【BEASTARS】ビースターズの意味とは？肉食動物と草食動物の関係からタイトルを考察

この記事では、漫画『ビースターズ（BEASTARS）』のタイトルにもなっている「ビースターズ」の意味が、一体どのようなもの（者）を指すのか分かりやすく考察します。現実世界でも国や人種で差別や虐げがあるように、『ビースターズ』の世界に暮らす動物達も、種族によって様々な差別や被害に遭っているのです。

『ビースターズ』の世界観は現実世界に繋っており、まるで人間界の縮図を見ているような気分になるでしょう。下記では、物語に大きく絡んでくる「ビースターズ」という言葉の意味をネタバレと共に考察し、作品の見どころも解説します。

『ビースターズ』の舞台は全寮制の学校チェリートン学園です。『ビースターズ』の登場人物は擬人化された動物で、たくさんの種族が漫画・アニメ内に登場します。この世界では、肉食動物が草食動物を食することが禁じられています。しかし、草食動物のアルパカのテムが、何者（肉食動物）かに殺害され、食べられたという事件が起こり、『ビースターズ』の物語は始まるのです。

主人公のハイイロオオカミのレゴシは、友達だったテムを殺した犯人は誰だったのか、分からないまま、肉食動物としての葛藤に悩み続ける日々を送ります。『ビースターズ』の漫画・アニメの世界観は、肉食動物と草食動物の関係性がポイントになるので、この記事でも度々取り上げ、考察します。

『ビースターズ』の作者は板垣巴留（いたがき ぱる）さんという漫画家さんです。性別は女性。生年月日は1993年（平成5年）9月9日、東京都出身。利き腕は左利き。父親の板垣恵介さんも漫画家です。活動期間は2016年からで、後に『ビースターズ』を連載する「週刊少年チャンピオン」での漫画掲載でした。

そして、同じく2016年、9月8日に発売された「週刊少年チャンピオン」41号から、初の連載作品となる『ビースターズ』の連載がスタートします。多くの人々が集まる場に招かれた際、例えば第11回マンガ大賞の授賞式などは、顔出しをしないように、『ビースターズ』の登場キャラ・雌鶏「レゴム」の被り物で顔を隠して登場するユニークな面もあります。

この項目では、『ビースターズ』の物語を知らない方も知っている方も、より深く『ビースターズ』の世界に入り込めるように、漫画タイトルの意味を考察します。『ビースターズ』のタイトルにある「ビースター」とは、一体何を意味するのかを考察すると共に、独特の世界観を持つ『ビースターズ』の作品ジャンルについても考察を行うので、是非ご覧ください！

漫画のタイトルにもなっている『ビースターズ（BEASTARS）』は、元々英語の“beast（獣）”から来ていると考察できます。『ビースターズ』は「ズ」が付いているため、複数形だと考察できますが、元となった英語の“beast”の複数形は“beasts（ビースツ）”です。そのため、『ビースターズ』は造語であることが分かります。

作中で「ビースター」が何なのか、語っていたキャラクターとしては、アカシカのルイやハイイロオオカミのジュノなどが挙げられます。1巻を読むと、「ビースター」は恐怖・差別を超えたヒーロー的ポジションのように書いてあるため、世界を牛耳る地位こそが「ビースター」だと考察できるでしょう。ルイとジュノは自分が「ビースター」になることを意気込んでいました。

現役の壮獣ビースター（一番偉いビースター）であるヤフヤは、異種属間（例：肉食動物と草食動物）の恋愛を許さない者であるため、トップ(ヤフヤ＝壮獣ビースター)が変われば、異種属同士の恋愛観も変わると考察できるでしょう。

『ビースターズ』のジャンルは漫画タイトル通り、獣（ケモノ）を扱う動物擬人化ものです。タイトルに「ビースト」を連想させる言葉が入っているため、ケモナーのファン層も多いようです。漫画のタイトルは本当に重要です。ケモノに萌えを覚える方であれば、必ず一度は観ておきたい作品だと言えるでしょう。

登場する動物キャラクラターの1匹ずつに特別な個性があるので、モブキャラのような目立たないキャラがいないことも特徴的です。各動物キャラが有する個性がストーリーの端々で活きる群像劇だと言えるでしょう。『ビースターズ』はケモノ系作品であるだけでなく、学園ものとしてもジャンル分けがされています。

主人公・レゴシを始めとした、学生キャラクター達は思春期によくある悩みを持っており、それに苦しんだり、もがいたりする様子を見せています。ハイイロオオカミのレゴシと、ヒロインのハル（ネザーランドドワーフ種のウサギ）の異種属間の「恋愛」も是非見守りたいポイントです。つまり、『ビースターズ』のジャンルは主に「ケモノ」「学園」「恋愛」で、様々な方の萌えポイントに刺さる構築となっています。

肉食動物が草食動物と恋愛することは、『ビースターズ』の世界でも珍しいようです。主人公のハイイロオオカミ・レゴシは、ウサギのハルに恋をしますが、肉食動物と草食動物である2人の恋愛が成就するのかが注目ポイントだと言えるでしょう。全く恋愛経験が無いレゴシと、自分を守るために身を捧げてきたハルは、正反対の存在でした。

食べる側（肉食）と食べられる側（草食）という区別、異種属の恋愛に対する好奇の眼差しなど、2人の間には分厚い壁があるようです。障壁を乗り越えられるのかも、大きな見どころの1つだと言えます。
 

『ビースターズ』には推理漫画のような謎解き要素もありますが、漫画・アニメを観返してもヒントがそこら中に落ちているわけでもありません。ですが、物語序盤で食殺事件の犠牲者となったアルパカのテムを殺害した犯人は、主人公・レゴシや仲間達の周囲に溶け込んでいます。

そして、毎日平気そうな顔をして生きているのです。犯人は一体どのような動物なのか、それを知るためには『ビースターズ』の中盤まで読む必要があるため、漫画を読むモチベーションの維持にも繋がります。

『ビースターズ』のタイトルにもある「ビースター」になるのは一体誰なのか、そこも『ビースターズ』で是非注目したいポイントだと言えるでしょう。上述した通り、「ビースター」とは動物達の中でも、特に憧れを集めるヒーロー的な存在で、そのポジションを手に入れて世界を変えることはストーリーを大きく動かすことだと思われます。むしろ、物語の最終目標・ゴールと言っても良いくらいです。

『ビースターズ』はとても人気を得ている漫画作品ですが、おそらく苦手だと感じる方もある程度存在すると思われます。例えば、漫画のタイトルや表紙をパッと見てもどのような話なのかが伝わりにくい、少女漫画のような画風で恋愛要素があるけれど王道的展開には進まないなど、萌えと結びつけられない読者・視聴者もいるようです。

萌えを感じる場合もありますが、『ビースターズ』はメッセージ性の強い作品なので、作者は一体読者に何を伝えたいのか、漫画の内容を深読みして、意味を考察する癖のある人は、とても楽しめる作品だと言えるでしょう。また、例え「苦手かも…」と思っても案外スラスラと読める（観れる）作品でもあるので、いつの間にか好きになっていた方も少なくありません。

漫画版の『ビースターズ』は繊細な心理描写を観ることができるので、魅力的だと言えるでしょう。キャラクターの思ったことをより深く知ることができるため、ストーリーの端々まで楽しむことができますし、『ビースターズ』の世界観がもっと豊かに感じられるでしょう。各エピソードが終わる時、詩的な雰囲気になり、余韻を残すところも特徴だと言えます。

漫画は繊細で少女漫画的ですが、アニメにはあまりそういった要素がありません。動物の本能を解放して戦うシーンは、アニメならではの迫力を誇っており、かなりの見応えがあります。レゴシの戦う姿の勇ましさはアニメの方が輝いているかもしれません。しかし、尺の問題でエピソードや描写がカットされていることもあるため、もっと深くキャラの心理描写などが知りたい方は、漫画を合わせて読むこともおすすめします。

この項目では、『ビースターズ』のあらすじをネタバレしながら紹介します。一体どのようにストーリーが進み、主人公であるハイイロオオカミのレゴシがどのような道を辿ったのか、ネタバレが気になる方も多いはずです。そして、『ビースターズ』の物語の序盤で起きたアルパカのテムを食殺した事件の犯人も誰だったのか、ネタバレ込みでお届けします。

『ビースターズ』の世界では、肉食動物と草食動物の共存が掲げられていますが、肉食動物が草食動物を殺害して食べる食殺事件もあります。レゴシと共に劇団に所属していたアルパカのテムを殺害し、食した犯人がシロクマのリズであることが判明しました。

優しい性格に見えたリズでしたが、凶暴な本能を持ち合わせており、それをレゴシにも向け、戦いを望みます。本来ならば警察にリズを受け渡せば済むことなのですが、レゴシは怒りを抑えることができず、直球勝負に挑みました。しかし、リズの怪力に圧倒され、レゴシは敗北のピンチに陥ります。

チェリートン学園から身を消し、裏社会を牛耳るシシ組のボスであるアカシカのルイは、レゴシを救うために今の地位を捨てることを決意しました。ルイは食肉文化のある裏社会で、肉食動物のライオンと共に行動し、彼らから厚い信頼を得ていました。そのライオン（シシ組）との信頼関係とレゴシとの友情を比較し、どちらが大切なのか、決して選べないとルイは思っています。

しかし、ルイの味方であるライオンのイブキは、シシ組にとってはルイがいた方がメリットがありますが、世界または未来のことを考えると、表社会にルイの存在を知らしめ、活躍させる方が断然良い、と感じざるを得なかったのかもしれません。

リズ相手に苦戦を強いられたレゴシの前に、ルイが駆けつけます。ルイは生餌の証として刻印された「4」の字がある足を差し出し、自分の足を食べるようにレゴシに命じました。これは同意の上の補食で、強い友情を表しており、リズを倒すことを目的とした補食なのです。

レゴシとルイの間には確固たる友情があります。レゴシは同意の上で、ルイの呪われた片足を補食しました。一方的な思い込みでテムを食べ、友情と思い込んだリズは、真の友情を抱いて戦うレゴシに勝てるわけもなく、徹底的に敗北し、警察に捕まるのでした。

レゴシは食殺事件に関する戦いによって、チェリートン学園を退学になります。その後、物語の主な舞台はコーポ伏獣になりました。今まで過ごしてきた学園は、非常に狭い世界で、草食動物との接し方も外の世界とは違います。

食殺事件の多い外の世界へ出てきたレゴシでしたが、彼は草食動物を心から愛することができる肉食動物で、時に異端者と認識されるかもしれません。草食動物の味も知りながら、恋愛感情も有する異端者中の異端者です。草食動物を助けたいレゴシは、世界を変えるために未知の世界へ踏み込みます。
 

『ビースターズ』の作中で、昆虫は動物として認識されていません。またはタンパク質として昆虫を食べることもあります。また、海洋生物である魚は言葉が通じません。肉食動物は魚を食べる時もあります。そこで、登場するのが海と陸上のハーフであるゴマフアザラシのサグワンです。

エセ外国人のような台詞を発するサグワンは、海洋生物についてレゴシに色々とレクチャーします。レゴシは、肉食動物・草食動物・海洋生物・昆虫という各々の世界を繋ぐ、または壁を越境する存在に成長していくのかもしれません。

レゴシは礼儀正しいかと思ったら、意外にも破天荒だったりと、意外性に溢れています。その他にも、とても優しい性格なのに、自己中心的で一方的なところがあったり、相反する面がどこか魅力的で、『ビースターズ』の矛盾した世界観を表しているように思われます。

レゴシは正義感溢れる漢の中の漢です。恋愛などに戸惑って、不安を感じて少しモジモジするところもありますが、表立ってそれを出すことがありません。特にハルを守る姿や友情を貫く姿がかっこいいです。

『ビースターズ』には様々なキャラクターが登場します。それぞれの動物は大きさも違えば、種族も違い、草食動物・肉食動物など、区別もされています。その多種多様なキャラが織り成す関係性が様々な萌えを生み出すのです。

この記事では、『ビースターズ』の漫画タイトルの意味を考察し、見どころや面白い魅力などを紹介しましたがいかがでしたでしょうか？『ビースターズ』は漫画もアニメもそれぞれ魅力的な面があるため、できるだけどちらも観ることをおすすめします！