【はじめの一歩】キース・ドラゴンは強運に恵まれた世界王者！戦績や鷹村戦を考察

森川ジョージによる日本の漫画作品「はじめの一歩」。いじめられっ子だった主人公の少年が、プロボクサーとの出会いをきっかけにボクシングジムに入門し、ボクサーとしての道を歩んでいく姿を描きます。

この記事では、はじめの一歩に登場するWBC世界スーパーミドル級チャンピオンのキース・ドラゴンを特集していきますが、まずは作品情報からお届けします。最初に作品概要、そして簡単なあらすじ紹介へと続きます。

はじめの一歩は、森川ジョージによる日本の漫画で、講談社の週刊少年マガジンにて1989年に登場以来30年以上にわたり連載されている作品です。原作者がボクシングジムのオーナーでもありプロボクサーとの交流があることから、登場するキャラクターにはプロボクサーたちのリアルな姿が反映されていると言われています。

はじめの一歩の単行本は、少年マガジンコミックスより現在134巻まで刊行され、累計発行部数は9600万部を超えています（2019年8月時点）。1991年には、第15回講談社漫画賞で少年部門賞を受賞しています。

また、メディアミックス展開としては、テレビアニメ（第3期まで）、アニメ映画「はじめの一歩 Champion Road」、ゲーム、舞台作品「リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!」などが制作されています。

同級生から酷いいじめを受けていた幕之内一歩。たまたま通りかかったプロボクサー・鷹村守に助けられます。けがの手当てのため鷹村に連れていかれた鴨川ジムで、一歩は厳しい練習に励むボクサーたちを目の当たりにします。その後、強くなりたい一心でジムへ入門した一歩は、鴨川会長直々の指導のもとライバルたちとの切磋琢磨を通して、ボクサーとしてまた1人の人間として成長していきます。

ここからは、この記事のメインテーマであるキース・ドラゴンの話題に移っていきます。最初はキース・ドラゴンのプロフィールからになります。

キース・ドラゴンは、後に鷹村守の挑戦を受けることになるWBC世界スーパーミドル級チャンピオンです。アメリカ国籍で身長187cm、ボクサーにとって重要なリーチはなんと200cmもあります。

サングラスをかけて髪はリーゼントスタイルと強さをアピールする宣伝用の写真が印象的です。詳しくは後述しますが、並外れた身体能力に加え強運に恵まれて世界チャンピオンになりました。

前人未到の6階級制覇を目指しキース・ドラゴンとの対戦を決めた鷹村守。それまでは圧倒的な強さを示してきた彼も、焦りから次第に弱気を見せ始めます。幕之内一歩に教えられた神社で願掛けをしたり、強運の持ち主キース・ドラゴンをも上回る幸運の女神を紹介してほしいと訴えたりします。

こうした鷹村の心境の変化は、なぜ起きたのでしょうか？それは、一説にはボクシングジムの鴨川会長が関係していると言われています。鴨川会長が重い病気を患い余命いくばくもないという噂が流れているようなのです。ボクサー人生にとって大一番の試合を控えて、さすがの鷹村も精神的に不安定になっているようです。これからお届けするキース・ドラゴンとの一戦の成り行きには目が離せないと言ってもいいでしょう。

ここからは、キース・ドラゴンの戦績や経歴について解説していきます。作中にて公開されているキース・ドラゴンの戦績は、25戦で24勝1分と負けなしなのです。アメリカでは選手層の厚いスーパーミドル級でチャンピオンになるくらいですから実力は確かなものと言えるのではないでしょうか？

キース・ドラゴンは、接近戦を得意とするインファイターのボクサーで、ベタ足で相手をＫＯします。上から振り下ろすヘブンズキャノンと下からアッパーを打ち込むグランドキャノンを得意としていますが、キース・ドラゴンの凄いところは相手に応じて臨機応変にパンチを変えることができるところと言われています。

左利きのキース・ドラゴンですが、ボクシングでは右利きの戦い方を基本スタイルとしており、強烈なジャブを正確にヒットさせて試合を有利に進めていきます。

キース・ドラゴンの強さはパンチや戦闘スタイルだけでなく、自分の運の強さを信じて強気な打ち合いを仕掛けていくところにもあります。運を天に任せてわざと相打ちを狙います。そして相手にだけダメージが及ぶようにするのです。普通に考えると無謀な戦法ですが、強運なキース・ドラゴンが得意とする戦術の1つです。

ここからは、はじめの一歩のキース・ドラゴンと鷹村守の戦いをネタバレで解説していきます。鷹村も世界チャンピオンですが、3階級制覇を目指しキースの持つ世界タイトルに挑戦します。

第一ラウンド開始のゴングが鳴りました。パワー・スピード共に強さがハイレベルで拮抗しているキースと鷹村。互いに一歩も引けを取らず、イーブンでラウンド終了を迎えます。

第一ラウンドで相手との間合いを掴んだ鷹村は、次第にギアを上げていきフルパワーでキースに立ち向かっていきます。ところが、キースの方は鷹村ほどの余力は残していなかったようで、たちまちのうちにパワーとスピードで差を付けられていきます。

試合前にビデオで鷹村の戦い方を研究していたキースですが、実際に対戦してみると鷹村がクラスを超えた骨格の持ち主であることに気づきます。鷹村の圧倒的なポテンシャルの前に、打つ手のないキースは追い詰められていきます。

試合は鷹村が優勢を保ったまま進んでいきます。ところが、そんな鷹村をアクシデントが襲います。足を滑らせて転倒してしまうのです。しかも、試合前に自動車事故で痛めた足をひねってしまい、フットワークに支障をきたすようになります。形勢は一気に逆転し、キースが優位に立ち始めます。

事前のビデオによる分析で鷹村が左のスウィングが不得手であることを見抜いていたキース。序盤は鷹村の圧倒的なパワーに押されて控えてきましたが、ここで一か八かの賭けに出ます。

パンチを繰り出すときに無防備になるのも恐れずに、左スイング主体の戦法に切り替えました。結果は吉と出ます。キースは鷹村に威力のあるパンチを浴びせていきました。

鷹村はキースの左スイングの洗礼を受け続け、戦いはキース優勢で続けられます。ところが土壇場に来て、鷹村はキースのパンチを打つタイミングを完全に読み切り、強烈な左カウンターを浴びせます。

ここで戦いの潮目が変わり、今度は鷹村が主導権を奪い返します。キースのパンチを見切った鷹村は強烈なカウンターをキースに決め、キースはあえなくリングに崩れ落ちました。鷹村はKOで強敵キース・ドラゴンに勝利したのです。

キースに勝利した鷹村は、WBAミドル級、WBCミドル級、WBCジュニアミドル級につづいてWBCスーパーミドル級王者の勲章を手に入れます。目標である6階級制覇の半分にあたる3階級制覇を成し遂げたのです。

それでは、鷹村に敗れたキース・ドラゴンはその後どうなったのでしょうか？はじめの一歩・最新話によると、鷹村に完敗したキースはそれまでの運の強さにも見放され、大好きな麻雀でも勝てなくなりました。

ただ、鷹村も語っているようにキースにはボクシングの確かなセンスと実力があり、今後再び王者に返り咲く道が残されているかもしれません。

ここからは、はじめの一歩にて激烈な戦いを演じたキース・ドラゴンと鷹村守の対比をネタバレでお届けします。

これまでも触れてきた通り、キースといえば真っ先に持ち前の運の強さが挙げられるでしょう。来日するときには台風の影響で飛行機の運航が見送られるかと誰しも考えたのですが、いざ出発当日になると台風は収まり飛行機は定刻通り飛び立ちました。

来日後には、麻雀好きなキースのために麻雀の日本王者との対戦が組まれます。ここでもキースの強運は健在で、麻雀日本王者のプライドを打ち砕くほど見事な勝利を手に入れます。最初にセットされた牌で上がってしまったり、国士無双を出したりと王者相手に完勝でした。

ギャンブルだけでなくボクシングにおいても強運に味方されるキース・ドラゴン。そんな彼の運の強さはいつ始まったのでしょうか？実はかつてこの上ない不運に見舞われ絶望するキースの姿がありました。両親が無差別発砲テロに遭い亡くなってしまったのです。キースは有り金全部ギャンブルに使ってから自殺しようと決めます。ところが、キースは面白いように賭けに勝ち続け、強運が彼の命を救いました。

キースの強運は、対戦相手である鷹村に不幸をもたらします。はじめの一歩の主人公・幕之内一歩は、恩人の鷹村に襲い掛かる災いに注意を喚起しますが、自動車事故は防げませんでした。道に飛び出した子どもが車に轢かれそうになったのを助けようとして足にけがを負ってしまいました。

ここで、はじめの一歩のキース・ドラゴンの趣味について触れておきます。強運の持ち主キース・ドラゴンの趣味は麻雀です。アメリカでは「摩天楼の魔王」との異名を持つほどの腕前で、ボクシング同様に負け知らずで通っていました。麻雀のプロと対戦できるということもあり、キースは鷹村と日本での対戦を希望していたと言われています。

はじめの一歩の作者・森川ジョージは、雑誌のインタビューに答えてボクシングと釣りと麻雀が好きだと語っています。仕事をしている時にも、麻雀や釣りの動画を再生しているそうです。

はじめの一歩では、主人公・幕之内一歩の実家が釣り船屋を営んでいます。実家をめぐる描写では趣味の釣りの知識が生かされています。麻雀についてはずっと出番がありませんでしたが、漫画130巻に至ってようやくキースというキャラを通じて描くことができました。

ここまではじめの一歩のキース・ドラゴン特集をお届けしてきましたが、最後にキース・ドラゴンに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するはじめの一歩のキース・ドラゴンに関する感想・評価は、麻雀好きなキースについてのツイートからです。麻雀をするキースの手の癖から左利きであることを見抜いた一歩。鴨川会長をも超えていると高く評価しています。実在の選手の名前を挙げているところから、かなりのボクシング通なのでしょうか？

続いて紹介するはじめの一歩のキース・ドラゴンに関する感想・評価は、キースの決め手である「ゴッドレフト」と「デーモンズライト」についてのツイートからです。こちらの投稿者も同じ技を持つ実在の選手名を挙げ、ボクシング通ぶりを披露していました。

最後に紹介するはじめの一歩のキース・ドラゴンに関する感想・評価は、今までに登場した鷹村の敵の中でキースが一番好きという方のツイートからです。ブライアンホークとは違い人として好感を持ったそうです。ほかにもキースが紳士的だと評価するツイートもありました。

ここまで、「はじめの一歩のキース・ドラゴンは強運に恵まれた世界王者！」と題して、彼のプロフィールから戦績や強さ、そして鷹村戦の模様や趣味の麻雀など幅広い話題をネタバレでお届けしてきました。いかがでしたでしょうか？

強運に支えられたボクサーとして登場するキース・ドラゴンですが、3階級制覇を賭けた鷹村に完敗を喫してしまいます。ただし、決して運だけで王者に昇りつめたわけではなく、その強さは鴨川ジムの幹部や鷹村自身も認めています。はじめの一歩の今後の展開で、再起し再び鷹村に挑戦状を送るキースの姿を見ることができるかも知れません。