【はじめの一歩】ユキはどんな女性？鴨川・猫田との関係やその後も考察

「はじめの一歩」の戦後編とは、原作コミックでは45巻から46巻（アニメでは第3期）にかけて描かれた番外編です。内容は、鴨川ボクシングジムの鴨川源二と、親友でライバルだった猫田銀八の若い頃のエピソードとなっており、1947年（昭和22年）の東京が舞台です。ここでは、鴨川源二と猫田銀八が関わることになるユキという女性について紹介していきます。

「はじめの一歩」は、作者・森川ジョージが週刊少年マガジンで連載中のボクシング漫画です。1989年から始まった漫画「はじめの一歩」のコミックは第129巻まで発売中です。アニメ放送が始まったのは2000年10月で、日本テレビ他で第1期・全76話が放送されました。その後、アニメは第2期「New Challenger」（2009年）、第3期「Rising」（2013年～2014年）が放送されました。

「はじめの一歩」は、ボクシングの試合を通して本当の強さとは？をテーマにボクシングに懸ける男たちの生き様やその後の人生が描かれている漫画です。作者の森川ジョージによると、「はじめの一歩」に登場するすべての人物が主人公だということです。そのため、主要人物である幕ノ内一歩をはじめ、他の人物たちについても詳しく描かれているのが特徴です。

幕ノ内一歩は、釣り船屋を営む母と暮らす高校生です。ある日、一歩は鷹村守というプロボクサーと出会い、ボクシングに心惹かれます。そして、鷹村守が所億する鴨川ボクシングジムに入った一歩は、ジムの会長・鴨川源二に才能を見出され、ボクサーとして訓練に励みます。物語はこの鴨川ボクシングジムを中心に、一歩とその仲間やライバルたちとの試合、交流などが描かれていきます。

ユキは「はじめの一歩」の戦後編で登場します。戦後編は「はじめの一歩」の作中で、鴨川源二と猫田銀八の青年時代のエピソードが描かれています。若き日の鴨川と猫田に関わったユキは美しく純粋な女性で、鴨川と猫田はユキさんと呼び、二人にとって憧れの存在でした。

「はじめの一歩」の戦後編に登場し、鴨川と猫田から「ユキさん」と呼ばれていたこの女性は、二人にとってどのような存在だったのでしょうか？ここから「はじめの一歩」の戦後編に登場する、ユキ、鴨川、猫田の3人の関係について見ていきます。

終戦から2年、終戦の混乱が続く東京で、鴨川源二と猫田銀八は原っぱにリングを作り、「拳闘」をして稼いでいました。拳闘にはアメリカ兵のアンダーソンも出場し、「ボクシング」で日本人を圧倒します。拳闘が終わるとアンダーソンはチョコレートなどを撒いていくのですが、その行いを鴨川たちは苦々しく思っています。そんな中で、ユキだけが拾わずにいるので声を掛けてみると、ユキは「日本人の誇りは捨てない」と言いました。

ある夜、鴨川と猫田は、ユキがアメリカ兵のアンダーソンに付きまとわれているところに遭遇します。助けようとアンダーソンに向かっていった鴨川たちですが、あっけなく倒されてしまいました。それでもユキを助けた鴨川と猫田は、帰る家がないというユキを連れて帰りました。こうして鴨川と猫田、そしてユキの共同生活が始まりました。

ユキを加えた3人の共同生活は順調に進み、ユキは彼らを癒してくれる存在となりました。しかし、ユキは深刻な秘密を抱えていました。戦争中、広島にいたユキは被爆し、原爆病を患っているのでした。死に至る病を抱えていても明るさを失わないユキ。鴨川はそんなユキを尊敬し、心惹かれるのでした。

ユキは、太陽の下で花を咲かせるひまわりが大好きだと語ったことがあります。敗戦の困難の中で日の光を浴びて真っ直ぐに立つひまわりは、病気に立ち向かうユキの芯の強さに通じると言われています。夏の終わり、下を向いてしまったひまわりを眺めて寂しげにしているユキに猫田が、「ユキさんには下を向いて欲しくない」という言葉を掛けています。

ユキは鴨川のことを好きになっていました。鴨川もそんなユキの想いに気づいており、鴨川自身もユキに好意を寄せています。しかし、鴨川は自分の想いを上手く伝えることができません。一方、猫田もユキのことを好きなのですが、猫田は自分の想いに正直に振舞います。猫田の言動に一定の理解を示す鴨川ですが、複雑な心境です。

猫田は以前からパンチドランカー（慢性外傷性脳症）の症状が出ており、日々重くなっていました。それでも猫田は日本人の誇りを示すために、ユキに言いよっていたアンダーソンと戦う決意をします。猫田がパンチドランカーであることに鴨川も気づいています。猫田は鴨川にアンダーソンとの試合を止められると考え、ユキに口止めをします。ユキは猫田の想いを受け留め、試合の直前まで誰にも言いませんでした。

猫田とアンダーソンの試合は、切れ味抜群の猫田のパンチにアンダーソンは劣勢に立たされています。このまま猫田が勝利すると思われた矢先、インターバルの時に猫田は眠ってしまいます。そして、とうとう恐れていたことが起こります。その後の試合で猫田は発作を起こしてしまいました。同時にアンダーソンの反則技・ラビットパンチをまともに受けてしまった猫田は、選手生命を断たれてしまいました。

猫田の仇を討つためにハードな訓練を行った鴨川に対して、アンダーソンも猫田との試合後、より一層力を付けていました。体格、技術共に大きな差があるアンダーソンとの試合に苦戦する鴨川。諦めかけたその時、猫田とユキが現れました。猫田のアドバイスを受けて力を振り絞ってアンダーソンにパンチを繰り出しました。結果、アンダーソンのろっ骨は砕かれましたが、鴨川も拳に再起不能のケガを負い、選手生命を絶たれたのでした。

ここまで「はじめの一歩」の戦後編で、ユキ・猫田・鴨川の3人の関係を見てきました。鴨川と猫田は死闘の末に拳闘を辞めることになってしまいました。ここでは、ユキ・猫田・鴨川のその後について見ていきます。

アンダーソンとの死闘で拳闘のできない体になった猫田は故郷で療養することになりました。ユキは猫田と共に行くことを決意します。しかし、ユキの鴨川への想いを知っている猫田は鴨川と話したほうがいいと、ユキに言いました。猫田の言葉を受け、ユキは鴨川に想いを伝えようとしますが、猫田の想いに気づいている鴨川はユキを突き放します。

鴨川は、猫田のために一緒に故郷へ行ってやって欲しいとユキに告げます。そして、ユキに拳闘の魅力を語り、自分が愛するのは拳闘だけだと言いました。さらに、鴨川は拳闘に一生を捧げるつもりだと宣言し、これからは多くの人々に拳闘を伝えていきたいと語りました。鴨川の想いを受け留めたユキは猫田に寄り添い、一緒に故郷へと旅立っていきました。

鴨川はジムから鷹村守という世界王者が誕生したことをユキに報告するために、ジムの弟子たちを連れて猫田の家を訪れました。ユキはすでに亡くなっており、鴨川はユキの仏壇の前で手を合わせます。そして「自分は世界王者を育てたのではなく、世界王者のいるジムの会長にしてもらった」とユキの遺影に語り掛けました。

幕ノ内一歩もユキの仏壇に手を合わせます。その様子を見ていた猫田は、「この男こそ、鴨川の拳を受け継いだ男」だと、遺影の中で微笑むユキに伝えました。一歩こそが鴨川が育て上げた真の後継者だったということです。

アニメ「はじめの一歩 Rising」を観終わっての感想です。戦後編ではユキさんと鴨川ボクシングジム会長の鴨川源二と、その親友だった猫田銀八の青年時代のエピソードが描かれています。この戦後編での3人のエピソードが深く心に刺さったという感想です。

「はじめの一歩」の戦後編について、鴨川と猫田の友情関係や、二人にユキさんと呼ばれている女性との関係も良いという感想です。ユキに生涯拳闘宣言をし、その意思をずっと持ち続けた鴨川会長に感動し、泣きそうになったという感想です。

「はじめの一歩」の戦後編に登場するユキが美しく、鴨川と猫田が好きになるのは当然で、3人のエピソードも泣けるという感想です。漫画「はじめの一歩」はアニメ化され、戦後編も放送されていますが、まさに戦後編は、アニメ化して欲しいと思うエピソードだったという感想です。

いかがでしたか？「はじめの一歩」の戦後編に登場するユキについて紹介してきました。ユキは青年時代の鴨川と猫田にユキさんと呼ばれ、憧れの存在でした。ユキは猫田と共に鴨川の元を去っていき、鴨川はユキに宣言した通りに生涯をボクシングに捧げています。そんな3人のエピソードが泣けるという感想も寄せられている「はじめの一歩」の戦後編を、どうぞお楽しみください。