不滅のあなたへのネタバレあらすじ！漫画の面白さ・感想と作中の謎について考察

タイトルからして印象的な漫画「不滅のあなたへ」。数々の謎をのこし、いまだ解明されていることが少なくファンの間ではさまざまな考察がなされています。今回はそんな不滅のあなたへのあらすじをネタバレするとともに、キャラクターの紹介や読者の感想などを一挙ご紹介いたします。

不滅のあなたへとは2016年50号から現在もなお週刊少年マガジンにて、連載中の人気漫画です。不死身の身体と魂をもつ「謎の生命体」が、自身に刺激をあたえたモノや死んだ人間の姿に化けながら、「人間」として成長していくストーリーとなっています。現在ではすっかり人間のような心を持ち、自身を狙いつづける「ノッカー」という生命体と戦い、それを殲滅することを目的としています。

作者である大今良時さんは、名前からすると男性かと思われがちですが、女性の漫画家さんです。高校3年生のときに「週刊少年マガジン」のマガジングランプリに応募し、そのときに少年漫画ということで、自身のペンネームも男性風にしたそうです。

第80回週刊少年マガジン新人漫画賞に投稿した作品「聲の形」が見事入選。すぐに連載開始となる予定でしたが、その内容から編集部内で議論がおこり、延期になってしまいました。ですが、2013年にやっと連載開始となります。漫画「聲の形」はまたたくまに大ヒットしアニメ化、実写映画化を果たしその名を広めました。

聲の形では耳の聞こえない少女がヒロインとなっており、そのため酷いイジメを受けたりするシーンがあります。大今さんの母親は手話の通訳の仕事をしており、手話のシーンは母の協力のもと作成されたそうです。

2015年には手塚治虫文化賞新生賞を受賞しています。そんな大今さんの新作漫画「不滅のあなたへ」は、前作とは違う作風と内容の深さから注目を集めています。

「不滅のあなたへ」では、主人公のフシをはじめ、様々な個性あるキャラクターが登場しています。中でもトナリという少女はフシを助けるために大活躍をし強く印象に残るキャラクターです。続いては、トナリを含む登場人物をネタバレとともにご紹介いたします。

フシは謎の黒い男がつくりだしたと言われている不死身の生命体です。自身の心や身体に刺激をうけたものを生み出したり、その姿に化けることができます。人間としての心をもっており、自身を狙う謎の敵「ノッカー」を倒すべく旅を続けています。

村の生贄にささげられた幼い少女です。大人になって母親になるのが夢で、「不死身だからフシ」と名無しの主人公に名前をつけます。生贄からは逃れるも、追っ手の弓矢に射抜かれて命を落とします。その姿はフシの器の1つとなっており、魂も共にいるような描写も描かれています。

マーチと同じ村に住む女性で、幼い頃自分の身代わりに生贄になった姉を想っています。生贄となったマーチを助けるべく奮闘しますが、守るべきはずのマーチが自分をかばい命を落としてしまいます。そのショックから自死をしようとしますが、マーチの魂とフシに止められ、村へ帰ります。ですが、その数年後、ハヤセに殺され、その姿はフシの器となります。

落ちてきた材木から少女リーンを守るため、身代わりとなり顔面を潰された少年です。顔を隠すためカメレオンのような仮面をつけています。腹の中に酒袋が入っており、飛び散った酒に火をつけノッカーを燃やすなどし、フシを助けます。リーンと両想いになるも、再び襲ってきたノッカーに破れ、瓦礫の中でリーンを守りながら命を落とします。そしてフシの一部となります。

マーチを生贄に選んだ老婆。根は善人で、フシに人間としての心を教える役割を担います。自身の孫のようにフシを思っています。ですが老いにはかなわず認知症を発症し、フシに迷惑をかけられないと思ったピオランは、現れた謎の黒い男に「連れて行ってくれ」と頼み息を引き取ります。

囚人達の島「ジャナンダ」に住む少女。罪のない島の人たちを解放するために行動しており、フシを利用しようと目論見ます。当初はフシに邪険にされてしまいますが、その思いが通じ、お互いに信頼するようになります。数十年後、再びフシと再開しますが、正体を明かすことはありませんでした。その直後、ノッカーの攻撃により命を落とし、フシの器となります。

「それ」は突然あらわれ、空から降ってきました。球上の「それ」は最初は石に溶け込み、そこから生えたコケへと姿を変えました。そして、雪が降り積もるある日1匹の傷ついたオオカミがそばで力尽き倒れます。すると、コケの姿からそのオオカミの姿に変身をしました。

オオカミの傷もそのまま復元したのですが、わずか20秒で回復します。そして赴くまま歩いていると、明かりが灯る家へたどりつきました。そこには人間の少年が住んでおり、オオカミを「ジョアン」と呼び「戻ってこないから心配していた」と抱きつきました。オオカミはこの少年に飼われていたようです。

少年の話によると、集落の人々はこの雪原の大地に希望が見出せず5年前新地を探すべく旅にでたとのことでした。そして残るは少年だけになってしまったのです。少年は出て行った人々は、楽園を見つけたから帰ってこないのだ。と考え、ついに外へ旅立つことを決意します。そしてオオカミもともに行くことになりました。

ですが、少年が氷りの割れ目に落ちてしまい、足に深い怪我を負ってしまいます。「大丈夫」とオオカミに笑顔をみせる少年ですが、重症なのは見て明らかです。ですが戻るよりも進むことを選んだ少年は歩み続けるも、出て行った人々が楽園にたどりつけず力尽きたことを感じます。絶望し、泣きながらオオカミと家へ戻るも、怪我は悪化し、オオカミに最期まで笑顔を向けながら息を引き取ります。

すると、オオカミはその少年の姿となり、少年の魂は旅立った村人の魂に迎えられ消えていきました。知能も低ければ、人間としての身体の使い方もしらない「それ」は不眠不休であてもなく歩き続けました。道中、何度も危険な目にあい死んでしまいます。ですが、そのたびなぜか生き返ります。傷もすぐ治ってしまうのです。

そして、森でさまよっているところを「マーチ」という幼い少女に発見されます。マーチは早く大人になることを夢見ており、なにも出来ない彼に対し母親のように振舞います。言葉を教え、食事の仕方も教えます。ですがすぐにマーチは村の追っ手につかまってしまいました。

マーチは「オニグマ様」といわれる化け物の生贄に選ばれてしまったのです。生贄の準備も終わり、マーチの前にオニグマという体中からトゲのようなものが生えている巨大なクマが現れます。と、その時「それ」が現れます。そしてすぐに食べれてしまいます。ですが、すぐにオオカミの姿になり、オニグマと戦い、彼は勝利しました。

マーチを生贄にしようとしていた「ハヤセ」という女性は「ここで死ぬか、生きてわれらのヤノメ人の国に行くか決めなさい」と話しました。そしてマーチは、自分を助けてくれようとしていた「パロナ」という女性と提案に乗ることにしました。そして、フシも、瀕死のオニグマも一緒に運ばれることになりました。

主人公たちはヤノメの国に行くために旅をつづけています。その道中に水面にうつった自身の姿をみた彼はとたんにオオカミから少年の姿に戻ります。そんな彼に、マーチは「不死身だからフシ」と名前をつけてあげました。ヤノメ国に付き、マーチははじめて「文字」を知ります。そして、家族に無事を伝えたい彼女は手形を紙につけ「マーチは元気よ」という意味で手紙をつくります。

ふと気づくと、そこは牢屋の中でした。食事の中に毒をいれられ眠らされていたのです。そしてフシに興味をもったハヤセは、その生態を観察するために彼を殺そうとしたり、傷つけたりを繰り返します。ですがフシはどうやっても死にません。逃げようとしますが、ハヤセの矢に射抜かれ連れ戻されてしまいます。

フシは「イタイ」と繰り返し、それを心配をするマーチでしたが、傷はもう治っておりフシはずっと覚えた言葉を反芻しているだけでした。フシは地面を掘り、隣の部屋へむかいました。するとそこには瀕死のオニグマが倒れていました。マーチは、オニグマの身体にあるトゲは、全部人間がつくった槍や矢であることに気づきます。マーチは矢を抜いて少しでも楽にさせてあげようと必死に世話をしました。

そして「ありがとオ」をフシがオニグマの気持ちを代弁したかのように話したあと、オニグマは息をひきとりました。バロナの作戦により、マーチとフシは牢屋から脱出をすることに成功し、そこにはマーチを生贄に選んだばあさんもいました。ですがすぐに追っ手がせまり、マーチはバロナをかばい弓矢につらぬかれてしまいます。

それを見たフシはオニグマに変身し、敵を蹴散らします。マーチは大人になって母親になることを夢見ていましたが、それは叶わず死んでしまいました。マーチの魂は肉体から離れたあともフシたちのそばにおり、マーチの死にショックを受けたバロナは自ら死のうとします。魂となったマーチはバロナを必死に止めようとしますが、その声は届きません。ですが、その想いが伝わったフシが代わりにバロナを止めます。

オニグマに化けたフシの背中にのり、バロナはマーチの村に戻りました。そしてマーチの両親へ手紙をわたし「マーチは元気よ」と書いてあります。と伝えます。ハヤセたちが追ってきましたが、バロナが弓矢で応戦しハヤセを射抜きます。そして、フシに逃げるよう伝え、フシは再び旅に出ます。そして、マーチの姿にも変身できるようになりました。

フシは必要に応じ姿を変えつつ旅を続けます。マーチから食料のとり方をおそわったフシは、身軽なマーチに変身し、木の上の実を食べます。もうかつてのように、旅路の途中で死ぬこともなくなりました。すると、以前マーチと逃げたときに一緒にいたピオランというばあさんと再会します。根は善人のピオランから、文字や言葉を教わりながら、フシは人間として成長していきます。そして、ピオランの故郷のある土地へたどり着きました。

夜、野宿をしていると、触手が現れ少年の姿のフシをつらぬきます。瞬時にオオカミの姿で森をみると、なんと少年の姿そっくりの何者かがいました。そして謎の黒い男が「アレはお前の器をうばいとる。とりもどせ」とフシに命じます。しかし、敵は手強く、オオカミの姿でもやられてしまい姿を奪われます。そしてまた黒い男が「中心部にある核を肉から引きちぎれ」と命令します。

フシはオニグマに変身して核が見えるところまで引き裂きますが、あと少しのところでオニグマも奪われてしまいます。残るはマーチのみになってしまいましたが、身軽な身体をつかい、木に登って核に飛びつき核を引きちぎることに成功しました。すると、攻撃がとまり、奪われた器もすべて戻りました。フシに助言をした男はフシを作った者でした。「この世界を保存すること」が目的だと話し「また話に来る」と言い消えていきました。

フシとピオランがたどり着いた土地には「グーグー」という少年が暮らしていました。グーグーは兄・シンと2人でテントでくらしており、毎日コツコツとお金をためていました。ですが、ある日箱にしまってあるお金を確認すると、なぜか減っていました。肩を落としながら饅頭を食べていると、犬がやってきたのでわけてあげます。次の日、グーグーが市場で働いていると、「リーン」というお金持ちの少女がきました。

先日グーグーが拾った犬はその子の飼い犬だったのです。リーンはお礼にと高価な指輪をグーグーに渡しました。喜んだグーグーがテントに帰ると、貯金をいれていたはずの箱が空になっており、兄の置手紙もありました。たった1人の兄に裏切られたグーグーは悲しみにくれました。ある日、グーグーが歩いていると、大きな材木をつんだトロッコが荷崩れを起こし斜面をころがっていくところを目撃します。

斜面の下には花を摘んでいたリーンがいました。グーグーはとっさに走り出し、リーンを突き飛ばします。幸いリーンは無事でしたが、グーグーの顔面に材木は直撃してしまいました。そして、グーグーは見知らぬ小屋で目を覚まします。自身を見ると、なんと目鼻や口も、見るも無残につぶれてしまいました。グーグーを助けてくれたのは酒爺という変な老人でした。酒爺は顔を隠すためカメレオンのような仮面をかぶせてくれました。

酒爺のところで暮らすようになって3ヵ月後、フシとビオランが訪ねてきました。ビオランと酒爺は昔付き合っていたことがあったのだとか。そして、フシの不死身の体と変身能力を説明したうえで、ビオランとフシも酒爺の家に住むことになります。フシはビオランに言葉は教わったものの、まだ幼児ぐらいの知能しかもっていませんでした。グーグーは自分と同じ怪物仲間だ。と感じ、フシを弟として面倒をみます。

すると、酒爺のところに傷薬を探しにきたリーンが現れます。そしてなんとフシに一目ぼれをしてしまうのです。リーンはその日からフシ目当てに毎日来るようになりました。リーンのことを密かに想っていたグーグーは複雑です。リーンがもっと傷を治す薬が欲しいと言うと、酒爺はおもむろにグーグーの口にホースを入れ、腹の中から酒をくみあげました。驚くグーグーに酒爺は「人間の中で酒をつくってみたかった」と悪びれず話します。

命の恩人だと思って感謝していた酒爺に、実験台にされていたことを知りグーグーはショックを受けました。そして家を出てしまいます。再びテント暮らしをはじめ、以前の雇い主であったダンナ様のもとで働き出します。ですが、仮面を被っているグーグーに対し、人々は後ろ指をさしからかいます。悔しくなったグーグーはその仮面を池に投げ捨てます。一方、家事や料理が得意だったグーグーがいなくなり、酒爺は困り果てていました。

フシが見よう見真似をするも出来るはずもなく全員途方にくれていました。ビオランに教えをこうも、グーグーに教えてもらえ。と突き放されます。実は、グーグーはフシに対して不死身の体をからかったりと、その態度は度を越えるものがあり、フシはグーグーのことが嫌いになっていたのでした。それを取り持つため、フシに人間としての心を教えると言う意味でも、ビオランはグーグーを連れ戻すように言ったのです。

素顔を見せたグーグーに対し、雇い主は驚くものの受け入れてくれます。ですが、その息子から「もう仕事にくるな」と拒絶され、やめることになってしまいました。街をさまよい、リーンにもらった指輪を売ろうと考えていると、殴られ倒れている兄・シンを見つけました。哀れに思ったグーグーは、指輪を渡し、去っていきました。テントにもどり寝ていると、突然グーグーを見世物にしようとする悪人が襲ってきました。

しかし、そこにフシが現れ助け出します。そして、グーグーとフシは仲直りをし、絆をより一層深めました。すると、グーグーはお腹を減らし倒れてしまいます。慌てたフシはなんとかしようと食べ物のことを考えました。その瞬間、フシの手から、今までフシが食べて刺激をうけた食べ物が続々とでてきました。どうやら、フシは心や身体へ受けた強い刺激に反応してその姿に化けたり、生み出したりできるようです。

そこへ、リーンが「酒爺も反省してるから、帰ってきて」とおとずれました。ですが、仮面をかぶっていないグーグーはリーンと顔を合わせられません。気にすることはないとリーンは思いますが、気にするグーグーにツボをかぶせてあげるのでした。それはリーンが自分がかぶるように持っていたツボでした。リーンは父親に自由奔放ぶりを怒られており、雇われた人たちに追われているのです。

リーンと逃げるグーグーでしたが、フシが何者かに襲われているのを感じ、リーンに1人で逃げるよううながしフシのもとへ駆けつけます。すると、マーチの姿になったフシが倒れており、次第にフシをさした例の触手「ノッカー」がマーチの姿に変わっていきます。グーグーはつかまれ投げられてしまいます。すると、その衝撃で腹の中の酒が飛び散り、リーンの追っ手が落とした松明に引火します。

もっと強い酒ならば、敵を燃やしつくせると判断したグーグーは急いで酒爺のもとへ向かいます。そして強い酒を入れたグーグーは戻り、敵を焼き尽くします。フシの姿が見えず探していると、光る石を見つけます。それは次第にオオカミに変化しました。フシは最初に変化した石以外の姿をとられてしまっていたのでした。グーグーのおかげで全ての器を取り戻したフシは「ありがとオ、グーグー」とお礼を言うのでした。

無事に酒爺の家にもどり、リーンも両親となんとか和解をしました。すると、フシの前にまた謎の人物が現れます。「この場から離れて旅に出ろ」と助言をするも、フシは「グーグーがいれば、また敵がきても大丈夫」といい、言うことを聞きません。

そして4年の月日がたちました。フシは人間のように振舞うため、少年以外の姿には変身しませんでした。その結果、見た目も中身も人間のように年とり、成長をすることに繋がりました。言葉ももうカタコトではありません。

敵であるノッカーも現れることなく平和な日々。そして、すっかり年頃に成長したグーグーとリーン。お互い口には出さないものの両想いとなっていました。そんな中、リーンの16歳の誕生日会にフシとグーグーが招待されます。グーグーはリーンが昔つんでいた紫色の花「ユメキキョウ」をつんでプレゼントとしてもって行きます。

ですが、リーンもまわりも凍りついた雰囲気になってしまいます。この花はリーンが怪我をした（かすり傷）ときにつんでいた花なので、不吉だと言われていたからです。気まずくなったグーグーはテラスにでます。そして、グーグーの顔の怪我の原因について問いかけます。リーンはグーグーが助けてくれたことを知らなかったのです。

真実をしったリーンは、グーグーに想いを伝えようとしますが、突然床が崩れ落ちます。ノッカーが来たのです。フシはオニグマに変身して人々を助けながら戦います。グーグーはリーンと両親を助け出し、フシの援護に向かいます。ですが、ノッカーも知恵をつけており、燃えないように岩で身体を覆っていました。なすすべもなく、フシの器は奪われ続けます。そんな最中リーンがグーグーを助けに来ます。

ですが、そんな2人の上に瓦礫が崩れてきます。グーグーはリーンが潰されないように必死でその身体をもって瓦礫を支えます。仮面からは血がしたたり落ちてきており、重症を負っているのは明らかです。ですが、グーグーは平静を装い、リーンと帰ったら2人で花を摘みにいこうと約束します。そしてリーンに好きだと告白し、リーンはグーグーを外し、涙ながらにキスするのでした。

瞬間、フシはグーグーの姿に変化しました。それはグーグーが死んでしまったということになります。フシは悲しみのなか、グーグーの力を使い、なんとかノッカーを倒します。ですが、全ての器を取り戻すことは出来ませんでした。そして、いつも助言をくれる謎の男は「西へ行け」と話しました。リーンは無事救出され、そこには弟を思い改心した兄・シンの姿もありました。

気絶していたリーンはグーグーが死んでしまったことを知らず、家のベットで目を覚ますやいなや、グーグーがいるであろう酒爺の家に走ります。それに気づいたフシは慌ててグーグーの姿に化け、生きているふりをしてしまいます。フシのことを聞くリーンに「フシは死んだ」と嘘をつき、これから出かけるというむねを話します。

リーンはそんなグーグー（フシ）の様子から、本当のグーグーが死んでしまったことを察します。ですが、口には出さず、笑顔で旅立つグーグーの姿をしたフシを見送るのでした。ノッカーはフシのいるところに現れるので、もう誰とも旅をしないことを決めますが、ビオランが追いかけてきます。フシを思い、しつこいビオランに観念し、2人でノッカーにいる西へ向かうのでした。

2人は港から船に乗り、サールナン密林というところへ行こうとしますが、満員なので他の船へと男女にわかれるよう言われ誘導されます。ですが、つれて来られたのは「ジャナイダ島」という囚人達の島だったのです。そして、トナリという少女から、島から抜け出すにはその島の闘技場で優勝し、王様になるしかないと告げられます。かくしてフシはいやおうなしに戦いに巻き込まれてしまうのでした。

フシを能力を知っているトナリは、フシを島の王様にして、住民たちを解放しようと考えていました。トナリはピオランの現在の状況などを教えてくれましたが、都合のいいように利用されているとも感じたフシはトナリに対してあまりいい感情はもてませんでした。闘技場でも当然勝ち残るフシ。そして2回戦になったとき、突然バロナに変身してしまいます。それはバロナの死を意味しており、フシは驚きショックをうけます。

ですが、無事勝ち進むことができました。トナリはフシを戦いに巻き込んだことを謝り、食事に誘いました。ピオランを助けて島をでようとするもことごとく失敗するフシ。闘技場でも不本意ながら勝ち進みます。一方的にフシのことを気に入っているトナリは、嫌がられてもつきまとおうとします。そんなある日、岩に覆われたオニグマ姿のノッカーが現れ、グーグーが奪われてしまいます。

窮地におちいったフシでしたが、トナリたちの攻撃により退散させることができました。そして、弓矢の名手であるパロナに変身し、岩で覆われたノッカーの隙間に火薬を付けた矢を放ち、見事退治しました。そして、今まで奪われた器を取り戻すことができたのです。トナリとのわだかまりもとけ、フシはトナリと仲間達と祝杯をあげました。そして皆が寝た跡に、トナリの思いが書かれている本を見つけ、彼女の気持ちをしるのでした。

とうとう闘技場での決勝戦の日。相手はかつてフシやマーチをさらった「ハヤセ」でした。ハヤセは不死身であるフシに恋焦がれ、フシの子孫を宿そうとして追いかけてきたのです。パロナを殺したのもハヤセでした。怒りに満ち、攻撃をするフシですが、ニシアサガオという眠りクスリを打たれ、眠ってしまい、フシは敗退してしまいました。そして、島の王はハヤセとなってしまったのです。

ハヤセはフシを管理するために守護団を結成し戦おうと島民に演説し、囚人たちの島「流刑地ジャナンダ」を「聖地ジャナンダ」に変えました。トナリに島の王の座を譲るとハヤセはつづけます。ですが、トナリはそんな話にはのりません。

フシへの想いを遂げようとするハヤセでしたが、トナリたちにその願いは妨げられます。ですが、フシはトナリたちを島から解放するために、あえてハヤセと島に残る決断をします。トナリは、7歳以下の子供たちを中心に船にのせ島をでました。ですが、トナリはフシを助けに1人島へと戻ります。

ですが、すでにフシは自力で脱出していました。2人が島から出ようとしたとき、再びノッカーが現れます。残った島の住民や、トナリの仲間たちも次々やられ、ノッカーの操り人形となってしまいました。涙ながらにノッカーを倒したフシの前にハヤセがトナリを人質に立ちはだかります。フシはなんとかトナリを助け、ハヤセを気絶させます。そして、トナリは島長として「助け合って生きていこう」と皆に伝え島に残ります。

フシはハヤセとボートにのり、目覚めたハヤセに対し冷たい言葉を言い放ち1人置き去りにします。そして、ピオランの待つ港へとボートを急がせます。一方、フシが去り、呆然とするハヤセの元にノッカーが現れハヤセにとりつきます。無事ピオランと再開し喜ぶフシでしたが、ピオランは認知症になってしまっていました。すると、黒い男が現れます。ピオランは正気のうちに自分の命を終わらすよう頼み、その生を終わらせます。

ピオランの死から40年もの間、1人島にこもりながら、ノッカーと戦う日々を過ごしていたフシ。ある日、ハヤセの孫である「ヒサメ」という9歳の少女が現れます。彼女はフシを守るために来たと言います。そんな彼女の左腕にはノッカーが寄生しており、これはハヤセから受け継がれたと話します。そんな時、黒い男がノッカーがここではない場所にでたと伝えてきました。40年ぶりに島を出たフシは、無事その場所につきました。

ノッカーの様子を代わりに見てくるとヒサメが言い、フシは1人になりました。すると、見知らぬ男女が現れます。そして、ヒサメに気をつけろと忠告します。そこへヒサメが戻り、皆で食事をしますが、ヒサメは飲み物に毒を入れていました。フシ一同倒れてしまいますが、1人効いていない女性がいました。見知らぬ女性はなんとトナリでした。トナリは毒の耐性をつくるため、毒に侵され続けていたので効かなかったのです。

ヒサメの腕のノッカーを攻撃しようとするも、返り討ちにあい、ノッカーの一部がトナリの腕に侵入してきました。気絶したヒサメは腕のノッカーに引きづられどこかへ行ってしまいます。フシが目を覚ますととなりは瀕死の状態になっていました。そしてフシに、自身の正体は明かさず、死ぬまでそばにいて欲しいと告げます。そして彼女の死後、トナリと一緒にいた男は「彼女はフシのために毒の効かない身体をつくった」と話します。

そして、1人になった際、彼女の姿になったフシは、手に刻まれた印などから女性がトナリであったことをしるのでした。後日、再び現れたヒサメですが、トナリを攻撃したときのことは覚えていませんでした。ヒサメの真の狙いはハヤセの遺志通りフシとの子供をつくることでした。ですが幼いヒサメはやりかたをしりません。ヒサメは自分の子孫に思いをたくすといい二度とフシの前に現れませんでした。

その後、長い年月が流れ、ハヤセの子孫達がたびたび現れました。最期に現れた子孫はカハクという男性でした。そして、その頃フシはお尋ねものとなっており、姿を隠すためにもカハクと守護団と一緒にいることを決めます。ですが、ウラリス国のポンシェン王子により捕らえられてしまいます。そのポン王子は幼少時、寝かしつけ役だった女性から、フシのことを聞かせられていました。

その女性はトナリであり、自分はフシのところに帰るからいつか会いにきて。とも言っていました。そして、その願いの通り、15年後の現在、ポン王子はフシの影の中にトナリの姿を見つけたのでした。

不滅のあなたへの作中に登場する文字。これは適当につくっているわけではなく、きちんと50音に対応しているそうです。音を形にしたらこんな感じになるのでは？とイメージして作られたと作者である大今さんは語っています。

こういった独自の設定を考えることが好きで、今後もっと考えていきたいとも話されています。コミックスのカバーをめくると、そこにも文字があります。たとえば1巻には「わすれないように」という意味の文字が書かれています。これはフシが忘れたくない人たちを表しており、フシの記憶そのものを表しているのだそうです。

小さくてまるまるとした可愛らしい見た目と、大人になろうと背伸びをしている姿は読者だけでなく、作者の大今さんもお気に入りだそうです。哀しくも、自らの夢を叶えることができないまま命を落としてしまいましたが、その後も魂となって、フシを見守っているような描写があり、もしかしたら今後もフシの器としてだけでなく、本人として登場することもあるかもしれません。

不滅のあなたへの中でも人気が高いこの2人。グーグーはリーンをかばったせいで顔面を失い、素顔を見せれなくなってしまいました。ですが、そんな恨み言は1つも言わずむしろリーンにすり傷を負わせてしまったことを悔いていました。

リーンもただの世間知らずのお嬢様かとおもいきや、自分の意思をもち、グーグーのことを想う健気な女の子として描かれています。最期、瓦礫からリーンを守りつつ心配させないように話し続け、告白するグーグーと、それに応えキスをするリーンに泣いてしまったという感想を持つ読者も多いそうです。

不滅のあなたへを読んだ方のネタバレ感想をまとめました。「想像以上に面白い」という感想がや、この後の展開に期待している感想が多く目立ちました。

（ネタバレなし感想）序盤のあらすじ、展開から目が離せず深く考えさせられるストーリーに引き付けられたという感想です。今後の展開も楽しみにされていると語っています。

（ネタバレなし感想）圧倒的な世界観に入り込んでしまったというネタバレなしの感想です。前作品も頭をつかう内容だったので、不滅のあなたへもそうなるのではないかと予想しています。

（ネタバレなし感想）こちらは一話目にして期待以上の作品であると興奮が伝わってくる感想です。少年の気持ちが伝わってくるあらすじは1話目にして泣けると絶賛しています。

（ネタバレあり感想）こちらは表紙の絵が意味するものを知って、しんみりしたという感想です。ネタバレですが、各巻の表紙は登場人物の願望を描いています。たとえば2巻の表紙マーチは彼女の夢だった「大人の姿」で描かれています。

（ネタバレなし感想）思わず、フシの成長についてネタバレしそうになってしまった感想です。外見は成長しないと思われていたフシの成長に驚いた感想を持つかたも多くいました。

（ネタバレあり感想）この感想を持つかたがおっしゃているシーンは、ネタバレですがフシがピオランに「死なないで」とお願いするシーンです。もう大切な人を失いたくないフシの心からの願いです。

（ネタバレなし感想）自分の中で描いてみたい、欲しいとおもったものが沢山つまった作品であると感動している感想です。どう考えても最高などと絶賛されています。

（ネタバレなし感想）あまりの面白さのあまり、あらすじをネタバレをしてしまいそうになる感想です。文章からもいかに感動したか伝わってきます。

（ネタバレあり感想）こちらは、ハヤセの一族に対する考えを批判するネタバレ感想です。子孫をつかってまでもフシにまとわりつく執念はゾっとさせるものがあります。

（ネタバレあり感想）ボン王子が実はいい人だったというネタバレ感想です。フシを捕まえたので、悪い人物かと思いきや、仲間思いのこころをもつ立派な王子でした。

（ネタバレあり感想）この方は表紙の意味を自分なりに解釈し、ネタバレしています。こういった色々なことを考えられるのもファンにとって魅力の1つなのです。

不滅のあなたへのあらすじとネタバレについてご紹介しましたが、まだまだここに書ききれない魅力が山ほどある作品です。不滅のあなたへは、読む人によって感想が分かれるあらすじとなっており、中には難しすぎてわからないという感想をもつ方もいるようです。

ですが、そんな議論が巻き起こるほど深いストーリーとなっており、それも魅力の1つとなっています。いったいフシは今後どうなっていくのでしょうか？今後の展開にますます目が離せません。