【裏世界ピクニック】閏間冴月（うるまさつき）の正体を考察！裏世界で行方不明に？

裏世界ピクニックのストーリーが始まる3カ月前に行方不明になってしまう女性・うるまさつき（閏間冴月）。この章ではうるまさつきとはどんな人物なのかプロフィールを紹介していきますが、まずは裏世界ピクニックの作品情報からお届けします。最初に作品概要、そして簡単なあらすじへと続きます。

裏世界ピクニックは、宮澤伊織による小説で、2017年2月に早川書房・ハヤカワ文庫JAにて上梓されました。2022年8月現在で既刊7巻を数えるまでになっており、シリーズ発行部数は2021年7月時点で累計50万部を突破しています。

作品は、ロシアのSF作家・ストルガツキー兄弟が1972年に上梓した長編小説「ストーカー（原題：路傍のピクニック）」に影響を受けているとされており、ネット上で紹介されている実話の怪談をモティーフにストーリーが展開されます。

また、メディアミックス展開としては、水野英多の作画による漫画「裏世界ピクニック」が月刊少年ガンガンにて2018年3月号より連載されているほか、2021年にはテレビアニメが制作され、AT-Xほかにて全12話が放送されました。

平凡な日常を送っていた女子大学生・紙越空魚の人生はある日を境に一変します。廃屋内の扉を開けた空魚は「くねくね」の這いまわる裏世界を発見。命の危機に陥った彼女を同じく女子大学生の仁科鳥子が救出します。後日、空魚の通う大学を訪ねた鳥子は、彼女に協同での裏世界の探索を持ちかけます。こうして2人は、危険と隣り合わせの非日常へと踏み込んでいくことになりました。

ここからは、いよいよ本題のうるまさつきに関する考察に入っていきます。最初は彼女のプロフィールからになります。

かつては平凡な女子大学生だったうるまさつき。長い黒髪に黒縁メガネ、そして黒い服と黒ずくめのいで立ちをした長身の女性なのですが、瞳だけは深いブルーをしています。そんなさつきが、ひょんなことから裏世界の扉を開けてしまいます。くねくねに襲われそうになったところを仁科鳥子に助けられ、以降彼女の人生は裏世界を中心に動いていくことになります。

当初はさつき単独で裏世界の探索を始めるのですが、探求の手を拡げようとしてある女性に目を付けます。それは、石神井公園近くの屋敷に住む裏世界の研究者で、うるまさつきの大学時代の友人・小桜です。

うるまさつきが裏世界の探索に乗り出したのを知ると、危険だから止めるようにと忠告していた人物です。その忠告を無視して行方不明になったさつきに対し怒りを覚えており、さつきの依頼を固辞します。その代わりにさつきのパートナーとなったのは、かつてさつきを救出してくれた鳥子でした。

かつてうるまさつきは鳥子の家庭教師をしていたことがあります。両親のいない鳥子にとって、さつきは単なる家庭教師ではなく特別な存在となっていきます。さつきは鳥子に学校の勉強以外のいろんなことを教えてくれました。その1つに裏世界のことがありました。鳥子は行方不明になったうるまさつきを懸命に探し、ついに裏世界の入口で彼女を見つけたのです。

また詳しいことは後述しますが、うるまさつきは民間の研究機関であるDS研究所で客員研究員として裏世界の研究をしていました。裏世界を自由に歩き回ることのできるさつきは、裏世界で見つけたものを持ち帰り、研究所での評価を高めていきました。ただし、何のために鰓世界を研究しているかなど目的については明かされていません。

ここからは、謎の裏社会研究者うるまさつきの正体を考察していきます。裏世界ピクニックの設定では、うるまさつきはストーリーの始まる3カ月前に行方不明になっていました。

さつきを慕う仁科鳥子は、行方不明となったさつきを探して独り裏世界に入って行こうとします。そんな時、別の目的で裏世界を探索していた主人公の紙越空魚と出会い、裏世界ピクニックの物語は幕を上げました。

うるまさつきの正体を探るため、次に取り上げるのは仁科鳥子との関係です。すでに他界したカナダ軍軍人の両親を持つ鳥子は、海外での生活が長く、日本では学校にもほとんど通っていません。そんな鳥子に手取り足取り勉強を教えたのが、このうるまさつきだったのです。

鳥子にとってうるまさつきは、家庭教師を超えた敬愛すべき存在であり、また、鳥子は自分が誰よりもさつきのよき理解者であることを自認していました。

うるまさつきの正体を知るには、まず彼女の本名を明らかにしなければなりません。一風変わった珍しい名前の「うるまさつき」。本名は何と言うのでしょうか？実は、彼女の本名も同じ読み方をします。漢字で書くと「閏間冴月」。普通の人では読むのに苦労することでしょう。そこで、本作ではかな表記を採用しているのかも知れません。

うるまさつきの正体を探る上でのキーワードとなるのが、次に取り上げる「人たらし」です。閏間冴月には誰彼無しに人を惹きつける魅力があり、生まれつきのアルファ・フィーメイル（群れを率いる女性指導者）とも言われています。

そんな正体を持つうるまさつきには、いつしか「人たらし」という異名が付けられました。近づいてきた人間をいとも簡単に魅了したらし込んでしまうというのです。その後は、たらし込んだ人間を自分の手下として都合よく利用します。うるまさつきに心酔する仁科鳥子もその1人。うるまさつきの虜になった挙句、異世界に引きずり込まれてしまいます。

両親が軍人の鳥子には銃の心得もあり、異世界に対する恐怖心もほとんど示さなかったので、さつきにとってはこれ以上ない好都合なパートナーだったのです。

うるまさつきの正体を究明するのに欠かせないのが、DS研との関係です。プロフィール欄でも少し触れたように、うるまさつきはDS研の客員研究員として活動しています。さつきがDS研に接触を試みたのは数年前のこと。裏世界の物質を持ち込み、自分は現実世界と裏世界を自由に行き来できると売り込みました。DS研は、さつきの能力を高く評価し、彼女のために客員研究員のポストを用意し迎え入れました。

DS研とは、正式名称を一般財団法人DS研究奨励協会といい、1990年代の初めに大手電機メーカー内で始まった勉強会が基になっています。勉強会では当初気功などの実用化を研究していましたが、その後裏世界の研究を目的として法人化されました。

ところが、DS研の本格始動から暫くすると、裏世界の物質が人体に悪影響を及ぼすことが判明します。裏世界と接触した人間にこの世に存在しない病気が発症したり、この世のものとは思えない体に変異するものが後を絶たなかったのです。

そのため、DS研の目的は、当初の裏世界探求から裏世界の犠牲者の保護と治療の研究へと変化を余儀なくされます。異世界研究員の小桜も、さつきに誘われDS研に関与するようになります。空魚や鳥子が異世界から物品を持ち帰った物品と引き換えに、小桜は現金を渡していますが、このお金もDS研から支払われていたようです。

SNSなどでうるまさつきの正体を探っていると、カルト集団というワードが目に入ってきます。SNSでは、さつきを崇拝するカルト集団があると話題になっているようなのですが、本当のところはどうなのでしょうか？カルト集団ということから、裏世界ピクニックの3巻に登場する高校生YouTuber・潤巳（うるま）るなが関与していると考えられます。

潤巳るなは、彼女の声を聞いた人間を立ちどころに魅了する特殊能力を持っています。その能力を使って多くの人々を支配し、カルト集団を組織しています。その潤巳るなが崇拝しているのがうるまさつきだったのです。「潤巳」という名前もさつきの本名「閏間冴月」から取っているようです。ただし、うるまさつきを崇拝しているのは潤巳るなであって、カルト集団の信者たちではありません。

裏世界の研究者として知られる幼い見た目の女性・小桜。実はさつきとは大学の同級生です。裏世界の探索に没頭するさつきに対し、事あるごとに裏世界の危険性を説いていたのがこの小桜です。さつきが彼女の忠告を無視して行方不明になったときには、それ見たことかと怒りを口にしています。

ところが、そんな小桜も結局さつきにより裏世界の研究に引きずり込まれてしまいます。さつきが裏世界をどのようにして知ったのかは、小桜にもわからないそうです。

ある日、裏世界の協同研究者となった小桜のもとにうるまさつきが現れます。「生きのいい助手を捕まえてきた」。さつきはそう言って、連れてきた鳥子を小桜に紹介しました。

「人たらし」の異名を持つうるまさつきには、他人を惹きつける能力があり、近づいてきた人間を都合よく利用します。そんな人間の筆頭格が小桜と仁科鳥子です。特に鳥子は、自分がさつきの一番の理解者だと自負しています。ところが2人以外にも、さつきに声を掛けられ取り込まれた人間が出現します。

その人物とは、空魚の大学の一年後輩にあたる瀬戸茜理です。空手が得意で、高校時代には県大会で優勝したこともあります。さつきは、裏世界研究の相棒として目を付けたのか、鳥子の時のように茜理の家庭教師をしていました。そして、自分の魅力の虜にした上で、裏世界に引きずり込んだのです。この時点で、茜理は裏世界について何も知らなかったようです。

鳥子に誘われて一緒に裏世界を探索するようになった主人公の空魚。裏世界ではたびたびうるまさつきの姿を目にしているのですが、実はさつきの姿が見えるのは空魚だけ。鳥子の目にはさつきの姿は映らないようです。

裏世界で「くねくね」と接触すると、空魚の右目は青く変色し怪異が見えるようになります。そうした右目の変化により、空魚はさつきの姿が見えるようになったと考えられています。

先ほど解説したように、裏世界のうるまさつきは空魚の目には見えるのですが、鳥子には見えていません。空魚の青く変色した右目は、怪異たちを捉えることができます。そうであるのなら、裏世界のうるまさつきはもはや人間ではなく怪異になっているということなのでしょうか？

その後、鳥子は行方不明の冴月（さつき）を探し出すために裏世界へと入っていきます。慌てて空魚たちが連れ戻そうとするのですが、頑としてその場を離れようとはしません。理由を聞くと、ここで冴月を見つけたというのです。

空魚が窓の外を覗くと、閏間冴月と思しき人物が自分たちを見下ろしているのが目に入りました。しかし、空魚が目を凝らしてよく見ると、それは閏間冴月によく似た怪異でした。

空魚は拳銃を取り出すと、青い右目で閏間冴月に照準を合わせ引き金を引きました。銃弾は閏間冴月の顔面を撃ち抜き、憑りつかれたようになっていた鳥子は正気を取り戻しました。裏世界に冴月を探しに出かけた鳥子ですが、2人の再会は当分先の話になりそうです。

ここまで裏世界ピクニックのうるまさつき特集をお届けしてきましたが、最後にうるまさつきに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介する感想・評価は、「裏世界ピクニック」には謎が多く怖すぎるという方のツイートからです。その謎の中心にいるのがうるまさつきとのことでした。

続いて紹介する感想・評価は、うるまさつきや裏世界の仕組みが気になるというツイートからです。裏世界全体がうるまさつきの作品のようにも思えてくると言います。「裏世界ピクニック」では、読者の猜疑心を煽ることも狙っているのかも知れません。

最後に紹介するのは、閏間冴月が裏世界の生きた罠だと主張するツイートからです。これまでのさつきの謎の行動を分析した結果なのでと言います。果たして、今後の展開で明らかにされていくのでしょうか？

ここまで「裏世界ピクニック」に登場する謎に満ちた人物、閏間冴月（うるまさつき）に焦点を当て、彼女の正体などについて考察を重ねてきました。いかがでしたでしょうか？

うるまさつきの正体ですが、実は未だ不明な点も多いのです。彼女には近づいてきた人間を魅了し虜にしてしまう、アルファ・フィーメイルとしての素質が生まれながらにして宿っているようです。そのことから「人たらし」の異名が付きました。一方、DS研の客員研究員として裏世界を研究するさつきは、鳥子をはじめ空魚や小桜たちを裏世界に取り込んでいきます。

また、裏世界でうるまさつきの捜索を続ける鳥子ですが、未だ再会できていません。果たして2人は再会をすることができるのでしょうか？「裏世界ピクニック」の今後の展開に期待しましょう。