呪術廻戦のアニメがひどい？面白くない・つまらないと言われる理由を考察

『呪術廻戦』はアニメ化や映画化で、一躍有名となりましたが、一部の視聴者からは「面白くない」「つまらない」と酷評されています。多くの人々がハマるアニメ『呪術廻戦』が何故面白くない・つまらないアニメと一部の方から言われているのか、とても興味深いと思われます。

この記事では、アニメ『呪術廻戦』を観てどこが「ひどい」と感じてしまう理由になったのかを調査しました。他にも、『呪術廻戦』のパクリ疑惑やアニメOP楽曲「廻廻奇譚」についても解説するので、是非ご覧ください。 

『呪術廻戦（じゅじゅつかいせん）』は、芥見下々（あくたみげげ）先生が描くダークファンタジー＆バトル漫画です。略して「呪術」と呼ばれることが多いです。『週刊少年ジャンプ』の2018年14号から連載されており、人間のマイナス感情から出現する呪霊を、呪術という呪いの力を用いて祓い、戦う呪術師の姿が描かれています。アニメ化は2020年から始まりました。

驚異的な身体能力を持つ虎杖悠仁は、宮城県仙台市に住む高校1年生の少年です。祖父が亡くなった日の夜に呪術師の少年・伏黒恵と出会った虎杖は、自分の高校で呪霊に捕らわれた先輩を助けに行くも、逆に自分達がピンチに追い込まれます。虎杖は伏黒や皆を助けるために画策し、強力な呪物「両面宿儺の指」を食べ、力を得るのでした…。

アニメ『呪術廻戦』の第1話「両面宿儺」の視聴者の感想に、「主人公・虎杖悠仁の動機が分からない」というものがあります。この動機とは、「呪いと戦う」動機のことを指しています。つまり、アニメ視聴者には、虎杖は何をしたかったのか、どうして戦っているのか、それらの理由が明確に伝わっていなかったのです。

虎杖の戦う動機は、祖父が生きていた頃に人を守るように遺言を残されたためです。「生き様で後悔はしたくない」と語ったシーンも、祖父の遺言に繋がるものがあります。虎杖の身体能力は極めて高く、50ｍ走を3秒で走ることができ、砲丸投げも30ｍも超えていました。

そのためか、視聴者の中にはいまいち虎杖に共感できず、「つまらない（面白くない）」と感じる方もいるようです。アニメ全体がひどいというわけではなく、主人公という大切な存在から共感を得られなかったのが、つまらない（面白くない）と言われる理由だったのかもしれません。
 

アニメ第1話を過ぎると、段々と『呪術廻戦』ならではのダークファンタジーへの扉が開きます。『呪術廻戦』を代表する術式がたくさん展開されるようになり、原作漫画でもアニメでも、各キャラクターの術式がよく分からない、設定が複雑すぎてついていけない＝つまらない（面白くない）となることが少なくありません。

『呪術廻戦』が大好きなファンの場合は、何度も漫画を読み返す、アニメを何度も視聴し、術式を理解しようとしますが、そこまで気力がない方にとっては、術式の難しさが「つまらない（面白くない）」原因になりがちです。

特に幼い子供やバトル系作品に不慣れな方には、複雑すぎて理解が追いつかないでしょう。『呪術廻戦』に限ったことではありませんが、アニメで複雑怪奇な技が出てきた時は「何かすごい技が出てきたぞ」くらいの感覚で観てみると良いのかもしれません。
 

『呪術廻戦』は物語がシンプルではありません。ダークファンタジー系のアニメである時点で、すっきりする展開はないことが予想できるでしょう。とにかく主人公が強くて、敵をかっこよく成敗する、という勧善懲悪ものとは全く正反対のアニメです。視聴後に爽快感を味わえる機会もほとんどなく、むしろ視聴後に鬱になる＝面白くないという思考回路に陥ってしまう傾向があります。

主人公サイドが敵（呪霊など）を完璧に倒したり（祓ったり）することが多くなく、完全に倒し終わったとしても、アニメの視聴者が幸福を感じることが極端に少ないのです。つまり、心にモヤモヤが残るすっきりしないストーリー展開ばかりだと言えるでしょう。

原作・アニメ『呪術廻戦』で最も胸糞が悪い回は、虎杖の友人である吉野順平が、呪霊の真人の「無為転変」という術式で人外に姿を変えられ、亡くなってしまう話でしょう。虎杖にとって救いが何もなく、ひどい絶望を体感した視聴者は、ある種トラウマ状態に陥り、「ひどい話だ」と感じざるを得なかったのです。

ジャンプの王道系アニメとは一線を画す『呪術廻戦』のストーリーや内容はかなり大人向けに作られています。同じく大人向けのジャンプ作品『HUNTER×HUNTER』と同様に、とてもエグい、グロテスクなシーンもあるため、ゴールデンタイム向けのアニメではないでしょう。

しかし、総集編や再放送などはゴールデンタイムで放送されたことがあるため、日本社会のアニメへの寛容さが覗えました。呪霊の姿や真人が「無為転変」で生み出す改造人間がグロテスクだったり、流血シーンや大きな外傷を負わせるシーンなどは日常茶飯事なので、「怖い」という気持ちが「見たくない」に変化し、「ひどい」「面白くない」というマイナスイメージを作り出しているのかもしれません。

アニメ『呪術廻戦』に登場する女性は素敵なキャラクターばかりです。しかし、萌え系の優しい女性キャラよりも、今にも噛みついてきそうなオラついた女性キャラが多い傾向にあります。主人公・虎杖と恋愛フラグになる女性もいない感じです。アニメ『呪術廻戦』のメインヒロインは釘崎野薔薇というかっこいい美少女で、かなりタフな性格をしており、女性からの好感度も高い印象です。

恋愛フラグが好きなアニメ視聴者からすると、誰とも恋愛フラグがなさそうな『呪術廻戦』は「つまらない」という評価になってしまうのかもしれません。そもそも『週刊少年ジャンプ』なのですから、恋愛フラグ無し＝「つまらない」という方程式は、始めから成り立たないと言えるでしょう。

恋愛がないのであれば、他の面（ストーリーや術式など）に没頭できるので、そういった面ではメリットがあると思われます。『呪術廻戦』に登場する女性キャラはかっこいい人物ばかりなので、性別関係なく好かれる存在であると言えるでしょう。

『HUNTER×HUNTER』と『BLEACH』をたして5で割ったのが『呪術廻戦』であると言われています。そのため、『呪術廻戦』にはパクリ疑惑があるようです。「この展開どこかで観たことあるな」と思ったら、『HUNTER×HUNTER』や『BLEACH』のパクリ（※パクリではなくオマージュの可能性もあり）だったということが多いようです。

決して、既視感＝パクリというわけではありません。どこまでをパクリと捉えるのかは人それぞれなので、既視感があるからとパクリ認定する人もいれば、「展開が少し似ていただけ」とパクリ判定しない人もいます。少年漫画・アニメの歴史は長いので、作品の傾向や描写が似てしまうことは仕方がないことで、不特定多数の人に「パクリだ」と言われてしまうのは逃れられない運命です。

『呪術廻戦』の技（術式）を『HUNTER×HUNTER』の技（念能力）のパクリだと感じてしまったり、ストーリー展開が『BLEACH』と若干似ていてパクリに思えたりと、既視感のせいでつまらないと思ってしまうアニメ視聴者も多いのかもしれません（※『ボボボーボ・ボーボボ』のパクリ疑惑も否めません）。

アニメ『呪術廻戦』の主人公・虎杖悠仁を演じる声優・榎木淳弥（えのきじゅんや）さんの声についても様々な意見があります。辛口の意見ですと、「声に感情がこもってない」「生理的に無理」などが存在します。

しかし、当然のことですが、榎木淳弥さんが大好きで応援している『呪術廻戦』ファンの方が圧倒的に多く、声優だけでアニメを「ひどい」「つまらない」「面白くない」と評価することは、非常にナンセンスであることが証明されています。虎杖を演じている榎木さんは声優界の期待の新星なので、これからも演技に磨きが入ることでしょう。

アニメ『呪術廻戦』の第1クールのOP楽曲「廻廻奇譚（かいかいきたん）」は、Eve（イブ）さんのメジャー4作目の楽曲です。アニメ『呪術廻戦』と共に人気を博したOP楽曲「廻廻奇譚」ですが、辛口評価だと、歌詞が少しダサい、カゲプロやボカロのアレンジみたいで好きになれないなど、言いたい放題で評価されています。

しかし、「ダサい」という意見よりも、「かっこいい」「歌うのは難しいけど好き」といった好印象な意見の方が圧倒的に多いです。様々な有名アーティスト（小柳ゆき、オーイシマサヨシなど）にカバーされているため、歌ってみた動画も流行りました。「廻廻奇譚」のOP映像には躍動感のあるCGが使用されており、OP全体の仕上がりも美麗となっています。

アニメ『呪術廻戦』のOP楽曲を制作したEveさんは、ジャンプ作品を読んで育ってきたと言い、「（ジャンプ作品である『呪術廻戦』に携われて）大変感慨深い」「（呪術廻戦に）どう寄り添えるかを考えながらOP楽曲を作った」と語りました。アニメ『呪術廻戦』のOP楽曲「廻廻奇譚」は、『呪術廻戦』のために特別に制作された楽曲だったのです。

OP楽曲名にある【廻（かい）】は「めぐり、まわること」、【奇譚（きたん）】は「不思議な物語」という意味があります。不思議な物語がまわること、それは「呪術師達が未知の敵（呪霊）と戦う日々の繰り返し」を意味すると考察することができるかもしれません。呪術師の戦いは人間が絶えない限り続くのです。歌詞の意味を考察すると面白さが倍増するので、とてもおすすめです。

『呪術廻戦』の第1クールOP映像のラストの方で、木漏れ日の下で虎杖と吉野順平が一緒に座っている描写がありますが、上述した通り、順平は真人によって魂と体の形を無理矢理改造されてしまい、死亡してしまいます。

アニメ『呪術廻戦』のOP映像では、順平を虎杖の横に座らせることで、もし彼が生きていたらという希望を見せてくれたのかもしれません。敢えて夢（OP映像）を見せてから、本当の地獄（本編での死）を観せるのは、果たして救済措置なのかは疑問ですが、『呪術廻戦』らしい措置だと言えるでしょう。

アニメ『呪術廻戦』を「面白くない」「つまらない」と言う人がいる一方、「面白い」「大好き」と言うファンも数多く存在します。上記では、面白くない・つまらない派の意見をたくさん紹介してきましたが、この項目では、面白い・大好き派（ファン）の意見にスポットライトを当て、アニメ『呪術廻戦』の魅力を追及します。あまり好きではない方も、魅力に気づけば、案外好きになるかもしれないので、是非ご覧ください。

全体的に大人向けで王道の少年漫画から外れているように見える漫画・アニメ『呪術廻戦』ですが、実は王道要素もそれなりに盛り込まれていることが証明されています。例えば、アニメ１話で、虎杖に心を動かされた伏黒恵が、虎杖を死なせたくないと本気でかばうシーンは友情を表しています。

後々分かることですが、伏黒はあまり人が好きではありません。その伏黒が人（虎杖）を死なせたくないと主張することは、出会ったばかりですが、非常に固い友情を感じさせます。やはりジャンプ漫画・アニメには友情は欠かせません。

アニメ『呪術廻戦』には個性的なキャラクターが数多く登場します。主人公の虎杖は元気でコミュ力が高い典型的な陽キャですが、驚異的な身体能力を持っている少年です。大人気キャラである五条悟（ごじょうさとる）は、イケメン・色素の薄い髪・碧眼・高身長・最強・自由人・教師など、属性てんこ盛りセットなので、人気が衰えることを知りません。

呪いと聞くとあまり身近に存在しないのではないかと思いがちですが、意外にも呪いは身近にあるものです。約束も遺言もある種の呪いですし、愛も他者を縛る呪いです。呪いと言うと響きは怖いかもしれません。しかし、全部の呪いが不吉なものではなく、自分の進むべき道を照らす光にもなります。

原作漫画『呪術廻戦』はアニメとはまた一味違う出来となっています。漫画版とアニメ版と混同されがちですが、全くの別物と捉える作者さんも少なくありません。そのため、アニメと漫画の両方を観てどちらも好きになる人もいれば、片方は良いけど…となる人もいるのです。

アニメ『呪術廻戦』は面白いという意見がやはり多いようです。内容だけでなく、BGMや声優の演技まで、評価する点はたくさんあります。つまらないと思うと観るのを断念してしまいますが、「面白い」とハマったら最後までずっと観続けてしまうでしょう。

アニメ『呪術廻戦』のバトルシーンは迫力満載です。呪術を使った呪術師や呪霊のバトルの数々は、思わず見入ってしまうほど、作画が神がかっています。まるで自分がその場にいるような臨場感が味わえるはずです。

この記事では、何故一部の視聴者からアニメ『呪術廻戦』が「ひどい」「面白くない」と言われるのかを調査し、その理由を解説しましたが、いかがでしたでしょうか？好き嫌いは人それぞれなので、全員が好きと言うアニメ作品は存在しません。ですが、『呪術廻戦』をもし好きになったら、作品にたくさん触れてみることをおすすめします。