこで、ノッカーはフシが眠りについている間にファイを解放し続けることができたはずだと思われるのですが、ノッカーはそれをしませんでした。つまりノッカーはフシと観察者との共存を選択したのです。

観察者はノッカーが目的としている「人の体に囚われているファイ(魂)の解放」と楽園に囚われることに対して否定的な言葉を使っています。そのため、観察者の正体についてフシのような球体だった可能性と神や悪魔、天使などの超常的存在である可能性の二つが候補として考えられます。そしてこれらの可能性は超常的な力が使えるフシの能力との共通点で裏付けることができます。では観察者の能力にはどのようなものがあるのでしょうか？

始めに紹介する『不滅のあなたへ』の観察者(黒いの)の能力は、ノッカーの居場所が分かるというものです。観察者は作中でフシにノッカーの居場所を教えています。その際に「ここから6㎞北西の地点だ」「4日以降地中に潜ったまま動きは感じられない」と言っており、かなり正確に情報が分かるようです。ただ、小さい卵状態のノッカーでは把握できず、さらには孵化して動くようであればひどい不快感がするようです。

次に紹介する『不滅のあなたへ』の観察者(黒いの)の能力は、主人公・フシと同様の不死性です。『不滅のあなたへ』の10巻・第93話にて、観察者が不死の存在であることが判明しています。というのも、観察者はメサールに刺されているのですが、一時的に体から血が流れただけで、すぐに止血し反撃していました。

次に紹介する『不滅のあなたへ』の観察者(黒いの)の能力は、剣を丸めることができるというものです。観察者は自分を剣で刺したメサールに反撃する前、メサールが持っていた剣をガシャガシャと音を立てさせながら丸めていました。さらには手を使わずに剣を丸めています。

次に紹介する『不滅のあなたへ』の観察者(黒いの)の能力は、物体の時間を止めるというものです。観察者は物体の時間を止めることができるため、作中最強キャラと言えるでしょう。

観察者の正体はスピリチュア的な存在あるいはフシと同様に球体だった可能性の二つが考えられました。そして彼の正体や目的が分からないというのは、読者を魅了し作品の面白さを引き立ててくれる要素の一つだと言えます。さらに、アニメ版『不滅のあなたへ』に登場する観察者の声を演じたアニメ声優もまた観察者というキャラクター性を魅力的にさせていました。では、ここから観察者の声を演じた声優の情報を見ていきましょう。

• 名前：津田健次郎(つだけんじろう)
• 愛称：ツダケン、つんちょ
• 生年月日：1971年6月11日(51歳)
• 出身地：大阪府
• 職業：声優、俳優
• 声優活動：1995年～
• 俳優活動：1995年～
• 所属事務所：アンドステア

アニメ『不滅のあなたへ』にて観察者(黒いの)の声を務めたのは、芸能事務所「アンドステア」所属の声優・津田健次郎(つだけんじろう)さんです。声優の他に俳優としても活動している津田健次郎さんは、1995年に放送されたアニメ『H2』の野田敦役で声優デビューを果たし、その後声優業を中心にテレビ番組やCMでのナレーション、ラジオパーソナリティ、アニメ、ゲームなど多方面で活動しています。

また2019年2月2日に公開された映画『ドキュメンターテイメント AD-LIVE』にて映画監督デビューを果たしています。2021年には第15回声優アワードにて主演男優賞を受賞し、同年4月2日にそれまで所属していたアミュレートを退所して現事務所「アンドステア」に移籍しています。

• 1999年～：こちら葛飾区亀有公園前派出所(豊臣秀吉、加藤松吉 役)
• 2000年～：陽だまりの樹(徳川家定 役)
• 2000年～：遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(海馬瀬人、クリティウス、神官セト 役)
• 2001年～：テニスの王子様(乾貞治、ドゥドゥ・オバンドゥー 役)
• 2005年～：シュガシュガルーン(ロッキンロビン 役)
• 2005年～：ゾイドジェネシス(セイジュウロウ 役)
• 2006年～：家庭教師ヒットマンREBORN!(大人ランボ、ロメオ、スパナ、ランポウ 役)
• 2006年～：ガラスの艦隊(疾風のクレオ 役)

• 2007年～：名探偵コナン(桐谷、福原栄全、鬼丸猛 役)
• 2008年～：隠の王(雪見和彦 役)
• 2009年～：バスカッシュ!(ガンツ・ボガード 役)
• 2009年～：メタルファイト ベイブレード(竜牙 役)
• 2010年～：薄桜鬼(風間千景 役)
• 2011年～：TIGER & BUNNY(ファイヤーエンブレム / ネイサン・シーモア 役)
• 2012年～：K(周防尊、善条剛毅 役)
• 2015年～：ワンパンマン(アトミック侍 役)

ここまで『不滅のあなたへ』に登場する観察者について、正体や目的、『不滅のあなたへ』の現世編でサトルになった理由、能力やアニメ声優とさまざまな要素を交えて紹介してきましたが、果たしてネット上では『不滅のあなたへ』の観察者に関してどのような声があがっているのでしょうか？ここからは観察者に関して寄せられたネット上の感想や評価を紹介していくのでぜひ最後までご覧ください。

『不滅のあなたへ』に登場する観察者(黒いの)の目的に関する声があがっています。こちらでは『不滅のあなたへ』のアニメ6話にて観察者の目的の一端が明かされたことで面白くなってきたと言われています。観察者の目的はストーリーを盛り上げるのに大いに役立っているのかもしれません。やはり目的と同時に明らかになっていく観察者の正体も気になるところです。

『不滅のあなたへ』に登場する観察者(黒いの)の声優・津田健次郎さんに関する声があがっています。どうやらこの方は観察者の声を担当した津田健次郎さんを高く評価しているようです。

感想では「観察者が津田健次郎名のわかりみがあまりにも深い」と言われているのですが、これは観察者のキャラクター性と津田健次郎さんの声がマッチしているからこそ、このように言われているのでしょう。漫画での観察者は正体が掴めない謎の存在という印象あり、アニメでの観察者は感情が読み取れない声によってその印象を強めていました。

『不滅のあなたへ』に登場する観察者(黒いの)の能力とフシに関する声があがっています。どうやらこの方は観察者の能力とフシとの関係性に注目しているようです。

他の感想では観察者の絶大な能力をフシが受け継いだらフシはどうなるのかと心配している方もいることから、観察者の存在はフシにとって大きいものだと認識されているのが窺えます。そして能力を受け継ぐべきかどうか、葛藤しているフシに対して周囲の人がさまざまな意見を出しているのですが、その意見から周囲の人のキャラクター性とフシとの関係性が読み取れそうです。

今回は『不滅のあなたへ』に登場する観察者(黒いの)の正体や目的、現世編でサトルになった理由、ノッカーとの関係を考察してきました。ストーリーが進んでいくにつれて徐々にフシの前に現れるようになった観察者は、フシに助言を与えたり、死者を復活させられる能力を持つフシにあえてそのことを教えずに成長を促したりと、一見不気味な雰囲気を纏うものの頼もしい存在となっていました。

そんな観察者の正体は、ピオランが楽園(天国やあの世を意味していると思われる)に囚われる前に私が捕まえると言っていることから、おそらく神様や天使などのスピリチュアルな存在ではないかと考えられます。またフシを後継者にすることを目的にしていたことも考えられるため、もともとフシと同様に球体だった可能性もあります。これからも明らかになっていくであろう観察者の正体や目的に今後も注目しておきましょう。